SHARE 野路敏之 / 野路建築設計事務所による、福井市の住宅「宝永の平屋」
野路敏之 / 野路建築設計事務所が設計した、福井市の住宅「宝永の平屋」です。
春は桜、夏は百日紅、秋はヤマモミジ、冬は雪化粧。表情豊かに四季を楽しませてくれる母屋の庭に、どんな建築なら受け入れてもらえるだろう。そう考えながら計画は始まりました。
母屋は敷地が約360坪あり南北に長く、その半分以上が池泉庭園になっていました。池を囲む木々の太い枝は広く空を覆っていて、その雰囲気は年月を経てきた安心感に包まれています。計画は母屋敷地の一部を利用した平屋とし、屋根の形もできるだけその存在を薄くするために寄棟とすることとしました。必要な諸室を納めていき、屋根の形も二つの方形が雁行する形態としました。インテリアも方形の屋根構造と地域材の表情を生かし、家族の集まる場に求心性を持たせています。
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以下、建築家によるテキストです。
春は桜、夏は百日紅、秋はヤマモミジ、冬は雪化粧。表情豊かに四季を楽しませてくれる母屋の庭に、どんな建築なら受け入れてもらえるだろう。そう考えながら計画は始まりました。
母屋は敷地が約360坪あり南北に長く、その半分以上が池泉庭園になっていました。池を囲む木々の太い枝は広く空を覆っていて、その雰囲気は年月を経てきた安心感に包まれています。計画は母屋敷地の一部を利用した平屋とし、屋根の形もできるだけその存在を薄くするために寄棟とすることとしました。必要な諸室を納めていき、屋根の形も二つの方形が雁行する形態としました。インテリアも方形の屋根構造と地域材の表情を生かし、家族の集まる場に求心性を持たせています。
庭の木々や方位、気候なども考慮し、建物の東と南に庭を抱えるような配置を生みだしました。東庭の桜や百日紅の枝葉は食卓を包むようになり、樫は街行く人に大きな影を提供してくれます。新しい南庭は生き生きとした生命力に溢れ、東庭とは対照的な勢いが感じられます。母屋からの眺めは庭の木々を望む雰囲気は残しながらも、新しい家族の気配が感じられるような接し方としました。街にも大きな木々はそのままの姿で存在し、そこに新しく小さな菓子舗も仲間入りすることになりました。
また使用している素材もできるだけ自然に近い材料を選び、経年の変化を楽しめることも考えています。生産地も県内や国内のものとし、環境や地域経済にも配慮しています。敷地が大きいために不動産として将来の生かし方も考えた上での今回の配置計画となりました。
中心市街地とは思えないほど緑が感じられ、風が通り抜け、既存の庭を介して母屋とつながり、そして街とも心地よくつながること。そこで生活を送る人々だけではなく、周囲の人たちも一息つけるような、そんな変化に富んだ全体計画となりました。
■建築概要
竣工年月日:2020年2月17日
所在地:福井県福井市
設計:noji.aa 野路建築設計事務所 野路敏之
用途地域:第一種住居地域
防火指定:準防火地域
敷地面積:446.88㎡
建築面積:145.54㎡
延床面積:139.75㎡
構造材:国産杉(車庫部梁のみ米松集成材)
施工:木だて家
カメラマン:yuta shirakawa
種別 | 使用箇所 | 商品名(メーカー名) |
---|---|---|
外装・屋根 | 屋根 | |
外装・床 | 土間 | スミモルタル |
外装・壁 | 外壁 | スーパー白洲そとん壁W[通気工法](高千穂シラス) |
内装・床 | 床1 | 無垢ナラフローリング |
内装・床 | 床2 | コルクタイル |
内装・床 | 床3 | 国産い草畳表 |
内装・壁 | 壁1 | |
内装・壁 | 壁2 | 越前和紙 |
内装・天井 | 天井1 | 県産杉化粧垂木 |
内装・天井 | 天井2 | 県産杉化粧野地板 |
内装・天井 | 天井3 | |
内装・天井 | 天井4 | 越前和紙 |
内装・建具 | 建具 | タモ材 |
内装・建具 | 建具 | 桧材 |
内装・建具 | 建具 | 杉材 |
内装・建具 | 建具 | 越前和紙襖紙 |
内装・家具 | 家具 | ナラ突板 |
内装・キッチン | キッチン | |
内装・浴室 | 浴室 | |
内装・水廻り | トイレ | |
内装・水廻り | 水洗金具、手洗器 | |
内装・設備 | 電気機器 | |
内装・設備 | 電気機器 | |
内装・設備 | 電気機器 |
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