SHARE 村上智也 / BENDSによる、大阪市の「いづる保育園 うつぼ」
村上智也 / BENDSが設計した、大阪市の「いづる保育園 うつぼ」です。
公園に向かってガラスルーバーで構成されたモダン建築の1F2F部分に新しく開園するいづる保育園うつぼ。
6Mの吹き抜けと大きなガラス窓を持つスペースから得ることができる陽の光とどのように関係性に注力したプロジェクトです。
四季によって入射角の変わる陽の光を一年中空間にとどめたいと考え、公園側に少し傾けたカーブした黒谷和紙の天井を吹き抜け上部に設け、柔らかく光を空間にリフレクトさせています。
手すきの和紙はもともと一枚一枚表情が異なるのですが、今回はハタノさんからの提案で更に3種類の楮の量が異なった和紙を使用しています。
子供達に無邪気に全力で光と戯れて欲しいと願い、シンプルな平面構成にすることでワンルーム化し可動の建具で仕切れ、細部には衝突時の配慮としてR加工した部材、カーブした垂直面を用い、手すりなどなるべく突起する部分を減らすなど考慮しています。
シンプルな構成を実現するために設備計画や法的調整に多く時間を費やし、陽の光を直接に感じられるポイントを各所に散りばめ、そこにできる陰影も遊びに取り込んで欲しいと考えました。
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以下、建築家によるテキストです。
公園に向かってガラスルーバーで構成されたモダン建築の1F2F部分に新しく開園するいづる保育園うつぼ。
6Mの吹き抜けと大きなガラス窓を持つスペースから得ることができる陽の光とどのように関係性に注力したプロジェクトです。
四季によって入射角の変わる陽の光を一年中空間にとどめたいと考え、公園側に少し傾けたカーブした黒谷和紙の天井を吹き抜け上部に設け、柔らかく光を空間にリフレクトさせています。
手すきの和紙はもともと一枚一枚表情が異なるのですが、今回はハタノさんからの提案で更に3種類の楮の量が異なった和紙を使用しています。
建築が待つ伸びやかなイメージを踏襲し、縦長のフォルムのグリッド貼りとし、内外に連続性をもたせています。
モダン建築の硬質な印象の空間を保育園の場として調整するため、また和の保育園であることから使用素材は、黒岩和紙、天然木、畳で構成し、ナチュラルな表情のまま使用することで陽の光との関係も相まって優しく緩やかな空気をまとっています。
各素材は手仕事による繊細な凹凸を施すことで、光を受け方でニュアンスが変わり、より光の存在を強調させることで視覚的にもまた手触りでも子供達の感覚に残るものとしています。
子供達に無邪気に全力で光と戯れて欲しいと願い、シンプルな平面構成にすることでワンルーム化し可動の建具で仕切れ、細部には衝突時の配慮としてR加工した部材、カーブした垂直面を用い、手すりなどなるべく突起する部分を減らすなど考慮しています。
シンプルな構成を実現するために設備計画や法的調整に多く時間を費やし、陽の光を直接に感じられるポイントを各所に散りばめ、そこにできる陰影も遊びに取り込んで欲しいと考えました。
個人的には、格子、枠一つとってもディティールを詰めながら、子供達にとって危なくなく且つ日本的な繊細で華奢な姿を突き詰めることができたと思います。
小さくはありますが緑に囲まれた園庭では、これから子供達が野菜などを育てる予定です。
シンボリックな特注照明がバンザイして喜んでいるように見えたのは偶然ですが、気に入っています。
■建築概要
名称:いづる保育園 うつぼ
計画地:大阪市西区靱本町
用途:保育園 / インターナショナル
計画種別:内装設計
計画面積:1F 88m2 2F91m2 テラス35m2
設計:BENDS 村上智也 古屋風花
施工:株式会社 &S
照明計画:NEW LIGHT POTTERY
黒谷和紙:ハタノワタル
植栽計画:bulbus
竣工:2020年03月26日
撮影:adhoc 志摩大輔
種別 | 使用箇所 | 商品名(メーカー名) |
---|---|---|
外装・床 | 床1 | ウッドデッキ |
外装・床 | 床2 | 人工芝 |
外装・壁 | 外壁 | オーストラリアン桧(アナログ) |
内装・床 | 床1 | |
内装・床 | 床2 | |
内装・床 | 床3 | |
内装・壁 | 壁1 | 黒谷和紙特注品(ハタノワタル) |
内装・壁 | 壁2 | 栂突き板 OSCL |
内装・天井 | 天井1 | 黒谷和紙特注品(ハタノワタル) |
内装・天井 | 天井2 | 栂突き板 OSCL パターン貼 |
内装・建具 | 建具 | 栂無垢材 格子+和紙 |
内装・照明 | 照明 | 真鍮 CL 特注品 |
外構・壁 | プランター壁 | オーストラリアン桧(アナログ) |
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