SHARE 武田慎太良デザイン事務所による、愛知・春日井市の美容室「Shin enom」。美容師のもつ世界観を尊重する計画。個性を表現できる空間を目指して、茶室に見立てた2m角のキューブを其々が編集する仕組みを考案。可変性を活かして用途を越えた活用の方法も模索
武田慎太良デザイン事務所が設計した、愛知・春日井市の美容室「Shin enom」です。
美容師のもつ世界観を尊重する計画です。建築家は、個性を表現できる空間を目指して、茶室に見立てた2m角のキューブを其々が編集する仕組みを考案します。また、可変性を活かして用途を越えた活用の方法も模索しています。店舗の場所はこちら(Google Map)。
茶室を大きく分けると、四畳半以下を「小間」、四畳半以上を「広間」と分けられます。
「小間」は、わびさびに重きを置き、世界観が凝縮されます。
美容室の空間の中で、さらに美容師の世界観を明確に打ち出し、作業動線を踏まえたサイズ感の2mx2mx2mのキューブを「小間」のように捉え、それを6つ分散配置しています。
各美容師が、それぞれのパーソナリティに合わせた空間をアレンジできるように、可動式のパネルや、鏡を用いることにより、幾通りもの空間の仕切り方が可能です。空間に添えられる、小物や雑貨類の背景となるように、抑えた黒のフレームと着色のラワン合板によって構成しています。
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以下、建築家によるテキストです。
茶室を大きく分けると、四畳半以下を「小間」、四畳半以上を「広間」と分けられます。
「小間」は、わびさびに重きを置き、世界観が凝縮されます。
美容室の空間の中で、さらに美容師の世界観を明確に打ち出し、作業動線を踏まえたサイズ感の2mx2mx2mのキューブを「小間」のように捉え、それを6つ分散配置しています。
各美容師が、それぞれのパーソナリティに合わせた空間をアレンジできるように、可動式のパネルや、鏡を用いることにより、幾通りもの空間の仕切り方が可能です。空間に添えられる、小物や雑貨類の背景となるように、抑えた黒のフレームと着色のラワン合板によって構成しています。
フレームをくぐり、出入りすることで、日常と非日常の境界を行き来するような感覚になることを狙い、非日常空間の境目を茶室よりも簡素な方法でつくること目指しました。
また、可変な空間のため美容室の域を超えてポップアップ店舗や展示等のイベント空間にも利用していく事も目指します。
■建築概要
店舗名:Shin enom
所在地:愛知県春日井市高蔵寺町4-15-16セシリア1F
施工会社:株式会社 丸泰
床面積:143.99㎡
客席数(施術台数):8台
竣工:2021年10月18日
撮影:森田真悠
種別 | 使用箇所 | 商品名(メーカー名) |
---|---|---|
内装・床 | スタイリングエリア・待合室・レセプション床 | 既存土間コンクリートの上防塵塗装クリア |
内装・壁 | スタイリングエリア・待合室・レセプション壁 | PBt12下地EP塗装 |
内装・天井 | スタイリングエリア・待合室・レセプション天井 | 既存RC躯体あらわし |
内装・造作家具 | スタイリングエリア・待合室・レセプション家具 | ラワン合板 OS塗装 |
内装・その他 | 2m立法フレーム | スチール角パイプ25x25x2.3 OP塗装 |
内装・その他 | 可動パネル | ラワン合板 OS塗装 |
内装・床 | シャンプーエリア床 | プラ束 |
内装・壁 | シャンプーエリア壁 | PBt12下地EP塗装 |
内装・天井 | シャンプーエリア天井 | PBt9下地EP塗装 |
内装・造作家具 | シャンプーエリア家具 | ラワン合板 OS塗装 |
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※この情報は弊サイトや設計者が建材の性能等を保証するものではありません
Tea rooms can be broadly divided into
Beauty salon Shin enom
The two categories of chashitsu(tea room) are “koma” (smaller than 4.5 tatami mats) and “hiroma” (larger than 4.5 tatami mats).
koma” is more focused on “wabi-sabi”※ and has a condensed view of the world.
In the beauty salon space, the world view of the hair stylist is more clearly defined.
A 2mx2mx2m cube of size based on the work flow line.
The space is considered like a “booth,” and six of them are dispersed throughout the space.
The space is arranged in such a way that each hair stylist can arrange the space to suit his or her own personality.
The use of movable panels and mirrors allows the space to be partitioned in a number of ways.
The space can be divided in several ways by the use of movable panels and mirrors.
It is composed of a subdued black frame and colored lauan plywood.
By entering and exiting through the frame
The aim is to create a sense of coming and going between the boundary of the everyday and the extraordinary.
We aimed to create the boundary of the extraordinary space in a simpler way than in a chashitsu(tea room).
The variable nature of the space also allows it to be used for events such as pop-up shop and exhibitions beyond the realm of a beauty salon.
※Wabi-sabi are words to appreciate Japanese aesthetic sensibilities, which represents “beauty within simplicity and imperfection.