OMA / レム・コールハース+クリス・ヴァン・ドゥインが設計した、フランス・ボルドーの「シモーヌ・ヴェイユ橋」です。
幅44m長さ549mの橋の計画です。建築家は、地域のアイデンティティとなる存在を目指し、全幅の半分以上を“多目的に使える公共空間”とする構成を考案しました。また、形式や構造表現への関心を捨ててパフォーマンスにフォーカスして構想しました。
以下は、リリーステキストの翻訳です
OMA / レム・コールハースとクリス・ヴァン・ドゥインの設計によるシモーヌ・ヴェイユ橋がボルドーに開通
2024年7月12日、ボルドー – OMA/レム・コールハースとクリス・ヴァン・ドュインの設計によるシモーヌ・ヴェイユ橋が開通しました。このプロジェクトは、ボルドーのガロンヌ川に架けられた長さ549m、幅44mのプラットフォームで構成されています。
橋は街に新しい公共空間を提供します。それは、スタイルや形式、構造的な表現への関心を捨て、パフォーマンスへのコミットメントとボルドーの人々による将来的な使用への関心を優先しています。自動車、公共交通機関、自転車のすべてに専用レーンが設けられており、中でも徒歩専用レーンが圧倒的に広くなっています。橋のプラットホームの幅を2倍にすることで、28mのニュートラルでプログラムされていないスペースが生まれ、ファーマーズマーケット、アートフェア、自転車ラリー、カークラブのミーティング、音楽やワインのフェスティバルなど、あらゆる文化的・商業的目的に利用できます。
今日、橋はその技術的な有用性や、主に自動車によって推進される都市とその周辺の拡張のための道具としての機能という点で、限定的に評価されることが多いです。それ自体が都市空間としての橋の役割は失われており、復活の必要があります。シモーヌ・ヴェイユ橋は、エンジニアリングの偉業や美的表現としての現在の橋への執着に反対し、イベントが起こりうるオープンスペースとしての橋の都市的特徴を回復します。これは、21世紀の橋のあるべき姿についてのもうひとつの定義なのです。その参照点は、ヴェネツィアのリアルト橋や、19世紀と20世紀にイスタンブールの金閣湾に架けられたガラタ橋の姿を含む、回遊だけでなくレジャーや商業活動の場でもある橋です。さまざまな交通形態と潜在的な行動を結びつけることで、さまざまな強度の構成で存在できる現代的な大通りを作り上げます。この橋は、ボルドーの大都市生活に対する強い楽観的な期待に貢献します。
シモーヌ・ヴェイユ橋は、ガロンヌ川の両岸に連なる地域のためのアイデンティティを創造するために考案されました。それは、彫刻的で機能的なオブジェが公共施設を提供するために配置された右岸のフロワックの開発と、かつての高速道路を再利用するなどして都市構造にさりげなく織り込まれた緑地を通じて、左岸のボルドーおよびベーグルの開発をつなぐものです。この橋は、連結によって、またランドスケープにおける都市のプラットフォームとしての機能によって、街の領域の為の基礎的な連続性を提供します。
このプロジェクトは、レム・コールハースとクリス・ヴァン・ドゥインが担当し、ジル・ギュイヨが主要な貢献をしました。
OMAのパートナー、レム・コースハースはこう述べています。
「この橋は人々のためのもので、鑑定家のためのものではありません。このプロジェクトは、形にこだわるのではなく、パフォーマンスに焦点を当てています。構造的な体操に予算を費やす代わりに、幅を2倍にして公共スペースを設け、これまで強いアイデンティティを形成してこなかった隣接する2つのコミュニティにサービスを提供し、結びつけます。ヴェネチアのリアルト橋のような橋を手本に、この追加的な公共スペースは、大衆的、商業的、文化的、政治的……あらゆる目的に利用することができます」