神谷修平 / カミヤアーキテクツが設計した、愛知・名古屋市の店舗「ohagi3」です。
商業施設内の和菓子店の旗艦カフェです。建築家は、食での持続可能性を追求するブランド姿勢に従い、徹底的なサステナブルを追求して厨房以外を解体移動可能なユニットで作る空間を考案しました。また、日本の高度な職人芸の表現も意図しました。店舗の公式サイトはこちら。
新築の商業施設の1階島区画にあるおはぎ専門店ohagi3初の旗艦店カフェの計画です。
クライアントから求められたのは、「世界に和菓子を発信できる、アイコニックな和菓子店」。ロゴやパッケージのリブランディングにおけるクリエイティブディレクションを含めた空間設計を担当しました。
ohagi3の商品は無添加・有機食材活用など食での持続可能性を追求しています。
店舗デザインもこれに従い、機能性や意匠性を超えて「これからの食空間は徹底的にサステナブルであるべき」というテーマのもとデザインを検討しました。
そこで採用したのは、法的に壁が必要な厨房を除き、全て解体・移動可能なユニットにより空間をつくるというアイデアです。おはぎをモチーフとした円形の木製パネルを300枚程度用意し、壁(おはぎWALL)照明(おはぎLIGHT)ガラステーブルなど多用途に展開。
それぞれが接着剤や金物を使用していないため、いつでも再利用できます。環境的な意味だけではなく、島区画の商業施設内において、変わり続ける周辺店舗状況に対応して高さや開口率を変えられる「スキン」としてのパーティションの可変性・フレキシビリティは事業的にも重要です。
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以下、建築家によるテキストです。
新築の商業施設の1階島区画にあるおはぎ専門店ohagi3初の旗艦店カフェの計画です。
クライアントから求められたのは、「世界に和菓子を発信できる、アイコニックな和菓子店」。ロゴやパッケージのリブランディングにおけるクリエイティブディレクションを含めた空間設計を担当しました。
ohagi3の商品は無添加・有機食材活用など食での持続可能性を追求しています。
店舗デザインもこれに従い、機能性や意匠性を超えて「これからの食空間は徹底的にサステナブルであるべき」というテーマのもとデザインを検討しました。
そこで採用したのは、法的に壁が必要な厨房を除き、全て解体・移動可能なユニットにより空間をつくるというアイデアです。おはぎをモチーフとした円形の木製パネルを300枚程度用意し、壁(おはぎWALL)照明(おはぎLIGHT)ガラステーブルなど多用途に展開。
それぞれが接着剤や金物を使用していないため、いつでも再利用できます。環境的な意味だけではなく、島区画の商業施設内において、変わり続ける周辺店舗状況に対応して高さや開口率を変えられる「スキン」としてのパーティションの可変性・フレキシビリティは事業的にも重要です。
多店舗展開を計画しているクライアントにとっては再利用可能なものともなります。今回のおはぎWALLをはじめとした造形は、高精度の木工技術があるからこそ成立するものです。意匠により、日本の高度なクラフトマンシップを表現することは、和菓子店であるからこそ強く意識しました。
照明計画では、照度を抑えた落ち着いた光環境を意識しています。きらびやかになりすぎる傾向のある商業施設の中でも居心地がよくなるようにするためです。ロゴ、パッケージなどのデザインも、グラフィックデザイナーと協働しながら、空間との調和をとるためのディレクションをしています。
空間設計を起点とし、様々なクリエイティブ領域を超えて企業の価値づくりをしていく、わたしたちが目指すBranding Architectureの一例です。
■建築概要
所在地:愛知県名古屋市中区栄3丁目3番地1号 Maruei Galleria(マルエイガレリア) 1F
用途:物販飲食店
建築主:ホリデイズ
設計:カミヤアーキテクツ
実施設計:ARCHIDECO
グラフィック:ONO BRAND DESIGN
店舗床面積:150㎡
竣工:2022年3月
写真:太田拓実