OMA / 重松象平の建築デザインによる、東京の複合商業施設「原宿クエスト」が9月11日にオープン。“二面性”をコンセプトとし、原宿と表参道という異なる個性の街を繋ぐ空間を志向。設計・監理にはNTTファシリティーズが参画
OMA / 重松象平の建築デザインによる、東京の複合商業施設「原宿クエスト」が9月11日にオープン。“二面性”をコンセプトとし、原宿と表参道という異なる個性の街を繋ぐ空間を志向。設計・監理にはNTTファシリティーズが参画 photo courtesy of NTTアーバンソリューションズ

OMA / 重松象平の建築デザインによる、東京の複合商業施設「原宿クエスト」が2025年9月11日にオープンします。
建築家は、“デュアリティ(二面性)”をコンセプトとし、原宿と表参道という異なる個性の街を繋ぐ空間を志向しました。また、設計・監理にはNTTファシリティーズが参画しています。施設の場所はこちら(Google Map)。

本施設は、OMAの重松象平氏によるデザインで「デュアリティ(二面性)」を建築コンセプトに、原宿・表参道に併存する異なる街の個性をつなぐ空間として計画されました。地上6階・地下2階の高層棟と地上1階の低層棟で構成され、両棟の間に街の回遊性を高めるパサージュ(敷地内通路)を設けることで、都市に奥行きと新たなリズムをもたらしています。

表参道側には、垂直性と透明性を意識したアイコニックな外観を採用し、ガラス面に街路樹を映し出すことで、特徴的な個性を通りに可視化。ファサードが街のにぎわいと調和し、街との連続性を生み出しています。一方、表参道から続くパサージュの先には、小さな店舗や広場、アートスケープを配置し、住居地域に配慮したヒューマンスケールのファサードを採用することにより、街並みに自然に溶け込むやわらかな印象を形成しています。

また、パサージュ沿いや地下階には、地層をイメージした版築壁を設けており、透明感のあるガラス面と対比的な印象を与えています。壁面には、明治神宮の地層や植生を反映した素材を用いており、地域の自然環境と調和した緑豊かな空間を生み出しています。

リリーステキストより

以下に、その他の写真や計画段階のパース画像なども掲載します。

若松均建築設計事務所による、東京・世田谷区の「瀬田立体交叉点の集合住宅」。往来が多く日照条件も厳しい敷地。光庭かつ動線空間の“ヴォイド”を中央に据え、環境から導いた“わずかに歪んだ外形”との間を住戸とする構成を考案。小スケールの箱を上下左右に組合わせて多彩な住戸形態も実現
若松均建築設計事務所による、東京・世田谷区の「瀬田立体交叉点の集合住宅」。往来が多く日照条件も厳しい敷地。光庭かつ動線空間の“ヴォイド”を中央に据え、環境から導いた“わずかに歪んだ外形”との間を住戸とする構成を考案。小スケールの箱を上下左右に組合わせて多彩な住戸形態も実現外観、北側の道路より見る。夕景 photo©中山保寛
若松均建築設計事務所による、東京・世田谷区の「瀬田立体交叉点の集合住宅」。往来が多く日照条件も厳しい敷地。光庭かつ動線空間の“ヴォイド”を中央に据え、環境から導いた“わずかに歪んだ外形”との間を住戸とする構成を考案。小スケールの箱を上下左右に組合わせて多彩な住戸形態も実現3階、共用通路 photo©中山保寛
若松均建築設計事務所による、東京・世田谷区の「瀬田立体交叉点の集合住宅」。往来が多く日照条件も厳しい敷地。光庭かつ動線空間の“ヴォイド”を中央に据え、環境から導いた“わずかに歪んだ外形”との間を住戸とする構成を考案。小スケールの箱を上下左右に組合わせて多彩な住戸形態も実現3階、住戸Hから開口部越しに共用通路を見る。 photo©中山保寛

若松均建築設計事務所が設計した、東京・世田谷区の「瀬田立体交叉点の集合住宅」です。
往来が多く日照条件も厳しい敷地での計画です。建築家は、光庭かつ動線空間の“ヴォイド”を中央に据え、環境から導いた“わずかに歪んだ外形”との間を住戸とする構成を考案しました。そして、小スケールの箱を上下左右に組合わせて多彩な住戸形態も実現しました。

「ヴォイド」を敷地の中央に据える。
「ヴォイド」は、敷地環境を飛躍的に変化させるライトコートであり、エントランスホールとスロープ状の階段の空間である。東西に細長い傾斜地形に合わせ、緩勾配の引き延ばされた階段により、各住戸へはそれぞれ踊り場から直接アクセスする。

さて、集合住宅において中庭形式の構成は幾度か取り組んできているが、今回はまず完結的なかたちの直方体を積極的につくろうとした。
近年、「ヴォイド」の内部化、または外部の内部的構成の方法を試みてきたが、ここではさらに閉鎖的な構成として周囲の喧騒から遠ざかる緩衝帯と位置付けている。

にもかかわらず、同時に外部へと繋がる東西、南北方向への抜けや天井のスリットから光や風、まちのノイズや匂いが侵入し外部環境と結び付いてもいて、独立性が高く完結的であるからこそ、より一層、まちとの距離を図ることのできる立体の路地的な場になり得ていると捉えている。

建築家によるテキストより

建物の外形は、平面、断面ともにわずかに歪んでいる。これは店舗併用の鉄筋コンクリート造が建っていた既存杭の回避、設備スペースの確保、斜線、日影規制などの外的要因に依る。同様に周辺環境から、表裏がなく4面同じ論理でできた1枚の表皮を纏った立面の構成により建物の輪郭が形成される。

各階のスラブ庇は積層する建物において、今までは、敷地を超えてどこまでも広がる非完結的平面のかたちをイメージしていたが、今回はスラブの拡張表現よりも、歪んだ全体形を続合すると同時に、住戸構成の結果、塔状の集まりとなる立面を水平方向に分節するエレメントとして、または単純に庇の機能的役割としての意味合いが強い。

ランダムに見える正方形窓の位置と配置も法規上ほぼ厳密に決められている。内側の自律的な「ヴォイド」とは対照的に、複数のさまざまな事象に反応した結果としての外形・立面である。

建築家によるテキストより

「歪んだ外形」と「ヴォイド」との間にできる残余部分が住戸のスペースとなる。
一般的な住戸よりも小スケールの箱の単位が、内・外と交互に繰り返しながら数珠繋ぎに外周を取り巻き、この単位空間が上下左右さまざまに連結することで、長いI型・L型・クロスメゾネット型などの多彩な住戸を構成する。

内包された「ヴォイド」と箱の単位の間合いにより、各住戸では、奥まり方の度合い、外との距離感が、住むための場所に求められる落ち着きと独立性を生み、同時に住人同士の共有感とわずかな繋がりが感じられる。戸建て住宅のような環境がつくられている。

建築家によるテキストより

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