宮部浩幸+清水均 / SPEACが設計した、東京・中央区の改修「兜町第7平和ビル」です。
既存ビルの地上階の一部を改修して“オープンスペース”にする計画です。建築家は、人々が滞留する場の創出での、街とビルの居心地と存在感の向上を志向しました。また、“街の文脈との連続性”も意図してエリアの歴史や痕跡を設計に参照しています。施設の場所はこちら(Google Map)。
東京の日本橋兜町にある8階建ての元銀行事務所ビルの部分リノベーション。
街かどに人々が滞留する場所を作り、街とビル双方の居心地と存在感を向上させた。ビル1階の一部を街路と連続したオープンスペースへと変えている。カーテンウォールの一部を改造し、銀行ロビーだった吹抜け空間を半屋外化、ベンチやカウンター、植栽を設えた。
街の空間との連続性を作った狙いは、周辺の屋外滞留空間との相乗効果で街の居心地をよくすることだった。隣接するオフィスビルの足元に展開する滞留空間との連続性を意識して、2辺の道路に沿ってオープンスペースを設けた。敷地を超えて広がる滞留空間に佇む人たちが、新しい兜町の風景となった。
さらに、兜町を時間の奥行きを蓄えた街として使い続けるために、街の文脈との連続性を大切にしながら空間を作った。
我々は兜町の歴史を遡り、エピソードや素材を収集した。兜町では成長や発展への願いを込め、建築に植物モチーフを用いてきた。このビルにも植物柄の手摺金物があり、我々はこれを転用した。今回の床仕上では、既存床の御影石を砕き、花のように並べた。