迫慶一郎 / SAKO建築設計工社が設計した、中国の「天水スクエアズ」です。
“雑多な環境”に建つ図書館等の施設です。建築家は、敷地条件を読み解き、外周部で“静謐さ”を確保した上で中庭から“自然の様々な変化”を取込む建築を考案しました。また、平面と立面の要素を“正方形”とし“曼荼羅”の様に整然と並べました。
地方の小さな街に建つ図書館と高齢者デイサービスの複合施設である。
敷地は生活道路に面しており周辺環境も雑多なため、外周部の窓は必要最小限に抑えた。断熱性能の向上とともに、用途として必要される静穏さが確保された。一方、建物中心部の中庭に対してはフレームレスの大ガラスを用いて全面的に開いた。
正方形に切り取られた空は刻一刻と変化する。光が移ろい、雲が流れ、雨が降りてくる。地球の自転により引き起こされた様々な変化が中庭に舞い込み、閲覧室の静穏さの中に時間軸を形成している。深い庇と黒色の回廊空間がつくり出す鏡面効果により、光の変化はさらに増幅され、切り取られた空が9つに見える時もある。
平面と立面の要素はすべて正方形で構成されている。正方形の中庭を巡る回廊、それを囲むように展開する閲覧室。それらは曼荼羅のような整然とした入れ子状の平面構成である。
書棚もすべて正方形で構成されており、4個分もしくは9個分のモジュールが、そのまま外周部の窓と接続している。