安藤忠雄が設計して、熊本県に寄贈した「こども本の森 熊本」が、2024年4月8日に開館
安藤忠雄が設計して、熊本県に寄贈した「こども本の森 熊本」が、2024年4月8日に開館
安藤忠雄が設計して、熊本県に寄贈した「こども本の森 熊本」が、2024年4月8日に開館

安藤忠雄が設計して、熊本県に寄贈した「こども本の森 熊本」が、2024年4月8日に開館します。
「こども本の森」は、活字離れが進む子どもたちに、本の楽しさ、豊かさを知ってもらおうと始まったプロジェクトで、現在全国に三ヶ所あり、熊本県の本施設は四ヶ所目となり、また九州エリアで初めて設置された施設です。施設の公式サイトはこちら

こちらは、安藤によるメッセージです。

安藤忠雄によるメッセージ

「こども本の森」は、活字離れが進む子どもたちに、本の楽しさ、豊かさを知ってもらおうと始まったプロジェクトです。コンセプトは官民一体で取り組む、今を生きる大人から未来を担う子どもたちへの贈り物です。

 建物を計画する上でいつも大切に考えているのは、子どもたちが「自由」を感じられる場所に、という点です。どんな本を選んでも、どこで読んでもいい。外に持って出ても構わない。「敷地全体が閲覧室」のイメージです。管理の問題など考えると難しい所もありますが、その点、熊本は、県立図書館との一体的な運営が可能な立地で、かつ隣には美しい自然公園が広がるという好条件。とても理想的な形で「自由」を表現することが出来ました。「熊本から世界へと羽ばたく子どもを育てたい。」プロジェクトに関わったすべての人が、この想いを共有していたからこそ、実現したのだと思っています。

 人間は、刺激的な出会いを求めて旅に出ますが、ページをめくるほどに新しい世界が広がる、本もまた心の旅です。そこで得る感動は、常識にとらわれることなく、自分の頭で考え行動できるというような、「生きていく力」の肥やしとなるものです。施設を訪れた子どもたち一人一人に、人生を豊かにする大切な一冊との出会いが訪れることを期待しています。

リリーステキストより

施設の利用方法と拡大できる写真を以下に掲載します

元RADの川勝真一が、京都市に「建築センター」を開設する為のクラウドファウンディングを実施中

元RADの川勝真一が、京都市に「建築センター」を開設する為のクラウドファウンディングを実施しています。詳細はリンク先のREADY FORのサイトでどうぞ。

▼そもそも「建築センター」ってなに?

建築文化にアクセスするための玄関口

日本には建築を専門とする民間のギャラリーや、国が設置した建築専門の資料館は存在しますが、 建築センターというものはありません。なので聞き慣れないかたも多いかもしれませんが、芸術センター、アートセンターの建築バージョンだと思っていただけるとわかりやすいのかもしれません。

ちなみにアートセンターと美術館の違いは一般的に収蔵品(コレクション)を持たないこと、また展示や作品販売だけでなく市民との多様な接点をつくろうとする点です。ただし、豊富なアーカイブを持つ建築センターもあれば、コレクションを持たない建築博物館も存在します。

わたしは仕事や旅行で海外に行くと、その都市の建築センターや建築博物館を訪問することにしています。そこでは都市の成り立ちや、ローカルでしか分からないような建築について学ぶことができ、さらに見るべき建築や場所、そのとき開催中の建築イベントを知ることができます。建築センターは、その都市が耕してきた建築文化にアクセスするための玄関口、あるいは都市・建築の案内カウンターのような場所なのです。

倉林貴彦+富永大毅+藤間弥恵による、東京の「稲城のペアハウス」。農業にも携わる施主の為の住宅。梨畑の中に住宅が入り混じる環境に対し、かつての“農家の屋敷”の様な“構えの大きな屋根”を持つ建築を志向。9尺ベースの“合理的な架構”を最初に想定して費用を抑え質も確保
倉林貴彦+富永大毅+藤間弥恵による、東京の「稲城のペアハウス」。農業にも携わる施主の為の住宅。梨畑の中に住宅が入り混じる環境に対し、かつての“農家の屋敷”の様な“構えの大きな屋根”を持つ建築を志向。9尺ベースの“合理的な架構”を最初に想定して費用を抑え質も確保外観、東側より見る、夕景 photo©中山保寛写真事務所
倉林貴彦+富永大毅+藤間弥恵による、東京の「稲城のペアハウス」。農業にも携わる施主の為の住宅。梨畑の中に住宅が入り混じる環境に対し、かつての“農家の屋敷”の様な“構えの大きな屋根”を持つ建築を志向。9尺ベースの“合理的な架構”を最初に想定して費用を抑え質も確保2階、世帯2部分、リビングからキッチンとダイニングを見る。 photo©中山保寛写真事務所
倉林貴彦+富永大毅+藤間弥恵による、東京の「稲城のペアハウス」。農業にも携わる施主の為の住宅。梨畑の中に住宅が入り混じる環境に対し、かつての“農家の屋敷”の様な“構えの大きな屋根”を持つ建築を志向。9尺ベースの“合理的な架構”を最初に想定して費用を抑え質も確保2階、世帯2部分、左:ダイニング、右:キッチン photo©中山保寛写真事務所

倉林貴彦建築設計事務所富永大毅+藤間弥恵 / TATTAが設計した、東京の「稲城のペアハウス」です。
農業にも携わる施主の為の住宅です。建築家は、梨畑の中に住宅が入り混じる環境に対し、かつての“農家の屋敷”の様な“構えの大きな屋根”を持つ建築を志向しました。また、9尺ベースの“合理的な架構”を最初に想定して費用を抑え質も確保しました。

梨園を営む兼業農家のための、1階に親世帯、2階に子世帯の9人が暮らす二世帯住宅である。

東京都心部から電車で30分の距離にありながら、背の低い梨畑が広がる豊かな環境が住宅や集合住宅と入り混じっている。この場所に建つ住宅は、かつて屋根裏(小屋組み)で養蚕が行われていた農家の屋敷のような、構えの大きな屋根をつくることが相応しいように思った。

建築家によるテキストより

軒先の高さを2.2mに抑え、梨の木の高さと同じような低い軒先が水平に伸びる2階建てだが、平入り切妻屋根の平屋のような外形とし、2階は周囲の梨畑の上に浮いた大きな屋根に包まれたような空間となった。

建築家によるテキストより

1階は建物西側の祖母の暮らす古い母屋から、柿の木や松の木を残した東側の前庭を繋ぐように東西に開く構成とし、居間と寝室の間に玄関や水回り、納戸が挟まる。東側の深い軒下はちょっとした作業や外での食事の場になり、軒裏からは2階の様子が垣間見える。2階は矩勾配屋根を支える方杖の付いた柱と小屋組みが1間半ピッチで反復される中に、5人家族の居場所を陣取った。

周辺の住宅や道路からのプライバシーは確保しつつも、小屋組みの中での居住性を考え農家の突き上げ屋根に習った開口を設けていき、夕日を屋根の中に溜め込む屋根窓や、柿の木に手が届いたり、遠くのロープウェーを眺めたりできる窓先のテラスとなる。堂々とした農家的な構えでありながら、周囲の環境に内側と外側から丁寧に呼応することで柔らかい佇まいとなった。

建築家によるテキストより

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