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内藤廣による講演会「渋谷と益田、そして建築と都市を語る」の動画。展覧会の開催に合わせて2025年7月に行われたもの

内藤廣による講演会「渋谷と益田、そして建築と都市を語る」の動画です。展覧会の開催に合わせて2025年7月に行われたもの。
アーキテクチャーフォトでは、内藤の展覧会「建築家・内藤廣 赤鬼と青鬼の場外乱闘 in 渋谷」の様子を特集記事として紹介しています。

妹島和世の空間設計で、化粧品メーカー“ポーラ”の銀座旗艦店「ポーラ ギンザ」が2025年12月にリニューアルオープン。音楽家・渋谷慶一郎、照明家・豊久将三、嗅覚のアーティスト・和泉侃もプロジェクトに参画
妹島和世の空間設計で、化粧品メーカー“ポーラ”の銀座旗艦店「ポーラ ギンザ」が2025年12月にリニューアルオープン。音楽家・渋谷慶一郎、照明家・豊久将三、嗅覚のアーティスト・和泉侃もプロジェクトに参画 image courtesy of ポーラ

妹島和世の空間設計で、化粧品メーカー“ポーラ”の銀座旗艦店「ポーラ ギンザ」が2025年12月12日にリニューアルオープンします。
音楽家・渋谷慶一郎、照明家・豊久将三、嗅覚のアーティスト・和泉侃もプロジェクトに参画します。店舗の場所はこちら(Google Map)。

新しい自分に出会うフローラの森

ポーラの新しい空間は咲きあふれるフローラ(ラテン語:花や植物)に包まれた、森のような新しい庭です。フローラは壁面に影を落としながら、呼吸するようにゆっくりと動いています。この空間に足を踏み入れると人々は突然、いつもの時間の流れと少しだけ異なるフローラの時間に迎え入れられます。薄明るく柔らかい、心地よい光の中をめぐりながら、一人ひとりが自分との対話をゆっくりと愉しみ、まだ見ぬ自分に出会います。

この空間の呼吸とともに音楽が生まれます。瞬間ごとにかわりつづける音の響きと光の気配が重なり合い、その時そこにいる人だけの特別な体験が生まれます。

フローラの森の下には、その森を支える静謐な空間が広がっています。森のささやきの音が作り出す、静けさに溢れた空間では、自分がやってきた日常の光が遠くから少しだけ差し込み、さらに自分を開放する深い旅へと導かれます。

リリーステキストより

以下に、その他の画像も掲載します。

OMA / 重松象平の建築デザインによる、東京の複合商業施設「原宿クエスト」が9月11日にオープン。“二面性”をコンセプトとし、原宿と表参道という異なる個性の街を繋ぐ空間を志向。設計・監理にはNTTファシリティーズが参画
OMA / 重松象平の建築デザインによる、東京の複合商業施設「原宿クエスト」が9月11日にオープン。“二面性”をコンセプトとし、原宿と表参道という異なる個性の街を繋ぐ空間を志向。設計・監理にはNTTファシリティーズが参画 photo courtesy of NTTアーバンソリューションズ

OMA / 重松象平の建築デザインによる、東京の複合商業施設「原宿クエスト」が2025年9月11日にオープンします。
建築家は、“デュアリティ(二面性)”をコンセプトとし、原宿と表参道という異なる個性の街を繋ぐ空間を志向しました。また、設計・監理にはNTTファシリティーズが参画しています。施設の場所はこちら(Google Map)。

本施設は、OMAの重松象平氏によるデザインで「デュアリティ(二面性)」を建築コンセプトに、原宿・表参道に併存する異なる街の個性をつなぐ空間として計画されました。地上6階・地下2階の高層棟と地上1階の低層棟で構成され、両棟の間に街の回遊性を高めるパサージュ(敷地内通路)を設けることで、都市に奥行きと新たなリズムをもたらしています。

表参道側には、垂直性と透明性を意識したアイコニックな外観を採用し、ガラス面に街路樹を映し出すことで、特徴的な個性を通りに可視化。ファサードが街のにぎわいと調和し、街との連続性を生み出しています。一方、表参道から続くパサージュの先には、小さな店舗や広場、アートスケープを配置し、住居地域に配慮したヒューマンスケールのファサードを採用することにより、街並みに自然に溶け込むやわらかな印象を形成しています。

また、パサージュ沿いや地下階には、地層をイメージした版築壁を設けており、透明感のあるガラス面と対比的な印象を与えています。壁面には、明治神宮の地層や植生を反映した素材を用いており、地域の自然環境と調和した緑豊かな空間を生み出しています。

リリーステキストより

以下に、その他の写真や計画段階のパース画像なども掲載します。

妹島和世が、NHKの朝のテレビ番組”あさイチ”のプレミアムトークに出演。放送日は2025年9月5日
妹島和世が、NHKの朝のテレビ番組”あさイチ”のプレミアムトークに出演。放送日は2025年9月5日建築家の妹島和世。 photo©architecturephoto

妹島和世が、NHKの朝のテレビ番組”あさイチ”のプレミアムトークに出演。放送日時は2025年9月5日8時15分~9時55分です。リンク先に話題となるテーマが掲載されています。

ル・コルビュジエ、ピエール・ジャンヌレ、シャルロット・ぺリアンによる椅子の、復刻60周年記念限定版をカッシーナが発売
ル・コルビュジエ、ピエール・ジャンヌレ、シャルロット・ぺリアンによる椅子の、復刻60周年記念限定版をカッシーナが発売Le Corbusier®, Pierre Jeanneret®, Charlotte Perriand® Collection, 60, limited editions in time Cassina iMaestri, ph. Luca Merli

ル・コルビュジエ、ピエール・ジャンヌレ、シャルロット・ぺリアンによる椅子の、復刻60周年記念限定版をカッシーナが発売します。
日本では、カッシーナの直営店である、青山本店・名古屋店・大阪店・福岡店にて、2025年9月25日~9月末まで展示され期間限定でオーダーが可能です。それぞれの店舗の場所はこちら

このリミテッドエディションは、3人の作者の作品における色の重要性を強調しています。

実際、色は彼らの初期のプロジェクトから中心的な要素として登場しました。ル・コルビュジエとピエール・ジャンヌレが設計したアイコニックな建築、例えばエスプリ・ヌーボー・パビリオンやラ・ロッシュ邸から、1929 年にパリのサロン・ドートンヌで初めて公にされた彼らの家具まで、色は常に重要な役割を果たしてきました。一般的にはこれらのデザインは白黒のイメージがありますが、実際には様々な色調が使われていたのです。

建築家であるだけでなく、ル・コルビュジエは画家でもあり、色の研究に常に注力していました。彼の色の組み合わせに関する研究は、バランスと視覚的調和を生み出し、周囲の環境と調和する色調を作り出すことを目指していました。同じように、シャルロット・ペリアンとピエール・ジャンヌレも色に対する深い関心を持ち、それは彼らが開発した家具においても、互いに、そしてその家具が置かれる空間と対話できる仕上げに表れています。

1978年、シャルロット・ペリアンはカッシーナのためにこの研究を拡張し、イ・マエストリコレクションに初めてカラーフレームの仕様を導入しました。これを受けて、カッシーナはその後もル・コルビュジエ財団やシャルロット・ペリアン、ピエール・ジャンヌレの相続人と協力し、このビジョンを追求し続けています。

リリーステキストより

以下にそれぞれの写真と価格も掲載します。

芦沢啓治建築設計事務所のデザインした「ブルーボトルコーヒー 心斎橋カフェ」が2025年9月にオープン。大阪城や通天閣に見られる幾何学的なモチーフに加えて、“黄金の茶室”や大阪らしい華やかさを参照して設計
芦沢啓治建築設計事務所のデザインした「ブルーボトルコーヒー 心斎橋カフェ」が2025年9月にオープン。大阪城や通天閣に見られる幾何学的なモチーフに加えて、“黄金の茶室”や大阪らしい華やかさを参照して設計 image courtesy of Blue Bottle Coffee Japan

芦沢啓治建築設計事務所のデザインした「ブルーボトルコーヒー 心斎橋カフェ」が2025年9月19日にオープンします。
大阪城や通天閣に見られる幾何学的なモチーフに加えて、“黄金の茶室”や大阪らしい華やかさを参照して設計されました。
同店は、2021年に開店した「ブルーボトルコーヒー 梅田茶屋町カフェ」に続く、大阪エリア2店舗目のカフェとなります。店舗の場所はこちら(Google Map)。

芦沢啓治 / 芦沢啓治建築設計事務所によるコメント

ブルーボトルコーヒーの店舗は、常にその土地の文化を映し出してきました。心斎橋カフェもまた、コーヒーを味わう場であると同時に、新しい文化に出会える場所としてデザインしました。

心斎橋というにぎわいの中で、大阪城や通天閣に見られる幾何学的なモチーフを手がかりにしながら、建築がもつブルータリズム的な雰囲気との調和を考えています。そこに木やテキスタイルを取り入れることで、硬さと柔らかさ、陰影と光、直線と幾何学的な面といった対比が空間にリズムを生み出しています。

さらに「黄金の茶室」や大阪らしい華やかさを参照し、照明や家具、アートにごくささやかなゴールドの反射を加えることで、落ち着いた空間に控えめなアクセントを添えました。

客席は外部空間も含め多様に設けており、ひとりでも大人数でも心地よく過ごせるようにしています。全体としてはブルーボトルコーヒーらしいゆったりとした雰囲気を大切にし、訪れる人が落ち着いてコーヒーを楽しめる、地域に開かれたカフェになればと考えています。

リリーステキストより
フォスター+パートナーズによる、マンチェスター・ユナイテッドの新しいトレーニング施設の動画。2025年8月に公開されたもの

フォスター+パートナーズによる、マンチェスター・ユナイテッドの新しいトレーニング施設の動画です。2025年8月に公開されたもの。アーキテクチャーフォトでは、この建築を特集記事として掲載しています。

以下に、写真も掲載します。

スノヘッタによる、中国の「上海グランドオペラハウス」の建設が進行中。大規模な催しに加えて日常の来訪も想定した施設。“開いていく扇子”を想起させる屋根形状を特徴とし、“24時間365日”解放された屋上広場を備えた建築を考案。2026年後半から2027年初頭の開館を予定
スノヘッタによる、中国の「上海グランドオペラハウス」の建設が進行中。大規模な催しに加えて日常の来訪も想定した施設。“開いていく扇子”を想起させる屋根形状を特徴とし、“24時間365日”解放された屋上広場を備えた建築を考案。2026年後半から2027年初頭の開館を予定 photo©Yumeng Zhu
スノヘッタによる、中国の「上海グランドオペラハウス」の建設が進行中。大規模な催しに加えて日常の来訪も想定した施設。“開いていく扇子”を想起させる屋根形状を特徴とし、“24時間365日”解放された屋上広場を備えた建築を考案。2026年後半から2027年初頭の開館を予定 photo©StudioSZ Photo Justin Szeremeta
スノヘッタによる、中国の「上海グランドオペラハウス」の建設が進行中。大規模な催しに加えて日常の来訪も想定した施設。“開いていく扇子”を想起させる屋根形状を特徴とし、“24時間365日”解放された屋上広場を備えた建築を考案。2026年後半から2027年初頭の開館を予定 photo©StudioSZ Photo Justin Szeremeta
スノヘッタによる、中国の「上海グランドオペラハウス」の建設が進行中。大規模な催しに加えて日常の来訪も想定した施設。“開いていく扇子”を想起させる屋根形状を特徴とし、“24時間365日”解放された屋上広場を備えた建築を考案。2026年後半から2027年初頭の開館を予定 photo©StudioSZ Photo Justin Szeremeta

スノヘッタによる、中国の「上海グランドオペラハウス」の建設が進行中です。
大規模な催しに加えて日常の来訪も想定した施設です。建築家は、“開いていく扇子”を想起させる屋根形状を特徴とし、“24時間365日”解放された屋上広場を備えた建築を考案しました。また、2026年後半から2027年初頭の開館を予定しています。


こちらはリリーステキストの翻訳です(文責:アーキテクチャーフォト)

上海グランドオペラハウス、急速に形を成す

国際的な設計コンペの結果、スノヘッタは2017年に上海グランドオペラハウスの設計を委託されました。このプロジェクトは、伝統的なオペラ公演やコンサートに加え、実験的なパフォーマンスも提供することで、多様な観客層を魅了するために設計されています。ダイナミズム、開放性、そして上演にとどまらない包括的なプログラムにより、このオペラハウスは上海の主要な文化的ランドマークの一つとなるでしょう。

スノヘッタはこのオペラハウスの建築設計、ランドスケープ設計、インテリアデザインを手がけており、このプロジェクトは、華東建築設計研究院(East China Architectural Design & Research Institute, ECADI)、シアタープロジェクツ(Theatre Projects)、永田音響設計(Nagata Acoustics)との協力のもとに進められています。最近、オペラハウスの建設は急速に進んでおり、主要構造と外装が完了した後、現在は内装とランドスケープに焦点が移っています。主要な建設工事は2025年末に完了する予定です。

上海グランドオペラハウスは、上海の黄浦江沿いにある後灘(ホウタン)地区に位置しています。この地域は、環境に配慮した低炭素な特性を持ち、公共の場として開かれた施設であるという、オペラハウスの使命を強調しています。周囲のランドスケープは放射状に配置されており、オペラハウス全体の幾何学と調和しています。それにより、オペラハウスから都市への視線の流れ、そして都市からオペラハウスへの視線の流れの両方が確保されています。

アーティストと一般の人々をひとつの屋根の下に集めることを目的として設計されたこの新しいオペラハウスの流れるような形状は、動きを暗示しています。螺旋状の屋根の表面は、開いていく扇子を想起させ、ダンスや人間の身体が持つダイナミズムを捉えています。表面と空間の両方を生み出す、屋根の放射状の動きは、地上と空をつなぐ螺旋階段を形成し、都市や黄浦江の川岸への眺望も生み出しています。

この螺旋状で扇を広げるような動きは、ロビーやホール、3つの観客席にも至るまで、プロジェクト全体に広がっています。オペラハウスのビジュアル・アイデンティティも同じ動きを参照しており、新しく洗練されたロゴは、一目でわかる開いた扇のパターンが特徴です。

フォスター+パートナーズによる、マンチェスター・ユナイテッドのトレーニング施設。トップチーム用の既存施設を最新化する計画。全ての要素が“選手の健康と心身の充実”に最適化され、シームレスで直感的な“旅”のように移動できる建築を考案。ガラスファサードとキャノピーで到着時の体験も刷新
フォスター+パートナーズによる、マンチェスター・ユナイテッドのトレーニング施設。トップチーム用の既存施設を最新化する計画。全ての要素が“選手の健康と心身の充実”に最適化され、シームレスで直感的な“旅”のように移動できる建築を考案。ガラスファサードとキャノピーで到着時の体験も刷新リリーステキストの翻訳:2階のメインラウンジには、連続したガラスのファサードと、ピッチを見渡せる屋外テラスが設けられています。 photo©Nigel Young Foster+Partners
フォスター+パートナーズによる、マンチェスター・ユナイテッドのトレーニング施設。トップチーム用の既存施設を最新化する計画。全ての要素が“選手の健康と心身の充実”に最適化され、シームレスで直感的な“旅”のように移動できる建築を考案。ガラスファサードとキャノピーで到着時の体験も刷新リリーステキストの翻訳:建物の1階には、新しい更衣エリアが設けられています。 photo©Nigel Young Foster+Partners
フォスター+パートナーズによる、マンチェスター・ユナイテッドのトレーニング施設。トップチーム用の既存施設を最新化する計画。全ての要素が“選手の健康と心身の充実”に最適化され、シームレスで直感的な“旅”のように移動できる建築を考案。ガラスファサードとキャノピーで到着時の体験も刷新リリーステキストの翻訳:メインラウンジには、連続したガラスのファサードと、ピッチを見渡せる屋外テラスが設けられています。 photo©Nigel Young Foster+Partners
フォスター+パートナーズによる、マンチェスター・ユナイテッドのトレーニング施設。トップチーム用の既存施設を最新化する計画。全ての要素が“選手の健康と心身の充実”に最適化され、シームレスで直感的な“旅”のように移動できる建築を考案。ガラスファサードとキャノピーで到着時の体験も刷新リリーステキストの翻訳:メインラウンジの中央には食事スペースがあり、最先端のキッチンとつながることで、選手の栄養管理をサポートしています。 photo©Nigel Young Foster+Partners

フォスター+パートナーズが設計した、イギリスの、マンチェスター・ユナイテッドのトレーニング施設「MUFC Carrington Training Centre, Manchester」です。
トップチーム用の既存施設を最新化する計画です。建築家は、全ての要素が“選手の健康と心身の充実”に最適化され、シームレスで直感的な“旅”のように移動できる建築を考案しました。また、ガラスファサードとキャノピーで到着時の体験も刷新しています。


こちらはリリーステキストの翻訳です(文責:アーキテクチャーフォト)

フォスター+パートナーズ、マンチェスター・ユナイテッドのトレーニング施設を再設計

フォスター+パートナーズは、キャリントン・トレーニング・コンプレックスにあるマンチェスター・ユナイテッドの男子トップチーム用施設の近代化を完了しました。選手とスタッフのための高機能で協働的な環境の創出に重点が置かれています。フォスター+パートナーズは1999年に建設された既存の建物について、マンチェスター・ユナイテッドと緊密に連携しながら全面的に見直しました。すべてのエリアが改修され、将来の成功を支える前向きな文化を備えた、世界水準のフットボール施設が実現されました。

フォスター+パートナーズのスタジオ責任者であるナイジェル・ダンシー(Nigel Dancey)は次のように述べています。「マンチェスター・ユナイテッドの象徴的なチームを支え育む建物を再構想するこのプロジェクトで、彼らと協力できたことは大変光栄でした。すべての要素が、選手の健康とウェルビーイングを最適化するよう磨き上げられており、オープンプランの空間、自然光、素材が重視されています。私たちのデザインは機能的な空間を再構成し、建物内を移動する際の体験を、シームレスかつ直感的な『旅』のように演出します。さらに、回復・準備・パフォーマンスを支援する最新鋭の設備も備えています」

建物の構造は大部分が維持されていますが、一部では大きな窓や天窓を取り入れるために外装が改修されており、自然光がフロア中央部まで直接届くようになっています。木材のパネル仕上げは温かみと普遍的な雰囲気を醸し出し、新たに統合されたMEP(機械・電気・配管)システムは、建物の性能やエネルギー効率、さらには利用者の体験も向上させています。

KUMA & ELSAによる、大阪・関西万博の「One Water(トイレ6)」。トイレを“水のパビリオン”として捉え計画。“水にまつわる現象の可視化”を目指し、木材・川砂利・自然塗料などの“水にまつわる素材”で組立てる建築を考案。雨水を水庭に収集して排水や屋根の散水にも再利用
KUMA & ELSAによる、大阪・関西万博の「One Water(トイレ6)」。トイレを“水のパビリオン”として捉え計画。“水にまつわる現象の可視化”を目指し、木材・川砂利・自然塗料などの“水にまつわる素材”で組立てる建築を考案。雨水を水庭に収集して排水や屋根の散水にも再利用外観、南西側より見る。 photo©KUMA & ELSA
KUMA & ELSAによる、大阪・関西万博の「One Water(トイレ6)」。トイレを“水のパビリオン”として捉え計画。“水にまつわる現象の可視化”を目指し、木材・川砂利・自然塗料などの“水にまつわる素材”で組立てる建築を考案。雨水を水庭に収集して排水や屋根の散水にも再利用水庭側より屋上階段を見る。 photo©KUMA & ELSA
KUMA & ELSAによる、大阪・関西万博の「One Water(トイレ6)」。トイレを“水のパビリオン”として捉え計画。“水にまつわる現象の可視化”を目指し、木材・川砂利・自然塗料などの“水にまつわる素材”で組立てる建築を考案。雨水を水庭に収集して排水や屋根の散水にも再利用屋上階段から水庭を見下ろす。 photo©KUMA & ELSA
KUMA & ELSAによる、大阪・関西万博の「One Water(トイレ6)」。トイレを“水のパビリオン”として捉え計画。“水にまつわる現象の可視化”を目指し、木材・川砂利・自然塗料などの“水にまつわる素材”で組立てる建築を考案。雨水を水庭に収集して排水や屋根の散水にも再利用オールジェンダートイレ photo©KUMA & ELSA

隈翔平+エルサ・エスコベド / KUMA & ELSAが設計した、大阪・関西万博の「One Water(トイレ6)」です。
トイレを“水のパビリオン”として捉え計画されました。建築家は、“水にまつわる現象の可視化”を目指し、木材・川砂利・自然塗料などの“水にまつわる素材”で組立てる建築を考案しました。また、雨水を水庭に収集して排水や屋根の散水にも再利用しています。施設の場所はこちら(万博公式PDF)。

万博のトイレを設計すること。自然資源の消費に直結する「水を流す」というトイレの仕組み。身体の分類と必ずしも一致しない、心の性別。そのことがようやく、ゆっくりと考慮され始めている今。私たちに肉薄する資源とジェンダーの事柄が、人間の生理現象を中心に交錯している。

建築家によるテキストより

トイレを「水のパビリオン」として考えた。
空から雨水が落ちて、蒸発し、雲となり、また雨として戻ってくる。あるいは、溜まった雨水が人に使われ、排水管へと吸い込まれていく。水が循環するそのプロセスの中に、水と人の多様な出会いをつくる。トイレという、水が不可欠な建物の中で、すべての生命の根源である水にまつわる現象を可視化し、その循環の場面に人々が触れる。
パビリオンは、水で育った木材、水の流れで丸みを帯びた川砂利、水色の自然塗料など、水にまつわる素材で組み立てられている。

建築家によるテキストより

会期6ヶ月という、短い命の建築。材料に会期後のセカンドライフを与える。再利用をたやすくするために、内外仕上げの木材は穴を開けず、木のブロックで押さえて固定した。基礎に使われた覆工板と山留材はレンタルで、会期終了後に返却される。

「ひとつの水の中に生きる魚たち」のように、私たちも同じ水を分かち合って生きている—— 内部の大半を、異性の家族の介助や多様な性のあり方の受け皿となる、オールジェンダートイレとした。入口から出口まで、ひと目で全体を見渡せる死角のないオープンな空間で、皆が等しくトイレを利用できる。

建築家によるテキストより
隈研吾と伊藤穰一の対談動画「メタボリズムからデジタル建築へ:分散型社会に必要な『新しいアーキテクチャー』とは?」。2025年7月に公開されたもの

隈研吾とベンチャーキャピタリストの伊藤穰一の対談動画「メタボリズムからデジタル建築へ:分散型社会に必要な『新しいアーキテクチャー』とは?」。2025年7月に公開されたもの。

永山祐子のデザイン監修による集合住宅が、東京・下北沢に建設へ。街並みとの調和を意図し、ヴォリュームを縦に二分割。低層部は“浮遊感”のあるガラスボックスとして商業スペースを配置。24時間楽器演奏が可能な防音賃貸マンションとして計画
永山祐子のデザイン監修による集合住宅が、東京・下北沢に建設へ。街並みとの調和を意図し、ヴォリュームを縦に二分割。低層部は“浮遊感”のあるガラスボックスとして商業スペースを配置。24時間楽器演奏が可能な防音賃貸マンションとして計画外観イメージ image courtesy of リブラン

永山祐子のデザイン監修による集合住宅が、東京・下北沢に建設されます。
街並みとの調和を意図し、ヴォリュームを縦に二分割しています。そして、低層部は“浮遊感”のあるガラスボックスとして商業スペースを配置。また、24時間楽器演奏が可能な防音賃貸マンションとして計画されています。リブランが手掛ける「ミュージション」シリーズの新しい建築として計画されました。こちらのページからのエントリーで物件情報が得られるとのこと。

永山祐子によるコメント

小さなスケールの建築が街並みを形成している「歩行者の街」下北沢に合わせ、全体のボリュームを縦に2つに分割し、街に馴染ませます。低層部は軽やかで浮遊感のあるガラスボックスとし、植栽帯を有効に配置することによって開かれた魅力的な商業スペースとします。

高層部の外装は植物の緑と呼応する緑色、そして緑の補色関係となるピンク色の鮮やかな色彩を施し、個性的なキャラクターを与え、色彩が溢れるサブカルチャーと共に醸成してきた街並を体現しています。

さらに、陰影を生む手触り感のあるテクスチャとし、経年を楽しむ外装となっています。
今後、街と共に魅力的に時間を積み重ねここにしかない新しい街の風景となる集合住宅を目指します。

リリーステキストより

以下に、その他の画像を掲載します。

アーティスト・奈良美智の、スタジオの様子とインタビューを収録した動画。ロンドンのヘイワードギャラリーでの回顧展に合わせて制作され、2025年7月に公開されたもの(日本語で視聴可能)

アーティスト・奈良美智の、スタジオの様子とインタビューを収録した動画です。ロンドンのヘイワードギャラリーでの回顧展に合わせて制作され、2025年7月に公開されたもの(日本語で視聴可能)。展覧会の会期は、2025年8月31日まで。公式ページはこちら

藤本壮介展(森美術館)のオリジナルグッズをプレゼント。代表作のひとつ“東京アパートメント”のペーパークラフト。切妻屋根のヴォリュームが積み重なる構成を“一枚の紙”で再現。製品の設計は本山真帆が手掛ける
藤本壮介展(森美術館)のオリジナルグッズをプレゼント。代表作のひとつ“東京アパートメント”のペーパークラフト。切妻屋根のヴォリュームが積み重なる構成を“一枚の紙”で再現。製品の設計は本山真帆が手掛ける photo courtesy of 森美術館
藤本壮介展(森美術館)のオリジナルグッズをプレゼント。代表作のひとつ“東京アパートメント”のペーパークラフト。切妻屋根のヴォリュームが積み重なる構成を“一枚の紙”で再現。製品の設計は本山真帆が手掛ける photo courtesy of 森美術館

藤本壮介展(森美術館)のオリジナルグッズを抽選でプレゼントいたします。
代表作のひとつ“東京アパートメント”のペーパークラフトです。切妻屋根のヴォリュームが積み重なる構成を“一枚の紙”で再現しています。また、製品の設計は本山真帆が手掛けました。

展覧会オリジナルグッズプレゼント企画の応募締切は、2025年9月12日(金)13時まで(お申込みにはGoogleアカウントが必要になります)。こちらのフォームからご応募ください。厳正な抽選を行い当選された方にはメールにてご連絡いたします(メール送付を当選発表にかえさせていただきます)。

ペーパークラフト 「東京アパートメント」

藤本が手がけた、三角屋根の独立したボックスが積み重なる《東京アパートメント》(2010年)の構造を、一枚の紙から組み立てて再現できるユニークなペーパークラフト。この複雑な立体構造を形作るには緻密さと工夫が求められますが、それだけに完成したときの達成感もひとしお。建築と工作の両方の楽しさが詰まっています。

リリーステキストより

森美術館での展覧会「藤本壮介の建築:原初・未来・森」の会期は、2025年11月9日まで。展覧会の公式ページはこちら
また、アーキテクチャーフォトでは、本展の会場の様子を特集記事として紹介しています。

以下に、ペーパークラフトを組み立てる様子を紹介した動画なども掲載します。

MVRDVによる、中国・上海の「GATE M ドリームセンター」。旧セメント工場を文化とレジャーの地区へと転用。既存が不自然に並ぶ状況に対し、歴史的要素を取入れた上で“ひとつのエリアとして機能”させる計画を志向。改修ではオレンジの動線空間の追加をキーデザインとする
MVRDVによる、中国・上海の「GATE M ドリームセンター」。旧セメント工場を文化とレジャーの地区へと転用。既存が不自然に並ぶ状況に対し、歴史的要素を取入れた上で“ひとつのエリアとして機能”させる計画を志向。改修ではオレンジの動線空間の追加をキーデザインとするMVRDVによるマスタープラン photo©Tian Fangfang
MVRDVによる、中国・上海の「GATE M ドリームセンター」。旧セメント工場を文化とレジャーの地区へと転用。既存が不自然に並ぶ状況に対し、歴史的要素を取入れた上で“ひとつのエリアとして機能”させる計画を志向。改修ではオレンジの動線空間の追加をキーデザインとするMVRDVによるマスタープラン photo©Liu Guowei
MVRDVによる、中国・上海の「GATE M ドリームセンター」。旧セメント工場を文化とレジャーの地区へと転用。既存が不自然に並ぶ状況に対し、歴史的要素を取入れた上で“ひとつのエリアとして機能”させる計画を志向。改修ではオレンジの動線空間の追加をキーデザインとするMVRDVによる既存工場の改修 photo©Liu Guowei
MVRDVによる、中国・上海の「GATE M ドリームセンター」。旧セメント工場を文化とレジャーの地区へと転用。既存が不自然に並ぶ状況に対し、歴史的要素を取入れた上で“ひとつのエリアとして機能”させる計画を志向。改修ではオレンジの動線空間の追加をキーデザインとするMVRDVによるサイロの改修 photo©Sanqian Visual Image Art

MVRDVによる、中国・上海の「GATE M ドリームセンター」です。
旧セメント工場を文化とレジャーの地区へと転用するプロジェクトです。建築家は、既存が不自然に並ぶ状況に対し、歴史的要素を取入れた上で“ひとつのエリアとして機能”させる計画を志向しました。また、改修ではオレンジの動線空間の追加をキーデザインとしています。
MVRDVは、全体のマスタープランと既存建物の改修の一部を手掛けました。


こちらはリリーステキストの翻訳です(文責:アーキテクチャーフォト)

MVRDVが上海のウェストバンドにある旧工業用地を活気あるレジャーと文化のゾーンへと変容させる

MVRDVは「GATE M ウェストバンド・ドリームセンター」を完成させ、かつてのセメント工場を、上海で拡大を続けるウェストバンドの文化プロジェクト群に加わる文化・レジャー地区へと変容させました。この設計は、異なる時代に建てられた建物群を基にして一体感のある都市空間を生み出し、既存の構造を再利用することで炭素排出を最小限に抑え、鮮やかなオレンジ色の動線要素によって明確なアイデンティティを与えています。買い物、食事、飲酒、スケートボード、ロッククライミング、展覧会やイベントの観覧、あるいは単に川辺でくつろぐといった可能性を提供しており、このエリアはすでに数々の賞を受賞し、上海の住民と来訪者の双方に人気のある目的地となっています。

GATE M ドリームセンターの敷地はかつて上海セメント工場があった場所で、当時アジア最大のセメント工場でした。2010年の上海万博は、市がこの地域の工場および他の工業機能を移転し、黄浦江の川岸を市民が利用できるようにするためのきっかけを与えました。MVRDVによる変容の前、この敷地には性質の大きく異なる2種類の建物群が存在していました。いくつかの大規模な工業建築物はこの地域の歴史を思い起こさせるものであり、その間にある空間には、かつて試みられた開発が実現しなかった結果として未完成の建造物がありました。

MVRDVは、ドリームセンター全体のマスタープランを設計し、さらにその中心施設であるMファクトリーを含む敷地南半分の建築設計も手がけました。敷地北側にある商業施設はアトリエ・デシャウ(Atelier Deshaus)が設計を発展させ、一方シュミット・ハマー・ラッセン(Schmidt Hammer Lassen)はウェストバンド・ドーム・アートセンターおよび敷地最北端に位置する新しい上海ウェストバンド・シアターを設計しました。

MVRDVはその設計において、この敷地の歴史的要素すべてを取り入れて設計することを選択し、建物の解体と再建に伴う炭素排出と廃棄物の発生を最小限に抑えました。

「最初から、既存の建物には多くの価値が残されていることは明らかでした。単にその方が簡単だからという理由で解体したくはありませんでした。なぜなら、それはより多くの炭素排出と廃棄物を意味するからです」と、MVRDVの創設パートナーであるヤコブ・ファン・ライス(Jacob van Rijs)は述べています。「私たちの課題は、これらの要素をひとつにまとめて、ひとつのエリアとして機能させることでした。というのも、それぞれの組み合わせが不自然だったからです。私たちは新しい建物を背景に回し、巨大な工業建築群が感嘆符のように際立つようにしました。そして、それらの特異な構造的特徴を活かした魅力的な機能を持たせました」

妹島和世による、岡山・犬島のパヴィリオン「HANA」。“犬島 くらしの植物園”での計画。園のランドスケープとの呼応も意図し、“みんなで集まれる”花のような形態の建築を考案。“少し鈍い鏡面仕上げ”で周囲の木々や夕日などの変化する風景を映し出す
妹島和世による、岡山・犬島のパヴィリオン「HANA」。“犬島 くらしの植物園”での計画。園のランドスケープとの呼応も意図し、“みんなで集まれる”花のような形態の建築を考案。“少し鈍い鏡面仕上げ”で周囲の木々や夕日などの変化する風景を映し出す 撮影:川越健太
妹島和世による、岡山・犬島のパヴィリオン「HANA」。“犬島 くらしの植物園”での計画。園のランドスケープとの呼応も意図し、“みんなで集まれる”花のような形態の建築を考案。“少し鈍い鏡面仕上げ”で周囲の木々や夕日などの変化する風景を映し出す 撮影:川越健太
妹島和世による、岡山・犬島のパヴィリオン「HANA」。“犬島 くらしの植物園”での計画。園のランドスケープとの呼応も意図し、“みんなで集まれる”花のような形態の建築を考案。“少し鈍い鏡面仕上げ”で周囲の木々や夕日などの変化する風景を映し出す 撮影:川越健太

妹島和世が設計した、岡山・犬島のパヴィリオン「HANA」です。
“犬島 くらしの植物園”での計画です。建築家は、園のランドスケープとの呼応も意図し、“みんなで集まれる”花のような形態の建築を考案しました。また、“少し鈍い鏡面仕上げ”で周囲の木々や夕日などの変化する風景を映し出します。

本建築は、公益財団法人 福武財団が運営する「犬島 くらしの植物園」に新たに設置されたパヴィリオンです。
この植物園は、2016年に、妹島和世と、ガーデンデザインユニットの明るい部屋が企画して約4,500㎡の土地とガラスハウスを再生した場所。地域との交流を基盤とした場づくりを行い、島の方々や来訪者が日常的な手入れやワークショップに参加することで、多様な人たちが憩い、学び合う場となっているとのこと。

そして、この植物園にて、2025年6月に妹島和世とPRADAのコラボレーションによるイベント「犬島プロジェクト」が企画・開催されました。それに合わせてPRADAから寄贈され作られたのが「HANA」です。

以下に、その他の写真や植物園の概要なども掲載します。

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