MVRDVによる、ドイツ・ハノーバーの複合施設「Expo Pavilion 2.0」。2000年の万博の為に自身が設計したオランダ館を改修。“積み重ねられた風景”のコンセプトはそのままに、オフィス等の労働空間と飲食店等に更新。周りは約400戸の学生の為の集合住宅等で囲まれる
MVRDVによる、ドイツ・ハノーバーの複合施設「Expo Pavilion 2.0」。2000年の万博の為に自身が設計したオランダ館を改修。“積み重ねられた風景”のコンセプトはそのままに、オフィス等の労働空間と飲食店等に更新。周りは約400戸の学生の為の集合住宅等で囲まれる image©iLive Expo Campus
MVRDVによる、ドイツ・ハノーバーの複合施設「Expo Pavilion 2.0」。2000年の万博の為に自身が設計したオランダ館を改修。“積み重ねられた風景”のコンセプトはそのままに、オフィス等の労働空間と飲食店等に更新。周りは約400戸の学生の為の集合住宅等で囲まれる image©iLive Expo Campus
MVRDVによる、ドイツ・ハノーバーの複合施設「Expo Pavilion 2.0」。2000年の万博の為に自身が設計したオランダ館を改修。“積み重ねられた風景”のコンセプトはそのままに、オフィス等の労働空間と飲食店等に更新。周りは約400戸の学生の為の集合住宅等で囲まれる image©iLive Expo Campus
MVRDVによる、ドイツ・ハノーバーの複合施設「Expo Pavilion 2.0」。2000年の万博の為に自身が設計したオランダ館を改修。“積み重ねられた風景”のコンセプトはそのままに、オフィス等の労働空間と飲食店等に更新。周りは約400戸の学生の為の集合住宅等で囲まれる image©MVRDV

MVRDVによる、ドイツ・ハノーバーの複合施設「Expo Pavilion 2.0」です。
2000年の万博の為に自身が設計したオランダ館を改修増築する計画です。建築家は、“積み重ねられた風景”のコンセプトはそのままに、オフィス等の労働空間と飲食店等に更新します。また、周りは約400戸の学生の為の集合住宅等で囲まれます。2025年の竣工を予定しています。また、こちらのページにて竣工時の写真を多数閲覧可能です。

こちらはリリーステキストの翻訳です

EXPOキャンパスで建設開始: MVRDVの「エキスポ2000」パヴィリオンが、386戸の学生向けアパートメントを擁するキャンパスの中心になる

5月11日(木)、ハノーバー市長のベリット・オネイが新EXPOキャンパスの礎石を築き、オランダの遺産である2000年万博のオランダ館の再生が正式にスタートしました。現在、その必要不可欠な構造体に解体され、パヴィリオンは、オフィスやレストランを備えた複合施設に生まれ変わり、さらに2棟の新しい建物が加わり、386戸の学生アパートとさまざまな共有施設を含むカラフルな現代的キャンパスが完成します。キャンパスの完成は2025年の予定です。

竣工から20年以上経った自らの建物を生まれ変わらせることができるのは、建築家にとって貴重な機会です。ハノーファーの万国博覧会の為に、2000年にMVRDVが設計したパヴィリオンは、オランダの風景を積み重ねたもので、多くの人の記憶に刻まれています。開館数日後にオランダのベアトリクス女王が訪問し、3ヶ月あまりで280万人が訪れるというパブリックヒットとなりました。このパビリオンには、解放的なメッセージが込められていました。人工的に作られた垂直な自然もまた美しく、空間の不足、気候変動、窒素汚染、食糧不足など、年々緊急性を増している問題の解決策の一部となり得るというものです。

当初は100日しか稼働しない予定でしたが、パヴィリオンは残り、数十年の間にさまざまな再利用のヴィジョンが描かれました。しかし、残念ながら荒廃を防ぐことはできませんでした。廃墟となったパヴィリオンも、その美しさと頑丈さは健在でした。3階の木々は成長し続け、パヴィリオンは構造的に健全であり、多くの建築家がフェンスに穴を開けて違法に訪れていました。2020年になると、都市の発展や大学の近接性から、ようやく健全なビジネスケースを構築できるようになりました。ハノーファー市のために構造物を保存しようとする自治体の努力と、iLive社とDie Wohnkompanie Nord社の開発パートナーシップによる9000万ユーロの投資により、EXPOキャンパスを作ることができるようになったのです。

MVRDVの設計では、パヴィリオンはスタートアップから中堅企業まで対応できるオフィス、フレキシブルなコワーキングスペース、レストランを備えた複合施設に生まれ変わります。「積み重ねられた風景」というコンセプトはデザインの原点として残されており、低層階の元の構造も残されています。既存の構造物を変えることで、新築よりも二酸化炭素の排出量を減らすことができます。この事実は、ドイツ・サステイナブル建築協会が、サステイナブルな都市地区を認定するゴールドプリサーティフィケートを授与する決定に役立ちました。

新しい建物は、パビリオンを囲むように配置された花輪状の2つの建物で、いずれも階段状の屋根を持ち、カラフルなテラスからモニュメントを見下ろすことができます。それぞれのテラスには、庭やスポーツ施設、野外映画館など、それぞれの独自の色やプログラムがあります。大きい方の建物は最大9階建てで、386戸の学生用ワンルームマンションが入る予定です。2棟目は6階建てで、モビリティハブとして、従来の駐車場だけでなく、シェアカー用のスペース、電気充電ステーション、自転車置き場などを提供し、持続可能な移動手段を促進します。

MVRDVの設立パートナーであるヤコブ・ファン・ライス言います。
「2000年の万博のテーマは『オランダは空間を創造する』で、私たちはまさにその通り、オランダの典型的な風景を40メートルもの高さに積み上げ、パビリオンの周りに大きな野生の庭を作り上げました」
「このアプローチは、今、私たちに有利に働いています。パヴィリオンの周辺にはまだ開発可能なスペースがあるため、パヴィリオンを中心に本物のキャンパスを作り、建物に新しい息吹を吹き込むことができるのです。一部木の幹で支えられたオープンな構造体を、機能的な複合施設にするのは簡単なことではありません。自治体もデベロッパーも、この特異なモザイクのようなプロジェクトを長く信じ続けていることは素晴らしいことです。学生、講師、そしてそこで働くすべての人が、国際的に大きな影響力を持つこのパビリオンの眺めを楽しむ日も近いと確信しています。万博の雰囲気は、新キャンパスに深く刻み込まれているのです」

ヴォ・チョン・ギアによる講演「東南アジアの都市、環境、建築」の動画。2023年3月に国際文化会館の主催で行われたもの(日本語字幕付)

ベトナムを拠点とする建築家のヴォ・チョン・ギアによる講演「東南アジアの都市、環境、建築」の動画。2023年3月に国際文化会館の主催で行われたものです。日本語字幕付です。

世界の都市は、温暖化によって上昇する温度に対応しつつ、エネルギー効率の高い建物を必要としています。そのような中、亜熱帯気候のベトナムをはじめとする東南アジアの都市が直面している問題をどのように建築によって解決できるのかを知ることは他地域の人にとっても重要ではないでしょうか。ベトナムで現在最も知られる建築家であるヴォ氏は、ベトナム戦争を経た地域のご出身で過酷な気候の中、子ども時代の生活を送られた経験をもとに、それぞれの気候にあった建築や竹などを多用した環境に配慮した作品を数々つくられています。ヴォ氏に、作品の背景にあるお考えと同時に、メンタルヘルスを重視した働き方など示唆に富むお話をいただきました。

ヴォ・チョン・ギア(建築家)
1976年にベトナムで生まれたヴォ氏は、東京大学で建築学を学ぶ。ヴォ氏は博士課程の途中でベトナムに戻り、2006年にVTNアーキテクツを設立。その後、早稲田大学にて博士号を取得。以来、VTNアーキテクツは、グリーン&バンブー建築のパイオニアとして、152の国際的な賞を受賞し、世界をリードする建築事務所となりました。中でも2016年にオランダのThe Prince Claus Awardとして多くの賞を受賞しています。世界経済フォーラムが2014年にヤンググローバルリーダーとしてヴォ博士を選出。ARCASIAから7回ゴールドメダルを受賞。

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