遠野未来建築事務所による、長野市の「OYAKI FARM BY IROHADO」。遺跡のある街に建つ郷土料理の工場と店舗。数万年の時間軸の中で“自然と一体となる生命力のある”建築を求め、地域素材と伝統技術を“編み上げる”作り方を実践。設計と施工の協同も主題とし完成までの過程を重視 外観 photo©takeshi noguchi
遠野未来建築事務所による、長野市の「OYAKI FARM BY IROHADO」。遺跡のある街に建つ郷土料理の工場と店舗。数万年の時間軸の中で“自然と一体となる生命力のある”建築を求め、地域素材と伝統技術を“編み上げる”作り方を実践。設計と施工の協同も主題とし完成までの過程を重視 出入口を見る。 photo©takeshi noguchi
遠野未来建築事務所による、長野市の「OYAKI FARM BY IROHADO」。遺跡のある街に建つ郷土料理の工場と店舗。数万年の時間軸の中で“自然と一体となる生命力のある”建築を求め、地域素材と伝統技術を“編み上げる”作り方を実践。設計と施工の協同も主題とし完成までの過程を重視 ホールからカフェの方向を見る。 photo©takeshi noguchi
遠野未来建築事務所による、長野市の「OYAKI FARM BY IROHADO」。遺跡のある街に建つ郷土料理の工場と店舗。数万年の時間軸の中で“自然と一体となる生命力のある”建築を求め、地域素材と伝統技術を“編み上げる”作り方を実践。設計と施工の協同も主題とし完成までの過程を重視 photo©takeshi noguchi
遠野未来建築事務所 が設計した、長野市の「OYAKI FARM BY IROHADO」です。
遺跡のある街に建つ郷土料理の工場と店舗の計画です。建築家は、数万年の時間軸の中で“自然と一体となる生命力のある”建築を求め、地域素材と伝統技術を“編み上げる”作り方を実践しました。また、設計と施工の協同も主題とし完成までの過程を重視して完成しました。施設の公式サイトはこちら 。
縄文時代から信州に根付く「おやき」の老舗「いろは堂」の新たな展開として長野市の市街地につくられた新工場とカフェ・直売所である。
長野盆地はかつて海の中にあり、約2万年前に人が住み始め針葉樹森が広がっていたという。
敷地は弥生中期の「赤い土器」と環濠遺跡が多く残る地域にありこの建築も数万年という長い時間軸の中で「大地から生まれ大地に還る」「自然と一体となる生命力のある」建築を目指し、「1大地の記憶、2地域の自然素材と技術、3運動・変化・成長、4大地の隆起、5設計と施工の共同」を考慮し県産の製材と現場の工事残土を用い時間と空間、素材、技術を「編み上げ」てつくられた。
「工場・地域」と「店舗・社会」を表す「2つの円」が重なり連動しながら、孤を描く屋根が周囲の山並と共振している。
本棟は杉とヒノキの製材を構造とする約1500m2の木造45分準耐火建築物で、手刻みと燃え代設計による柱梁表しの円弧状の「ホール」とプレカットによる最大スパン10.4mの矩形の「工場」から成り、ホールに円形土器と森の記憶を、トイレ棟・休憩所を含む全体配置に集落の記憶を重ねた。地域の自然素材と技術を生かし伝承するためホールは手刻みの木組と版築・左官の伝統的技術を現代の意匠・技術と組合せて使用し、円弧状に変化する木の柱と方杖は太陽と月の運行に呼応した森と麦穂の運動と成長を示している。
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遠野未来建築事務所による、長野市の「OYAKI FARM BY IROHADO」。遺跡のある街に建つ郷土料理の工場と店舗。数万年の時間軸の中で“自然と一体となる生命力のある”建築を求め、地域素材と伝統技術を“編み上げる”作り方を実践。設計と施工の協同も主題とし完成までの過程を重視 外観 photo©takeshi noguchi
遠野未来建築事務所による、長野市の「OYAKI FARM BY IROHADO」。遺跡のある街に建つ郷土料理の工場と店舗。数万年の時間軸の中で“自然と一体となる生命力のある”建築を求め、地域素材と伝統技術を“編み上げる”作り方を実践。設計と施工の協同も主題とし完成までの過程を重視 外観 photo©takeshi noguchi
遠野未来建築事務所による、長野市の「OYAKI FARM BY IROHADO」。遺跡のある街に建つ郷土料理の工場と店舗。数万年の時間軸の中で“自然と一体となる生命力のある”建築を求め、地域素材と伝統技術を“編み上げる”作り方を実践。設計と施工の協同も主題とし完成までの過程を重視 外観 photo©takeshi noguchi
遠野未来建築事務所による、長野市の「OYAKI FARM BY IROHADO」。遺跡のある街に建つ郷土料理の工場と店舗。数万年の時間軸の中で“自然と一体となる生命力のある”建築を求め、地域素材と伝統技術を“編み上げる”作り方を実践。設計と施工の協同も主題とし完成までの過程を重視 外観 photo©takeshi noguchi
遠野未来建築事務所による、長野市の「OYAKI FARM BY IROHADO」。遺跡のある街に建つ郷土料理の工場と店舗。数万年の時間軸の中で“自然と一体となる生命力のある”建築を求め、地域素材と伝統技術を“編み上げる”作り方を実践。設計と施工の協同も主題とし完成までの過程を重視 外観 photo©takeshi noguchi
遠野未来建築事務所による、長野市の「OYAKI FARM BY IROHADO」。遺跡のある街に建つ郷土料理の工場と店舗。数万年の時間軸の中で“自然と一体となる生命力のある”建築を求め、地域素材と伝統技術を“編み上げる”作り方を実践。設計と施工の協同も主題とし完成までの過程を重視 外観 photo©takeshi noguchi
遠野未来建築事務所による、長野市の「OYAKI FARM BY IROHADO」。遺跡のある街に建つ郷土料理の工場と店舗。数万年の時間軸の中で“自然と一体となる生命力のある”建築を求め、地域素材と伝統技術を“編み上げる”作り方を実践。設計と施工の協同も主題とし完成までの過程を重視 外観 photo©takeshi noguchi
遠野未来建築事務所による、長野市の「OYAKI FARM BY IROHADO」。遺跡のある街に建つ郷土料理の工場と店舗。数万年の時間軸の中で“自然と一体となる生命力のある”建築を求め、地域素材と伝統技術を“編み上げる”作り方を実践。設計と施工の協同も主題とし完成までの過程を重視 出入口を見る。 photo©takeshi noguchi
遠野未来建築事務所による、長野市の「OYAKI FARM BY IROHADO」。遺跡のある街に建つ郷土料理の工場と店舗。数万年の時間軸の中で“自然と一体となる生命力のある”建築を求め、地域素材と伝統技術を“編み上げる”作り方を実践。設計と施工の協同も主題とし完成までの過程を重視 風除室 photo©takeshi noguchi
遠野未来建築事務所による、長野市の「OYAKI FARM BY IROHADO」。遺跡のある街に建つ郷土料理の工場と店舗。数万年の時間軸の中で“自然と一体となる生命力のある”建築を求め、地域素材と伝統技術を“編み上げる”作り方を実践。設計と施工の協同も主題とし完成までの過程を重視 風除室、見上げ photo©takeshi noguchi
遠野未来建築事務所による、長野市の「OYAKI FARM BY IROHADO」。遺跡のある街に建つ郷土料理の工場と店舗。数万年の時間軸の中で“自然と一体となる生命力のある”建築を求め、地域素材と伝統技術を“編み上げる”作り方を実践。設計と施工の協同も主題とし完成までの過程を重視 ホール photo©takeshi noguchi
遠野未来建築事務所による、長野市の「OYAKI FARM BY IROHADO」。遺跡のある街に建つ郷土料理の工場と店舗。数万年の時間軸の中で“自然と一体となる生命力のある”建築を求め、地域素材と伝統技術を“編み上げる”作り方を実践。設計と施工の協同も主題とし完成までの過程を重視 ホールから風除室の方向を見る。 photo©takeshi noguchi
遠野未来建築事務所による、長野市の「OYAKI FARM BY IROHADO」。遺跡のある街に建つ郷土料理の工場と店舗。数万年の時間軸の中で“自然と一体となる生命力のある”建築を求め、地域素材と伝統技術を“編み上げる”作り方を実践。設計と施工の協同も主題とし完成までの過程を重視 ホールからカフェの方向を見る。 photo©takeshi noguchi
遠野未来建築事務所による、長野市の「OYAKI FARM BY IROHADO」。遺跡のある街に建つ郷土料理の工場と店舗。数万年の時間軸の中で“自然と一体となる生命力のある”建築を求め、地域素材と伝統技術を“編み上げる”作り方を実践。設計と施工の協同も主題とし完成までの過程を重視 右奥に階段を見る photo©takeshi noguchi
遠野未来建築事務所による、長野市の「OYAKI FARM BY IROHADO」。遺跡のある街に建つ郷土料理の工場と店舗。数万年の時間軸の中で“自然と一体となる生命力のある”建築を求め、地域素材と伝統技術を“編み上げる”作り方を実践。設計と施工の協同も主題とし完成までの過程を重視 photo©takeshi noguchi
遠野未来建築事務所による、長野市の「OYAKI FARM BY IROHADO」。遺跡のある街に建つ郷土料理の工場と店舗。数万年の時間軸の中で“自然と一体となる生命力のある”建築を求め、地域素材と伝統技術を“編み上げる”作り方を実践。設計と施工の協同も主題とし完成までの過程を重視 カフェから風除室を見返す photo©takeshi noguchi
遠野未来建築事務所による、長野市の「OYAKI FARM BY IROHADO」。遺跡のある街に建つ郷土料理の工場と店舗。数万年の時間軸の中で“自然と一体となる生命力のある”建築を求め、地域素材と伝統技術を“編み上げる”作り方を実践。設計と施工の協同も主題とし完成までの過程を重視 階段から一階を見下ろす photo©takeshi noguchi
遠野未来建築事務所による、長野市の「OYAKI FARM BY IROHADO」。遺跡のある街に建つ郷土料理の工場と店舗。数万年の時間軸の中で“自然と一体となる生命力のある”建築を求め、地域素材と伝統技術を“編み上げる”作り方を実践。設計と施工の協同も主題とし完成までの過程を重視 スカイデッキ photo©takeshi noguchi
遠野未来建築事務所による、長野市の「OYAKI FARM BY IROHADO」。遺跡のある街に建つ郷土料理の工場と店舗。数万年の時間軸の中で“自然と一体となる生命力のある”建築を求め、地域素材と伝統技術を“編み上げる”作り方を実践。設計と施工の協同も主題とし完成までの過程を重視 外観、夜景 photo©takeshi noguchi
遠野未来建築事務所による、長野市の「OYAKI FARM BY IROHADO」。遺跡のある街に建つ郷土料理の工場と店舗。数万年の時間軸の中で“自然と一体となる生命力のある”建築を求め、地域素材と伝統技術を“編み上げる”作り方を実践。設計と施工の協同も主題とし完成までの過程を重視 敷地図 image©遠野未来建築事務所
遠野未来建築事務所による、長野市の「OYAKI FARM BY IROHADO」。遺跡のある街に建つ郷土料理の工場と店舗。数万年の時間軸の中で“自然と一体となる生命力のある”建築を求め、地域素材と伝統技術を“編み上げる”作り方を実践。設計と施工の協同も主題とし完成までの過程を重視 配置図兼1階平面図 image©遠野未来建築事務所
遠野未来建築事務所による、長野市の「OYAKI FARM BY IROHADO」。遺跡のある街に建つ郷土料理の工場と店舗。数万年の時間軸の中で“自然と一体となる生命力のある”建築を求め、地域素材と伝統技術を“編み上げる”作り方を実践。設計と施工の協同も主題とし完成までの過程を重視 2階平面図 image©遠野未来建築事務所
遠野未来建築事務所による、長野市の「OYAKI FARM BY IROHADO」。遺跡のある街に建つ郷土料理の工場と店舗。数万年の時間軸の中で“自然と一体となる生命力のある”建築を求め、地域素材と伝統技術を“編み上げる”作り方を実践。設計と施工の協同も主題とし完成までの過程を重視 立面図 image©遠野未来建築事務所
遠野未来建築事務所による、長野市の「OYAKI FARM BY IROHADO」。遺跡のある街に建つ郷土料理の工場と店舗。数万年の時間軸の中で“自然と一体となる生命力のある”建築を求め、地域素材と伝統技術を“編み上げる”作り方を実践。設計と施工の協同も主題とし完成までの過程を重視 立面図 image©遠野未来建築事務所
遠野未来建築事務所による、長野市の「OYAKI FARM BY IROHADO」。遺跡のある街に建つ郷土料理の工場と店舗。数万年の時間軸の中で“自然と一体となる生命力のある”建築を求め、地域素材と伝統技術を“編み上げる”作り方を実践。設計と施工の協同も主題とし完成までの過程を重視 断面図 image©遠野未来建築事務所
遠野未来建築事務所による、長野市の「OYAKI FARM BY IROHADO」。遺跡のある街に建つ郷土料理の工場と店舗。数万年の時間軸の中で“自然と一体となる生命力のある”建築を求め、地域素材と伝統技術を“編み上げる”作り方を実践。設計と施工の協同も主題とし完成までの過程を重視 断面図 image©遠野未来建築事務所
遠野未来建築事務所による、長野市の「OYAKI FARM BY IROHADO」。遺跡のある街に建つ郷土料理の工場と店舗。数万年の時間軸の中で“自然と一体となる生命力のある”建築を求め、地域素材と伝統技術を“編み上げる”作り方を実践。設計と施工の協同も主題とし完成までの過程を重視 断面詳細図 image©遠野未来建築事務所
遠野未来建築事務所による、長野市の「OYAKI FARM BY IROHADO」。遺跡のある街に建つ郷土料理の工場と店舗。数万年の時間軸の中で“自然と一体となる生命力のある”建築を求め、地域素材と伝統技術を“編み上げる”作り方を実践。設計と施工の協同も主題とし完成までの過程を重視 梁伏図 image©遠野未来建築事務所
遠野未来建築事務所による、長野市の「OYAKI FARM BY IROHADO」。遺跡のある街に建つ郷土料理の工場と店舗。数万年の時間軸の中で“自然と一体となる生命力のある”建築を求め、地域素材と伝統技術を“編み上げる”作り方を実践。設計と施工の協同も主題とし完成までの過程を重視 ダイアグラム image©遠野未来建築事務所
遠野未来建築事務所による、長野市の「OYAKI FARM BY IROHADO」。遺跡のある街に建つ郷土料理の工場と店舗。数万年の時間軸の中で“自然と一体となる生命力のある”建築を求め、地域素材と伝統技術を“編み上げる”作り方を実践。設計と施工の協同も主題とし完成までの過程を重視 ダイアグラム image©遠野未来建築事務所
VIDEO
以下、建築家によるテキストです。
大地を編む 自然と一体になる生命力のある場 JINENの建築
縄文時代から信州に根付く「おやき」の老舗「いろは堂」の新たな展開として長野市の市街地につくられた新工場とカフェ・直売所である。
長野盆地はかつて海の中にあり、約2万年前に人が住み始め針葉樹森が広がっていたという。
敷地は弥生中期の「赤い土器」と環濠遺跡が多く残る地域にありこの建築も数万年という長い時間軸の中で「大地から生まれ大地に還る」「自然と一体となる生命力のある」建築を目指し、「1大地の記憶、2地域の自然素材と技術、3運動・変化・成長、4大地の隆起、5設計と施工の共同」を考慮し県産の製材と現場の工事残土を用い時間と空間、素材、技術を「編み上げ」てつくられた。
「工場・地域」と「店舗・社会」を表す「2つの円」が重なり連動しながら、孤を描く屋根が周囲の山並と共振している。
本棟は杉とヒノキの製材を構造とする約1500m2の木造45分準耐火建築物で、手刻みと燃え代設計による柱梁表しの円弧状の「ホール」とプレカットによる最大スパン10.4mの矩形の「工場」から成り、ホールに円形土器と森の記憶を、トイレ棟・休憩所を含む全体配置に集落の記憶を重ねた。地域の自然素材と技術を生かし伝承するためホールは手刻みの木組と版築・左官の伝統的技術を現代の意匠・技術と組合せて使用し、円弧状に変化する木の柱と方杖は太陽と月の運行に呼応した森と麦穂の運動と成長を示している。
ホールの工場見学コースを工場の床レベルFL=GL+900と合せるため床と基礎を立ち上げ、盛土して建物を大地になじませたことで左右を土手に囲まれた敷地に建築と景観が一体となる風景が生み出されている。
建築の工程として一番重視したのは、完成されたかたち自体より、設計と施工が共同する生成と発展の過程である。
現代建築は設計と施工が分離することで、職人のもつ「古来の知恵」や手仕事を生かさず、建築やものづくりが「人間」や「人の手」から離れている。定まった設計を施工がものや技術としてつくるのではなく、つくり手が生きた素材を編み合せる過程でものが成立するよう、設計初期から工務店・職人と共同して伝統的技術を生かした木組や左官・版築を考え、それを構造計算に落し込んで現場と密にやり取りして建築をつくった。
(遠野未来建築事務所 遠野未来)
空間構成 北側のホールと南側の工場
いろは堂は今回農業法人を取得し、地域の農産物生産者さんと提携しておやきの生産量をこれまでの2.5倍にし現代の生活にも見合う新たな食文化の世界への発信としてこの建築を計画した。
場所は長野インター直下の長野市から他地域への玄関口でドライブイン機能も持ち、千曲川の土手と県道、四方を山並みに囲まれた長野市の顔というべき位置にある。
北側におやき直売所とカフェ、体験室、応接室、工場見学コース。南側部分は天井高さ3.0mの国際衛生基準HCCP対応のおやき工場。2階のテラスも周囲の山を臨む客席になっている。
工場の6m以上のスパンは鉄骨で補強した木梁を使用。材は構造・仕上げともJAS認定工場の長野県根羽村森林組合産。木の使用量が約400m2一般住宅約25棟分と製造から廃棄時にCO2削減が必須のこれからの時代における都市の中規模木造の推進モデルになることを目指した。
ホールは最大約7mの杉の耳付柱によるガラスのカーテンウォールとなっている。
版築 ・・・ 建設残土を中規模木造建築へ活用する
土1mができるのに1万年から10万年かかるといわれる。建設残土による入口の5.2mの版築壁もその時間を内包している。
環境負荷削減の第一歩としてつくられた現場の工事残土を活用し、木造と組み合わせたエントランスの5.2mの版築壁。全体で約30m3、重量60トン1層60ミリ86層。150x330ミリの木の合せ柱の外側を合板ではさみ、縦に丸竹@303,横に割竹@225の竹カゴをつくり、その内外に平均20cmの厚みで現場の土と粘土・消石灰、微量の白セメントを重量比1.75:1:0.275:0.13で入れ、約2ヶ月間で手で突固めた。最終的には落下防止のためトップコートを塗って仕上げた。
省エネ設計 ・・・ 平成28年省エネ基準に適合
建築物エネルギー消費性能 年間熱負荷係数BPIm0.70<1.00、1次エネルギー消費量 BElm0.94<1.00 と平成28年省エネ基準に適合。
ホール部分は採光とともに自然換気も行える高窓で中間期の空調負荷を削減する。上水使用の低減として井水利用を行い、信州大学と提携して水の浄化も行っている。
防耐火設計 ・・・ 45分準耐火建築物 燃え代設計と外壁 鋼板下地 杉板貼り
45分準耐火構造で最大スパン約9mのホール部分は杉150x330の合わせ柱、ヒノキ150x330の梁、踏板ヒノキ60mmの階段による燃え代設計木組現し。
外壁は外断熱による工場搬入口を除き杉板15ミリ保護剤仕上げ。近年の防耐火設計の事例により外断熱でも鋼板下地と併用し、準耐火建築物でも外壁木板張りが認可されるようになった。
■建築概要
作品名:OYAKI FARM BY IROHADO
所在地:長野県長野市
───
設計
設計・監理:遠野未来建築事務所 担当/遠野未来
工場:フリーザーシステム 担当/松下爾仁、椛田幸美
意匠設計協力:長澤剣太郎建築計画事務所 担当/長澤剣太郎
実施設計協力:at建築設計 担当/荒井寿和、CUSTARD一級建築士事務所 担当/百田有香
環境:スタジオノラ 担当/谷口景一朗
防耐火:桜設計集団 担当/安井昇
店舗:源氣 担当/井口二郎
サイン:カズワタベ、Huuuu 担当/藤原正賢
necton 担当/鈴木龍之介
トベアーキテクト 担当/香川翔勲
家具制作:松木啓直家具工房 担当/松木啓直
外構設計協力:下崎建築設計事務所 担当/下﨑明久
模型製作・版築施工協力:信州大学建築学科学生有志
都市計画許認可:田中建築設計事務所 担当/林部直樹
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構造
工場・店舗棟:岸上構造事務所 担当/岸上大介
WC棟:坂田涼太郎構造設計事務所 担当/坂田涼太郎、太田原ナヴィッド崇秀
版築:武蔵野大学建築デザイン学科 担当/田中正史、傳工房 担当/中村傳穂
版築構法・圧縮試験:信州大学建築学科 松田研究室
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設備:協栄電気興業 担当/井上清、笠原紀光
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施工
フリーザーシステム 担当/松下爾仁、八巻正佳
建築:守谷商会(基礎・外構) 担当/中村隆良,百瀬哲, 大山竜輝
寺島工務店(木造・その他建築一般) 担当/寺島 秀敏 佐藤亮介
空調・衛生・電気:協栄電気興業 担当/龍掘高光 空調・衛生担当/小林友哉、滝沢和重 電気担当/土屋大輔
外構・植栽:見海造園 担当/見海勝利
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敷地面積:9214.56m2
建築面積:1415.34m2
延床面積:1733.64m2
階数:地上2階
構造:木造
非住宅 PAL*(年間熱負荷係数):算出対象外(工場部分があるため)
BEI(省エネルギー性能指標):0.94
設計期間:2000年8月~2021年10月
施工期間:2021年10月~2022年7月
撮影:野口毅