SHARE MVRDVのヴィニー・マースが、オランダ・ロッテルダムの芸術収蔵庫「デポ・ボイマンス・ファン・ベーニンゲン」の内部を案内している動画
MVRDVのヴィニー・マースが、オランダ・ロッテルダムの芸術収蔵庫「デポ・ボイマンス・ファン・ベーニンゲン」の内部を案内している動画です。建物写真はアーキテクチャーフォトでも特集記事として紹介しています。
MVRDVのヴィニー・マースが、オランダ・ロッテルダムの芸術収蔵庫「デポ・ボイマンス・ファン・ベーニンゲン」の内部を案内している動画です。建物写真はアーキテクチャーフォトでも特集記事として紹介しています。
MVRDVの設計で2020年9月に竣工した、オランダ・ロッテルダムの、訪問者が閲覧可能な芸術作品の収蔵庫「デポ・ボイマンス・ファン・ベーニンゲン(Depot Boijmans Van Beuningen)」の新しい写真。外壁の鏡面パネルが、様々な季節時刻の周辺環境を映し出す様子がよく分かる写真となっています。施設のオープンは2021年秋を予定しているとの事。
撮影時期は写真下のキャプションに掲載しています。
以下は、2020年9月の竣工時のプレスリリースの翻訳です
ボイマンス・ファン・ベーニンゲン美術館の移転に向けて「Depot Boijmans Van Beuningen(デポ・ボイマンス・ファン・ベーニンゲン)」が竣工しました。MVRDVによって設計された、世界で初めて一般に公開される美術品保管庫です。ロッテルダムのミュゼーアム公園に位置するこの保管庫は、美術館を訪れる人々に新しいタイプの体験を提供することを特徴としています。すなわち、151,000点の全コレクションを一般公開する頑丈なエンジンルームです。様々な保管・管理エリアに加え、Depotにはレストランや、受賞歴のある高さ35メートルの屋上の森があります。今回の工事完了により、内装工事と、美術館の全コレクションを新しい保管庫に移動させるための長いプロセスへの道が開かれました。
高さ39.5メートルの「丸い」建物であるDepotは、お椀のような形をしており、設置面積は比較的小さくなっています。また、レストランを備えた広大な屋上のパブリックスペースからは、ロッテルダムの素晴らしい景色を眺めることができます。6,609㎡のガラスを1,664枚の鏡面パネルに分割した反射型のファサードは、行き交う人々、ミューズアンパークの緑地、雲、ロッテルダムのダイナミックな都市のスカイラインなど、周囲のあらゆるものを身につけています。15,000㎡という決して小さくはない面積にもかかわらず、この建物はこの反射のおかげで周囲の環境に完全に溶け込んでいます。この建物は、公園や近隣の建物と強い関係を築きながら、周囲を活気づけています。
保管庫では、芸術品は、ムーブメントや時代ではなく、気候上の要件に応じて保管・展示されます。各収納スペースは空調管理されており、金属、プラスチック、有機・無機、写真という異なる素材で制作された作品ごとに、5つの異なる気候ゾーンに整理されています。
建物内部のアイキャッチとなるのは、交差する階段と吊り下げ式のガラス展示ケースを備えたアトリウムで、美術館の学芸員が選んだ作品の展示を行います。このアトリウムを通って展示室や学芸員のスタジオに行くと、世界的に有名な美術館がどのようにコレクションを維持・管理しているのか、その舞台裏を知ることができます。アートは、1階のロビーをはじめ、館内のすべてのルート、さらには屋上のレストランまで、建物全体に展示されています。このレストランの外には、高さ35メートルの屋上の森があり、1階から高速エレベーターでアクセスでき、高さ数メートルの75本の多枝の白樺の木が植えられます。屋上からは、ロッテルダムの街並みを一望できます。
MVRDVの設立パートナーであるヴィニー・マースは言います。
「この工事の完了により、美術館と利用者がこの建物を使用し始め、貴重な芸術作品で空間を満たすことができるようになります。本格的なオープンまでにはまだ1年かかるでしょうが、美術館、ロッテルダム市、Stichting De Verre Bergen(※オランダの慈善団体)、そしてもちろん建設会社のBAMや、パンデミックの影響で困難な状況にあっても粘り強く対応してくれた多くの建設作業員や協力会社など、すべての人にとって、この完成は特別な瞬間です。このDepotのデザインは大胆で、鏡面パネルの正確な曲率を計算した人、ガラス棚を設置した建設作業員、屋上の森を共同設計した会社など、すべての関係者と直接対話したことが成功につながっています。」
ボイマンス・ファン・ベーニンゲン美術館のディレクター、スジャレル・エクスとイナ・クラッセンは言います。
「この建物は現役であり、その中で最も重要なことは、何ができるかということです。来年、ボイマンス・ファン・ベーニンゲン美術館の全コレクションが、1935年以来、初めて一カ所で見られるようになります。私たちは、コレクションにアクセス可能にすることで、私たちがどれだけ芸術品を気にかけているか、どれだけ大切にしているかを示すことができると確信しています。そして、ロッテルダムの住民が誇りに思い、自分の目で見たいと思うでしょう。何故なら、彼らはこの巨大な芸術的宝庫を所有しているのですから。」
今津康夫 / ninkipen!が設計した、愛知・名古屋市のセレクトショップ「NEMIKA hoshigaoka」です。店舗の公式サイトはこちら。
名古屋市東部、近くには動植物園が広がり、良好な住環境を形成するエリアに位置するウィメンズ・セレクトショップのインテリアデザインである。店名の由来である「根」「実」「花」を想起させる空間でありたいと思った。
まず初めに、壁から自由になった試着室を一粒の「種」として入口正面に置き、鏡面カラーステンレスのくびれたヴォリュームとすることで華やかさと柔らかさを併せ持つシンボルとした。
次に種を囲むようにL型の什器を壁際に配置して「種」を中心とした大きな回遊性を可視化し、多様なシークエンスの中で服と出会うことを意図して、ガラススクリーンとオーガーンジーのドレープを置いて小さな回遊性を増幅させた。
楢、ウォルナット、ポプラの無垢材と4種類の天然石を使用し、いくつかの多角形は植物の細胞から着想している。
ソリッドなオープンモールの中にあって、一際しなやかさを感じることができる場所になるだろう。
芦沢啓治建築設計事務所+ノームアーキテクツが設計した、東京の、集合住宅の一住戸の改修「Azabu Residence」。カリモクケーススタディの新しいプロジェクトとして発表され、内装と家具類をフラットに捉えデザインし完成後に販売されました。カリモクケーススタディについては下記の文章を参照ください。
Azabu Residenceは東京西麻布の大通りから一本入ったところにある、1988年に建てられたマンションのリノベーションプロジェクトである。
我々としては同じ棟内における二つ目の物件であり、デベロッパーとも気心が知れていたこともあり、カリモクケーススタディのプロジェクトとして家具デザインも含めたインテリアをデザインすることを提案し了承された。カリモクケーススタディ※1としては4つ目のプロジェクトとなる。今回もカリモクケーススタディのディレクターでもあるNorm Architectsとのコラボレーションとなっている。
昨今の東京では珍しく敷地を贅沢に使い、エントランスエリアの庭もしっかり作り込まれ、落ち着きのある佇まいを持ったマンションである。雰囲気のある薄暗い廊下から抜け、240m2という大きな部屋が我々が手がけた部屋なのだが、小さなバルコニーはあったものの、使える外部空間というほどではないのだが、どこの部屋からも気持ちの良い光が入ることは確認できた。その光の質、マンションが持っている落ち着いたダークトーンの雰囲気、ノームアーキテクツからのインプットであった、アメリカのミッドセンチュリーにおけるインテリアのインスピレーションから、床、壁、そして家具の色味を決定させた。
カリモクケーススタディは、カリモク家具によるライフスタイルブランドです。静謐な美への敬愛、素材の豊かな表現、時間に左右されない魅力に対する共通した価値観をもつ建築家によって、建築やインテリアのプロジェクトを通して空間とともに、家具や照明、オブジェクトをデザインします。建築家は、特定の空間のニーズやプロポーションを考慮し、その空間にあった家具やオブジェクトのデザインを行い、それらをコレクションとして背景となる物語とともに、発表していきます。
2022年のサーペンタインパヴィリオンを、美術家のシースター・ゲーツ(Theaster Gates)が手掛けることが発表されています。2000年のサーペンタインパヴィリオンのプロジェクト開始以来初めて建築家以外から選出されました。こちらのページで過去に手掛けた作品の画像を閲覧できます。ちなみに、今年(2021年)のサーペンタインパヴィリオンは、南アフリカの建築家グループのカウンタースペースが手掛けていて、6月11日から公開されます。本来は昨年に実現されるものでしたがコロナ禍によって一年延期され実現されることになりました。
武田清明建築設計事務所による、東京の住宅「鶴岡邸」の現場写真です。“竣工時という建築の時間の重心をすこしずらす試み”として現場段階での建築が公開されました。武田は、隈研吾建築都市設計事務所出身の建築家。
こちらは建築家によるコンセプトテキスト。
二世帯のための長屋形式の住宅。敷地は、古来から湧き水の循環によって多様な植物群落の生息を支えている大きな池をもった石神井公園に隣接している。敷地と公園は境界線をまたぎ地続きの大地であると誰もが実感できる場所だ。建築は、大地が浮遊するような土のスラブと、大地が縦に貫通する土のコアによって構成される。雨は建築の土壌内を流れ、地上、そして池へと循環することで、公園の大地と建築の大地に生きたつながりをつくろうと試みている。
(武田清明)
以下の写真は、建築家写真家の浜田昌樹によるもので、instagramの埋め込み機能で紹介します。
成瀬・猪熊建築設計事務所と鹿島建設が設計した、東京・大田区の、先進モビリティ技術開発拠点(自動運転技術開発施設)「DENSO Global R&D Tokyo, Haneda」です。成瀬・猪熊建築設計事務所がC工事意匠設計・監理を、鹿島建設がA工事・B工事設計・監理を手掛けています。
この施設は、世界最大級の自動車部品メーカーであるデンソーの、先進モビリティ技術開発拠点(=自動運転技術開発施設)である。
自動運転は、これまでの自動車開発とは異なり、ソフトウエアとハードウエアの双方を行き来しながら開発を進めることが必要だ。この分野においてグローバルな競争に勝ち抜くためには、ソフトウエアやハードウエアの開発だけでなく、試験車両を仕立てる部署がとも緊密に連携することが不可欠であった。
この施設はオフィス棟、車両整備棟、屋外テスト路で構成され、オフィス棟ではソフトウエア&ハードウエアの開発、車両整備棟の1階(車両ピット)では試験車両の整備や実験結果の解析などを行い、中2階には試験車両を仕立てる部隊が常駐する。仕立てた試験車両を屋外のテスト路で試走し車両ピットで改良するというサイクルを回すことでスピーディな開発を実現している。
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