小野寺匠吾建築設計事務所による、神奈川・横須賀市の「秋谷の住宅」。東京で働く施主の為に山を背に海を見渡す地に計画、“環境的な家”の要求に眺望と場への調和を考慮し様々な方角を向く箱を積層、ずれた重なりは内部に様々な対比と連続をつくり生活と環境を混交 photo©三嶋一路
小野寺匠吾建築設計事務所による、神奈川・横須賀市の「秋谷の住宅」。東京で働く施主の為に山を背に海を見渡す地に計画、“環境的な家”の要求に眺望と場への調和を考慮し様々な方角を向く箱を積層、ずれた重なりは内部に様々な対比と連続をつくり生活と環境を混交 photo©三嶋一路
小野寺匠吾建築設計事務所による、神奈川・横須賀市の「秋谷の住宅」。東京で働く施主の為に山を背に海を見渡す地に計画、“環境的な家”の要求に眺望と場への調和を考慮し様々な方角を向く箱を積層、ずれた重なりは内部に様々な対比と連続をつくり生活と環境を混交 photo©三嶋一路
小野寺匠吾建築設計事務所による、神奈川・横須賀市の「秋谷の住宅」。東京で働く施主の為に山を背に海を見渡す地に計画、“環境的な家”の要求に眺望と場への調和を考慮し様々な方角を向く箱を積層、ずれた重なりは内部に様々な対比と連続をつくり生活と環境を混交 photo©三嶋一路
小野寺匠吾建築設計事務所 が設計した、神奈川・横須賀市の「秋谷の住宅」です。東京で働く施主の為に山を背に海を見渡す地に計画、“環境的な家”の要求に眺望と場への調和を考慮し様々な方角を向く箱を積層、ずれた重なりは内部に様々な対比と連続をつくり生活と環境を混交させました。
小高い山の中腹に建つ住宅である。敷地は山を背にした細長い形状で、眼前には海を見渡す景色が広がっている。
はじめてその場所を訪れた際、海をじっと見つめる建主の後ろ姿が印象的であった。昔から海が暮らしの近くにあった建主は、東京の仕事を続けながら生活の基盤を自然環境に溢れた郊外に移すことにした。このような時代にふさわしい、都会ではできない環境的な家が求められた。
スタディでは主にふたつの方向性を模索した。自然環境を最大限に感じられる家であること、大きく伸びやかな気積をつくるということである。海への眺望だけでなく、山の存在感を建築に取り込みながら建主らしいおおらかな空間の繋がりをつくり出すことで、それぞれの空間の質が混じり合う関係性を探していった。
プライベートな居室がまとめられた1階は細長い敷地形状に合わせて整形平面を連続させた。床レベルを変えながら半地下や暗がりをつくり、屋内から庭と海までの意識の繋がりをもたせた。それに対し上階は海や山への眺望を考慮し、さまざまな方向を向いた箱がゴロゴロと積み重なっている。箱は背後にそびえる山から自然の力を受ける岩のようなイメージで、その中央に、海に向かって水平に伸びていく軽くて明るい箱を差し込んでいる。
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小野寺匠吾建築設計事務所による、神奈川・横須賀市の「秋谷の住宅」。東京で働く施主の為に山を背に海を見渡す地に計画、“環境的な家”の要求に眺望と場への調和を考慮し様々な方角を向く箱を積層、ずれた重なりは内部に様々な対比と連続をつくり生活と環境を混交 photo©三嶋一路
小野寺匠吾建築設計事務所による、神奈川・横須賀市の「秋谷の住宅」。東京で働く施主の為に山を背に海を見渡す地に計画、“環境的な家”の要求に眺望と場への調和を考慮し様々な方角を向く箱を積層、ずれた重なりは内部に様々な対比と連続をつくり生活と環境を混交 photo©三嶋一路
小野寺匠吾建築設計事務所による、神奈川・横須賀市の「秋谷の住宅」。東京で働く施主の為に山を背に海を見渡す地に計画、“環境的な家”の要求に眺望と場への調和を考慮し様々な方角を向く箱を積層、ずれた重なりは内部に様々な対比と連続をつくり生活と環境を混交 photo©三嶋一路
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小野寺匠吾建築設計事務所による、神奈川・横須賀市の「秋谷の住宅」。東京で働く施主の為に山を背に海を見渡す地に計画、“環境的な家”の要求に眺望と場への調和を考慮し様々な方角を向く箱を積層、ずれた重なりは内部に様々な対比と連続をつくり生活と環境を混交 photo©三嶋一路
小野寺匠吾建築設計事務所による、神奈川・横須賀市の「秋谷の住宅」。東京で働く施主の為に山を背に海を見渡す地に計画、“環境的な家”の要求に眺望と場への調和を考慮し様々な方角を向く箱を積層、ずれた重なりは内部に様々な対比と連続をつくり生活と環境を混交 photo©三嶋一路
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小野寺匠吾建築設計事務所による、神奈川・横須賀市の「秋谷の住宅」。東京で働く施主の為に山を背に海を見渡す地に計画、“環境的な家”の要求に眺望と場への調和を考慮し様々な方角を向く箱を積層、ずれた重なりは内部に様々な対比と連続をつくり生活と環境を混交 photo©三嶋一路
小野寺匠吾建築設計事務所による、神奈川・横須賀市の「秋谷の住宅」。東京で働く施主の為に山を背に海を見渡す地に計画、“環境的な家”の要求に眺望と場への調和を考慮し様々な方角を向く箱を積層、ずれた重なりは内部に様々な対比と連続をつくり生活と環境を混交 photo©三嶋一路
小野寺匠吾建築設計事務所による、神奈川・横須賀市の「秋谷の住宅」。東京で働く施主の為に山を背に海を見渡す地に計画、“環境的な家”の要求に眺望と場への調和を考慮し様々な方角を向く箱を積層、ずれた重なりは内部に様々な対比と連続をつくり生活と環境を混交 photo©三嶋一路
小野寺匠吾建築設計事務所による、神奈川・横須賀市の「秋谷の住宅」。東京で働く施主の為に山を背に海を見渡す地に計画、“環境的な家”の要求に眺望と場への調和を考慮し様々な方角を向く箱を積層、ずれた重なりは内部に様々な対比と連続をつくり生活と環境を混交 photo©三嶋一路
小野寺匠吾建築設計事務所による、神奈川・横須賀市の「秋谷の住宅」。東京で働く施主の為に山を背に海を見渡す地に計画、“環境的な家”の要求に眺望と場への調和を考慮し様々な方角を向く箱を積層、ずれた重なりは内部に様々な対比と連続をつくり生活と環境を混交 image©小野寺匠吾建築設計事務所
小野寺匠吾建築設計事務所による、神奈川・横須賀市の「秋谷の住宅」。東京で働く施主の為に山を背に海を見渡す地に計画、“環境的な家”の要求に眺望と場への調和を考慮し様々な方角を向く箱を積層、ずれた重なりは内部に様々な対比と連続をつくり生活と環境を混交 image©小野寺匠吾建築設計事務所
以下、建築家によるテキストです。
環境が溶け込む積層の箱
小高い山の中腹に建つ住宅である。敷地は山を背にした細長い形状で、眼前には海を見渡す景色が広がっている。
はじめてその場所を訪れた際、海をじっと見つめる建主の後ろ姿が印象的であった。昔から海が暮らしの近くにあった建主は、東京の仕事を続けながら生活の基盤を自然環境に溢れた郊外に移すことにした。このような時代にふさわしい、都会ではできない環境的な家が求められた。
スタディでは主にふたつの方向性を模索した。自然環境を最大限に感じられる家であること、大きく伸びやかな気積をつくるということである。海への眺望だけでなく、山の存在感を建築に取り込みながら建主らしいおおらかな空間の繋がりをつくり出すことで、それぞれの空間の質が混じり合う関係性を探していった。
プライベートな居室がまとめられた1階は細長い敷地形状に合わせて整形平面を連続させた。床レベルを変えながら半地下や暗がりをつくり、屋内から庭と海までの意識の繋がりをもたせた。それに対し上階は海や山への眺望を考慮し、さまざまな方向を向いた箱がゴロゴロと積み重なっている。箱は背後にそびえる山から自然の力を受ける岩のようなイメージで、その中央に、海に向かって水平に伸びていく軽くて明るい箱を差し込んでいる。
ズレ重なってできた隙間に暗がりや明るい場所をつくり出し、内外の対比や連続性を生み出すことで生活動線の中に環境が溶け込む。また、ヴォリュームが交わる場所では小屋裏まで吹抜けとし、それぞれの空間の質が混ざり合うような大きな気積をつくっている。これは空間性への期待だけでなく、空調環境の操作であったり、住まい手の暮らしの習慣に与える影響など、さまざまな部分において、設計者の意図を超えていってほしい仕掛けでもある。
周囲の環境と混じり合い、使っている間に建築を発見していけるような住宅が、この丘の景色をつくるヴァナキュラーな存在となっていくことを願っている。
■建築概要
名称:秋谷の住宅
所在地:神奈川県横須賀市
主要用途:住宅
建築主:個人
設計:小野寺匠吾建築設計事務所(担当:小野寺匠吾、上原裕)
施工:株式会社七保
床面積:91.2m2
設計期間:2020年3月~2021年1月
工事期間:2021年2月~2021年10月
写真:三嶋一路
建材情報 種別 使用箇所 商品名(メーカー名) 外装・屋根 屋根 FRP塗膜防水
外装・壁 外壁 窯業系サイディング下地+アクリル樹脂系仕上塗材 (SK化研 )
外装・建具 開口部 スチールサッシ [製作]
アルミサッシ (三協アルミ )
内装・床 床 バーチフローリングt=40
コンクリート表面硬化剤仕上
内装・建具 建具 シナフラッシュ扉+塗装
ラワン合板フラッシュ扉+オイル塗装
内装・キッチン 造作キッチン ステンレスバイブレーション
タモ突板+クリア塗装
外構・床 床 コンクリート金鏝、真砂土、芝、砂利敷、煉瓦タイル
外構・植栽 植栽 サルスベリ、アキニレ、エノキ、オオシマザクラ、タブノキ、ゲッケイジュ、ウバメガシ、ヒメユズリハ、コウライシバ
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The site is located on the hillside of a small mountain in Akiya, Yokosuka City.
The site, with its back to the mountain, is long and narrow, with a view overlooking the ocean in front of it. When we visited the site with the clients for the first time, we were struck by the image of him staring beyond the end of the site for a long period of time. Keeping in mind these impressions and the world we saw at the site, we thought about what it takes for a house to be rooted in the land and connected to the surrounding environment.
The client has lived in Sydney for a long time, and the ocean has always been part of his lifestyle. In search of a place where they could feel the sea and nature, they arrived to this plot of land. Appropriate to the times we live in, he moved his family residence to the suburbs while continuing to work in Tokyo. The contrast between work life and family time, the balance between the urban and natural environments, an environment suited to raising children, and a house with views towards the ocean – these were requests from the client, which could not be achieved in a city setting surrounded by neighbouring buildings.
We proposed two directions in the course of the initial study. The first was to create a house that maximizes the feeling of the surrounding natural environment. This not only included the views towards the sea, but also the tranquil ambiance specific to a seaside town, the continuity between interior and exterior, and respect for local vegetation.
The second was to make the house seem as large and spacious as possible. This large and open space was to accommodate the elegant and generous personality and lifestyle of the client.
These two main themes were gradually put together into a single study as we continued to search for a space quality that blended these ideas.
We arrived to a final shape where boxes pointing in various directions are stacked on top of each other. The boxes are like rocks receiving the force of nature from the mountains soaring behind them, and we inserted a light and bright box in the centre of this image. This central box represents the lightness and freshness that opens up to the sea in front.
These boxes create a variety of views, and receive natural light from different directions at different times of the day. By creating dark and light spaces within the rooms and in the gaps created by the shifting and overlapping volumes, a contrast and or a continuity between inside and outside is created. In this way, we searched for a number of interesting places that could be created and mixed into the daily routine of the residents.
We also imagined something interesting would happen at the intersection of these volumes: Dark places and bright places, open places and closed places, high places and low places.
In order to mix these qualities, the intersecting part is made into a continuous atrium to the roof structure, creating a large vertical space. This is not only an expectation of spatiality, but also a device that we hope will go beyond our design intentions in various aspects, such as the idea of manipulating the idea of controlling the environment, and the impact on the living habits of the residents.
The places that are mixed together in this way may become alternative spaces in their own right. Or the private and public spaces may become separated, or the whole house may become a large three-dimensional “one-room” space. We hope the architecture encouraging constant discovery within itself, connects to the lifestyle of the residents – making the building a vernacular entity that forms the landscape of the hill it sits on.
House in Akiya
LOCATION: Yokosuka, Japan
PROGRAM: House
CLIENT: Private
ARCHITECT: Shogo Onodera, Hiroshi Uehara
STRUCTURE: Yoshiyuki Hiraiwa
CONTRACTOR: Nanaho Co., Ltd.
SITE AREA: 200.14 sqm
TOTAL AREA: 91.2 sqm
HEIGHT: 7.8m
STRUCTURE TYPE: Wood
DESIGN PERIOD: Mar. 2020 – Jan. 2021
CONSTRUCTION PERIOD: Feb. 2021 – Oct.2021
PHOTO CREDIT: Ichiro Mishima