重名秀紀 / studio junaによる、岡山市の、仕事スペースを持つ住宅「庭瀬の家」。L型の特徴的な敷地形を生かした、空間同士の小さな関係性の連続で成り立つような建築を構想 photo©しんめんもく 後藤健治
重名秀紀 / studio junaによる、岡山市の、仕事スペースを持つ住宅「庭瀬の家」。L型の特徴的な敷地形を生かした、空間同士の小さな関係性の連続で成り立つような建築を構想 photo©しんめんもく 後藤健治
重名秀紀 / studio junaによる、岡山市の、仕事スペースを持つ住宅「庭瀬の家」。L型の特徴的な敷地形を生かした、空間同士の小さな関係性の連続で成り立つような建築を構想 photo©しんめんもく 後藤健治
重名秀紀 / studio junaが設計した、岡山市の、仕事スペースを持つ住宅「庭瀬の家」です。L型の特徴的な敷地形を生かした、空間同士の小さな関係性の連続で成り立つような建築が構想されました。
西側の細い道路に接した敷地は、周囲を戸建住宅とアパートに囲まれ、旗竿と言うよりはL型のかたちがぽっかりと取り残されていた。住宅地の中にありながら長く空き地となっていたこの敷地のかたちをおもしろがり、積極的に購入を決めたクライアントの意思にリスペクトを込め、L型の敷地を活かした住まいを考えたいと思った。
クライアントは住宅の計画と同時に、2つのアパレルブランドを展開する「iori products」を立ち上げた。家で仕事をすることも多いので、一般的な住宅の機能に加えて作業や打合せスペース、商品在庫やサンプルを保管するスペースが求められた。来客も比較的多いのでプライベートとパブリックのバランスには注意が必要であった。
クライアントと対話を繰り返す中でアンサーを返しつつ、明るいところ、暗いところ、広いところ、狭いところ、天井の高いところ、低いところなど小さな家の中になるべくいろいろな性格の場所を作ることを心がけている。
とはいえ、バラバラになりすぎないよう空間のBPMを合わせ、スムーズにつながるような意識はしている。一言でまとめられるような明快なコンセプトはあえて設定せず、Aの空間とBの空間のつながりが心地よさを生み、Bの空間の狭さがCの空間の広さを引き立てるといったような、小さな関係性の連続で成り立つような住まいを目指している。
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重名秀紀 / studio junaによる、岡山市の、仕事スペースを持つ住宅「庭瀬の家」。L型の特徴的な敷地形を生かした、空間同士の小さな関係性の連続で成り立つような建築を構想 photo©しんめんもく 後藤健治
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重名秀紀 / studio junaによる、岡山市の、仕事スペースを持つ住宅「庭瀬の家」。L型の特徴的な敷地形を生かした、空間同士の小さな関係性の連続で成り立つような建築を構想 photo©しんめんもく 後藤健治
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重名秀紀 / studio junaによる、岡山市の、仕事スペースを持つ住宅「庭瀬の家」。L型の特徴的な敷地形を生かした、空間同士の小さな関係性の連続で成り立つような建築を構想 photo©しんめんもく 後藤健治
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重名秀紀 / studio junaによる、岡山市の、仕事スペースを持つ住宅「庭瀬の家」。L型の特徴的な敷地形を生かした、空間同士の小さな関係性の連続で成り立つような建築を構想 photo©しんめんもく 後藤健治
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重名秀紀 / studio junaによる、岡山市の、仕事スペースを持つ住宅「庭瀬の家」。L型の特徴的な敷地形を生かした、空間同士の小さな関係性の連続で成り立つような建築を構想 photo©しんめんもく 後藤健治
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重名秀紀 / studio junaによる、岡山市の、仕事スペースを持つ住宅「庭瀬の家」。L型の特徴的な敷地形を生かした、空間同士の小さな関係性の連続で成り立つような建築を構想 photo©しんめんもく 後藤健治
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重名秀紀 / studio junaによる、岡山市の、仕事スペースを持つ住宅「庭瀬の家」。L型の特徴的な敷地形を生かした、空間同士の小さな関係性の連続で成り立つような建築を構想 photo©しんめんもく 後藤健治
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重名秀紀 / studio junaによる、岡山市の、仕事スペースを持つ住宅「庭瀬の家」。L型の特徴的な敷地形を生かした、空間同士の小さな関係性の連続で成り立つような建築を構想 photo©しんめんもく 後藤健治
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重名秀紀 / studio junaによる、岡山市の、仕事スペースを持つ住宅「庭瀬の家」。L型の特徴的な敷地形を生かした、空間同士の小さな関係性の連続で成り立つような建築を構想 photo©しんめんもく 後藤健治
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重名秀紀 / studio junaによる、岡山市の、仕事スペースを持つ住宅「庭瀬の家」。L型の特徴的な敷地形を生かした、空間同士の小さな関係性の連続で成り立つような建築を構想 photo©しんめんもく 後藤健治
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重名秀紀 / studio junaによる、岡山市の、仕事スペースを持つ住宅「庭瀬の家」。L型の特徴的な敷地形を生かした、空間同士の小さな関係性の連続で成り立つような建築を構想 photo©しんめんもく 後藤健治
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重名秀紀 / studio junaによる、岡山市の、仕事スペースを持つ住宅「庭瀬の家」。L型の特徴的な敷地形を生かした、空間同士の小さな関係性の連続で成り立つような建築を構想 photo©しんめんもく 後藤健治
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重名秀紀 / studio junaによる、岡山市の、仕事スペースを持つ住宅「庭瀬の家」。L型の特徴的な敷地形を生かした、空間同士の小さな関係性の連続で成り立つような建築を構想 photo©しんめんもく 後藤健治
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重名秀紀 / studio junaによる、岡山市の、仕事スペースを持つ住宅「庭瀬の家」。L型の特徴的な敷地形を生かした、空間同士の小さな関係性の連続で成り立つような建築を構想 photo©しんめんもく 後藤健治
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重名秀紀 / studio junaによる、岡山市の、仕事スペースを持つ住宅「庭瀬の家」。L型の特徴的な敷地形を生かした、空間同士の小さな関係性の連続で成り立つような建築を構想 photo©しんめんもく 後藤健治
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重名秀紀 / studio junaによる、岡山市の、仕事スペースを持つ住宅「庭瀬の家」。L型の特徴的な敷地形を生かした、空間同士の小さな関係性の連続で成り立つような建築を構想 photo©しんめんもく 後藤健治
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重名秀紀 / studio junaによる、岡山市の、仕事スペースを持つ住宅「庭瀬の家」。L型の特徴的な敷地形を生かした、空間同士の小さな関係性の連続で成り立つような建築を構想 image©重名秀紀 / studio juna 設計室
以下、建築家によるテキストです。
敷地
それまでリノベーション用の戸建住宅を探していたクライアントからこの敷地の写真が届いた。
西側の細い道路に接した敷地は、周囲を戸建住宅とアパートに囲まれ、旗竿と言うよりはL型のかたちがぽっかりと取り残されていた。住宅地の中にありながら長く空き地となっていたこの敷地のかたちをおもしろがり、積極的に購入を決めたクライアントの意思にリスペクトを込め、L型の敷地を活かした住まいを考えたいと思った。
クライアント
クライアントは住宅の計画と同時に、2つのアパレルブランドを展開する「iori products」を立ち上げた。家で仕事をすることも多いので、一般的な住宅の機能に加えて作業や打合せスペース、商品在庫やサンプルを保管するスペースが求められた。来客も比較的多いのでプライベートとパブリックのバランスには注意が必要であった。
配置・外観
L型の敷地にL型の建物を配置し、L字の両端に2つの外部空間を残した。道路側は駐車場とアプローチを兼ねたオープンな外部空間となり、もうひとつは三方の隣地とリビングに囲まれたやや閉じた外部空間となった。後者の外部空間は余白として残し、使い方をクライアントに委ねることとした。
「工場のような外観がよい」とのことだったので、縫製工場で見られるようなノコギリ屋根をイメージした片流れ屋根とした。コスト面から採用に至ったガルバリウム鋼板の波板も、結果的に工場っぽさを強調している。平屋(南北方向)と2階建て(東西方向)のボリュームを組み合わせることで見る方向により大きく見えたり、小さく見えたり、異なる印象を与えるような形態とした。
玄関土間
玄関扉を開けると広めの土間空間があり、ここが玄関と仕事スペースを兼ねている。「iori products」は「tabito」というフットウェアブランドを運営しているので、壁にはたくさんの靴を見せながら収納できる棚を設置した。土間上部にはR天井の吹抜けがあり、2階南面の窓から入る光が時間とともに様々に変化しながら玄関に届く。
廊下階段
玄関扉からリビングを一直線につなぐ廊下は在庫やサンプルを収納するスペースを兼ねている。テキスタイルの壁のような天井から床まで垂れるカーテンが収納部分を隠す。階段横に浮かぶ真鍮とタモを組合せたL型の手摺が空間のアクセントとなる。
リビング
廊下から続くフラットな低い天井を持つ空間と、勾配天井の空間を敷地に沿ってL型に組合せたリビングは北向きの大きな開口を持ち、その先はテラス、外部へとつながる。廊下から伸びてきた床板はカタカタとL型にテラスに向かって向きを変える。クライアントが所有していた家具に合わせてテーブルと飾棚を制作した。
水まわり
大きなステンレス製のキッチンは計画当初からクライアントが希望していた。キッチンが引き立つよう冷蔵庫など存在感のある家電は隣接するランドリールームに置く計画とした。水回りを南側にならべて廊下とつなげることで、回遊性のある動線をつくった。リビングへの来客時もストレスなく家事を行うことができる。
クライアントと対話を繰り返す中でアンサーを返しつつ、明るいところ、暗いところ、広いところ、狭いところ、天井の高いところ、低いところなど小さな家の中になるべくいろいろな性格の場所を作ることを心がけている。
とはいえ、バラバラになりすぎないよう空間のBPMを合わせ、スムーズにつながるような意識はしている。一言でまとめられるような明快なコンセプトはあえて設定せず、Aの空間とBの空間のつながりが心地よさを生み、Bの空間の狭さがCの空間の広さを引き立てるといったような、小さな関係性の連続で成り立つような住まいを目指している。
家と共に生活する時間は長い。その時間に寄り添うには、均一な美しい空間よりも心地よいムラのある空間が必要だと思う。季節や時間の変化を感じ取り、お気に入りの場所を発見しながら生活してほしい。
■建築概要
建物名:庭瀬の家
用途:戸建住宅
家族構成:夫婦
所在地:岡山県岡山市
設計:studio juna 設計室 重名秀紀
施工:コンフェット株式会社
敷地面積:202.44㎡
建築面積:79.50㎡
延床面積:112.62㎡
構造規模:木造2階建て
竣工:2020年9月
撮影:しんめんもく 後藤健治