SHARE 古家俊介 / DESIGN NETWORK ASSOCIATESのランドスケープデザインによる、宮崎市の、商業施設「アミュプラザみやざき」。斜線制限から生まれた階段状の屋上に計画。地域の棚田を想起させる形態から“だんだん”をテーマに設定し、様々な特徴の場を配置して移動の中で高揚感が生まれる空間を構築
古家俊介 / DESIGN NETWORK ASSOCIATESがランドスケープデザインを手掛けた、宮崎市の商業施設「アミュプラザみやざき」です。
斜線制限から生まれた階段状の屋上をデザインする計画です。デザイナーは、地域の棚田を想起させる形態から“だんだん”をテーマに設定し、様々な特徴の場を配置して移動の中で高揚感が生まれる空間を構築しました。また、街に開かれた公園のような存在となる事も志向しました。建築本体の設計は、久米設計九州支社が手掛けています。
施設の公式サイトはこちら。
アミュプラザみやざきはJR宮崎駅前に建設された大型複合商業施設である。
本計画はアミュプラザみやざきだけでなく、宮崎駅西口広場やその周辺も含めた再整備により新たな「にぎわい」を創出し、集客力の高い橘通エリアとの相乗効果によって、街全体の活性化を促すことを目的としている。また宮崎県や宮崎市も駅前広場等の再整備に積極的に参画しており、民間と行政が一体となった「まちづくり」が行われた。
厳しい斜線制限を緩和することによって生まれた階段状の建築のボリュームは、日本有数の美しい棚田が存在する宮崎の風土を連想させることから、ランドスケープのデザインキーワードを「だんだん」と設定した。「だんだん」は棚田を表す「段」、「日本のひなた宮崎県」とも呼ばれるように宮崎の温暖な気候を表す「暖」、そして利用者が上階へと歩を進めるにつれて、だんだんと空が近づいてくる、だんだんと海が見えてくるといった湧き上がる期待感や高揚感も表現している。
利用者は宮崎の海や山、街の風景を楽しみながら、小高い山をハイキングするように「山頂」の交通神社まで、つづら折りの路を登っていく。路沿いには宮崎の環境に適した色とりどりの植栽を施し、利用者が様々な過ごし方ができるスペースを融合させている。
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以下、デザイナーによるテキストです。
まちに開かれた“だんだんテラス”
アミュプラザみやざきはJR宮崎駅前に建設された大型複合商業施設である。
本計画はアミュプラザみやざきだけでなく、宮崎駅西口広場やその周辺も含めた再整備により新たな「にぎわい」を創出し、集客力の高い橘通エリアとの相乗効果によって、街全体の活性化を促すことを目的としている。また宮崎県や宮崎市も駅前広場等の再整備に積極的に参画しており、民間と行政が一体となった「まちづくり」が行われた。
厳しい斜線制限を緩和することによって生まれた階段状の建築のボリュームは、日本有数の美しい棚田が存在する宮崎の風土を連想させることから、ランドスケープのデザインキーワードを「だんだん」と設定した。「だんだん」は棚田を表す「段」、「日本のひなた宮崎県」とも呼ばれるように宮崎の温暖な気候を表す「暖」、そして利用者が上階へと歩を進めるにつれて、だんだんと空が近づいてくる、だんだんと海が見えてくるといった湧き上がる期待感や高揚感も表現している。
利用者は宮崎の海や山、街の風景を楽しみながら、小高い山をハイキングするように「山頂」の交通神社まで、つづら折りの路を登っていく。路沿いには宮崎の環境に適した色とりどりの植栽を施し、利用者が様々な過ごし方ができるスペースを融合させている。
6Fはトンネルのある築山や人工芝によって、親子連れも安心して楽しむことのできる遊び場として開放している。7Fはイベント等も行える開放的なスペース、柔らかく植栽に囲まれたスペース、テナントがテラスとして利用できるスペース等が緩やかに繋がっており、階段状の水景が屋上庭園に潤いとアクセントを与えている。8Fと10Fに計画されたオフィス専有の「オフィステラス」は、屋外ミーティングやリフレッシュスペースの場として活用されることで、オフィス活動が屋上庭園へ滲み出ることを期待している。9Fには南国らしさを演出するアメリカデイゴをシンボルツリーとして植樹し、その周りにベンチや人工芝を設けることで、利用者がゆっくりくつろげるような居場所を計画した。そして屋上階には展望デッキと交通神社があり、宮崎の豊かな山や海、街並みを一望することできる。
開業後「アミュにわ」「アミュそら」と名付けられた屋上庭園で、学校帰りの学生や子連れの親子等、多くの利用者が思い思いの時間を過ごす姿があった。これからも「アミュにわ」「アミュそら」が商業施設という枠組みを超えて、まちに開かれた公園のような場所として、宮崎の人々の暮らしの中に溶け込んでいくことを期待している。
■建築概要
所在地:宮崎県宮崎市
事業主:九州旅客鉄道株式会社・宮崎交通株式会社
建築設計:久米設計九州支社
面積:2,500m2
竣工:2020年10月
撮影:八代写真事務所
種別 | 使用箇所 | 商品名(メーカー名) |
---|---|---|
外構・床 | 舗装 | |
外構・家具 | ベンチ | オリジナル製作(インテリアズ) |
外構・植栽 | 植栽 | オリーブ、ソテツ、アメリカデイゴ、ブラシノキ、サンカクバアカシア、フェイジョア、ドドナエア、ネムノキ、サルスベリ、スモークツリー等 |
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