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大村廣介 / ko design officeによる、兵庫・神戸市の住戸改修「+α」。繁華街に近い集合住宅での計画。立地と施主の意向から“価値”の向上を求め、未来の在り方を見据えて“多様・継続・甘美”を考慮し設計。シンプルな構成で不足も充足も超過しない空間を作る
大村廣介 / ko design officeによる、兵庫・神戸市の住戸改修「+α」。繁華街に近い集合住宅での計画。立地と施主の意向から“価値”の向上を求め、未来の在り方を見据えて“多様・継続・甘美”を考慮し設計。シンプルな構成で不足も充足も超過しない空間を作る photo©長谷川健太
大村廣介 / ko design officeによる、兵庫・神戸市の住戸改修「+α」。繁華街に近い集合住宅での計画。立地と施主の意向から“価値”の向上を求め、未来の在り方を見据えて“多様・継続・甘美”を考慮し設計。シンプルな構成で不足も充足も超過しない空間を作る photo©長谷川健太
大村廣介 / ko design officeによる、兵庫・神戸市の住戸改修「+α」。繁華街に近い集合住宅での計画。立地と施主の意向から“価値”の向上を求め、未来の在り方を見据えて“多様・継続・甘美”を考慮し設計。シンプルな構成で不足も充足も超過しない空間を作る photo©長谷川健太

大村廣介 / ko design officeが設計した、兵庫・神戸市の住戸改修「+α」です。
繁華街に近い集合住宅での計画です。建築家は、立地と施主の意向から“価値”の向上を求め、未来の在り方を見据えて“多様・継続・甘美”を考慮し設計しました。また、シンプルな構成で不足も充足も超過しない空間を作る事も意識しました。

神戸の繁華街から歩いて数分、築20年ほどのマンションのリノベーション計画です。

建築家によるテキストより

立地条件と、クライアントが終の住処とは考えていないことから、この一住戸の価値を高めるため、これからの都市の集合住宅の「あり方」を考え、「多様性」「継続性」「甘美性」の3点を満たす空間を考えました。

建築家によるテキストより

2LDKだった間取りの余計な壁を無くし、まとまっていた水廻りを活かして、大きなワンルームの中にウォークインクローゼットと小さな寝室を設けたシンプルな空間構成としました。リノベーションをする上で、既存の要素をどこまで引き、新たな要素をどれだけ足すのか、足りなさ過ぎず、満たし過ぎない余白空間を意識しました。

テクスチャーの表現を最小限とし、塗装の壁や造作家具、ファブリックも無彩色で構成し、無彩色のグラデーション操作によりシンプルでマッシブな印象にすることで、住宅、オフィス等、どんな用途にも対応する「多様性」のある空間としました。

建築家によるテキストより
ファラによる、ポルトガルの住宅「house around a chimney」。街路ファサードが保護指定された建物の改修。既存への敬意と主張的態度の両立を求めて、手入れのない既存の裏ファサードも街路側と同列に扱い設計。内部では暖炉の煙突を中心とした遠心的作法の構成も意図
ファラによる、ポルトガルの住宅「house around a chimney」。街路ファサードが保護指定された建物の改修。既存への敬意と主張的態度の両立を求めて、手入れのない既存の裏ファサードも街路側と同列に扱い設計。内部では暖炉の煙突を中心とした遠心的作法の構成も意図 photo©ivo tavares
ファラによる、ポルトガルの住宅「house around a chimney」。街路ファサードが保護指定された建物の改修。既存への敬意と主張的態度の両立を求めて、手入れのない既存の裏ファサードも街路側と同列に扱い設計。内部では暖炉の煙突を中心とした遠心的作法の構成も意図 photo©fala
ファラによる、ポルトガルの住宅「house around a chimney」。街路ファサードが保護指定された建物の改修。既存への敬意と主張的態度の両立を求めて、手入れのない既存の裏ファサードも街路側と同列に扱い設計。内部では暖炉の煙突を中心とした遠心的作法の構成も意図 photo©ivo tavares

ファラが設計した、ポルトガル・アマランテの住宅「house around a chimney」
街路ファサードが保護指定された建物の改修です。建築家は、既存への敬意と主張的態度の両立を求めて、手入れのない既存の裏ファサードも街路側と同列に扱い設計しました。また、内部では暖炉の煙突を中心とした遠心的作法の構成も意図されました。

こちらは建築家によるテキストの翻訳

美しい建物のリノベーションには、敬意を払い、礼儀正しくあるべきだという人がいます。また、自己主張が強く、パンクな態度がいいという人もいます。選ばないというのは、熱意に欠けるのでしょう。その両方を実現するための試みが、ここにあります。

この建物の街路のファサードは、リストアップされて保護されています。この建物は、縦に積み重ねた増築部分において、かなりハンサムな工芸菓子のようで、互いにうまく調和しています。一方、裏側のファサードは、2階分の高さしかなく、いつものように手入れがされていません。窓枠の再生、古い御影石、新しい大理石の部材、バラ色の頬など、このプロジェクトは両者を同じような手段で扱っています。手前がレイヤーケーキなら、奥は奇妙な形のスコーンです。形がなく、対立的で、アプローチの仕方を知っていれば素晴らしいものです。

この計画は、すべての階層を貫く新しいコンクリートの煙突を中心に展開されます。この煙突は、1階のメインルームの暖炉として機能し、すべての空間を遠心的な作法で構成しています。鮮やかなピンクに覆われた階段は、床や天井のミント色とは一線を画し、独自の蛇行したルートを辿っています。全室同じ素材で統一され、バスルームの設備が充実しているだけです。スポーツのトラックと同じように、大胆なパターンが旅の始まりと終わりを告げています。

最も注目を集めたトピックス [期間:2022/6/27-7/3]
最も注目を集めたトピックス [期間:2022/6/27-7/3]

アーキテクチャーフォトで、先週(期間:2022/6/27-7/3)注目を集めたトピックスをまとめてご紹介します。リアルタイムでの一週間の集計は、トップページの「Weekly Top Topics」よりご覧いただけます。


  1. BIGによる、スウェーデンの宿泊施設「Biosphere」。森林の中に“ツリーホテル”が運営するキャビンを作る計画。鳥類の生態系に貢献する事を目指し、ファサードに350の巣箱を持つ建築を考案。親密で没入感のある自然体験も提供
  2. 阿曽芙実建築設計事務所による、奈良の店舗兼住宅「T house Renovation」。築40年の木造住宅をネイルサロンと住居に改修。家族の暮らしに主眼を置く在り方を目指して、私より公が優先された典型的な田の字プランの逆転を構想。既存の“鴨居”等は残して空間の緩やかな分節に援用
  3. 桐山啓一 / Airhouseによる、東京の「小平の家」。郊外に建つ核家族の住宅。求められた“良い意味での違和感”に応える為、建築に“斜め”や“段差”を導入。尺貫法の順守と各要素に空間体験創造の視点を重ねる事で合理性と豊かさの実現も目指す
  4. 重名秀紀 / studio junaによる、岡山市の住宅「江並の家」。新たに造成された分譲地に計画。他区画との良好な関係を目指して、区域の共通要素を再構成する事で風景に擬態し馴染みつつ“らしさ”が表れる建築を志向。平面でも“普通”である事を肯定的に扱う
  5. 梅澤竜也 / ALA建築設計事務所による、山梨の工場「暮らしの香り 山中湖アトリエ」。生産機能に加え店舗やカフェ等を備える施設。工場然とせず地域に馴染む存在を目指して、其々の機能が収められた5つの箱が雁行する形態を考案。全居室からの眺望確保や庭園の一体利用にも貢献
  6. 仙田満の環境デザイン研究所が、新石川県立図書館設計プロポで、設計候補者に選定
  7. BIGによる、デンマーク・オクスボルの博物館「FLUGT」。第二次世界大戦時の病院を改修した“難民”に関する施設。二棟の既存建物を建築的にも歴史的にも繋げる、カーブを描くヴォリュームを増築。展示資料に加え体験でも難民と地域への理解を促す
  8. 山﨑健太郎デザインワークショップによる、静岡の「新富士のホスピス」。末期癌患者のケアを行い家族と過ごす為の施設。病院と在宅の間の役割を求めて、日常と地続きの“住まい”の様な在り方を構想。木々の中を散策する様な連続性のある廊下が“居場所”としても機能
  9. 武田清明建築設計事務所による、照明器具「石のライト」。石を無加工で用いたプロダクト。個性をもった唯一無二の製品を目指して、自然がつくる形・色・手触りに着目し構想。設置個所を“小さな石庭”に変える
  10. 建築家の永山祐子によるトークイベント「素材使いの極意」が、オンラインで開催。近作のドバイ万博日本館や東急歌舞伎町タワーに加え、様々な作品を通して“素材”について語る
  11. 市瀬喬之+中野達文 / ダルマトーキョーによる、東京の住戸改修「目黒の集合住宅」。庭付きオーナー住戸を賃貸用に改修する計画。借手の間口を広げる事を目指して、庭との関係に焦点を絞りつつ住人の創意工夫の余地がある空間を構想。各所から庭を望め緑を享受する暮らしを作る
  12. 牛島隆敬建築設計事務所による、滋賀の、デザインセンター「長浜カイコー」。公設民営の施設。住民や利用者に応える場を目指して、行政や運営者を含むチームを作り“モニターワーク”等で様々な声を集め機能や空間を構想。地域の川を想起させる高低差のあるテーブルで繋がりを表現
  13. ツバメアーキテクツによる、東京・港区の「cobacoのポップアップ」。神戸のブランドの為の期間限定店舗。短時間での施工と撤収の条件に対し、“参勤交代”のイメージを重ねて“ジュエリーを乗せた籠”をテーマに設計。メッシュ素材の囲いと現場組立の什器で場を構築
  14. ヘザウィック・スタジオによる、イギリス・ロンドンの「Tree of Trees」。女王の在位70周年記念行事の為に計画。世界中で植樹を行ってきた女王を称える為に、350本の樹木を用いた高さ21mの彫刻を考案。アルミ製の鉢と樹木は記念祭後に全国の植樹家達に贈呈
  15. 大嶋励+小阿瀬直+山田優 / SNARK Inc.による、大阪市の「天満橋の家」。都心の高層集合住宅での計画。開けた眺望と充分な採光が得られる環境に、手触りや光の質感を意識して天然素材を採用し設計。家具や小物の選定も担う事で細部まで意志が届いた空間をつくる
  16. 2025年大阪・関西万博会場内の、休憩所とトイレ等20施設の設計コンペが開催。平田晃久・藤本壮介・吉村靖孝が審査員を務める
  17. ピーター ・ズントーの家具コレクション展をフォトレポート。半世紀に渡り自らの建築の為にデザインした家具が製品化され公開。綿密なやり取りを行い、日本の素材と技術を取り入れTime & Styleが制作。実物に加えインタビューや製造工程の動画等も展示
  18. ツバメアーキテクツによる、長野・塩尻市の宿泊施設「上原屋 BYAKU Narai」。古い街並みが残る“奈良井宿”の町屋改修。地域の建築保存のロールモデルを目指して、参照可能な施策を積み重ねる設計を志向。追加要素を空間の主題に昇華する“金継ぎ”の態度を実践
  19. ヤツシャハルアーキテクツによる、アラブ首長国連邦の「スシロードバイ万博店」。日本館の傍らに計画された飲食店。日本の食文化の魅力を伝える為の施設で、本館の立体格子に呼応する“魚子文様”の天井を特徴とする空間を考案。経済合理性や環境負荷に配慮した工法も採用し実現
  20. 笠井太雅+鄭愛香 / KACHによる、群馬の住宅「House in Yanakacho」。新興住宅地の一角に計画。穏やかに賑わう周辺環境と家との関係を模索して、遮蔽と連続を両立し家の輪郭となる“宙に浮く囲い”を考案。混ざり合う境界によって生き生きとした建築をつくる

ヘザウィック・スタジオによる、イギリス・ロンドンの「Tree of Trees」の動画

ヘザウィック・スタジオによる、イギリス・ロンドンの「Tree of Trees」の動画です。
エリザベス女王の在位70周年記念行事の為に計画されました。デザイナーは、世界中で植樹を行ってきた女王を称える為に、350本の樹木を用いた高さ21mの彫刻を考案しました。また、アルミ製の鉢と樹木は記念祭後に全国の植樹家達に贈呈されます。アーキテクチャーフォトでは、本作品を特集記事としても紹介しています。

また、以下に、施工風景を収めたタイムラプス動画も掲載します。

ヘザウィック・スタジオによる、イギリス・ウェストサセックスの温室「kinetic Glasshouse」の動画

ヘザウィック・スタジオによる、イギリス・ウェストサセックスの温室「kinetic Glasshouse」の動画です。
新しく作られた庭園に据えられた施設です。デザイナーは、機能性と庭の魅力的な装飾を目指し、スチール製の“がく”が開閉して植物の環境を調整する建築を考案しました。そして、時々の状態によって宝石や王冠の様にも見える事も意図されました。
アーキテクチャーフォトでは、本作品を特集記事としても紹介しています。

ヘザウィック・スタジオによる、イギリスの温室。新しく作られた庭園に据えられた施設。機能性と庭の魅力的な装飾を目指し、スチール製の“がく”が開閉して植物の環境を調整する建築を考案。時々の状態によって宝石や王冠の様にも見える
ヘザウィック・スタジオによる、イギリスの温室。新しく作られた庭園に据えられた施設。機能性と庭の魅力的な装飾を目指し、スチール製の“がく”が開閉して植物の環境を調整する建築を考案。時々の状態によって宝石や王冠の様にも見える photo©Hufton+Crow
ヘザウィック・スタジオによる、イギリスの温室。新しく作られた庭園に据えられた施設。機能性と庭の魅力的な装飾を目指し、スチール製の“がく”が開閉して植物の環境を調整する建築を考案。時々の状態によって宝石や王冠の様にも見える photo©Raquel Diniz_Heatherwick Studio
ヘザウィック・スタジオによる、イギリスの温室。新しく作られた庭園に据えられた施設。機能性と庭の魅力的な装飾を目指し、スチール製の“がく”が開閉して植物の環境を調整する建築を考案。時々の状態によって宝石や王冠の様にも見える photo©Hufton+Crow

ヘザウィック・スタジオによる、イギリスの温室「kinetic Glasshouse」です。
新しく作られた庭園に据えられた施設です。デザイナーは、機能性と庭の魅力的な装飾を目指し、スチール製の“がく”が開閉して植物の環境を調整する建築を考案しました。そして、時々の状態によって宝石や王冠の様にも見える事も意図されました。

こちらはリリーステキストの翻訳

ヘリテージフラワー:ヘザウィック・スタジオとナショナル・トラストによるキネティック・グラスハウスとシルクロードガーデンが公開

ヘザウィック・スタジオは、ウェストサセックスの歴史的な土地にあるナショナル・トラストのウールベディング・ガーデンの端に、最新プロジェクトであるキネティック・グラスハウスを設置した事を発表しました。

この作品は、古代のシルクロードが今日の英国庭園に与えた影響を明らかにする新しい庭園の中心的な役割を担っています。ガラスとアルミニウムのファサードを持つ10枚のスチール製の「がく」が4分かけて開き、王冠の形をした141m2の巨大な空間を作り出します。

ウールベディング・チャリティーとナショナル・トラストの協力のもと、グラスハウスはヴィクトリア時代のテラリウムの精神からインスピレーションを得て設計されました。最先端の技術を駆使し、機能的な保護構造であると同時に、新しいシルクロードガーデンの魅力的な装飾要素にもなっています。

暖かい日には、グラスハウスの「がく」が油圧機構によって開き、植物に日光と風通しを与える一方、寒い日には閉じたまま、亜熱帯種のコレクションにシェルターを提供します。

トーマス・ヘザウィックは次のように述べています。
「これは、文字通り展開する場所であり、プロジェクトなのです。この妖しくも美しい庭園に足を踏み入れると、宝石のように始まり、王冠のように終わるオブジェを発見することができます。グラスハウスがゆっくりと開かれていく時に」

「それはまた、驚くべき過去を創造し続ける必要性を物語っているのだと思います。歴史的な環境に現代の発明を織り込み、それぞれが互いに語り合う自信を持つことです」

グラスハウスを囲むシルクロード・ガーデンは、アジアとヨーロッパを結ぶ古代の交易路の影響を受けた景観の中を、12ステップの旅へと誘います。

梅澤竜也 / ALA建築設計事務所による、山梨の工場「暮らしの香り 山中湖アトリエ」。生産機能に加え店舗やカフェ等を備える施設。工場然とせず地域に馴染む存在を目指して、其々の機能が収められた5つの箱が雁行する形態を考案。全居室からの眺望確保や庭園の一体利用にも貢献
梅澤竜也 / ALA建築設計事務所による、山梨の工場「暮らしの香り 山中湖アトリエ」。生産機能に加え店舗やカフェ等を備える施設。工場然とせず地域に馴染む存在を目指して、其々の機能が収められた5つの箱が雁行する形態を考案。全居室からの眺望確保や庭園の一体利用にも貢献 photo©ライトパブリシティ
梅澤竜也 / ALA建築設計事務所による、山梨の工場「暮らしの香り 山中湖アトリエ」。生産機能に加え店舗やカフェ等を備える施設。工場然とせず地域に馴染む存在を目指して、其々の機能が収められた5つの箱が雁行する形態を考案。全居室からの眺望確保や庭園の一体利用にも貢献工房 photo©西川公朗
梅澤竜也 / ALA建築設計事務所による、山梨の工場「暮らしの香り 山中湖アトリエ」。生産機能に加え店舗やカフェ等を備える施設。工場然とせず地域に馴染む存在を目指して、其々の機能が収められた5つの箱が雁行する形態を考案。全居室からの眺望確保や庭園の一体利用にも貢献ショップとカフェ photo©西川公朗

梅澤竜也 / ALA建築設計事務所が設計した、山梨・山中湖村の工場「暮らしの香り 山中湖アトリエ」です。
生産機能に加え店舗やカフェ等を備える施設です。建築家は、工場然とせず地域に馴染む存在を目指して、其々の機能が収められた5つの箱が雁行する形態を考案しました。またこの形態は、全居室からの眺望確保や庭園の一体利用にも貢献します。施設の公式ページはこちら

新しく立ち上げられるホームフレグランスブランドのための工場。

建築家によるテキストより

敷地は山中湖にほど近い森の中で、西側に富士山を望む東西方向に長い形をしている。ここに製品の生産機能や事務所だけでなく、その製品を販売する店舗兼カフェ、そして開かれた庭園を求められた。または“ひとの暮らしに寄り添った香り”をブランドのテーマとしていることから、その生産拠点も工場然とするのではなく、地域になじみ、人が集う親しみある存在となることが望まれた。

建築家によるテキストより

我々は求められた機能を5つの箱型ボリュームとして整理し、それらを平面的立体的に雁行させるように並べた。その3次元的なズレによって、間口の狭い奥深い敷地でもすべての居室から富士山への眺望を可能とし、一体的な庭園スペースをできるだけ確保することを試みた。また5つのボリュームから富士山へ向かって片流れ屋根の庇を伸ばすことで、来館者へ対して優しく出迎えるジェスチャーをつくりだした。

建築家によるテキストより
【ap job更新】 リノベの書籍も執筆する岸本千佳が代表の、建物と街のプロデュース会社「アッドスパイス」が、建築設計と不動産仲介のメンバーを募集中
【ap job更新】 リノベの書籍も執筆する岸本千佳が代表の、建物と街のプロデュース会社「アッドスパイス」が、建築設計と不動産仲介のメンバーを募集中
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リノベの書籍も執筆する岸本千佳が代表の、建物と街のプロデュース会社「アッドスパイス」の、建築設計と不動産仲介のメンバー募集のお知らせです。詳しくは、ジョブボードの当該ページにてご確認ください。アーキテクチャーフォトジョブボードには、その他にも、色々な事務所の求人情報が掲載されています。
新規の求人の投稿はこちらからお気軽にお問い合わせください

株式会社アッドスパイスは、業務拡大に伴い、①建築設計+運営管理、②不動産仲介+運営管理のメンバーを募集します。

設計・仲介だけでなく、プロジェクトの始まりやその後の運営領域まで拡げて、プロジェクト全体に責任を持って携わる仕事にチャレンジしたい方を募集します。

【アッドスパイスとは】
アッドスパイスは、岸本千佳が代表を務める建物と街のプロデュースの会社です。企画・設計・仲介・運営と、建物の最初から最後まで一貫してやりきることが特徴です。エリア・建物・関わる人を鑑みた企画アイディアと、責任をもって適切な借り手を見出だすリーシング力を評価いただき、多方面から仕事をご依頼いただいております。

代表の岸本は、大学で建築を学び、前職の不動産ベンチャー勤務を含めて10年以上不動産プロデュースの仕事をしています。常にプロジェクトの先頭に立ち、これまで、設計は外注する形でプロジェクトを進めてきました。

今回、企画と設計を社内で一緒に取り組むことで、より質高く、依頼主の期待に応えるプロジェクトをつくっていきたい。また、不動産仲介においても、管理運営に取り組みながらリーシング力を高めていきたく、建築設計と不動産仲介のスタッフ募集に至りました。

【現在の業務について】
・依頼案件の種類:リノベーションが多いですが、新築案件もあります。新築でも、敷地内にとどまらず、エリアの解釈をより丹念に行うため、仕事の仕方はリノベーションと変わりません。複数の物件を所有するオーナーによる、エリアプロデュースの仕事も増えています。
・依頼案件の特徴:木造アパート一棟、大型ビル一棟、エリア一帯の開発など、建築にも不動産事業者にも頼みづらい物件が多いです。
・依頼主の特徴:建物・土地に思いを持つ地主や家主、地域に根差した企業等です。個人・法人は問わず、法人からの依頼は近年増えています。京都ならではの伝統ある老舗事業者からの依頼などもあります。
・エリア:京都を中心に関西が多いですが、東京・日本全国・海外もあります。
事業規模も年々拡大しております。建物だけではなく、エリアプロデュースの仕事もあります。

ヘザウィック・スタジオによる、イギリス・ロンドンの「Tree of Trees」。女王の在位70周年記念行事の為に計画。世界中で植樹を行ってきた女王を称える為に、350本の樹木を用いた高さ21mの彫刻を考案。アルミ製の鉢と樹木は記念祭後に全国の植樹家達に贈呈
ヘザウィック・スタジオによる、イギリス・ロンドンの「Tree of Trees」。女王の在位70周年記念行事の為に計画。世界中で植樹を行ってきた女王を称える為に、350本の樹木を用いた高さ21mの彫刻を考案。アルミ製の鉢と樹木は記念祭後に全国の植樹家達に贈呈 photo©Jonathan Banks
ヘザウィック・スタジオによる、イギリス・ロンドンの「Tree of Trees」。女王の在位70周年記念行事の為に計画。世界中で植樹を行ってきた女王を称える為に、350本の樹木を用いた高さ21mの彫刻を考案。アルミ製の鉢と樹木は記念祭後に全国の植樹家達に贈呈 photo©Raquel Diniz_Heatherwick Studio
ヘザウィック・スタジオによる、イギリス・ロンドンの「Tree of Trees」。女王の在位70周年記念行事の為に計画。世界中で植樹を行ってきた女王を称える為に、350本の樹木を用いた高さ21mの彫刻を考案。アルミ製の鉢と樹木は記念祭後に全国の植樹家達に贈呈 photo©Raquel Diniz_Heatherwick Studio

ヘザウィック・スタジオが設計した、イギリス・ロンドンの「Tree of Trees」です
エリザベス女王の在位70周年記念行事の為に計画されました。デザイナーは、世界中で植樹を行ってきた女王を称える為に、350本の樹木を用いた高さ21mの彫刻を考案しました。また、アルミ製の鉢と樹木は記念祭後に全国の植樹家達に贈呈されます。

こちらはリリーステキストの抄訳

バッキンガム宮殿の外には、2022年6月に行われる女王のプラチナ・ジュビリー(※70周年記念行事)の目玉として、350本のイギリス原産の樹木を使った高さ21メートルの壮大な「Tree of Trees」の彫刻が制作されます。

ヘザウィック・スタジオがデザインしたこの彫刻は、「クイーンズ・グリーン・キャノピー(QGC)」の一環として、2021年10月から2022年3月までの最初のシーズンに100万本以上の植樹を促し、全米を席巻した記念祭の楽しい植樹を反映したものです。

この彫刻は、70年の在位期間中に世界中で1,500本以上の木を植えた女王陛下を称え、この歴史的な節目の中心に木と自然の重要性を据えることを目的としています。

350本の木は、女王陛下の紋章が刻印されたアルミニウム製の鉢にセットされます。記念祭の週末が終わると、樹木は選ばれたコミュニティグループや団体に贈られ、その活動を称えるとともに、全国の次世代の植樹家たちを刺激することになります。樹木は夏の間、慎重に保管され、10月の植樹シーズンに向けて配布される予定です。選考方法の詳細については、追ってお知らせします。

クイーンズ・グリーン・キャノピーは、都市の緑化、田園地帯の再生、コミュニティの団結を支援するために活動しています。パートナーとの協力のもと、クイーンズ・グリーン・キャノピーの主要な要素として、社会経済的な困窮度が高く樹冠被覆率の低い地域での都市緑化プロジェクトを支援するプログラムがあります。トーマス・ヘザウィックとそのチームは、木と自然をデザインの中心に据えており、このテーマを忠実に反映したクリエイティブなアプローチをとっています。

この彫刻は、クリーブランド、ハル、ケンブリッジシャー、ホーブなど、地元のサプライヤーから材料と専門知識を得て、再生鋼材と新鋼材で作られています。クイーンズ・グリーン・キャノピーは、慈善事業として行われています。彫刻「Tree of Trees」は、ブルームバーグ・フィランソロピーズの支援を受けています。

トーマス・ヘザウィックは次のように述べています。
「『Tree Of Trees』を制作できることは、私たちにとって名誉なことです。350本のイギリス原産の木とリサイクルされたスチールから作られたこの構築物は、文字通り国の風景を変えようとしている素晴らしいコミュニティキャンペーンの一環として、国中の工房や苗床から集まってきています」

ヤツシャハルアーキテクツによる、アラブ首長国連邦の「スシロードバイ万博店」。日本館の傍らに計画された飲食店。日本の食文化の魅力を伝える為の施設で、本館の立体格子に呼応する“魚子文様”の天井を特徴とする空間を考案。経済合理性や環境負荷に配慮した工法も採用し実現
ヤツシャハルアーキテクツによる、アラブ首長国連邦の「スシロードバイ万博店」。日本館の傍らに計画された飲食店。日本の食文化の魅力を伝える為の施設で、本館の立体格子に呼応する“魚子文様”の天井を特徴とする空間を考案。経済合理性や環境負荷に配慮した工法も採用し実現 photo©Dany Eid
ヤツシャハルアーキテクツによる、アラブ首長国連邦の「スシロードバイ万博店」。日本館の傍らに計画された飲食店。日本の食文化の魅力を伝える為の施設で、本館の立体格子に呼応する“魚子文様”の天井を特徴とする空間を考案。経済合理性や環境負荷に配慮した工法も採用し実現 photo©Dany Eid
ヤツシャハルアーキテクツによる、アラブ首長国連邦の「スシロードバイ万博店」。日本館の傍らに計画された飲食店。日本の食文化の魅力を伝える為の施設で、本館の立体格子に呼応する“魚子文様”の天井を特徴とする空間を考案。経済合理性や環境負荷に配慮した工法も採用し実現 photo©Dany Eid
ヤツシャハルアーキテクツによる、アラブ首長国連邦の「スシロードバイ万博店」。日本館の傍らに計画された飲食店。日本の食文化の魅力を伝える為の施設で、本館の立体格子に呼応する“魚子文様”の天井を特徴とする空間を考案。経済合理性や環境負荷に配慮した工法も採用し実現 photo©Dany Eid

ヤツシャハルアーキテクツが設計した、アラブ首長国連邦の「スシロードバイ万博店」です。
日本館の傍らに計画された飲食店です。建築家は、日本の食文化の魅力を伝える為の施設で、本館の立体格子に呼応する“魚子文様”の天井を特徴とする空間を考案しました。また、経済合理性や環境負荷に配慮した工法も採用し実現しました。会期は既に終了しています。
アーキテクチャーフォトでは、「2020年ドバイ国際博覧会日本館」も特集記事として紹介しています。

日本パヴィリオン前面に配された水盤の片側に、パヴィリオンのアプローチに沿うようにスシロードバイ万博店は設けられました。
スシローは、中東初出店となるこの機会にハラル対応メニューを開発・提供し、世界中から来場される多くの方々を「日本のすし」でもてなし、日本の食文化の魅力を伝えます。

建築家によるテキストより

日本の伝統的な文様と中東のアラベスクパターンで構成された日本パヴィリオンの立体格子に呼応して、レストラン棟の意匠は日本の魚子文様をもとに構成されました。魚子模様の最小単位と対応する4.6メートル角の床板とその頭上に対角線上に引かれた屋根の稜線からなる立体的なプレファブモジュールが、直角二等辺三角形の敷地内に90度ずつ向きを変えながら配置されることで、魚子模様が屋根形状として立体的に現れます。

建築家によるテキストより

レストラン棟は、仮設建築物でありながら、恒久的な建築と同等に法的な要求を満たし、かつ来場者の空間体験への期待に応え得る建築物でなければなりません。同時に、短期間で消費される施設として経済的な合理性や環境負荷への配慮も求められることから、工事に伴って発生するエネルギー消費を最小限に抑えることができ、また限られた工期内で現場施工が実現できる「鉄骨プレファブ工法」を採用しました。

建築家によるテキストより
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株式会社INTERMEDIAでは新規設計スタッフを募集します。

弊社では、SD Reviewに入選した「音楽ホールの山」、商店建築に掲載された「基壇地形の改修」「HOGET」、新建築や日経アーキテクチュア掲載等をはじめとして、住宅、福祉施設、公共施設など大小様々な建築の設計・監理を横断的に行っている事務所です。現在は大学施設の新築計画、大きな工場の改修など、より規模の大きいプロジェクトも動き出している一方、「HOGET」や「uminoわ」といった地域に根ざした拠点施設のようなプロジェクトにも数多く携わっています。

INTERMEDIAは長崎県島原市という地方都市に拠点を置いていますが、むしろ地方都市を拠点にしているからこそ、小規模住宅や改修に留まらない大小様々なプロジェクトが動き続けています。そのため、規模や用途が多種多様であり、幅広い知識・技術を共に習得し、基本設計から竣工までの一連の建築設計の仕事を経験できます。

また現在のスタッフは全員20代・県外出身の移住者であり、代表の佐々木翔もUターン移住者のため、移住に関する相談はしやすく、かつ常に議論したり協力したりしやすい環境です。2つの拠点があり、リモートワークも含めてどんな場所に居ても活動できる体制を整えています。

また、INTERMEDIAには2名の共同代表が在籍しています。創業者である佐々木信明の30年以上に渡る確かな実務経験に加え、共同代表である佐々木翔は「末光弘和+末光陽子/SUEP.」で設計主任として経験を積み、2015年から拠点をここINTERMEDIAに移し、その後「SD Review 2015 入選」、「Architects of the Year 2019 入選」など、長崎や島原という地方都市に留まることのない活動や賞歴を残してきました。これからも、地方都市から全国や世界に発信できるような建築を作っていきたいと考えています。

また、2023年3月からは島原市のアーケード沿いにある古民家に拠点を移し、カフェや宿泊施設等と共存し、自ら運営も行いながら地域に開かれた活動を展開していきます。

このように、様々なプロジェクトを通して、これからの建築を共に悩み、考え、実現し、議論していけるような意欲的な人と一緒に仕事がしたいと思っています。興味のある方はぜひお問い合わせください。

ツバメアーキテクツによる、東京・港区の「cobacoのポップアップ」。神戸のブランドの為の期間限定店舗。短時間での施工と撤収の条件に対し、“参勤交代”のイメージを重ねて“ジュエリーを乗せた籠”をテーマに設計。メッシュ素材の囲いと現場組立の什器で場を構築
ツバメアーキテクツによる、東京・港区の「cobacoのポップアップ」。神戸のブランドの為の期間限定店舗。短時間での施工と撤収の条件に対し、“参勤交代”のイメージを重ねて“ジュエリーを乗せた籠”をテーマに設計。メッシュ素材の囲いと現場組立の什器で場を構築 photo©長谷川健太
ツバメアーキテクツによる、東京・港区の「cobacoのポップアップ」。神戸のブランドの為の期間限定店舗。短時間での施工と撤収の条件に対し、“参勤交代”のイメージを重ねて“ジュエリーを乗せた籠”をテーマに設計。メッシュ素材の囲いと現場組立の什器で場を構築 photo©長谷川健太
ツバメアーキテクツによる、東京・港区の「cobacoのポップアップ」。神戸のブランドの為の期間限定店舗。短時間での施工と撤収の条件に対し、“参勤交代”のイメージを重ねて“ジュエリーを乗せた籠”をテーマに設計。メッシュ素材の囲いと現場組立の什器で場を構築 photo©長谷川健太

ツバメアーキテクツが設計した、東京・青山の「cobacoのポップアップ」です。
神戸のブランドの為の期間限定店舗です。建築家は、短時間での施工と撤収の条件に対し、“参勤交代”のイメージを重ねて“ジュエリーを乗せた籠”をテーマに設計しました。具体的には、メッシュ素材の囲いと現場組立の什器で場を構築しました。ブランドの公式サイトはこちら

ジュエリーブランドcobacoのポップアップのデザイン。

以前、cobacoの仕事場兼自宅である「神戸のアトリエ付き住居」を設計させていただいた。今回は二日間という期間のポップアップのプロジェクトである。

建築家によるテキストより

敷地となるスパイラルのファサード下の区画は日々利用者がいるために施工と撤収はほんの数時間で完遂しなくてはならない。そういった条件から神戸から参勤交代でやってくるジュエリーを乗せた籠(カゴ)のイメージを議論した。

建築家によるテキストより

まず会場にかかっている吊り天井に荷重を与えないように非常に軽いメッシュ素材のテキスタイルを吊り下げ、場を構成し、導線部分は籠のようにたくし上げた。壁面什器は現場で組み立てるだけとした。壁からメッシュ越しに腕を伸ばすつくりとして浮遊感を与えた。

建築家によるテキストより
阿曽芙実建築設計事務所による、奈良の店舗兼住宅「T house Renovation」。築40年の木造住宅をネイルサロンと住居に改修。家族の暮らしに主眼を置く在り方を目指して、私より公が優先された典型的な田の字プランの逆転を構想。既存の“鴨居”等は残して空間の緩やかな分節に援用
阿曽芙実建築設計事務所による、奈良の店舗兼住宅「T house Renovation」。築40年の木造住宅をネイルサロンと住居に改修。家族の暮らしに主眼を置く在り方を目指して、私より公が優先された典型的な田の字プランの逆転を構想。既存の“鴨居”等は残して空間の緩やかな分節に援用外観 photo©大竹央祐
阿曽芙実建築設計事務所による、奈良の店舗兼住宅「T house Renovation」。築40年の木造住宅をネイルサロンと住居に改修。家族の暮らしに主眼を置く在り方を目指して、私より公が優先された典型的な田の字プランの逆転を構想。既存の“鴨居”等は残して空間の緩やかな分節に援用ネイルサロンの部分 photo©大竹央祐
阿曽芙実建築設計事務所による、奈良の店舗兼住宅「T house Renovation」。築40年の木造住宅をネイルサロンと住居に改修。家族の暮らしに主眼を置く在り方を目指して、私より公が優先された典型的な田の字プランの逆転を構想。既存の“鴨居”等は残して空間の緩やかな分節に援用玄関と廊下の土間空間からリビング方向を見る。 photo©大竹央祐
阿曽芙実建築設計事務所による、奈良の店舗兼住宅「T house Renovation」。築40年の木造住宅をネイルサロンと住居に改修。家族の暮らしに主眼を置く在り方を目指して、私より公が優先された典型的な田の字プランの逆転を構想。既存の“鴨居”等は残して空間の緩やかな分節に援用リビングからキッチン方向を見る。 photo©大竹央祐

阿曽芙実建築設計事務所が設計した、奈良の店舗兼住宅「T house Renovation」です。
築40年の木造住宅をネイルサロンと住居に改修する計画です。建築家は、家族の暮らしに主眼を置く在り方を目指して、私より公が優先された典型的な田の字プランの逆転を構想しました。そして、既存の“鴨居”等は残して空間の緩やかな分節に援用しました。

土地探しからのご依頼で、当時は新築住宅を建てるための土地を探していたが、なかなか思う土地が見つからずにいた時、長らく空き家になっていたこの建物と出会った。

築40年のこの中古住宅は、空き家を感じさせないほどの生命力があった。丁寧に造られていたこと、そして丁寧にお住まいになられていたことが建物を介して伝わってきた。そんな中古住宅に魅せられて、クライアントは自らここを選択した。

旗竿型の敷地形状で道路からのアプローチは狭いが、敷地も建物も広さが十分にあったため、予算の関係からも1階のみを住居兼ネイルサロンにリノベーションすることとした。

建築家によるテキストより

既存住居は田の字型を基本とした南向きの間取りで、仏間のある和室は、冠婚葬祭ができる設えとなっていた。
昭和50年ごろまでに、大工によって建てられた住宅に多く、日本全国で見受けられる典型的な形式である。メインの玄関は来客用で、日常的に家族は裏側にあるお勝手から出入りする。日当たりの良い田の字の4間は日常的には使わず、あくまでも来客用で、家族は北側にある台所とその南にある応接間を生活の場としていた。

このように住宅の中にパブリックとプライベートの領域がはっきりと区分けされ、パブリックは表に、プライベートは裏へと配置されていた。日当たりや向きだけでなく、装飾や柱などの構造材までもパブリックが上位になるヒエラルキーがあり、パブリックに主眼をおいて造られていた。

建築家によるテキストより

時代と共に、核家族化や地域の高齢化、業者の出現などにより冠婚葬祭を家で行わなくなると、4間の田の字形式はしだいに消えて行き、核家族中心の小さな都市型住居が増え始め、家族の生活の場を中心とした間取りへと変化する。

この計画では、そのような表にあるパブリックな田の字空間に、裏にしかなかった家族のためのプライベート空間を移動させることで、パブリックとプライベートを逆転させ、家族の暮らしに主眼をおいた住居を再構築することとした。

建築家によるテキストより
建築家の永山祐子によるトークイベント「素材使いの極意」が、オンラインで開催。近作のドバイ万博日本館や東急歌舞伎町タワーに加え、様々な作品を通して“素材”について語る
建築家の永山祐子によるトークイベント「素材使いの極意」が、オンラインで開催。近作のドバイ万博日本館や東急歌舞伎町タワーに加え、様々な作品を通して“素材”について語る

建築家の永山祐子によるトークイベント「素材使いの極意」が、オンラインで開催されます(※少人数制でリアルでも開催)ケイミュー株式会社主催株式会社ユニオン共催の「素材FES」内のEvent.3にて行われます。永山による近作「ドバイ万博日本館」や「東急歌舞伎町タワー」に加えて、様々な作品を通して“素材”について語られます。開催日時は2022年7月7日(木)18:30~19:20参加費無料要事前申込です。

また、Event.1(開催時間:15:00~15:40)では、Natural Living代表の渡辺美穂による「みんなにやさしいヴィーガンキャロットケーキ」が、Event.2(開催時間:16:40~17:30)では、株式会社ユニオン代表取締役社長の立野純三と宣伝広告室による「砂と金属 -ミラノデザインウィーク2019『One Design ‒ One Handle』」も企画されています。

2017年にSOLIDOが誕生してからわずか数年で世界は大きく変わり、新しい価値観が一気に広がりました。
リモートワーク&オンライン、多様性、サステナビリティという意識の浸透、そんな時代の中で素材にこだわった新しい外壁材 SOLIDO typeF facade が誕生します。
それを記念した、素材フェチな方々とともに送るリアル&オンラインでのお祭りです。[ 参加費無料 ]
会場での商品見学と、3つのウェビナーはオンライン視聴と(少人数ですが)リアル視聴で構成しています。
会場でリアルに、オンラインならどこからでも、みなさまのご参加お待ちしています。

OMA / エレン・ヴァン・ルーンによる、フランス・パリの、ティファニーの仮設店舗。販売とアーカイブ展示を行う為に計画。其々の目的に合わせて、素材や形により雰囲気の異なる部屋が連続する構成を考案。ブランドの歴史を伝えつつ購入体験に没入できる空間を作る
OMA / エレン・ヴァン・ルーンによる、フランス・パリの、ティファニーの仮設店舗。販売とアーカイブ展示を行う為に計画。其々の目的に合わせて、素材や形により雰囲気の異なる部屋が連続する構成を考案。ブランドの歴史を伝えつつ購入体験に没入できる空間を作る photo©Benoit Florençon, Courtesy OMA
OMA / エレン・ヴァン・ルーンによる、フランス・パリの、ティファニーの仮設店舗。販売とアーカイブ展示を行う為に計画。其々の目的に合わせて、素材や形により雰囲気の異なる部屋が連続する構成を考案。ブランドの歴史を伝えつつ購入体験に没入できる空間を作る photo©Benoit Florençon, Courtesy OMA
OMA / エレン・ヴァン・ルーンによる、フランス・パリの、ティファニーの仮設店舗。販売とアーカイブ展示を行う為に計画。其々の目的に合わせて、素材や形により雰囲気の異なる部屋が連続する構成を考案。ブランドの歴史を伝えつつ購入体験に没入できる空間を作る photo©Benoit Florençon, Courtesy OMA

OMA / エレン・ヴァン・ルーンが設計した、フランス・パリの、ティファニーの仮設店舗「Tiffany Temporary Store Paris」です。
販売とアーカイブ展示を行う為に計画されました。建築家は、其々の目的に合わせて、素材や形により雰囲気の異なる部屋が連続する構成を考案しました。そして、ブランドの歴史を伝えつつ購入体験に没入できる空間を作る事を意図しました。店舗の公式ページはこちら

こちらはリリーステキストの翻訳

OMAがデザインしたティファニーの仮設店舗が、パリのモンテーニュ通りにオープン

OMAがデザインしたティファニーの仮設店舗が、パリ8区の中心部にオープンしました。アダプティブデザインとして考案されたこの店舗は、1年を通して、開催されるコレクションの特徴を反映して雰囲気が変化し、ブランドの最新デザインと185年のコレクションから集められたアイテムが一堂に会します。

OMAパートナーのエレン・ヴァン・ルーンは言います。
「ティファニーは、ジュエリーとプロダクトデザインの両方で豊かな歴史を持っています。その歴史を紹介することは、私たちにとって重要なことでした。ティファニーの最新コレクションを発見する機会である以上に、この店を訪れることは、時間を超えた旅でもあるのです」

販売とアーカイブ展示の両方をスペースである店舗は、雰囲気の異なる部屋が連続するように展開されています。ロタンダ(※円形の広間)にはティファニーのジュエリーアーカイブのハイライトが物理的な展示とデジタルスクリーンで紹介され、八角形の部屋には現在のコレクションが展示されています。また、ハイジュエリーのアポイントメントは、1887年にティファニーが発行したフレンチ・クラウン・ジュエルのカタログを展示した奥の親密な部屋で行われます。また、ティファニーがデザインしたアンティークのランプが、1900年代初頭のルイ・コンフォート・ティファニーのデザインを思い起こさせ、グラデーションのかかったブルーのカーペットが、ショッピングに没入できるような空間を演出しています。

BIGによる、デンマーク・オクスボルの博物館「FLUGT」。第二次世界大戦時の病院を改修した“難民”に関する施設。二棟の既存建物を建築的にも歴史的にも繋げる、カーブを描くヴォリュームを増築。展示資料に加え体験でも難民と地域への理解を促す
BIGによる、デンマーク・オクスボルの博物館「FLUGT」。第二次世界大戦時の病院を改修した“難民”に関する施設。二棟の既存建物を建築的にも歴史的にも繋げる、カーブを描くヴォリュームを増築。展示資料に加え体験でも難民と地域への理解を促す photo courtesy of BIG
BIGによる、デンマーク・オクスボルの博物館「FLUGT」。第二次世界大戦時の病院を改修した“難民”に関する施設。二棟の既存建物を建築的にも歴史的にも繋げる、カーブを描くヴォリュームを増築。展示資料に加え体験でも難民と地域への理解を促す photo courtesy of BIG
BIGによる、デンマーク・オクスボルの博物館「FLUGT」。第二次世界大戦時の病院を改修した“難民”に関する施設。二棟の既存建物を建築的にも歴史的にも繋げる、カーブを描くヴォリュームを増築。展示資料に加え体験でも難民と地域への理解を促す photo courtesy of BIG
BIGによる、デンマーク・オクスボルの博物館「FLUGT」。第二次世界大戦時の病院を改修した“難民”に関する施設。二棟の既存建物を建築的にも歴史的にも繋げる、カーブを描くヴォリュームを増築。展示資料に加え体験でも難民と地域への理解を促す photo courtesy of BIG

BIGが設計した、デンマーク・オクスボルの博物館「FLUGT – REFUGEE MUSEUM OF DENMARK」です。
第二次世界大戦時の病院を改修した“難民”に関する施設です。建築家は、二棟の既存建物を建築的にも歴史的にも繋げる、カーブを描くヴォリュームを増築しました。そして、展示資料に加え体験でも難民と地域への理解を促す事を意図しました。施設の公式サイトはこちら

こちらは建築家によるテキストの翻訳

第二次世界大戦中のデンマーク最大の難民キャンプ跡地に位置する「FLUGT」は、世界中の難民に声と顔を与え、避難民が共有する普遍的な課題、感情、精神、物語をとらえています。FLUGTは、Vardemuseerne(※クライアント)のためのBIGの2番目の博物館であり、この地域に関する歴史的知識の考古学、普及、収集に特化した地域機関です。BIGは、収容所に残っている数少ない建造物のひとつである病院の建物を、1,600m2の博物館に改修・拡張しました。

収容所の最盛期には、当時のデンマークで5番目に大きな都市となりました。現在、オクスボルの収容所はほとんど残っていませんが、新しい国の入り口に到着したというストーリーは、これまでと同じように重要です。FLUGTに生まれ変わった旧病院は、2つの細長い建物で構成されています。BIGはこの2つの建物を建築的にも歴史的にもつなげ、柔らかなカーブを描くヴォリュームを加えることで、美術館に500m2の追加スペースをもたらし、遠くからでも見える歓迎する構造体を作り上げました。

このカーブは、通りに向かって緩やかにひかれ、美術館の来館者に魅力的な到着の瞬間を演出します。コールテン鋼で覆われた構造体は、旧病院の赤レンガに調和しています。外から見ると、抽象的なヴォリュームは、一見閉じたエントランスホールに訪問者を迎えます。中に入ると、床から天井までの曲面ガラスの壁から、緑に覆われた中庭と、かつて難民キャンプがあった森が見えます。中庭から光が差し込むエントランスホールは、ロビーや企画展示スペースとして機能し、ゲストが館内を移動する前に体験することができます。

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