大畑正彦建築設計事務所が設計した、兵庫・神戸市の住戸改修「脇浜海岸通の家」です。
住人数に対し少し小さな一戸をリノベをリノベーションしました。建築家は、既製品でなく空間に合う最良の物との要望に、木材・左官・タイル等を用いた“素材を生かした”設計を志向しました。そして、個室を最小限に抑えて広さを確保したLDKに多様な居場所を作る事も意図されました。
築20年程度が経過した分譲マンションの一室をスケルトンまで解体したフルリノベーションの計画です。
施主からの要望は、既成のキッチンやシステムバスを利用するのではなく、空間にあった最良のものを提案頂きたいとの要望がありました。そして、夫婦2人と幼い子供2人が快適に暮らせる空間を提案してほしいというものでした。
既存住居の広さは、70m2弱と4人家族が居住する住居としては平均より少し小さなスペースでした。そこで、それぞれの個室をゆったりとるのではなく、メインとなるリビング・ダイニング・キッチンを大きくゆとりを持って確保し、それぞれのプライベートな空間は最小限に抑える計画を行いました。
リビング・ダイニング・キッチンとこれまでは小分けにされていた空間を、ひとまとまりの「大きな居場所」という空間として捉え、その大きな空間の中に、少し篭れる場所があったり、くつろげる場所があったり、作業ができる場所があったり、料理をしたりと家族が思い思いに過ごせるような場所を計画しました。
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以下、建築家によるテキストです。
小さな部屋と大きな居場所
築20年程度が経過した分譲マンションの一室をスケルトンまで解体したフルリノベーションの計画です。
施主からの要望は、既成のキッチンやシステムバスを利用するのではなく、空間にあった最良のものを提案頂きたいとの要望がありました。そして、夫婦2人と幼い子供2人が快適に暮らせる空間を提案してほしいというものでした。
既存住居の広さは、70m2弱と4人家族が居住する住居としては平均より少し小さなスペースでした。そこで、それぞれの個室をゆったりとるのではなく、メインとなるリビング・ダイニング・キッチンを大きくゆとりを持って確保し、それぞれのプライベートな空間は最小限に抑える計画を行いました。
リビング・ダイニング・キッチンとこれまでは小分けにされていた空間を、ひとまとまりの「大きな居場所」という空間として捉え、その大きな空間の中に、少し篭れる場所があったり、くつろげる場所があったり、作業ができる場所があったり、料理をしたりと家族が思い思いに過ごせるような場所を計画しました。
ダイニングには大きな一枚ものカウンターを設けていますが、幅が狭い箇所や大きな箇所があります。小さな幅では、子供が学校の宿題をしたり、大きな幅では食事をしたり、ボードゲームで遊んだりできます。また、リビング横に設けた小上がりの畳では、昼寝をしたり、本を読んだり、と大きな居場所の中に、少しずつ質の違う空間を計画しています。
nLDKに縛られない大らかで包容力のある空間を計画しました。
素材について
木材と塗装、左官、タイルを採用し、素材を生かした空間をつくりました。
木目調といった疑似素材を使わず、素材本来の質感や風合いが感じられるような仕上げとしています。
木のぬくもりやにおい、手触り、など本物であるから感じられるものがあります。視覚だけでなく五感で感じられる空間を計画しています。
床や壁面に使用する木材は、優しい風合いを持つタモで統一し、空間の統一性を出しています。
また、部分的にモルタル調の左官仕上やタイルを用いることで空間の質に変化とメリハリを与えることで、空間を引き締める効果を意図しています。
■建築概要
題名:脇浜海岸通りの家
所在地:兵庫県神戸市
主用途:住宅
階数:集合住宅 地上8階
構造:SRC造
設計:大畑正彦建築設計事務所
担当:大畑正彦、大畑由佳
施工:安田工匠
延床面積(改修部分):75.2㎡
設計:2021年9月~2022年1月
工事:2022年2月~2022年4月
竣工:2022年4月
写真:永野逸郎