SHARE 定方三将 / 上町研究所による、奈良・生駒郡の「法隆寺の住宅」
定方三将 / 上町研究所が設計した、奈良・生駒郡の「法隆寺の住宅」です。
敷地は、法隆寺東院からほど近い、古い木造住宅の残る地域にある。 施主は、この地域の古き良き伝統に寄り添いつつ、新しさを感じる家を希望していた。
建物は、母屋と離れの平屋2棟からなり、屋根は切妻の単純な形状としている。 建物の軸線は中宮寺鳩和殿に揃えて、ダイニングの南窓から正対して鳩和殿の屋根を見せている。
伝統的な瓦屋根を印象付ける複雑な棟は雨仕舞い上の弱点でもある。この弱点を克服するために溝型鋼を使用して棟を納めているが、重い印象になりがちな瓦屋根を現代的なたたずまいに落とし込むための工夫でもある。
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以下、建築家によるテキストです。
敷地は、法隆寺東院からほど近い、古い木造住宅の残る地域にある。 施主は、この地域の古き良き伝統に寄り添いつつ、新しさを感じる家を希望していた。
建物は、母屋と離れの平屋2棟からなり、屋根は切妻の単純な形状としている。 建物の軸線は中宮寺鳩和殿に揃えて、ダイニングの南窓から正対して鳩和殿の屋根を見せている。
伝統的な瓦屋根を印象付ける複雑な棟は雨仕舞い上の弱点でもある。この弱点を克服するために溝型鋼を使用して棟を納めているが、重い印象になりがちな瓦屋根を現代的なたたずまいに落とし込むための工夫でもある。
屋根は構造体がそのまま天井に現され、高いところでは4.4mの天井高となっているが窓の開口高さは1800mmまでにしぼって目線を低く庭へと誘導している。
庭は、法隆寺や周辺の住宅にも見受けられる松を各所に配し、グレーの細かい砕石を敷いて色彩を抑えた外部空間とした。
世界遺産を抱えるこの街に敬意を払い街並みに馴染む意匠や素材を用いながらも、埋没しない新しい表情を模索した。 歴史的街並みは、時代に即したかたちに少しずつ姿を変えながら使われ生かされていく、この住宅が、そうした連なりの一部となっていくことを期待している。
■建築概要
所在地:奈良県生駒郡斑鳩町
設計:上町研究所 定方三将
構造設計:土屋設計
施工:SEEDSCASA
造園:荒木造園設計
敷地面積 655.66 m²
延床面積:133.85 m²
構造規模:木造1階建て
竣工:2019年8月(工期2019年1月~2019年8月)
撮影:平野和司
種別 | 使用箇所 | 商品名(メーカー名) |
---|---|---|
外装・屋根 | 屋根 | |
外装・壁 | 外壁 | |
外装・建具 | 建具1 | 米松複層ガラス |
外装・建具 | 建具2 | |
外装・その他 | 軒裏 | 米杉板 t=9mm |
内装・床 | 床1 | フローリング:アッシュ20クリアオイル(アイオーシー) |
内装・床 | 床2 | |
内装・壁 | 壁1 | |
内装・壁 | 壁2 | セメント板壁:SOLIDOタイプMフラット(KMEW) |
内装・天井 | 天井 | 2×8垂木現し |
内装・キッチン | キッチン水栓 | |
内装・浴室 | 浴槽 | |
内装・水廻り | 便器 | |
外構・照明 | 屋外照明 |
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