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2022.12.09Fri
2022.12.08Thu
2022.12.10Sat
髙橋真未建築都市設計事務所と奥山浩文による、東京・世田谷区の二世帯住宅「光庭の長屋」。閑静な住宅街に計画。北向き敷地でも“自然が感じられる”建築を求め、外部との距離感をつくり光と風を取り込む“スリット状の庭”を考案。“防火上必要な技術基準”に適合させ“木質空間”も作る

541.30髙橋真未建築都市設計事務所と奥山浩文による、東京・世田谷区の二世帯住宅「光庭の長屋」。閑静な住宅街に計画。北向き敷地でも“自然が感じられる”建築を求め、外部との距離感をつくり光と風を取り込む“スリット状の庭”を考案。“防火上必要な技術基準”に適合させ“木質空間”も作る

architecture|feature
世田谷区中村絵住宅図面あり奥山浩文川村構造設計室建材(内装・キッチン)建材(内装・壁)建材(内装・天井)建材(内装・床)建材(内装・照明)建材(外装・その他)建材(外装・壁)建材(外装・屋根)建材(外装・建具)東京栄伸建設築紫髙橋真未
髙橋真未建築都市設計事務所と奥山浩文による、東京・世田谷区の二世帯住宅「光庭の長屋」。閑静な住宅街に計画。北向き敷地でも“自然が感じられる”建築を求め、外部との距離感をつくり光と風を取り込む“スリット状の庭”を考案。“防火上必要な技術基準”に適合させ“木質空間”も作る photo©中村絵
髙橋真未建築都市設計事務所と奥山浩文による、東京・世田谷区の二世帯住宅「光庭の長屋」。閑静な住宅街に計画。北向き敷地でも“自然が感じられる”建築を求め、外部との距離感をつくり光と風を取り込む“スリット状の庭”を考案。“防火上必要な技術基準”に適合させ“木質空間”も作る photo©中村絵
髙橋真未建築都市設計事務所と奥山浩文による、東京・世田谷区の二世帯住宅「光庭の長屋」。閑静な住宅街に計画。北向き敷地でも“自然が感じられる”建築を求め、外部との距離感をつくり光と風を取り込む“スリット状の庭”を考案。“防火上必要な技術基準”に適合させ“木質空間”も作る photo©中村絵

髙橋真未建築都市設計事務所と奥山浩文が設計した、東京・世田谷区の二世帯住宅「光庭の長屋」です。
閑静な住宅街に計画されました。建築家は、北向き敷地でも“自然が感じられる”建築を求め、外部との距離感をつくり光と風を取り込む“スリット状の庭”を考案しました。また、“防火上必要な技術基準”に適合させ“木質空間”も作る事も意図されました。

東京都世田谷の閑静な住宅街に光庭を持つ、母と娘家族のための木造3階建の二世帯住宅である。

娘家族には二人のこどもがおり、普段から母の家に行き来し、近所に住む姉家族と共に母の家にみんなで集まる仲睦まじい家族だった。母は一人で暮らしていたが、娘家族が一緒に暮らしたいと伝えたことがきっかけに母が住む家を建て替えて三世代が暮らす家をつくることになった。

建築家によるテキストより

敷地は、世田谷区の大通りに沿って建ち並ぶ商業系用途地域の中高層ビル群の内側にあり、第1種低層住居専用地域となっている。
街区の北側に位置し、周辺の住宅が密接している環境である。都心では高密度に住宅が建っているため南向きではない居住環境は多い。北を向きながらも光や風などの自然が感じられる建築ボリュームのあり方を検討した。

建築家によるテキストより

そこで接道する北側に光と風を導くように奥に深い奥行5mあるスリット状の庭を設けた。
環境シミュレーションを行いながら光庭の幅と奥行きの検討を重ねた。許容建蔽率60%の余剰をそこに集約させ、建物を分節することで南側から光が降り注ぐ明るい家をつくる。その庭を巡るようにそれぞれの住居を配置し、2階へのアクセスは必ずその庭を通るようにする。
庭に面して大きな窓をつくり、庭にはモミジを植えて木々越しにお互いの気配が感じられる住まいとした。その庭を「光庭」と呼んだ。光庭は道路からも適度な距離感をもたらし、南北に風が通り抜ける快適な住環境を両立した。

建築家によるテキストより

以下の写真はクリックで拡大します

髙橋真未建築都市設計事務所と奥山浩文による、東京・世田谷区の二世帯住宅「光庭の長屋」。閑静な住宅街に計画。北向き敷地でも“自然が感じられる”建築を求め、外部との距離感をつくり光と風を取り込む“スリット状の庭”を考案。“防火上必要な技術基準”に適合させ“木質空間”も作る photo©中村絵
髙橋真未建築都市設計事務所と奥山浩文による、東京・世田谷区の二世帯住宅「光庭の長屋」。閑静な住宅街に計画。北向き敷地でも“自然が感じられる”建築を求め、外部との距離感をつくり光と風を取り込む“スリット状の庭”を考案。“防火上必要な技術基準”に適合させ“木質空間”も作る photo©中村絵
髙橋真未建築都市設計事務所と奥山浩文による、東京・世田谷区の二世帯住宅「光庭の長屋」。閑静な住宅街に計画。北向き敷地でも“自然が感じられる”建築を求め、外部との距離感をつくり光と風を取り込む“スリット状の庭”を考案。“防火上必要な技術基準”に適合させ“木質空間”も作る photo©中村絵
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髙橋真未建築都市設計事務所と奥山浩文による、東京・世田谷区の二世帯住宅「光庭の長屋」。閑静な住宅街に計画。北向き敷地でも“自然が感じられる”建築を求め、外部との距離感をつくり光と風を取り込む“スリット状の庭”を考案。“防火上必要な技術基準”に適合させ“木質空間”も作る image©髙橋真未建築都市設計事務所+奥山浩文
髙橋真未建築都市設計事務所と奥山浩文による、東京・世田谷区の二世帯住宅「光庭の長屋」。閑静な住宅街に計画。北向き敷地でも“自然が感じられる”建築を求め、外部との距離感をつくり光と風を取り込む“スリット状の庭”を考案。“防火上必要な技術基準”に適合させ“木質空間”も作る image©髙橋真未建築都市設計事務所+奥山浩文
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髙橋真未建築都市設計事務所と奥山浩文による、東京・世田谷区の二世帯住宅「光庭の長屋」。閑静な住宅街に計画。北向き敷地でも“自然が感じられる”建築を求め、外部との距離感をつくり光と風を取り込む“スリット状の庭”を考案。“防火上必要な技術基準”に適合させ“木質空間”も作る image©髙橋真未建築都市設計事務所+奥山浩文

以下、建築家によるテキストです。


東京都世田谷の閑静な住宅街に光庭を持つ、母と娘家族のための木造3階建の二世帯住宅である。

娘家族には二人のこどもがおり、普段から母の家に行き来し、近所に住む姉家族と共に母の家にみんなで集まる仲睦まじい家族だった。母は一人で暮らしていたが、娘家族が一緒に暮らしたいと伝えたことがきっかけに母が住む家を建て替えて三世代が暮らす家をつくることになった。

施主からの要望は、まず二つの家族がそれぞれの独立性を保ちながらもお互いが気遣いながら一緒に暮らせること、次に天然木など自然素材を感じられる暮らしがしたいこと、そして母は夫の形見である囲炉裏テーブルと、建て替え前に家具の相談があり設計者の私がデザインした囲炉裏テーブルのまわりで団らんできるL型のベンチを持っていきたいこと、最後に母が日常的に開催しているフラワーアート教室を行えて、制作した作品を展示できる空間をつくることであった。

敷地は、世田谷区の大通りに沿って建ち並ぶ商業系用途地域の中高層ビル群の内側にあり、第1種低層住居専用地域となっている。
街区の北側に位置し、周辺の住宅が密接している環境である。都心では高密度に住宅が建っているため南向きではない居住環境は多い。北を向きながらも光や風などの自然が感じられる建築ボリュームのあり方を検討した。

そこで接道する北側に光と風を導くように奥に深い奥行5mあるスリット状の庭を設けた。
環境シミュレーションを行いながら光庭の幅と奥行きの検討を重ねた。許容建蔽率60%の余剰をそこに集約させ、建物を分節することで南側から光が降り注ぐ明るい家をつくる。その庭を巡るようにそれぞれの住居を配置し、2階へのアクセスは必ずその庭を通るようにする。
庭に面して大きな窓をつくり、庭にはモミジを植えて木々越しにお互いの気配が感じられる住まいとした。その庭を「光庭」と呼んだ。光庭は道路からも適度な距離感をもたらし、南北に風が通り抜ける快適な住環境を両立した。光庭を開くことでまちとつながり、共有することで家族を結ぶ計画である。

1階は母の住まい、2~3階は娘家族の住まいとして独立性を保ちつつ、日常のちょっとした動作の先に光庭やモミジの木が見えながらお互いを見守る構成を考えた。囲炉裏テーブルとベンチは光庭を臨む位置に配置し、そこでは母のフラワーアート教室を行い、家族の団らん空間となり、光庭に面してアート作品が展示できるようにギャラリー空間をつくった。

1階・2階ともワンルームになるようにすることでどこからでも光庭を眺められるようにした。光庭を通り抜けるように配置した外部階段から2階の玄関へつながり、こどもたちは毎日光庭を駆け上がり1階で暮らす母と視線が合う。3階にはルーフテラスをつくり、光庭から段々と立体的な庭になるように構成した。光庭を中心に2つの家族がめぐるように暮らす住まいを考えた。

現在の木造住宅は石膏ボードで覆われた内観や均質すぎる既製品の外装材が都市に溢れている。高気密高断熱化した住宅は閉鎖的になり、時の移り変わりや自然を感じる機会を失ってきている。敷地は準防火地域であるため、木造3階建てを計画すると準耐火建築物にする場合が多い。その場合は柱・梁の架構を石膏ボードで防火被覆する必要がでてくる。木構造を露出する場合に燃え代設計をすることもできるが一般流通材よりも大きい材料を使う必要がある。

そこで都心でも木の建築を感じられる住宅とするために、準耐火建築物と同等な性能をもつ防火上必要な技術基準(建令136条の2第二号ロ準延焼防止建築物)に適合する建築を検討した。その場合、小径120mmとした一般流通材で木材の柱・梁の露出は可能となり、木製の階段もデザインすることもできた。外壁は防火構造等により壁厚を抑えて広い内部空間を確保した。

ただし、外壁の開口部においては隣地境界線から1m以内にある開口部はFIX窓にするなど敷地が広くないと開閉できる窓が作れないなどの厳しい条件があるが、「光庭」をデザインしたことにより、光庭に面する開口部には制限はかからないため自由な開口でつくることができる。また道路からの奥行が5mと離れているため延焼のおそれのある範囲にもかからない。よって光庭に面する開口部を大きくとり、まちにも開き、木・アルミの複合サッシや曲面ガラスをつかって内部空間にも広がりをつくりつつ、木の温かみが感じられる空間ができた。

また、それぞれの居室の天井高さを確保するために構造計算ルート2の採用と令和元年建築基準法21条の改正(高さ大規模建築物の緩和)をいち早く取り入れ、軒高9m超えの大型な木質空間を実現した。

四季のうつろいを感じられる空間をつくるために光庭に差し込む太陽の光の見え方や質感を検討した。太陽の角度に向かってタイルを斜め45度に傾けてみる。45度というのは春や冬の訪れを肌で感じる時期(2月下旬、10月中旬)の南中時の太陽の角度である。太陽の光が3階ルーフテラスのルーバーの陰影により可視化されタイルの角度と重なる。素焼きタイルの焼きむらや凹凸が天候により毎日異なる表情をつくる。光庭の外壁を眺めると季節を感じ、四季のうつろいを知らせてくれる、それはSeason Clockとなる。

素焼きタイル以外の外壁は、硅砂と天然石と水系材料の樹脂を混ぜ合わせて出来た陶磁器質骨材で構成し、透湿性が高く建物の下地の水分を外気へ放出する。都市にありふれた人工的な素材に対して、繊細な天候の変化に応じて呼吸をする生の外皮であり、まちの環境をつくっていくことを意識した。

この住宅には2つの家族が登場するが、娘家族のこどもたちにとって祖母である「母」のつくる手料理や母が大事にしている囲炉裏テーブルすべてが生活の一部であって、別々の家族という認識がなかった。こどもたちは自由に駆け回り遊び、さまざまな境界をあいまいにして明るく家族を繋いでいく。その姿は生きる喜びであり、この家族にしかない瑞々しい関係性を建築にしたいと光庭に思いを巡らせた。光庭は人と人、まちと程よい距離を保ちながら気配を紡ぎ、時のうつろい、柔らかな風や温度、光と緑の日常の美しさと生の感覚を内包する。お互いに見合い気遣い、優しさに包まれてともに住まう家を目指した。

■建築概要

題名:光庭の長屋
所在地:東京都世田谷区
主用途:長屋(2世帯住宅)
設計:髙橋真未建築都市設計事務所
協働:奥山浩文
階数:地上3階
構造:木造
構造設計:川村構造設計室
施工:栄伸建設
家具工事:株式会社築紫
敷地面積:81.31㎡
建築面積:48.76㎡
延床面積:114.86㎡
設計:2019年10月-2020年3月
工事:2020年9月-2021年4月
竣工:2021年4月
写真:中村絵

建材情報
種別使用箇所商品名(メーカー名)
外装・屋根屋根

平型屋根用スレート葺き:グランネクストシンプル(Kmew)

外装・壁外壁

タイル貼り:スライスボーダー(AGORABRIX 国代耐火)
天然石調キャスト模様仕上塗材:グッセラGキャスト(山本窯業化工)

外装・建具外部建具

木・アルミ複合サッシ:アルタスウッドウィンドウ(ニュースト)

外装・建具1階玄関扉

木製玄関扉(A-made)

外装・その他3階ルーフテラスルーバー

人工木デッキ材(エア・ウォーター・エコロッカ)

外装・その他1階車庫・玄関軒天井

木板張りウエスタンレッドシダー(チャネルオリジナル)

内装・床1階2階3階居室床

オークフローリング:オークEクリアコート(東京工営)

内装・床洗面・トイレ床

長尺塩ビシート:フロアリュームマーブル(東リ)

内装・壁1階・2階・3階壁

クロス貼り(ルノン)

内装・壁1階キッチン壁

タイル張り(平田タイル)

内装・天井リビングダイニング天井

化粧木シート貼り:化粧木サンフットホワイトオーク板目(HOXAN)
木架構現し

内装・キッチンキッチン天板

磁器質タイル:ラミナム(アイカ工業)

内装・照明2階照明

サイナスライン ペンダント(LE KLINT)

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※この情報は弊サイトや設計者が建材の性能等を保証するものではありません

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    田邊渉 / WATARU TANABE STUDIOによる、東京・世田谷区のアイラッシュサロン「Ail」。台形平面等の特徴的な既存空間に多くの個室をとの要望に、3種類の異なる性質をもった壁を設定し配置することで空間を分節、加えてその形状や仕上げが空間に個性と変化を与える
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建築求人情報

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    【ap job更新】 ラブアーキテクチャー / 浅利幸男が、設計スタッフ(経験者・既卒・2023年新卒)を募集中

    ap job 【ap job更新】 ラブアーキテクチャー / 浅利幸男が、設計スタッフ(経験者・既卒・2023年新卒)を募集中

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    建築求人情報
    【ap job更新】 ラブアーキテクチャー / 浅利幸男が、設計スタッフ(経験者・既卒・2023年新卒)を募集中
    【ap job更新】 ラブアーキテクチャー / 浅利幸男が、設計スタッフ(経験者・既卒・2023年新卒)を募集中麻布の別邸 モダンリビング 2021.2 / ELLE DECO JAPAN 2021.6 / Wallpaper誌(イギリス)/ Archilovers(イタリア)/ designboom(イタリア)/ ArchiDaily(チリ)他多数掲載
    アーキテクチャーフォトジョブボードに新しい情報が追加されました
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    ラブアーキテクチャー / 浅利幸男の、設計スタッフ(経験者・既卒・2023年新卒)募集のお知らせです。詳しくは、ジョブボードの当該ページにてご確認ください。アーキテクチャーフォトジョブボードには、その他にも、色々な事務所の求人情報が掲載されています。
    新規の求人の投稿はこちらからお気軽にお問い合わせください。

    ラブアーキテクチャーは2001年創業以来、新築戸建、リノベーション、集合住宅、寺院、商業施設、ランドスケープ等、幅広いジャンルで約70棟のプロジェクトを手掛け、様々なメディアで取り上げられて参りました。

    ランドスケープからインテリアコーディネート、概念構築からマテリアル・ディテールまで、トータルに取り組むことを特徴にしています。

    現在も、戸建住宅、集合住宅、寺院、ランドスケープ、レストランが同時進行中です。実務未経験の方でも、先輩スタッフの丁寧な指導を受けながら、プロジェクトの中心メンバーとして活動できます。

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    建築求人情報
    2022.12.09 Fri 18:55
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    【ap job更新】 地域の文化と素材、数寄屋をテーマに活動する「Fumihiko Sano Studio」が、業務拡大に伴い、設計デザイン・経理・マネジメントのスタッフを募集中

    ap job 【ap job更新】 地域の文化と素材、数寄屋をテーマに活動する「Fumihiko Sano Studio」が、業務拡大に伴い、設計デザイン・経理・マネジメントのスタッフを募集中

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    【ap job更新】 地域の文化と素材、数寄屋をテーマに活動する「Fumihiko Sano Studio」が、業務拡大に伴い、設計デザイン・経理・マネジメントのスタッフを募集中
    【ap job更新】 地域の文化と素材、数寄屋をテーマに活動する「Fumihiko Sano Studio」が、業務拡大に伴い、設計デザイン・経理・マネジメントのスタッフを募集中菱屋 古い街並みを残す通りの再生のきっかけとな地域の素材や職人達と作り上げる宿泊施設
    アーキテクチャーフォトジョブボードに新しい情報が追加されました
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    地域の文化と素材、数寄屋をテーマに活動する「Fumihiko Sano Studio」の、業務拡大に伴う、設計デザイン・経理・マネジメントのスタッフ募集のお知らせです。詳しくは、ジョブボードの当該ページにてご確認ください。アーキテクチャーフォトジョブボードには、その他にも、色々な事務所の求人情報が掲載されています。
    新規の求人の投稿はこちらからお気軽にお問い合わせください。

    Fumihiko Sano Studioでは、追加で、設計デザイン、経理、マネジメントを募集します。

    弊社ではプロジェクトごとに作るコンセプトを中心に地域や自然の素材、一点ものの材料と向き合いながらものづくりをしていきます。

    入社後は最初から作図作業だけでなくコンセプトやデザインプロセスにも関わっていただきながら、ものづくりとの距離の近い仕事をしていただきます。

    ものづくりやアート、グラフィックデザインなど、建築だけでない仕事への興味や趣味を持った方からの応募をお待ちしています。

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    Fumihiko Sano Studioは佐野文彦が代表を務める建築設計、インテリア、プロダクト、インスタレーション、アートワークを手掛ける事務所です。

    佐野の持つ数寄屋大工というバックグラウンドを活かし、日本文化や茶の湯、木材や金属、石、左官、紙、布、ガラスなどの様々な素材や技術を使い、伝統的なだけではなく新しく現代の姿へアップデートすることを目指し活動しています。国内外でEDIDA 2014 ELLE DECOR Young Japanese Design Talent、2016年度文化庁文化交流使、FRAME AWARD Emerging Designer of the Year2022、IF DESIGN AWARD、GOOD DESIGN AWARD等の賞を受賞しています。

    建築設計のみならす、プロダクトやイベント、インスタレーション、作品の製作など、様々なジャンルのものを扱います。一緒にアイデアやコンセプトから考えプロジェクトを形にしていくことができます。

    また、事務所の将来の右腕、左腕として、与えられるだけではなくこれからの事務所を一緒に作り上げていけるマインドの方を募集します。

    現在、国内外で宿泊施設や飲食店、商業施設、蒸溜所、ギャラリー、展覧会、住宅、プロダクト、現代美術作品、インスタレーションなど、建築や空間デザインから美術作品の製作まで様々なプロジェクトが進行しています。

    建築だけではない様々なプロジェクトを横断的に関わっていただきながら一緒に物作りをして行けたらと考えています。

    皆さんのご応募をお待ちしています。

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    建築求人情報
    2022.12.09 Fri 07:30
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    榊原節子建築研究所による、大阪・堺市の、店舗併用住宅「北野田のサロン住居」。通行量の多い交差点に計画。異なる用途の“求められる性質”の違いに応える為、店舗部分は敷地全体を活用して住居部分は街から距離を取る構成を考案。“開く”と“守る”が共存する建築を作る

    513.07 榊原節子建築研究所による、大阪・堺市の、店舗併用住宅「北野田のサロン住居」。通行量の多い交差点に計画。異なる用途の“求められる性質”の違いに応える為、店舗部分は敷地全体を活用して住居部分は街から距離を取る構成を考案。“開く”と“守る”が共存する建築を作る

    architecture|feature
    tmsd萬田隆構造設計事務所図面あり大阪尼崎工務店店舗兼住宅建材(内装・キッチン)建材(内装・壁)建材(内装・天井)建材(内装・床)建材(内装・造作家具)建材(外構・床)建材(外装・壁)建材(外装・屋根)建材(外装・建具)植木屋川口榊原節子笹倉洋平
    榊原節子建築研究所による、大阪・堺市の、店舗併用住宅「北野田のサロン住居」。通行量の多い交差点に計画。異なる用途の“求められる性質”の違いに応える為、店舗部分は敷地全体を活用して住居部分は街から距離を取る構成を考案。“開く”と“守る”が共存する建築を作る photo©笹倉洋平
    榊原節子建築研究所による、大阪・堺市の、店舗併用住宅「北野田のサロン住居」。通行量の多い交差点に計画。異なる用途の“求められる性質”の違いに応える為、店舗部分は敷地全体を活用して住居部分は街から距離を取る構成を考案。“開く”と“守る”が共存する建築を作る1階、店舗部分 photo©笹倉洋平
    榊原節子建築研究所による、大阪・堺市の、店舗併用住宅「北野田のサロン住居」。通行量の多い交差点に計画。異なる用途の“求められる性質”の違いに応える為、店舗部分は敷地全体を活用して住居部分は街から距離を取る構成を考案。“開く”と“守る”が共存する建築を作る2階、住居部分 photo©笹倉洋平

    榊原節子建築研究所が設計した、大阪・堺市の、店舗併用住宅「北野田のサロン住居」です。
    通行量の多い交差点に計画されました。建築家は、異なる用途の“求められる性質”の違いに応える為、店舗部分は敷地全体を活用して住居部分は街から距離を取る構成を考案しました。そして、“開く”と“守る”が共存する建築を作る事が意図されました。

    大阪・堺市北部の鉄道駅から徒歩5分、駅前の商業エリアから住宅街へと移り変わる場所に建つ、店舗併用住宅である。
    人や自転車の往来、車の交通量ともに多い交差点に面し、通りからよく見える立地である。

    建築家によるテキストより

    この視認性の良さを生かし、1階の美容室は人目を引くように敷地全体に建物を配置する一方で、2,3階の住居部分は街から一定の距離を保つようにセットバックする構成とした。店舗と住居では求められる性質が異なることから、1階は開放的なつくりが実現できる壁式鉄筋コンクリート造、上階の住居部分は適切に部屋を仕切り、温かみが感じられる木造による混構造としている。

    建築家によるテキストより

    美容室は、店内の空気感が街ゆく人々に伝わり、立ち寄りやすい雰囲気となるよう、二つの道路に面した角部を切り取り開口部を設けている。また、セットバックにより生まれた2階のスラブ部分に天窓を設けて光や空の色を取り込み、屋外にいるような感覚を生み出している。一方、道路と反対にある東側は開口部をなくし、落ち着いた場とすることで、店内の気配にバリエーションを与えることを意図した。加えて内外ともコンクリート打放しのままとし、鏡などの什器もできるだけ存在感を抑えた華奢な仕様とすることで、刻々と変化する光や陰影が鮮明に映し出される空間をめざした。

    建築家によるテキストより
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    tmsd萬田隆構造設計事務所図面あり大阪尼崎工務店店舗兼住宅建材(内装・キッチン)建材(内装・壁)建材(内装・天井)建材(内装・床)建材(内装・造作家具)建材(外構・床)建材(外装・壁)建材(外装・屋根)建材(外装・建具)植木屋川口榊原節子笹倉洋平
    2022.12.09 Fri 07:25
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    2022.12.08Thu
    • 【ap job更新】 国内外の建築や内装を手掛け、世界のアワードで評価される「KAMITOPEN」が、設計スタッフ(経験者・既卒・2023年新卒)を募集中
    • 【ap job更新】 施主の信頼を受け、“チーム”で幅広い仕事に取り組む「KENZO設計 株式会社」が、設計スタッフ(経験者・既卒・2023年新卒・2024年新卒)を募集中
    • 彦根アンドレア / 彦根建築設計事務所による、神奈川の住宅「365°」。海と山を望む高台の敷地。周囲の景色を取り込みつつ強風に対策する為、中庭を囲む様に諸室を配置した“円形”の平面構成を考案。詳細な設備計画や自然エネルギーの活用等で“自立した生活”環境も構築
    • 塩入勇生+矢﨑亮大 / ARCHIDIVISIONによる、東京・板橋区の住宅「DANCE FLOOR」。袋小路奥の旗竿地に計画。建築要素の在り方を前提に立ち返って考慮し、躯体や付属物に規模や役割を越えて装飾性を見出す設計を志向。小さな動作が次々に展開する“心地よい状況”を作る
    2022.12.10Sat
    • フォスター+パートナーズによる、中国・深センの高層ビル「DJI Sky City」をドローンで撮影した動画。“国境のない革新”という理念の成型を目指し、メガトラスで支えられた無柱の“途切れのない”執務空間を考案
    • フォスター+パートナーズによる、中国・深センの高層ビル「DJI Sky City」。ドローン等を手掛ける企業の社屋。“国境のない革新”という理念の成型を目指し、メガトラスで支えられた無柱の“途切れのない”執務空間を考案。地上レベルは開放され公共施設も設置

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