長坂常 / スキーマ建築計画が設計した、東京・中央区の店舗「アンドワンダー GINZA SIX」です。
高級品が多く並ぶ商業施設内の店の計画です。建築家は、同じブランドの店を複数手掛ける背景から、既存の仕組みを共有しつつ“環境に合わせてカスタム”する設計を志向しました。そして、金属板を床に用いて周囲と調和する“硬質感”を空間に与えました。店舗の場所はこちら(Google Map)。
and wanderはユニセックスのアイテムが多く、多彩な色のバリエーションが特徴である。
手にとって初めて気づくカッティングやデザインがあり、一点ずつ発見する楽しみがある。
天井から吊るされたグリッドシステムにより、レイアウトが柔軟で、照明、ハンガー、ポスター、フィッティングルームなどを自由に配置できる可動システムを採用した。andwanderは一定の仕組みを共有しつつ、店舗ごとに環境やターゲットに合わせてカスタマイズし、異なるデザインを楽しんでもらいたいと考えている。
今回の店舗が入るGINZA SIXは、インバウンド客も多くハイブランドが並ぶなか、同様な硬質感を背景としてもたせる必要を感じた。今まで床をモルタルで構成することが多かったand wanderだが、今回初めて床にステンレスを設けることでストリートさを取り除き一つステージをあげたが十分そこでも成立することを実感した。
そして、一方もとより自然をテーマにしたブランドで今までも必ず木を利用してきているが、ステンレスの存在感に負けないように今回はレッドシダーのかたまりを什器として置くことで、割れや凹み、木の香りなど、規格材にはない特別感を与えた。
壁・天井は今までのスピリットを引き継ぎたいのだが、今回の建物がスケルトンにしてもコンクリートが出てくるわけではないので、木毛セメント板でコンクリート的な表情を生んだ。