SHARE 庄司光宏 / UCHIDA SHANGHAIによる、中国の、既存工場をリノベーションした「浙江省にある麻のギャラリー」
庄司光宏 / UCHIDA SHANGHAIが設計した、中国の、既存工場をリノベーションした「浙江省にある麻のギャラリー」です。
中国浙江省嘉興市海塩県にある1980年台後半に麻糸を生成する工場として建てられた建築のリノベーションである。
元々は一般的なラーメン構造の工場建築であり、ごく一般的な換気用の開口と採光のための窓が並ぶ建築であった。15年以上放置されていたこの建築に麻の生産を営む施主は思い入れがあり今回麻をテーマにした展示を行なうギャラリーを計画することにした。
この建物のコンセプトは時間の変化による光の体験である。その為、複数の建築言語を工場建築に追加し豊かな環境を構成することを目指した。東立面に新規で挿入された黒い鉄板でできたBOXは室内へのアプローチ空間であり。幅2.5m高さ4.1mの大型回転ドアを開け進んでいくとまず曲面鉄板の緩やかな階段のある展示空間に進む。
そこを抜けると10mmの鉄板による螺旋階段と吹き抜けの展示空間が訪れこの施設のメイン空間へと導かれる。室内はランダムな開口からの採光とトップライト、光庭の影響で古材のタイル、鉄板、竹圧縮材などの素材の表情変化はとても美しいものになっている。
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以下、建築家によるテキストです。
中国浙江省嘉興市海塩県にある1980年台後半に麻糸を生成する工場として建てられた建築のリノベーションである。
元々は一般的なラーメン構造の工場建築であり、ごく一般的な換気用の開口と採光のための窓が並ぶ建築であった。15年以上放置されていたこの建築に麻の生産を営む施主は思い入れがあり今回麻をテーマにした展示を行なうギャラリーを計画することにした。
この建物のコンセプトは時間の変化による光の体験である。その為、複数の建築言語を工場建築に追加し豊かな環境を構成することを目指した。
東立面に新規で挿入された黒い鉄板でできたBOXは室内へのアプローチ空間であり。幅2.5m高さ4.1mの大型回転ドアを開け進んでいくとまず曲面鉄板の緩やかな階段のある展示空間に進む。
そこを抜けると10mmの鉄板による螺旋階段と吹き抜けの展示空間が訪れこの施設のメイン空間へと導かれる。室内はランダムな開口からの採光とトップライト、光庭の影響で古材のタイル、鉄板、竹圧縮材などの素材の表情変化はとても美しいものになっている。
立面と開口部に関して
まず南側立面であるが強い採光をコントロールする意味と、立面の表情を構築する上で既存躯体の構造を避けた部分にランダムに開けた開口と外部を覆うルーバーによるダブルスキン構造でエレベーションを構成。
開口部、ルーバーピッチは複数の模型スタディから位置、寸法を決定した。
ルーバーは元々外部デッキ用の材料として生産していた工場の竹圧縮材を加工し独特の質感を得ることができた。角度や日中の光の強弱による様相の変化は素材による効果が大きい。
北側立面は室内側からの開口がそのままランダムに外部に露出している以外は唯一オリジナルの工場漂わせる立面である。
室内空間の光環境において大きな影響を与えているのが新たに追加した4箇所のトップライトと3箇所の光庭である。トップライトは深い断面計画の円筒型でリフレクションにより自然光を内部に与え、光庭はガラスによる周囲の反射により奥行きを強調している。
床に関しては素材を切り替えることにより同一空間での意識の変化を誘発することを目的としている。光庭による採光がマテリアルの層を統合する機能を果たすだろう。
繊細に変化する展示環境で麻の質感、ニュアンスの変化、そして空間体験自体を記憶にとどめてほしいというのがこの建築のシンプルなコンセプトである。
■建築概要
プロジェクト名:浙江省にある麻のギャラリー
設計分野:工場リノベーション
設計者:庄司光宏
設計事務所:uchida shanghai
施工:Shanghai Yongsheng Decoration & Engineering Limited
撮影:luz images
面積:850 sqm
主な使用素材:竹圧縮材、鉄板、古材タイル
設計時期:2020年9月
場所:中国浙江省
種別 | 使用箇所 | 商品名(メーカー名) |
---|---|---|
外装・壁 | 外壁1 | ルーバー:竹圧縮材t=30mm |
外装・壁 | 外壁2 | 杉板型枠による壁面模様 |
内装・床 | 床1 | 古材タイル |
内装・床 | 床2 | オークフローリング t=15 |
内装・壁 | 壁1 | 鉄板 t=3mm |
内装・壁 | 壁2 | 竹集成材 t=19mm 炭化色 |
内装・照明 | スポットライト | |
内装・造作家具 | 造作家具 | 竹圧縮材、麻糸 |
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in zhejiang, china,mitsuhiro shoji of uchida shanghai has completed the renovation of this 1980s linen factory. the client – a linen thread producer – had an attachment to the former factory and therefore enlisted the help of shoji to transform the building into a contemporary gallery that exhibits the life of linen.
the main design concept of the project uses the change of light to express the passage of time. to create an architecture that focuses on spatial experiences,mitsuhiro shoji utilizes a limited material palette of concrete, iron, glass, bamboo and old tiles.
the south elevation has a double-skin façade with random openings and louvers made of compressed bamboo.depending on the time of day, a play of light and shadow subtly changes, creating a variety of spatial effects in the interior space throughout the day.
the roof is designed with four rooflights and three light gardens. this is an important aspect of the design as the openings help to show the changes in light. the top light is a cylindrical structure with a deep cross-sectional plan that provides a mysterious light inside through reflection, and the light garden emphasizes depth through the reflection of the surroundings by glass.
he purpose of the floor is to induce a change in consciousness within the same space by switching materials. the light from the courtyard will serve to integrate the layers of materials. the primary concept of the space is to use primitive materials to control light and to allow the visitor to experience the subtle changes in everyday life.
The linen gallery in Zhejiang
project type: Factory renovation
designer: mitsuhiro shoji
design company: uchida shanghai
construction: Shanghai Yongsheng Decoration & Engineering Limited
photo: luz images
area: 850 sqm
main materials: bamboo, steel
design time:2020
location: Zhejiang, china