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加藤孝司 BEYOND ARCHITECTURE “井手健一郎インタヴュー”

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photo©Takashi Kato

今年も4月21日から25日までの5日間、福岡の街を舞台にしたデザインイベント、「DESIGNING?」が開催される。福岡という街のその都市としての規模は、個人的には名古屋市に近い印象をもっている。福岡と名古屋の違いは、大規模都市であることには違いはないが、福岡では繁華街の比較的近くまで街と同じ規模で街と混ざるように住宅街が広がっており、商業エリアと住宅エリアの境が際立って曖昧な点である。
思え返せばその感覚はどちらかというと僕が暮らしている東京のそれに近い。名古屋や広島が商業エリアと住宅エリアとの境に川や公園など、自然の地形が明確に横たわっているのに対し、福岡市はどこまでいっても街と街の境目がどこにあるのか分からず、これといって何の特徴も起伏もない太古から変わらない「地層」のようなものがただのっぺりと広がっているような感じだ。ゆえに、車や電車で、比較的郊外に向かっても同じ規模で街と街が繋がっている。そんな福岡の都市としての印象は、他のどの地方都市と比べても極めて都市的である。
だがそれは決して否定的な意味ではなく、街が都市として成熟しており、暮らしが豊かであることの証しのようにも思うのだ。
昨年、一昨年とこのデザインイベントを目的にこの街を訪れた。この街での友人の案内もあり、かなり街の奥深くまで分け入り、普通の観光客ではたどり着けないような路地の奥や住宅街のなかにあるショップやカフェ、この街の人たちが普通に食事をする食堂やラーメン屋などを巡った。
DESIGNING? はこの街で生まれ育った人たちが自分たちの街を楽しむためのひとつの方法として企画されたデザインイベントだ。デザイニングの主催者の一人で建築家の井手健一郎氏のインタビュー記事のこの「まえがき」を書くにあたり、この福岡でのデザインイベントのタイトル「DESIGNING?」と言葉にしながら、僕はそのテーマとするところの「デザイン」についていったいどれだけのことを知っているのか、そんな疑念がわき上がってきた。デザインとは物の形のことをいうのか?あるいは僕らのあらゆる行動を称してそう名付けてきたのか?
井手氏との対話のなかで特に印象的だったのは、この街を自分のことのように身近に受け入れながら、みんなで自分の街についてもう一度じっくり考えてみようというその強い意志だ。「物の価値を決めるのはその人次第、というところってあると思うんです。(このイベントで) デザインを通じて、物の価値って自分が決めているんだよ、ってことを自然にみんなに伝えられたら、って思います。それによって街の見方も変わってくるんじゃないかな。最終的には僕は建築をやっているので、そういう街のあり方を少しずつでもいいので変えていければ、と思っています」。百貨店やファッションビル、ホテルが高密度に集積し、昼も夜も賑わいをみせる街、天神。
その中心に位置する商業施設「IMS(イムズ)」の吹き抜けの地下ホールをこのイベント自体のインデックスとして、そこから街へ広がって行くよう仕掛けられたイベントとしてのアイデア、そして街のそこかしこに散りばめられたサテライト会場では、それぞれ
主張のある質の高いデザインが発表されている。
福岡という都市の街のなかでデザインを考えるイベント、DESIGNING? に今年も足を運び、建築やデザインについて考えてみたい。

SANAAのロレックス・ラーニングセンターの新しい動画 スティーブン・ホールによる現代美術館”HEART”の書籍『Steven Holl: Heart』

スティーブン・ホールによる現代美術館”HEART”の書籍『Steven Holl: Heart』がamazonで発売されています

スティーブン・ホールが設計したデンマークの現代美術館”HEART”の書籍『Steven Holl: Heart』がamazonで発売されています。リンク先にプレビュー画像が5枚掲載されています。

Steven Holl: Heart
Steven Holl
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Abalos+Sentkiewicz アルキテクトスによる”アントニオ・タピエス美術館の増築と改修”

Abalos+Sentkiewicz アルキテクトスのサイトに”アントニオ・タピエス美術館の増築と改修”の写真が掲載されています

Abalos+Sentkiewicz アルキテクトスのサイトに、彼らが手掛けたバルセロナの”アントニオ・タピエス美術館の増築と改修”の写真が11枚掲載されています。

谷尻誠 / suppose design officeによる”標本の森”

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谷尻誠 / suppose design officeによる「市原市水と彫刻の丘」リノベーション基本実施設計業務プロポーザルの提案”標本の森”です。伊東豊雄が審査委員長を務めたこのコンペの結果はこちらに掲載されています。

上目黒のHAPPAで”Hiroshima 2020 Design Charretteを巡る議論”が開催[2010/4/17]

上目黒のHAPPAで”Hiroshima 2020 Design Charretteを巡る議論”が開催されます

上目黒のHAPPAで”Hiroshima 2020 Design Charretteを巡る議論”が開催されます。開催日は2010年4月17日です。※事前予約制。出演は、実行委員の佐々木高之、小川文象、木原一郎、門脇耕三加藤孝司と、提案予定者の荒木源希、佐々木珠穂伊藤暁長坂常中村竜治永山祐子猪熊純、成瀬友梨松岡聡、田村裕希馬場兼伸、黒川泰孝雨宮知彦です。”Hiroshima 2020 Design Charrette”については、こちらに概要が掲載されています。

book『安藤忠雄の建築 0』

書籍『安藤忠雄の建築 0』がamazonで発売されています

書籍『安藤忠雄の建築 0』がamazonで発売されています。出版社のサイトに書籍の中身が少しと概要が掲載されています。

 TOTO出版では『安藤忠雄の建築』シリーズとして、写真をメインとした3巻(1:住宅 2:海外 3:日本)の作品集を刊行してきましたが、安藤建築の深遠な魅力をもっと伝えたいとの思いから、スケッチ・図面をメインとした安藤建築の発想の過程がわかる番外編「0(ゼロ)」が生まれました。
 本書では、膨大な手描きスケッチに描かれた安藤のアイデアが、輻輳し反響し合いながら、やがて精緻な建築図面に結晶し、安藤建築が実現されていくプロセスを辿ります。1・2・3に未収録の32作品を含む全61作品を、初公開となるスケッチ・図面とともに一挙に紹介。安藤作品集のなかでも異色の魅力を放つ本書、ぜひご覧ください。

谷尻誠の連載”建築からの視点”が開始 モス・アーキテクツによるプレファブ住宅”The Element House”の画像 ジェームズ・ウェリングがフィリップ・ジョンソンのグラスハウスを撮影した写真作品

ジェームズ・ウェリングがフィリップ・ジョンソンのグラスハウスを撮影した写真作品がdesignboomに掲載されています

アーティストのジェームズ・ウェリングがフィリップ・ジョンソンのグラスハウスを撮影した写真作品が9枚、designboomに掲載されています。

オラファー・エリアソンと馬岩松による展覧会”feelings are facts”の写真

オラファー・エリアソンと馬岩松による展覧会”feelings are facts”の写真がdesignboomに掲載されています

アーティストのオラファー・エリアソンMADの馬岩松のコラボレーションによる展覧会”feelings are facts”の写真が20枚、designboomに掲載されています。この展覧会は北京のユーレンス現代美術センターで行われているようです。

book『竹原義二の住宅建築』 トーマス・ヘザーウィックによる上海万博イギリス館の動画 藤本壮介による”武蔵野美術大学 美術館・図書館”の写真 藤本壮介による”東京アパートメント”の写真 g86によるクラーソン・コイヴィスト・ルーネのインタビュー

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