青木淳・西沢立衛・冨永祥子らが審査する、仙台市の「(仮称)国際センター駅北地区複合施設」設計プロポの実施要領が公開。応募要件は比較的低めに設定

青木淳西沢立衛冨永祥子・岩間友希(あいだ研究所代表)・髙橋新悦(仙台市副市長)が審査する、仙台市の「(仮称)国際センター駅北地区複合施設」設計プロポーザルの実施要領が公開されています。また、応募要件は比較的低めに設定されています。

音楽ホールと中心部震災メモリアル拠点の複合施設である「(仮称)国際センター駅北地区複合施設」の基本設計業務を委託するにあたり、公募型プロポーザルを実施します。

久米設計による、熊本の「八代市新庁舎」。震災復興の一環として計画。“災害への強さ”と“文脈と呼応”する建築を目指し、床と天井を地域産木材の“CLTトラスユニット”工法で造る建築を考案。城の石垣の再利用なども行い“土地の記憶を継承”も意図
久米設計による、熊本の「八代市新庁舎」。震災復興の一環として計画。“災害への強さ”と“文脈と呼応”する建築を目指し、床と天井を地域産木材の“CLTトラスユニット”工法で造る建築を考案。城の石垣の再利用なども行い“土地の記憶を継承”も意図外観、南側より見る。(設計者による解説:まちに正対し市⺠をやさしく迎える) photo©YASHIRO PHOTO OFFICE
久米設計による、熊本の「八代市新庁舎」。震災復興の一環として計画。“災害への強さ”と“文脈と呼応”する建築を目指し、床と天井を地域産木材の“CLTトラスユニット”工法で造る建築を考案。城の石垣の再利用なども行い“土地の記憶を継承”も意図1階、市民フォーラム(設計者による解説:行政手続き機能を集約している) photo©YASHIRO PHOTO OFFICE
久米設計による、熊本の「八代市新庁舎」。震災復興の一環として計画。“災害への強さ”と“文脈と呼応”する建築を目指し、床と天井を地域産木材の“CLTトラスユニット”工法で造る建築を考案。城の石垣の再利用なども行い“土地の記憶を継承”も意図1階、執務室(設計者による解説:CLTトラスユニットによって実現した12m×15mの無柱空間) photo©YASHIRO PHOTO OFFICE

久米設計が設計した、熊本の「八代市新庁舎」です。
震災復興の一環として計画されました。建築家は、“災害への強さ”と“文脈と呼応”する建築を目指し、床と天井を地域産木材の“CLTトラスユニット”工法で造る建築を考案しました。また、城の石垣の再利用なども行い“土地の記憶を継承”も意図しました。

熊本地震による震災復興プロジェクトである。

あらゆる災害を想定した災害に強い庁舎としての性能と共に、八代城跡という立地に着目し、その歴史的な文脈や景観に呼応した「まちに映える庁舎」の実現が望まれた。

建築家によるテキストより

庁舎は地上7階、地下1階、地下柱頭免震構造で、地上部は鉄骨造とし、執務室の床及び天井は、すべて八代市産木材を使用した「CLTトラスユニット」による木造とした。

この日本初の工法である「CLTトラスユニット」により、天井落下の危険性がなく、八代市らしい木の温もりを感じる執務空間を実現し、同時に約1,430m3(原木で約5,300m3程度)の八代市産木材の活用を実現した。

耐火や不燃、歩行振動や床衝撃音など執務環境に求められる性能を確保しつつ、市産材の温もりが感じられる執務環境を実現したことで、カーボンオフセットやウェルビーイングという社会課題や林業振興という八代市の命題に応えた庁舎となった。

建築家によるテキストより

建物のスカイラインを形成する屋根面では、八代市の日射量の多さを活かした「太陽熱利用の換気システム」を構築。
奥行きと陰影のある外観を形成する大庇(ライトシェルフ)は、年間を通して日射量が多い八代市の地域特性へ対策しつつ、建物の奥まで自然光と風を取り込む機能性を確保したことで「省エネ技術とデザインが一体的となった外装デザイン」を実現した。

その結果、CASBEE熊本Sランクの高い環境性能を達成し、八代市産木材の活用とともに、環境への取り組み姿勢の模範となる「まちをリードする庁舎」となった。

建築家によるテキストより
吉村靖孝建築設計事務所と塚越宮下設計による、山形・鶴岡市の「龍宮殿サウナ」。老舗旅館の一部を浴場とサウナに改修。最適な機能配置と耐震性強化を求め、既存柱を“木造トラス”に置き換え“反復”させる構造形式を考案。新設の躯体は既存建物の木造トラスと呼応して施設の“象徴性”も高める
吉村靖孝建築設計事務所と塚越宮下設計による、山形・鶴岡市の「龍宮殿サウナ」。老舗旅館の一部を浴場とサウナに改修。最適な機能配置と耐震性強化を求め、既存柱を“木造トラス”に置き換え“反復”させる構造形式を考案。新設の躯体は既存建物の木造トラスと呼応して施設の“象徴性”も高める外観、海側より見る、夜景 photo©鈴木淳平
吉村靖孝建築設計事務所と塚越宮下設計による、山形・鶴岡市の「龍宮殿サウナ」。老舗旅館の一部を浴場とサウナに改修。最適な機能配置と耐震性強化を求め、既存柱を“木造トラス”に置き換え“反復”させる構造形式を考案。新設の躯体は既存建物の木造トラスと呼応して施設の“象徴性”も高めるインドアテラスから浴場2側を見る。 photo©鈴木淳平
吉村靖孝建築設計事務所と塚越宮下設計による、山形・鶴岡市の「龍宮殿サウナ」。老舗旅館の一部を浴場とサウナに改修。最適な機能配置と耐震性強化を求め、既存柱を“木造トラス”に置き換え“反復”させる構造形式を考案。新設の躯体は既存建物の木造トラスと呼応して施設の“象徴性”も高める浴場2、開口部越しに外部を見る。 photo©鈴木淳平
吉村靖孝建築設計事務所と塚越宮下設計による、山形・鶴岡市の「龍宮殿サウナ」。老舗旅館の一部を浴場とサウナに改修。最適な機能配置と耐震性強化を求め、既存柱を“木造トラス”に置き換え“反復”させる構造形式を考案。新設の躯体は既存建物の木造トラスと呼応して施設の“象徴性”も高める浴場1 photo©鈴木淳平

吉村靖孝建築設計事務所塚越智之+宮下淳平 / 塚越宮下設計が設計した、山形・鶴岡市の「龍宮殿サウナ」です。
老舗旅館の一部を浴場とサウナに改修する計画です。建築家は、最適な機能配置と耐震性強化を求め、既存柱を“木造トラス”に置き換え“反復”させる構造形式を考案しました。また、新設の躯体は既存建物の木造トラスと呼応して施設の“象徴性”も高めています。施設の公式サイトはこちら

山形県鶴岡市の老舗旅館、亀や別館の改修。
2004年に客室と広間からなる2階をバンケットホールとして改修し、今回その1階を浴場・サウナとすることとなった。

大正11年に建てられたこの木造建物は海に面した山肌に立ち、日本海から吹き付ける厳しい風や、山からの湿気に長年曝され痛みが激しかった。そのため今回の改修では使い方を更新するだけではなく、地震や海風、山からの湿気に対する性能を改善することが求められた。

建築家によるテキストより

建物南側の貸切風呂が残っていたエリアと、日本海への眺望が開けた北側のエリアに浴場、サウナを2ヶ所計画し、その間を脱衣室やラウンジ、外気浴のできるインドアテラスとした。これによりエリアで男女を分けるだけでなく、時間帯で男女を分けた施設の一体利用もできるようになっている。

北側のエリアには海に沿って奥行き1間の縁側がかつて存在したと言う。その名残で境目に当たる場所には古い柱が並び、その上部が梁と桁の継ぎ目となっていた。山側にサウナ室を、海に沿って浴槽を計画することでそれぞれの場所から海への眺望を確保しようとすると、既存の柱が水に浸かってしまう。そのためこの柱を撤去し、海側と山側の両脇から斜めに部材を渡し2階の床を支えることにした。そしてこの三角形のトラスを反復させ耐震性と耐風圧性を向上させている。

建築家によるテキストより

今回の工事で解体を進めていくと海に沿った長手の桁に木造トラスが使われていることが分かった。これは恐らく大正11年に新築した際、スパンを飛ばして海への眺望を確保するため設けられたものだと思われる。またこの建物の屋根は大きなトラスでできている。これは昭和28年に陸屋根を切妻へと改修する際、2階の広間に柱を落とさないよう工夫したものだと考えられる。

このようにこの建物はトラスという形式を活用することで、海への眺望や広く自由に使える空間を獲得し100年という時代の変化に耐え、様々なかたちで使われて来た。この建物に見え隠れするトラス形式はその力強さを象徴している様だった。そして今回の改修では、更に1階に木造のトラスを挿入することで構造性能とその象徴性を強化したと言うことができる。

建築家によるテキストより
最も注目を集めたトピックス[期間:2024/5/20-5/26]
最も注目を集めたトピックス[期間:2024/5/20-5/26]

アーキテクチャーフォトで、先週(期間:2024/5/20-5/26)注目を集めたトピックスをまとめてご紹介します。リアルタイムでの一週間の集計は、トップページの「Weekly Top Topics」よりご覧いただけます。


  1. 熊谷・石上純也・IAO竹田・アクト環境・ピーエス三菱・野村建設JVによる「徳島文化芸術ホール(仮称)」の実施設計概要
  2. 岸本貴信 / CONTAINER DESIGNによる兵庫県高砂市の住宅「プラットホーム」
  3. 中村拓志&NAP建築設計事務所による、千葉・木更津市の「地中図書館」。農業生産法人が運営する施設内での計画。植物や微生物の反映の下にある“慎ましい”存在を求め、大地の下の“やすらかな居場所”を志向。大地と人間の叡智に包まれながら“地球を想う”図書館をつくる
  4. 山口誠デザインによる、東京・台東区のオフィスビル「MONOSPINAL」。ゲーム制作会社の本社。従業員の“集中力”と“リラックス”のバランス確保を目指し、環境要素も向上をさせる“斜壁”を持つ建築を考案。小スケールの素材を集積をさせる仕上げで“あらたな風景”を作る
  5. 魚谷繁礼による、TOTOギャラリー・間での建築展「都市を編む」。リサーチを基に数多の京町家の改修等を手掛ける建築家の展示。現代技術を“歴史性”や“地域性”に編み込み、街並みや建築の“継承”と“豊かさの実現”を志向。展示の一環として“京都のお茶屋建築の軸組”を移設
  6. HUNE Architectsが共用部の内装設計を手掛けた、東京・北区の集合住宅「HAUN TABATA」。居住と作業空間を併せ持つ“コリビング賃貸”。様々な行為が重なる場として、箇所毎に異なる役割を果たす“センターテーブル”を据えた空間を考案。再生材料の特徴を活かして家具類に“鉱物”の様な質感も与える
  7. 杉中俊介+杉中瑞季+清水良太による、東京・世田谷区の「上馬の家」。構造家の自邸兼仕事場の計画。住宅密集地に建つ住宅として、シンプルな“外殻の中”に“ひだ”の様に諸室を“折り重ねる”構成を考案。周辺環境との関係構築も意図してバルコニー等から内部の雰囲気を滲み出させる
  8. アリソン理恵 / ARAによる、東京・渋谷区の「奥の住まい」。路地の“更に奥の路地”の先に建つ住宅の改修。暮らしの様々な出来事の“受け皿”として、日当たりや風通しが良く“家族や暮らしのかたち”と共に変化できる空間を志向。住人自身での改変の容易さも予め考慮する
  9. 藤森照信のデザインで完成した、滋賀・北之庄町のバス停待合所の写真
  10. 森田悠紀建築設計事務所による、東京の「国分寺の家」。住宅密集地にある敷地。街と家の“距離感”を課題とし、適切な関係を結ぶ為の“街から遠く離れた静かな場所”を備えた建築を志向。玄関から長い距離を歩いて辿り着く“居間”で再び“街と繋がる”住まいを造る
  11. 石上純也へのインタビュー。石上作品の「House & Restaurant」で遠山正道と鈴木芳雄が話を聞く
  12. 石上純也建築設計事務所による、山口の「House & Restaurant」。旧知の友人の為の住宅兼店舗。“時間と共にその重みを増していく”空間の要望に、地面に穴を掘りコンクリートを流して土の中の躯体を掘り起こしガラスを嵌める建築を考案。不確定要素を許容し使い方の発見更新を繰り返して作る
  13. ザハ・ハディド・アーキテクツによる、ラトビア・リガの交通施設「Riga Ropax Terminal」。既存の船舶倉庫を改修増築して船舶のターミナルにする計画。未来に渡る市民の憩いの場として、最上部に一層を追加して作る“パブリックテラス”などを構想。歴史に敬意を表して現地生産のタイルなども外観に用いる
  14. VUILDによる、香川の「小豆島 The GATE LOUNGE」。オリーヴを用いた商品の購入や体験ができる施設。木造建築の“新しい建造の在り方”の提案として、島内の木材を資源として活かす仕組みから構築。デジファブ技術を用いて熟練大工に頼らない施工体制も追求
  15. SALHAUSの提案が最優秀賞作品に選ばれた、共愛学園前橋国際大学の「6号館設計者選定プロポーザル」の提案書が公開
  16. POINTとSpicy Architectsのデザイン監修による「埼玉グランドホテル本庄」。バブル期の宿泊施設の改修。個性ある仕上げ同士が“魅力を打ち消し合う”現状に対し、其々の関係を整理し“新たに定義”する設計を志向。床から2.1m以上を“マット”仕上げとして既存の“ピカピカ”を引立てる
  17. ル・コルビュジエの“美術作品”に焦点をあてる展覧会「もうひとりのル・コルビュジエ ~絵画をめぐって~」の入場チケットをプレゼント。近代建築を代表する建築家の油彩・素描・版画・タピスリー・彫刻など約130点の作品を展示。創作活動の根底にあった絵画への情熱を紹介する内容。まとまった作品群の公開は約30年ぶり
  18. 山口誠デザインによる、東京・台東区の、オフィスビル「MONOSPINAL」(竣工前)。ゲーム制作会社の本社。従業員の“集中力”と“リラックス”のバランス確保を目指し、環境要素も向上をさせる“斜壁”を持つ建築を考案。小スケールの素材を集積をさせる仕上げで“あらたな風景”を作る
  19. 木村智彦 / グラムデザインによる、島根・松江市の「雑賀の家」。家族四人と猫の為の計画。着心地の良い“衣服の延長”の様な住宅を目指し、自然環境に従って光と風を取込む“適切な熱環境の生活の場”を志向。家族の気配を常に感じ取れるように“距離感”と“設え”にも注力
  20. 佐藤文+鹿嶌信哉 / K+Sアーキテクツによる、栃木の「足利の家」。史跡の残る街の長閑な住宅街の敷地。繋がりながらも間仕切れる状態を求め、施主が求める“断片的な居場所”を環境に合わせながら繋げていく平面構成を考案。周囲への開き方も意識して街と繋がる庭を設ける

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