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隈研吾による、栃木の「那珂川町馬頭広重美術館」のリニューアル完了を伝えるニュース動画です。隈研吾のコメントも収録されています。2026年3月に公開されたもの。那珂川町馬頭広重美術館は、2000年竣工の建築です。こちらのページに竣工写真や図面が掲載されています。
長谷川豪建築設計事務所がインテリアを手掛けた、東京・神保町の「三省堂書店神田神保町本店」の動画です。ドローンで撮影したもの。同書店は、2026年3月19日にリニューアルオープンしました。長谷川豪がInstagramにコンセプトを書いています。




スミルハン・ラディックによる、イギリス・ロンドンの「Serpentine Gallery Pavilion」です。
プリツカー賞受賞建築家の代表作のひとつで2014年に完成した作品です。質量・表面・地面が“意図的な均衡”の中にあり、建築の“原初的な読み取り方”を提示しています。また、シェルと石のパヴィリオンは古代的であり仮説的でもあります。
アーキテクチャーフォトでは、スミルハン・ラディックの2026年のプリツカー賞受賞を特集記事として紹介しています。
こちらはプロジェクトに関するテキストです(翻訳:アーキテクチャーフォト / 原文は末尾に掲載)
サーペンタイン・ギャラリー・パヴィリオンは、シェルターを、一見すると宙に浮いているかのような状態として提示します。
半透明のグラスファイバーのシェルは、ケンジントン・ガーデンズの芝生の上に浮かんでいるかのように見え、地元で調達された巨大な荷重支持の石の輪の上に、にわかには信じがたい形で載っています。
そのパヴィリオンは、古代的であると同時に仮設的にも見え、石の重さによって支えられ、その表皮を通して濾過された移ろう昼光によって活気づけられています。光は示されるのではなく濾過されており、その構造体は完全に閉じられているわけでも、完全に開かれているわけでもありません。
仮設でありながら、このパヴィリオンは建築の原初的な読み取り方を提示しており、そこでは質量、表面、そして地面が意図的な均衡の中にあります。

2026年のプリツカー賞を、スミルハン・ラディック(Smiljan Radic Clarke)が受賞しています。
スミルハン・ラディックは、1965年にチリ・サンティアゴ生まれました。
幼少期の多くを絵を描いて過ごし、14歳のとき、美術の教師から課題として建物を設計するように与えられたことで初めて建築に触れました。チリ・カトリック大学で建築を学んだ後、ヴェネツィア建築大学でも学びます。そして、1995年にチリ・サンティアゴで自身の名を冠した設計事務所を設立しました。
2014年にはロンドンのサーペンタイン・パヴィリオンの設計者に選ばれ、半透明のグラスファイバーの殻からなる構造の建築を実現しました。また、2016年には、日本のTOTOギャラリー・間にて「スミルハン・ラディック展 BESTIARY:寓話集」を開催しています。
現在もサンティアゴを拠点に生活と活動を続けており、アルバニア、スペイン、スイス、イギリスでの新しいプロジェクトが予定されています。
2026年の審査員評では、次のように述べられています。「不確実性、素材実験、文化的記憶の交差点に位置する一連の作品を通して、スミルハン・ラディックは根拠のない確実性の主張よりもむしろ脆さを選びます。彼の建築は一時的で不安定、あるいは意図的に未完成であるかのように見え、ほとんど消え去りそうな状態にあります。しかしそれでもなお、構造化され、楽観的で、静かな喜びをもたらすシェルターを提供し、脆弱性を生きられた経験の本質的な条件として受け入れています」
また、審査員長であり2016年プリツカー賞受賞者のアレハンドロ・アラヴェナは次のように述べました。「彼はあらゆる作品において、根本的な独創性によって応答し、見えにくいものを明らかなものにします。彼は建築の最も還元できない基本的基盤へと立ち返りながら、同時にまだ触れられていない限界を探究しています。世界の端とも言える場所で、厳しい状況の中から形成され、わずかな協働者による実践によって活動しながら、彼は私たちを建築環境と人間の条件の最も内奥へと導くことができます」
また、審査講評は次のような言葉で締めくくられています。「建築が人間の条件の核心に触れる芸術であることを私たちに思い起こさせること、そして不確実性によって形づくられた世界の中で、より大きな声やより壮大な表現を必要とすることなく意味を持つ静かなシェルターを提供しながら、建築という分野が不完全さと脆さを受け入れることを可能にしたこと、さらに学問領域の境界が曖昧になりつつある現代を反映するハイブリッドな建物を創造し、それらが人々の代弁をするのではなく、人々がそれを通して自らの声を見つけることを可能にすること。これらによって、スミルハン・ラディックは2026年プリツカー賞受賞者に選ばれました」
以下に、代表作品の写真とインタビュー動画も掲載します。




ヘザウィック・スタジオによる、オランダ・ロッテルダムの「アーバン・リーフ」です。
コンペの応募案で最終候補のひとつです。デザイナーは、気候変動への行動を促す団体の為に、“体験の創出”に重点を置いた存在を志向しました。そして、木造とモジュール式構成要素を組み合わせて“サンゴ礁の様に再生的であり適応可能”な建築を提案しました。
こちらはリリーステキストです(翻訳:アーキテクチャーフォト / 原文は末尾に掲載)
ヘザウィック・スタジオが「アーバン・リーフ」を発表
ヘザウィック・スタジオは本日、シフト・ランドマークのための提案を発表しました。それは、私たちにこれまでとは異なる種類の公共の場所を想像することを促すプロジェクトです。すなわち、私たち皆が共有する気候の未来に対して、人々がつながりを感じ、情報を得て、希望を持てるよう支える場所です。
「アーバン・リーフ」という同スタジオの提案は、オランダのソーシャルベンチャーであるシフトによって本日発表された、最終候補5案のうちの1つです。このランドマークは、ロッテルダム南部の新しいウォーターフロント地区であるウォーターカントに計画されています。この地区は、ヨーロッパで最も先進的な都市近隣地区の一つになることを目指しています。
同スタジオのデザインは、従来の建物ではなく体験を生み出すことに重点を置いています。来訪者は、好奇心を喚起し理解を深めるよう設計された一連の空間を巡ります。没入型で多感覚的な展示が、自然界の美しさと脆弱性を、地に足のついた親しみやすい形で紹介します。つまり、恐怖や非難を伴わずに気候の課題を提示します。
ヘザウィック・スタジオのグループリーダー兼パートナーであるリサ・フィンレイ(Lisa Finlay)は次のように述べました。
「このコンペティションは、建築がどのようにして、私たちが地球への影響をより少なくしながら、より軽やかな方法で暮らすことができると示す手助けができるのかを考える機会となりました。私たちのデザインは、その可能性を称えるものであり、それらを探求するための招待です」



藤本壮介による「JINS銀座店」が2026年3月28日にオープンします。
アントニン・レーモンド設計の“教文館ビル”(1933年竣工)の1階と地階1階に入居します。また、“やわらかな和”をテーマに設計されました。
本店舗の設計を手がけたのは、世界的建築家・藤本壮介氏。
近代日本建築の巨匠アントニン・レーモンド氏による1933年竣工の名建築・教文館ビルの歴史を継承しつつ、現代の感性を吹き込みました。和菓子や和紙のようなやわらかさを感じさせる白の外壁で建物を包み込むことで、新たな“和”の表現に挑戦。
白の左官材にミラーの破材を混ぜて磨き上げるという、緻密な手仕事が光る仕上げが特長です。店内1階には、まるで大木をくり抜いたような凛とした空間に商品が広がります。
地上1階から地下1階へと続く開放的な吹き抜け構造には左右対称の階段を採用。地下1階は剥き出しの躯体が建物の重層的な歴史を物語り、新旧の時代が交差する独自の空気感を醸成します。
吹き抜けには、彫刻家・名和晃平氏による高さ5メートルの《Snow-Deer》を常設展示。大阪・関西万博でも注目を集めた本作は、真珠のような光沢を放つホワイトパールの色彩を纏った静謐な佇まいで、銀座に新たなエネルギーをもたらします。
これまでの屋外展示とは異なり、地下1階と地上1階をつなぐ階段により作品を上下の視点から360度鑑賞できる、ユニークなアート体験を提供します。
以下に掲載する画像は拡大して閲覧可能です。

建築家の永山祐子が「令和7年度(第76回) 芸術選奨 文部科学大臣新人賞」を受賞しています。
こちらのPDFに全受賞者の一覧があります。また建築分野では、松隈洋が「令和7年度芸術選奨文部科学大臣賞(評論部門)」を受賞しています。建築に近い分野では、深澤直人や岡﨑乾二郎も受賞しています。
以下は、公式に公開された永山への贈賞理由です。
令和7年、永山祐子氏は、大阪・関西万博のウーマンズ パビリオンとパナソニックグループパビリオンを手掛け、初の単著と作品集を刊行した。注目すべきは、ウーマンズ パビリオンでは、様々な規制をクリアし、氏がデザインアーキテクトを務めたドバイ万博日本館の組子(くみこ)ファサードのリユースを実現したこと。連続した万博で同じ部材が転用されるのは史上初だろう。しかも二つのパビリオンのファサードは、2027年国際園芸博覧会の異なる出展施設で再利用することも、万博の会期中に決定した。先駆的な循環型プロセスの試みとして高く評価できる。
「実はガウディ建築だった、カタルーニャ地方の山小屋 壁や天井に特徴」というニュース動画が、ロイターのyoutubeアカウントで公開されています。
ファンションデザイナーのマルタン・マルジェラについてのドキュメンタリー「We Margiela マルジェラと私たち」が、youtubeで無料公開されています。2017年の作品です。日本語字幕付き。





スノヘッタによる、サウジアラビアの「カスール・アル・ホクム地下鉄駅」です。
新たな地下鉄網の主要ハブのひとつです。建築家は、焦点としての機能に加えて内外を視覚的に繋げる為、鏡面のステンレスパネルで覆われたキャノピーを中央に据える計画を考案しました。また、テラゾー仕上げの広場は開かれた公共空間として機能します。
こちらはリリーステキストです(翻訳:アーキテクチャーフォト / 原文は末尾に掲載)
360度の反射キャノピーと緑豊かな地下庭園が、カスール・アル・ホクム駅を訪れる旅行者を迎える
サウジアラビアの首都の新しい地下鉄システムにおける4つの主要ハブの一つであり、主要な2路線を結ぶ歴史的なアル=キリ地区駅は、都市のペリスコープとして機能する大きなステンレス鋼製キャノピーを備えた、開放的な都市および歩行者広場として設計されています。
駅の各階層は、外部を内側へ、内側を外部へと反射する鏡のような張り出し構造によって視覚的に結び付けられており、同時に自然光を地下駅へ導き、周囲の公共空間に日陰を提供しています。
スノヘッタは2012年に、この駅のコンペで勝利したコンセプトを開発しました。この85駅から成る地下鉄システムは、1日あたり最大360万人の乗客を収容する能力を有しており、昨年1月から一般公開されています。
低排出の交通手段をすべての人に利用可能にすることに加えて、この新しい交通ネットワークは主要地区を結び、依然として全移動の約97%が自家用車によって行われている急速に成長する都市において、交通渋滞の緩和に貢献します。
周囲を映し出すこと
そのスチール製キャノピーは焦点として機能し、駅の主な入口を示しています。その光沢のある外側表面は、8mmの二重曲面ステンレス鋼パネルで構成されており、それらは完全に溶接され、滑らかで継ぎ目のない外観を生み出すために研磨されています。
支持するスチール製スペースフレーム、すなわちステンレス外皮との接続のための調整可能なタイロッドを備えた強固で軽量な鋼構造によって、キャノピーはその基部である巨大な円錐壁の上方および外側へと張り出すことが可能になっています。地上レベルの下では、傾斜した内壁は、その地域の伝統建築に着想を得た左官仕上げの表面で仕上げられています。
建築を統合する要素であると同時に建物内の方向付けのポイントとして機能するスチール製キャノピーは、その鏡のような表面から間接的な太陽光を下方へ反射します。エネルギー生産のためのPVパネルは、キャノピー屋根の上部に設置されています。
「列車を降りて見上げると、キャノピーの裏面に反射した都市の360度の景色が見えます。そのため、自分が都市のどこにいるのかを即座に把握できます。同様に、都市側から来る場合にはキャノピーを見上げると、それは下で起こっているすべてのことを映し出します」と、ロバート・グリーンウッド(Robert Greenwood)は述べています。スノヘッタのパートナー兼プロジェクトリード


妹島和世と西沢立衛のSANAAが設計を手掛ける「ロスコ・ルーム」のデザイン構想が公開されました。
同じくSANAAが手掛ける、国際文化会館の新西館の地下に常設展示室としてつくられます。新西館の完成は2030年を予定されています。
SANAAは、DIC川村記念美術館、アメリカのロスコ・チャペル、イギリスののテート・モダンのロスコ空間を実際に訪問して、作品と空間の在り方について理解を深めたとのことです。
SANAAによるコメント
このたび国際文化会館の新西館建設計画の一環として、シーグラム壁画を展示するロスコ・ルームの設計に関わる機会に恵まれ、たいへん光栄に思います。静かな展示環境の中、そこを訪れる人々が作品と深く向き合える場となるよう、設計を進めてまいります。
デザインコンセプト
庭園から連続するアプローチ
「ロスコ・ルーム」へは、新設される緑豊かなエントランス庭園に囲まれたエントランスホール、自然光を感じることのできる地下のメディテーションスペースからアプローチします。国際文化会館新西館建設計画(仮称)のメインコンセプトの一つである親自然空間体験と、「ロスコ・ルーム」の単独的な空間体験のふたつを両立させ、ひと続きの体験となる構成を目指します。
展示室の中で独立した空間
「ロスコ・ルーム」は、地下の展示室内にあります。他の展示と連続しながらも、独立した場となるように計画します。「ロスコ・ルーム」自体が明確な存在感を持ち、訪れる人に象徴的な体験をもたらす空間を目指します。
以下の画像は拡大して閲覧可能です。

遠藤克彦建築研究所・waiwai共同企業体が、長野の「上伊那総合技術新校(仮称)」基本計画策定支援業務委託プロポーザルで最適候補者に選定されました。
提案書とプレゼンテーション動画も公開されています。また、二次審査には、千葉学建築計画事務所(候補者)、シムサ・キッタン・アンド・ウエストJV、わたしもそうJVが名を連ねていました。審査委員長は、赤松佳珠子。審査委員は、寺内美紀子、西沢大良、垣野義典、高橋純、武者忠彦が務めました。
審査委員会からの推薦に基づき、県が以下の者を最適候補者等として特定しました。
以下に、その他の画像と提案書へのリンクも掲載します。




スノヘッタの設計で建設が進む、韓国の「釜山オペラハウス」です。
かつて工業地帯だった湾岸沿いでの計画です。建築家は、活気に満ちた“包摂的な公共空間”への転換を目指し、“柔らかな外装”と“一般に開かれた屋上”を特徴とする建築を考案しました。また、都市を迎え入れる“建築的ジェスチャー”も意図されました。2027年の開業を予定しています。
こちらはリリーステキストです(翻訳:アーキテクチャーフォト / 原文は末尾に掲載)
新たな文化の地平線:スノヘッタによる釜山オペラハウスが姿を現しつつある
国際設計コンペの結果、スノヘッタは2012年に釜山オペラハウスの設計を委託されました。オペラを排他的な制度と見なすことからの転換として構想された本プロジェクトは、舞台芸術建築を、集団的な体験や日常的な利用を促す、開かれた、対話的で民主的な空間として再定義しています。韓国第2の都市における初のオペラハウスとして、本プロジェクトは、舞台の枠を超えてその意義をはるかに広げる、文化を規定するランドマークとなることが見込まれています。
釜山北港のウォーターフロント沿いの埋立地に位置する新オペラハウスは、歴史的な工業地帯を、活気に満ちた包摂的な公共空間へと転換します。人を迎え入れるような建築は、開放性、アクセス性、市民的な寛容さといった価値観を体現しながら、韓国における現代建築の新たな章を告げています。柔らかな外装、一般に開かれた屋上、そして公園側と海側の両方からのエントランスを備えることで、このオペラハウスは、都市を迎え入れる連続的な建築的ジェスチャーを形づくっています。規模4万8,000㎡の釜山オペラハウスには、1,800席の大劇場、300席の多目的劇場、リハーサル空間、そして公共広場が整備される予定です。
ここ数か月で工事は急速に進展しています。主要構造とファサードの骨組みがすでに整った現在、焦点はファサードの設置、内装工事、そして外構整備へと移っています。主要な工事は2026年後半に完了し、2027年に開業する予定です。
釜山オペラハウスの幾何学的構成は、相対する二つの連続した曲線によって規定されています。下部のアーチ状の面は建物を地面にしっかりと結び付け、敷地をまたぎながら都市と海とをつないでいます。その上には、第二の面が上方へと開き、空を抱き込むようになっています。このオペラハウスは、これら二つの面のあいだの緊張と対話の中で立ち現れています。そこは、大地と空、そして山と水が出会う場所です。

永山祐子の内装設計で「黄金湯 新宿店」が2026年5月にオープンします。
既存の銭湯絵を残したデザインが特徴となっています。東新宿の築50年の金沢浴場をリニューアルして生まれ変わらせます。施設の場所はこちら(Google Map)。
永山祐子によるコメント
新宿という街がもつ「多層性」を空間に活かし、浴場の記憶を次世代へと継承する。
新宿は、古い建物と新しい建物が混在し、異なる時代のレイヤーが重なり合った独特の魅力を放つ街である。50年間の記憶を蓄積してきた金沢浴場の中にも存在している「時代の重なり」を表現したいと考えた。
象徴的な銭湯絵モザイクタイル、かつて存在した曲面天井といった「過去の断片」の上に新たなレイヤーを重ねていった。
懐かしくて新しい黄金湯新宿を多くの人に体験して欲しい。
以下に、その他の画像も掲載します。



ランサ・アトリエによる、イギリス・ロンドンのサーペンタイン・パヴィリオンです。
毎年1組が選ばれ造られる期間限定の建築です。建築家は、国や周辺環境の文脈等を考慮し、果樹壁“サーペンタイン・ウォール”から着想を得たレンガ壁を特徴とする建築を考案しました。また、光と風を導入して閉鎖性と開放性の境界の軟化も行っています。会期は、2026年6月6日~10月26日まで。
こちらはリリーステキストです(翻訳:アーキテクチャーフォト / 原文は末尾に掲載)
イサベル・アバスカル(Isabel Abascal)とアレッサンドロ・アルテンツォ(Alessandro Arienzo)によって設立されたランサ・アトリエ(LANZA atelier)が、2026年サーペンタイン・パヴィリオンのために選出されました
サーペンタインは、イサベル・アバスカル(Isabel Abascal)とアレッサンドロ・アルテンツォ(Alessandro Arienzo)によって設立されたメキシコの建築スタジオ、ランサ・アトリエ(LANZA atelier)が、2026年サーペンタイン・パヴィリオンの設計者として選出されたことを、喜びをもって発表します。ア・サーペンタインと題されたランサ・アトリエによるパヴィリオンは、ゴールドマン・サックスが12年連続でこの年次プロジェクトを支援するなか、2026年6月6日にサーペンタイン・サウスにて一般公開されます。パヴィリオンが第25回目を迎えるにあたり、サーペンタインはザハ・ハディド財団との特別なパートナーシップを通じて、この記念すべき節目を祝います。
その歴史を通じて、サーペンタイン・パヴィリオンは、新進気鋭の才能を紹介する、高い期待を集めるショーケースへと成長してきました。パヴィリオンは年月を重ねるなかで、サーペンタインによる実験的で学際的な、コミュニティおよび教育プログラムのための、参加型の公共的かつ芸術的なプラットフォームとして発展してきました。
ランサ・アトリエは、イサベル・アバスカルとアレッサンドロ・アルテンツォによって2015年に設立された、メキシコシティを拠点とする建築スタジオです。彼らの協働的な実践は、日常的なものやインフォーマルなものに根ざしつつ、テクノロジーやクラフト、そして空間的知性が予期せぬ状況のなかでどのように立ち現れるかに注意を払っています。彼らの仕事は、使われ方や組み立て、そして出会いのなかに美を見出し、対話や集合的な体験を前景化する建築のあり方を提案しています。
このデュオは、ドローイングや模型制作といった手を動かすデザイン手法を特に重視し、それらを素材、形態、構造について思考するための能動的なツールとして捉えています。グローバルに活動する同スタジオは、建築の実践を、批評的かつ主体的な視点を通して、文化的な空間、住宅プロジェクト、公共インフラ、家具デザインのあいだを流動的に横断するものとして捉えています。
本年のサーペンタイン・パヴィリオンに向けて、ランサ・アトリエは、サーペンタインあるいはクリンクル・クランクル・ウォールとして知られるイギリス建築の要素から着想を得ました。この要素は、パヴィリオンの一辺を成しています。この種のレンガ壁は、交互に連なる曲線によって構成されており、古代エジプトに起源を持ち、のちにオランダの技師によってイングランドにもたらされました。その曲線的な形態は、横方向の支持によって安定性を生み出し、1枚分の厚さしかないサーペンタイン・ウォールであっても、直線の壁より少ないレンガで構築できることを意味しています。この名を冠した要素は、穏やかな曲線にちなんで名付けられた近隣のサーペンタイン湖にもさりげなく呼応しており、蛇のかたちを想起させます。
周囲のランドスケープとの対話のもと、第二の壁は樹冠を損なうことなくそれと調和して機能し、主構造は敷地の北側に配置されています。半透明の屋根が、林立する樹木を想起させるレンガの柱の上に、軽やかに載せられています。パヴィリオンの構成は、光と風が空間に行き渡ることを可能にし、囲われた状態と開放性との境界をやわらかくしています。
ランサ・アトリエは、英国固有の庭園の伝統を称えるとともに、かつてティー・パヴィリオンであったサーペンタイン・サウス・ギャラリーの既存のレンガのファサードとの対話を生み出すため、レンガを主要な素材として選びました。不透明な壁を透過的なものへと変化させる、リズミカルに反復されたレンガの柱によって造られたこのパヴィリオンは、ヨーロッパとアメリカ大陸の地理のあいだにある、比喩的な架け橋となります。
ランサ・アトリエは次のように述べています。「本コミッションにとって記念すべき節目の年となる第25回サーペンタイン・パヴィリオンの設計者として選出されたことを、大変光栄に思います。私たちは、自身の仕事をより広い公共に共有し、空間的実験と集合的な出会いというパヴィリオンの継続的なレガシーに貢献できる機会を得られたことに、心から感謝しています。自然界を想起させる庭園のなかに設えられた本プロジェクトは、明らかにすると同時に覆い隠す装置として構想されたサーペンタイン・ウォールの形を取っています。それは、動きを形づくり、リズムを調整し、近接性や方向性、そして立ち止まりのための境目をかたちづくります。
生成的で保護的な力としての蛇の姿に着想を得た私たちは、その姿と、気候を和らげ、庇護を生み、成長を可能にする構造物であるイングランドの蛇行する果樹壁とのあいだに、共通性を見出しています。この着想から、素朴な粘土レンガによって造られたパヴィリオンが立ち現れ、土着的なクラフトと、人々を結びつける建築の根源的な力を前景化しています。2026年のパヴィリオンは、透過性を備え、穏やかな幾何学によって形づくられ、支えられながら、そこを行き交う人々に対して絶えず応答し続ける建築のかたちを提示しています」
















