増田忠史+蜂谷伸治 / MASS & HACHIが設計した、東京・港区の飲食店「東麻布さいこう」です。
宿泊施設の中の鮨店の計画です。建築家は、1区画内に2つのカウンターとワインバーの併設の要望に、“洞穴”の様な通路を介して各領域に到達する平面構成を考案しました。また、“独立性”を保ちつつも“賑わい”を感じられる状況を作る事も意図されました。店舗の公式サイトはこちら。
東麻布の大通り沿いに新築されたホテルの1階に位置する鮨店の内装計画。
間口約6m、奥行約18mの細長いフロア内に、大小2つの鮨店のカウンター席(舞台)とワインバーの併設が求められた。
入口のあるカーテンウォールの内側に新たに塗壁のファサードを設え、そこから奥に奥に洞穴を掘り進めて行くように通路と各場所のゾーニングの検討を行った。土間状の通路が細長いフロアを貫き、フロアと通路に囲われた領域にワインバー、2つのカウンター席(舞台)、厠所等の諸機能を配置した。
ワインカーブをイメージしたボールト天井のワインバー、高さ3mの格子引戸で間仕切られた開放的な2つのカウンター席(舞台)を、雁行する土間の領域を介して接続することで、それぞれの場所の独立性を保ちつつも、気配やにぎわいを感じられる空間のあり方を目指した。
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以下、建築家によるテキストです。
土間を介して緩やかにつながる洞穴空間
東麻布の大通り沿いに新築されたホテルの1階に位置する鮨店の内装計画。
間口約6m、奥行約18mの細長いフロア内に、大小2つの鮨店のカウンター席(舞台)とワインバーの併設が求められた。
入口のあるカーテンウォールの内側に新たに塗壁のファサードを設え、そこから奥に奥に洞穴を掘り進めて行くように通路と各場所のゾーニングの検討を行った。土間状の通路が細長いフロアを貫き、フロアと通路に囲われた領域にワインバー、2つのカウンター席(舞台)、厠所等の諸機能を配置した。
ワインカーブをイメージしたボールト天井のワインバー、高さ3mの格子引戸で間仕切られた開放的な2つのカウンター席(舞台)を、雁行する土間の領域を介して接続することで、それぞれの場所の独立性を保ちつつも、気配やにぎわいを感じられる空間のあり方を目指した。
カウンター席(舞台)は下がり天井によって天井高を抑え、床の素材にも変化を与えることで、土間の空間と対比的な設えとし、開放的な空間の中に親密感のある場所をつくり出すことを意図している。
■建築概要
題名:東麻布さいこう
設計:MASS & HACHI
担当:増田忠史、蜂谷伸治
所在地:東京都港区東麻布
主用途:店舗(飲食店)
延床面積:116.60m²
照明:岡安泉照明設計事務所
設備設計:ビームス・デザイン・コンサルタント
施工:TANK
設計:2021年8月~2021年12月
工事:2022年1月~2022年3月
竣工:2022年3月
写真:MASS