
大野友資 / DOMINO ARCHITECTSが設計した、香港のドロップインスペース「MTRL Hong Kong」です。
香港島、起伏の激しい上環地区に建つ、 現地では典型的な鉄筋コンクリート造の長屋の一部をドロップイン スペースにリノベーションする計画である。
高温多湿で湿度が100%にまで達する香港では、一般的に部屋を締め切ってエアコンをかけることで室内環境をコン トロールしている。そのためか、室内で空気がこもり黴臭くなったり、 室内外での寒暖差が激しくなったりしてしまうことも多い。また、多くの場合長屋形式の建物では背後にバラックのような増築がされているため、奥に行けば行くほど暗く閉じた空間になっていく。 本計画の敷地建物にも例に漏れず裏手に大きな部屋がくっついていた。
そこで、まずはこの増築部分を全て撤去し裏庭に対して最大限開放できる大きな窓を開けることで、 このエリアに風の通り道をつくることを考えた。
建物の裏に風穴を開けたことで、南北の開口を開け放つと気持ちのいい風が抜け、奥へと進むと明るい光が部屋に差し込んでくる。 また背後に隠れていた高さ30mの断崖絶壁が借景として広がり、壮大な眺めを独占することができる場所を作ることができた。
吹き抜け部分に設置された縦長の屋外用LEDディスプレイは、フレームレスかつ構造上光を反射しないためモニター感が薄く、まるでタペストリーかラグかのような見え方をする。 LEDディスプレイや電子ペーパーなど、 情報に特別な質感を与える技術がでてきたことによって、 それらのデバイスを設備としてでなく建築の仕上材と同等に扱うことができるようになるだろう。


