大松俊紀アトリエによる「GHOST」。同建築家が継続的に探究するアルミ製椅子の一環。一般的な椅子の“対極”の存在として、貫材を省いて座面が“一枚板”のみのデザインを考案。先端技術での背板の窪みは“亡霊”の様に曖昧な輪郭を描く
大松俊紀アトリエによる「GHOST」。同建築家が継続的に探究するアルミ製椅子の一環。一般的な椅子の“対極”の存在として、貫材を省いて座面が“一枚板”のみのデザインを考案。先端技術での背板の窪みは“亡霊”の様に曖昧な輪郭を描く photo©大松俊紀
大松俊紀アトリエによる「GHOST」。同建築家が継続的に探究するアルミ製椅子の一環。一般的な椅子の“対極”の存在として、貫材を省いて座面が“一枚板”のみのデザインを考案。先端技術での背板の窪みは“亡霊”の様に曖昧な輪郭を描く photo©大松俊紀
大松俊紀アトリエによる「GHOST」。同建築家が継続的に探究するアルミ製椅子の一環。一般的な椅子の“対極”の存在として、貫材を省いて座面が“一枚板”のみのデザインを考案。先端技術での背板の窪みは“亡霊”の様に曖昧な輪郭を描く photo©大松俊紀

大松俊紀アトリエが設計した「GHOST」です。
同建築家が継続的に探究するアルミ製椅子の一環の作品です。建築家は、一般的な椅子の“対極”の存在として、貫材を省いて座面が“一枚板”のみのデザインを考案しました。そして、先端技術での背板の窪みは“亡霊”の様に曖昧な輪郭を描きます。

「揺れない」「安定感のある」「輪郭がはっきりしている」というのが一般的な椅子であるならば、「GHOST」はその対極をいくような椅子である。


建築家によるテキストより

崩壊することはないが、しっかりとした安定感はなく、座面を支える貫材を無くすことで極限的に座面を薄くし、座る者に緊張感を与える。その一方で、意外にも背もたれの窪みに身体がフィットし、心地よさと安心感を与える。
そして座面の薄さなどから生じる存在感の希薄さとは裏腹に、アルミニウムのヘアーライン仕上げが僅かな光にも鋭く反応する。その矛盾は、ある意味、今の時代を象徴するような存在のデザインである。



建築家によるテキストより

背もたれの窪みは、型なしで金属板を三次元加工する「インクリメンタルフォーミング」という菊川工業株式会社の最先端技術で製作した。「インクリメンタルフォーミング」は、三次元データを元に細い棒材を高速回転させながら1枚の板に押し当てて変形させていくことで、その窪みの輪郭は緩やかな曲面を描き、輪郭を曖昧にする。

また光の反射により、背板はどこまでがどのように窪みが存在するかがはっきりと認識できず、まさに暗闇に浮かび上がる“亡霊”のような存在の椅子である。



建築家によるテキストより

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