トラフ建築設計事務所による、京都・下京区の、宝飾店「Hirotaka 京都高島屋店」。モノトーンの共用部に囲まれた長細い区画。色鮮やかな“青錆加工”の銅板を主要素材とし、“白い樹脂系の塗り床”で浮かび上がらせる空間を考案。銅板の素地の茶色と緑青のバランスで“独特な表情”も作り出す
トラフ建築設計事務所による、京都・下京区の、宝飾店「Hirotaka 京都高島屋店」。モノトーンの共用部に囲まれた長細い区画。色鮮やかな“青錆加工”の銅板を主要素材とし、“白い樹脂系の塗り床”で浮かび上がらせる空間を考案。銅板の素地の茶色と緑青のバランスで“独特な表情”も作り出す共有部から店内を見る。 photo©太田拓実
トラフ建築設計事務所による、京都・下京区の、宝飾店「Hirotaka 京都高島屋店」。モノトーンの共用部に囲まれた長細い区画。色鮮やかな“青錆加工”の銅板を主要素材とし、“白い樹脂系の塗り床”で浮かび上がらせる空間を考案。銅板の素地の茶色と緑青のバランスで“独特な表情”も作り出す共有部から店内を見る。 photo©太田拓実
トラフ建築設計事務所による、京都・下京区の、宝飾店「Hirotaka 京都高島屋店」。モノトーンの共用部に囲まれた長細い区画。色鮮やかな“青錆加工”の銅板を主要素材とし、“白い樹脂系の塗り床”で浮かび上がらせる空間を考案。銅板の素地の茶色と緑青のバランスで“独特な表情”も作り出す売り場 photo©太田拓実

トラフ建築設計事務所が設計した、京都・下京区の、宝飾店「Hirotaka 京都高島屋店」です。
モノトーンの共用部に囲まれた長細い区画での計画です。建築家は、色鮮やかな“青錆加工”の銅板を主要素材とし、“白い樹脂系の塗り床”で浮かび上がらせる空間を考案しました。また、銅板の素地の茶色と緑青のバランスで“独特な表情”を作り出す事も意図されました。店舗の公式ページはこちら

ジュエリーブランド「Hirotaka(ヒロタカ)」の京都高島屋の内装計画。
共有部のエスカレーターに隣接する、島状の14m×3.5mの長細い区画が計画地となった。

建築家によるテキストより

店舗奥正面に、幅3mにわたる銅板に青錆加工を施した、鮮やかでダイナミックな壁面を設えた。通路側に面したコーナー部と、POSカウンター側面などに、同様の加工を施した銅板を配置。一般的な緑青加工を採用するのではなく、銅板素地の茶色と緑青が発生している箇所のバランスをとり、何度もサンプルを作成し試行錯誤しながら設計した。

建築家によるテキストより

白いエポキシ樹脂系の塗り床とすることで、ギャラリーを思わせる艶やかさを持たせ、店内をより明るく見せながら、銅板を浮かび上がらせた。中央什器にも銅板を配置し、ガラスケースはランダムに高低差をつけ、ディスプレイにリズムを与える。什器の脚は二本柱で支え、浮遊するように演出している。

店舗奥壁面上部の天井を折り上げ、区画端まで直線の間接照明を仕込み、銅板と壁面を照らす。POSカウンターの上のペンダントライトは店舗内の銅板とトーンを合わせ、銅板を円盤状にカットし折り曲げたようなデザインを採用した。ファサードは幅4mのグレーのガラスで共有部と区画内とを緩やかに仕切っている。

建築家によるテキストより
早坂直貴+斧田裕太 / 邸宅巣箱による、神奈川・葉山町の住宅「ポジティブ・イミテーション」。海沿いの別荘地に計画。イミテーション肯定での“豊かな建築体験”の創出を意識し、眺望確保の為の“仮想の崖”の上に“大開口の平家”を載せる構成を考案。模造品を“現代技術の結晶”として捉え“美点”を見出す
早坂直貴+斧田裕太 / 邸宅巣箱による、神奈川・葉山町の住宅「ポジティブ・イミテーション」。海沿いの別荘地に計画。イミテーション肯定での“豊かな建築体験”の創出を意識し、眺望確保の為の“仮想の崖”の上に“大開口の平家”を載せる構成を考案。模造品を“現代技術の結晶”として捉え“美点”を見出す外観 photo©長谷川健太
早坂直貴+斧田裕太 / 邸宅巣箱による、神奈川・葉山町の住宅「ポジティブ・イミテーション」。海沿いの別荘地に計画。イミテーション肯定での“豊かな建築体験”の創出を意識し、眺望確保の為の“仮想の崖”の上に“大開口の平家”を載せる構成を考案。模造品を“現代技術の結晶”として捉え“美点”を見出す1階、ガレージからエントリーと出入口のドアを見る。 photo©長谷川健太
早坂直貴+斧田裕太 / 邸宅巣箱による、神奈川・葉山町の住宅「ポジティブ・イミテーション」。海沿いの別荘地に計画。イミテーション肯定での“豊かな建築体験”の創出を意識し、眺望確保の為の“仮想の崖”の上に“大開口の平家”を載せる構成を考案。模造品を“現代技術の結晶”として捉え“美点”を見出す2階、ダイニングからリビングを見る。 photo©長谷川健太
早坂直貴+斧田裕太 / 邸宅巣箱による、神奈川・葉山町の住宅「ポジティブ・イミテーション」。海沿いの別荘地に計画。イミテーション肯定での“豊かな建築体験”の創出を意識し、眺望確保の為の“仮想の崖”の上に“大開口の平家”を載せる構成を考案。模造品を“現代技術の結晶”として捉え“美点”を見出す2階、キッチンからダイニング越しに景色を見る。 photo©長谷川健太

早坂直貴+斧田裕太 / 邸宅巣箱が設計した、神奈川・葉山町の住宅「ポジティブ・イミテーション」です。
海沿いの別荘地に計画されました。建築家は、イミテーション肯定での“豊かな建築体験”の創出を意識し、眺望確保の為の“仮想の崖”の上に“大開口の平家”を載せる構成を考案しました。また、模造品を“現代技術の結晶”として捉え“美点”を見出す事が意図されました。

我々はオーセンティックなことこそ正義であると疑いを持たない。
天然であることを称賛し、イミテーションを忌み嫌う。しかし類い稀なクオリティでつくられた模造品をみるとき、その背後にある高い技術力、製造者の企業努力が透けてみえて、むしろ感動することはないだろうか。
本物こそ美しいと感ずるべきだという正義感に反する感覚。その感覚に蓋をするのでなく、イミテーションを潔く肯定することで可能性を開き、いっそう豊かな建築体験を生み出すことができないかと日頃から考えていた。本作はその実践の一である。

建築家によるテキストより

敷地は初夏にオープンカーでドライブをするのにぴったりの海岸通りに位置する。その絶景を求めて海沿いに別荘が連なっているわけだが、それぞれのオーナーが思い描く別荘らしさは、北欧風、西欧風、和風とまちまちで、有象無象の建物が建ち並ぶ異様な風景に、逆説的な面白さがある。これほどイミテーションが自然発生している場所はないだろう。そのイミテーションの連なりの一端に、これを肯定する建築を試みたのである。

建築家によるテキストより

具体的な建築の構成に話を移そう。この敷地の絶対的価値は景色であるので、リビングからどれだけダイナミックなオーシャンビューを獲得できるか、ということが最重要命題であった。しかし問題は、致命的な高さに太い電線が走り、標準的な階高で2階建て住宅を建ててしまうと、その電線で海へと抜ける視線が遮られることだった。

そこでこの電線と同じ高さまで仮想の崖ボリュームを立ち上げて、その上に大開口の平家を載せるという構成とし、まるで崖上から眼下に海を見渡す体験を再現することを目指した。

建築家によるテキストより

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