SHARE 中本尋之 / FATHOMによる、広島・呉市の、花店のファサード改修「FLORIST NAKAMURA」
中本尋之 / FATHOMによる、広島・呉市の、花店のファサード改修「FLORIST NAKAMURA」です。店舗の公式サイトはこちら。
広島県呉市の二丁目エリアにある老舗の花屋フローリストナカムラ。
イベントの企画やマルシェへの出店など店舗にとどまらず呉の街全体をデザインする唯一無二フローリストだと思う。ファサードの改修依頼を受けた時、その枠に収まらない価値を改装によってより高めることができないだろうか考えた。
そこで二次元な観点で単純に表層を変えるのではなく、機能や装置としての立体的な観点でのファサードづくりを目指した。ファサードを花屋の機能の中で静と動によって二分割し、それぞれ異なる機能を設けている。
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以下、建築家によるテキストです。
広島県呉市の二丁目エリアにある老舗の花屋フローリストナカムラ。
イベントの企画やマルシェへの出店など店舗にとどまらず呉の街全体をデザインする唯一無二フローリストだと思う。
ファサードの改修依頼を受けた時、その枠に収まらない価値を改装によってより高めることができないだろうか考えた。
そこで二次元な観点で単純に表層を変えるのではなく、機能や装置としての立体的な観点でのファサードづくりを目指した。
ファサードを花屋の機能の中で静と動によって二分割し、それぞれ異なる機能を設けている。
FIX窓部分は花や観葉植物が置けるようディスプレイ台を作った。ファサード壁面には30センチ間隔で白いプレートの目盛りを入れる事で、ただ静的に鎮座しているだけではなく、そこに置いた時に植物の高さが分かるスケールとしての機能を付随させている。
目盛りの横の数字は既存扉に手で書き込むことで、無骨な素材で構成される表層に、人の手の温もりをアクセントとして与えている。
向かって右側は動的な観点で機能を捉え、通常は店内に設置されるカウンターと椅子を街に向けて外側に配置した。
大きなカウンターは店内まで広がっており、中で花束を仕上げる所作が窓越にのぞける。
まるでコーヒーが出てくるのを待つように、お客様は花の仕上がりを待つ間、店外のカウンターに座って店の人と談笑する。
外に開かれたカウンターによって街全体を花屋として捉えることができれば、より花と緑で溢れた素晴らしい街になっていくのではないだろうか。
■建築概要
名称:FLORIST NAKAMURA
計画地:広島県呉市
用途:フラワーショップ
特注金物:村田進 (賀茂クラフト)
特殊塗装:庄野樹護(Shono Paint Works)
施工:松原悠樹(松原ハウジング)
竣工年:2019年2月
PHOTO:足袋井竜也(足袋井写真事務所)