OpenAとケース・リアルが設計した、佐賀・嬉野市の「UPLIFT SHIMOJYUKU+MILKBREW COFFEE URESHIO ONSEN」です。
新設駅の駅前広場に建つカフェ兼ラボの計画です。建築家は、どの方向からも目に入る敷地の特性に着目し、四方をガラス窓とした回遊性のある“正方形平面”の建築を考案しました。また、建設費の高騰などに対応する為に“システム建築”を流用して造りました。店舗の場所はこちら(Google Map)。
計画地は、新幹線の延伸に伴い佐賀県・嬉野市に新設された「嬉野温泉駅」の駅前広場の一角。
広場のどの方向からも視認できるこの敷地において、立方体のような箱型のボリュームを提案した。
このプロジェクトでは、嬉野温泉駅開業に合わせた明確な竣工時期が設定されていたが、コロナ禍の工事費の高騰や建材流通の不安定さに悩まされ、それらを解決する方法として工場や倉庫などで利用されるシステム建築を流用することを考えた。
システム建築は、建材が規格化されることで比較的コストや納品時期が安定しており、無柱の大空間を作るのに適した方法である。
クライアントの「観光客だけでなく地元の人も集まるような大らかな雰囲気と、地域の日常の延長にこの建物があって欲しい」という希望もあり、工場のような大きな無柱空間を確保することで、人やモノ、コトを受け入れられるような空間をつくりつつ、広場に面した建物として周囲の景色を感じられる、視線の抜けを意識した平面と外壁の構成を選択している。
この建物は、エリアで酪農を営むクライアントが運営する「MILKBREW COFFEE」のカフェを中心に、近隣で作られた食に関する様々な商材を扱う物販機能や、商品の開発・加工のためのラボ機能、そして地域の農産物を使ったフードを提供するためのキッチンを備えている。また、さまざまな生産者がこの場所に関わりを持てるよう、マーケットなどのイベントを行うことを前提に計画された。