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2023.7.25Tue
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若松均建築設計事務所による、東京・世田谷区の、集合住宅「セタガヤテラス」。住宅街の角地のコーポラティブハウス。地域の環境維持を願う地主の想いに応え、部屋やテラス等を“筒”と捉え構成して“家”と“街”が繋がる様な状況を創出。生活の場を道路側に設ける計画で外との関係構築も促す
photo©鈴木研一

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architecture|feature
建材(内装・床)アーキネットTH-1建材(外装・建具)建材(外構・床)建材(外装・壁)建材(外装・屋根)建材(内装・天井)建材(内装・壁)世田谷区図面あり鈴木研一若松均集合住宅東京
若松均建築設計事務所による、東京・世田谷区の、集合住宅「セタガヤテラス」。住宅街の角地のコーポラティブハウス。地域の環境維持を願う地主の想いに応え、部屋やテラス等を“筒”と捉え構成して“家”と“街”が繋がる様な状況を創出。生活の場を道路側に設ける計画で外との関係構築も促す外観 photo©鈴木研一
若松均建築設計事務所による、東京・世田谷区の、集合住宅「セタガヤテラス」。住宅街の角地のコーポラティブハウス。地域の環境維持を願う地主の想いに応え、部屋やテラス等を“筒”と捉え構成して“家”と“街”が繋がる様な状況を創出。生活の場を道路側に設ける計画で外との関係構築も促す1階、通り庭 photo©鈴木研一
若松均建築設計事務所による、東京・世田谷区の、集合住宅「セタガヤテラス」。住宅街の角地のコーポラティブハウス。地域の環境維持を願う地主の想いに応え、部屋やテラス等を“筒”と捉え構成して“家”と“街”が繋がる様な状況を創出。生活の場を道路側に設ける計画で外との関係構築も促すA住戸、1階 photo©鈴木研一

若松均建築設計事務所が設計した、東京・世田谷区の、集合住宅「セタガヤテラス」です。
住宅街の角地のコーポラティブハウスです。建築家は、地域の環境維持を願う地主の想いに応え、部屋やテラス等を“筒”と捉え構成して“家”と“街”が繋がる様な状況を創出しました。また、生活の場を道路側に設ける計画で外との関係構築も促す事も意図されました。

武家屋敷で有名なボロ市通り周辺には、大きなお屋敷や町家の面影がまだ残る。
敷地は車の往来、人通りの少ない静かな住宅地にあり、庭木や緑も多く北西方向に大きな保存樹木のケヤキを望む。一方で、近くに設計した「世田谷のコーポラティブハウス」があり、久しぶりに訪れたが、辺りは狭小住宅や分譲マンションなどに建て替わり、地域は徐々におおらかさを失いつつあるとも感じた。

建築家によるテキストより

以前は奥まった袋小路であったのに対し今回は東南の角地である。
同種企画の多くは引き込み通路の奥や旗竿敷地など接道距離が短いのがひとつの特徴だが、「いまの良好なまちの環境を保ちたい」という地主の強い想いで叶った稀有なコーナーといえる。周りとの関わりが大きい敷地形状に対し、環境を損なうことなくボリューム感を抑え、地域の形成要素としていかに「まちに住まう場」を設定できるかが主要なテーマである。

建築家によるテキストより

8戸全ての住戸が道に面するように「ロの字型のアパートメント形式」のコーポラティブハウスを計画した。
西側隣地にプロジェクト2の企画が進んでいた経緯から、互いに行き来できる路地的な場が残り、計3方向に抜けられる「みち」を有する「通り庭形式の中庭」を内側に据える。各住戸へはこの通り庭を通ってアクセスする。道路側に生活の場がある。道との僅かな凹凸の隙間に樹木を植え、テラス、ドライエリアなど道との距離を保つことで、外に対して積極的な関係を築こうとした。

建築家によるテキストより

以下の写真はクリックで拡大します

若松均建築設計事務所による、東京・世田谷区の、集合住宅「セタガヤテラス」。住宅街の角地のコーポラティブハウス。地域の環境維持を願う地主の想いに応え、部屋やテラス等を“筒”と捉え構成して“家”と“街”が繋がる様な状況を創出。生活の場を道路側に設ける計画で外との関係構築も促す外観 photo©鈴木研一
若松均建築設計事務所による、東京・世田谷区の、集合住宅「セタガヤテラス」。住宅街の角地のコーポラティブハウス。地域の環境維持を願う地主の想いに応え、部屋やテラス等を“筒”と捉え構成して“家”と“街”が繋がる様な状況を創出。生活の場を道路側に設ける計画で外との関係構築も促す1階、通り庭 photo©鈴木研一
若松均建築設計事務所による、東京・世田谷区の、集合住宅「セタガヤテラス」。住宅街の角地のコーポラティブハウス。地域の環境維持を願う地主の想いに応え、部屋やテラス等を“筒”と捉え構成して“家”と“街”が繋がる様な状況を創出。生活の場を道路側に設ける計画で外との関係構築も促す通り庭 photo©鈴木研一
若松均建築設計事務所による、東京・世田谷区の、集合住宅「セタガヤテラス」。住宅街の角地のコーポラティブハウス。地域の環境維持を願う地主の想いに応え、部屋やテラス等を“筒”と捉え構成して“家”と“街”が繋がる様な状況を創出。生活の場を道路側に設ける計画で外との関係構築も促すA住戸、1階 photo©鈴木研一
若松均建築設計事務所による、東京・世田谷区の、集合住宅「セタガヤテラス」。住宅街の角地のコーポラティブハウス。地域の環境維持を願う地主の想いに応え、部屋やテラス等を“筒”と捉え構成して“家”と“街”が繋がる様な状況を創出。生活の場を道路側に設ける計画で外との関係構築も促すA住戸、地下、階段 photo©鈴木研一
若松均建築設計事務所による、東京・世田谷区の、集合住宅「セタガヤテラス」。住宅街の角地のコーポラティブハウス。地域の環境維持を願う地主の想いに応え、部屋やテラス等を“筒”と捉え構成して“家”と“街”が繋がる様な状況を創出。生活の場を道路側に設ける計画で外との関係構築も促すB住戸、1階、入口のガラス窓から通り庭が見える。 photo©鈴木研一
若松均建築設計事務所による、東京・世田谷区の、集合住宅「セタガヤテラス」。住宅街の角地のコーポラティブハウス。地域の環境維持を願う地主の想いに応え、部屋やテラス等を“筒”と捉え構成して“家”と“街”が繋がる様な状況を創出。生活の場を道路側に設ける計画で外との関係構築も促すB住戸、地階、居室 photo©鈴木研一
若松均建築設計事務所による、東京・世田谷区の、集合住宅「セタガヤテラス」。住宅街の角地のコーポラティブハウス。地域の環境維持を願う地主の想いに応え、部屋やテラス等を“筒”と捉え構成して“家”と“街”が繋がる様な状況を創出。生活の場を道路側に設ける計画で外との関係構築も促すB住戸、地階、居室 photo©鈴木研一
若松均建築設計事務所による、東京・世田谷区の、集合住宅「セタガヤテラス」。住宅街の角地のコーポラティブハウス。地域の環境維持を願う地主の想いに応え、部屋やテラス等を“筒”と捉え構成して“家”と“街”が繋がる様な状況を創出。生活の場を道路側に設ける計画で外との関係構築も促すC住戸、1階、外部を見る。 photo©鈴木研一
若松均建築設計事務所による、東京・世田谷区の、集合住宅「セタガヤテラス」。住宅街の角地のコーポラティブハウス。地域の環境維持を願う地主の想いに応え、部屋やテラス等を“筒”と捉え構成して“家”と“街”が繋がる様な状況を創出。生活の場を道路側に設ける計画で外との関係構築も促す地階、C住戸 photo©鈴木研一
若松均建築設計事務所による、東京・世田谷区の、集合住宅「セタガヤテラス」。住宅街の角地のコーポラティブハウス。地域の環境維持を願う地主の想いに応え、部屋やテラス等を“筒”と捉え構成して“家”と“街”が繋がる様な状況を創出。生活の場を道路側に設ける計画で外との関係構築も促すD住戸、1階、居室 photo©鈴木研一
若松均建築設計事務所による、東京・世田谷区の、集合住宅「セタガヤテラス」。住宅街の角地のコーポラティブハウス。地域の環境維持を願う地主の想いに応え、部屋やテラス等を“筒”と捉え構成して“家”と“街”が繋がる様な状況を創出。生活の場を道路側に設ける計画で外との関係構築も促すD住戸、1階、居室 photo©鈴木研一
若松均建築設計事務所による、東京・世田谷区の、集合住宅「セタガヤテラス」。住宅街の角地のコーポラティブハウス。地域の環境維持を願う地主の想いに応え、部屋やテラス等を“筒”と捉え構成して“家”と“街”が繋がる様な状況を創出。生活の場を道路側に設ける計画で外との関係構築も促す1階、通り庭 photo©鈴木研一
若松均建築設計事務所による、東京・世田谷区の、集合住宅「セタガヤテラス」。住宅街の角地のコーポラティブハウス。地域の環境維持を願う地主の想いに応え、部屋やテラス等を“筒”と捉え構成して“家”と“街”が繋がる様な状況を創出。生活の場を道路側に設ける計画で外との関係構築も促す2階、通り庭 photo©鈴木研一
若松均建築設計事務所による、東京・世田谷区の、集合住宅「セタガヤテラス」。住宅街の角地のコーポラティブハウス。地域の環境維持を願う地主の想いに応え、部屋やテラス等を“筒”と捉え構成して“家”と“街”が繋がる様な状況を創出。生活の場を道路側に設ける計画で外との関係構築も促すE住戸、2階、居室 photo©鈴木研一
若松均建築設計事務所による、東京・世田谷区の、集合住宅「セタガヤテラス」。住宅街の角地のコーポラティブハウス。地域の環境維持を願う地主の想いに応え、部屋やテラス等を“筒”と捉え構成して“家”と“街”が繋がる様な状況を創出。生活の場を道路側に設ける計画で外との関係構築も促すE住戸、2階、居室 photo©鈴木研一
若松均建築設計事務所による、東京・世田谷区の、集合住宅「セタガヤテラス」。住宅街の角地のコーポラティブハウス。地域の環境維持を願う地主の想いに応え、部屋やテラス等を“筒”と捉え構成して“家”と“街”が繋がる様な状況を創出。生活の場を道路側に設ける計画で外との関係構築も促すF住戸、3階、居室 photo©鈴木研一
若松均建築設計事務所による、東京・世田谷区の、集合住宅「セタガヤテラス」。住宅街の角地のコーポラティブハウス。地域の環境維持を願う地主の想いに応え、部屋やテラス等を“筒”と捉え構成して“家”と“街”が繋がる様な状況を創出。生活の場を道路側に設ける計画で外との関係構築も促すF住戸、3階、居室 photo©鈴木研一
若松均建築設計事務所による、東京・世田谷区の、集合住宅「セタガヤテラス」。住宅街の角地のコーポラティブハウス。地域の環境維持を願う地主の想いに応え、部屋やテラス等を“筒”と捉え構成して“家”と“街”が繋がる様な状況を創出。生活の場を道路側に設ける計画で外との関係構築も促すG住戸、2階、居室 photo©鈴木研一
若松均建築設計事務所による、東京・世田谷区の、集合住宅「セタガヤテラス」。住宅街の角地のコーポラティブハウス。地域の環境維持を願う地主の想いに応え、部屋やテラス等を“筒”と捉え構成して“家”と“街”が繋がる様な状況を創出。生活の場を道路側に設ける計画で外との関係構築も促すG住戸、2階、居室 photo©鈴木研一
若松均建築設計事務所による、東京・世田谷区の、集合住宅「セタガヤテラス」。住宅街の角地のコーポラティブハウス。地域の環境維持を願う地主の想いに応え、部屋やテラス等を“筒”と捉え構成して“家”と“街”が繋がる様な状況を創出。生活の場を道路側に設ける計画で外との関係構築も促すH住戸、2階 photo©鈴木研一
若松均建築設計事務所による、東京・世田谷区の、集合住宅「セタガヤテラス」。住宅街の角地のコーポラティブハウス。地域の環境維持を願う地主の想いに応え、部屋やテラス等を“筒”と捉え構成して“家”と“街”が繋がる様な状況を創出。生活の場を道路側に設ける計画で外との関係構築も促すH住戸、3階 photo©鈴木研一
若松均建築設計事務所による、東京・世田谷区の、集合住宅「セタガヤテラス」。住宅街の角地のコーポラティブハウス。地域の環境維持を願う地主の想いに応え、部屋やテラス等を“筒”と捉え構成して“家”と“街”が繋がる様な状況を創出。生活の場を道路側に設ける計画で外との関係構築も促す外観、夜景 photo©鈴木研一
若松均建築設計事務所による、東京・世田谷区の、集合住宅「セタガヤテラス」。住宅街の角地のコーポラティブハウス。地域の環境維持を願う地主の想いに応え、部屋やテラス等を“筒”と捉え構成して“家”と“街”が繋がる様な状況を創出。生活の場を道路側に設ける計画で外との関係構築も促す外観、夜景 photo©鈴木研一
若松均建築設計事務所による、東京・世田谷区の、集合住宅「セタガヤテラス」。住宅街の角地のコーポラティブハウス。地域の環境維持を願う地主の想いに応え、部屋やテラス等を“筒”と捉え構成して“家”と“街”が繋がる様な状況を創出。生活の場を道路側に設ける計画で外との関係構築も促す平面図 image©若松均建築設計事務所
若松均建築設計事務所による、東京・世田谷区の、集合住宅「セタガヤテラス」。住宅街の角地のコーポラティブハウス。地域の環境維持を願う地主の想いに応え、部屋やテラス等を“筒”と捉え構成して“家”と“街”が繋がる様な状況を創出。生活の場を道路側に設ける計画で外との関係構築も促す断面パース image©若松均建築設計事務所
若松均建築設計事務所による、東京・世田谷区の、集合住宅「セタガヤテラス」。住宅街の角地のコーポラティブハウス。地域の環境維持を願う地主の想いに応え、部屋やテラス等を“筒”と捉え構成して“家”と“街”が繋がる様な状況を創出。生活の場を道路側に設ける計画で外との関係構築も促すダイアグラム image©若松均建築設計事務所
若松均建築設計事務所による、東京・世田谷区の、集合住宅「セタガヤテラス」。住宅街の角地のコーポラティブハウス。地域の環境維持を願う地主の想いに応え、部屋やテラス等を“筒”と捉え構成して“家”と“街”が繋がる様な状況を創出。生活の場を道路側に設ける計画で外との関係構築も促すコンセプト配置図 image©若松均建築設計事務所

以下、建築家によるテキストです。


まちに住む
武家屋敷で有名なボロ市通り周辺には、大きなお屋敷や町家の面影がまだ残る。
敷地は車の往来、人通りの少ない静かな住宅地にあり、庭木や緑も多く北西方向に大きな保存樹木のケヤキを望む。一方で、近くに設計した「世田谷のコーポラティブハウス」があり、久しぶりに訪れたが、辺りは狭小住宅や分譲マンションなどに建て替わり、地域は徐々におおらかさを失いつつあるとも感じた。

以前は奥まった袋小路であったのに対し今回は東南の角地である。
同種企画の多くは引き込み通路の奥や旗竿敷地など接道距離が短いのがひとつの特徴だが、「いまの良好なまちの環境を保ちたい」という地主の強い想いで叶った稀有なコーナーといえる。周りとの関わりが大きい敷地形状に対し、環境を損なうことなくボリューム感を抑え、地域の形成要素としていかに「まちに住まう場」を設定できるかが主要なテーマである。

8戸全ての住戸が道に面するように「ロの字型のアパートメント形式」のコーポラティブハウスを計画した。
西側隣地にプロジェクト2の企画が進んでいた経緯から、互いに行き来できる路地的な場が残り、計3方向に抜けられる「みち」を有する「通り庭形式の中庭」を内側に据える。各住戸へはこの通り庭を通ってアクセスする。道路側に生活の場がある。道との僅かな凹凸の隙間に樹木を植え、テラス、ドライエリアなど道との距離を保つことで、外に対して積極的な関係を築こうとした。

3年前に竣工した「緑が丘のコーポラティブハウス」では、小さなハコを雛壇状に積み上げた構成で、地形に倣い「緑ヶ丘の緑の丘」というテーマを具体化したが、住民たちの手で屋上緑化を施し樹木を増設するなど「中庭」を中心に植物が育ち、より豊かな「緑の丘」に成長した。今回はちょうど反転した構成。より細かく分節したスケールの小さな集合体は、周辺の古くからの習慣に従って小さな前庭を伴い敷地内で完結することなく、外に向かって「みち」を介して「まち」を巻き込む。おおらかに広がりのある展開ができる構造を内包している。

断片の繰り返しが生み出す共有感
本計画では、内外の広がりの中に住まう場を求めた。内外が同じ構成要素の反復構造の内で、複数の住民が近くに居ながら隔たり暮らす。それぞれに住人の好みを反映したインテリアは楽しく多彩であり、かつ4方向に散らばる開口のレイアウトがつくる明るく風通しの良い光景は共通している。開口を通して、道路や通り庭を往来する人々を垣間見、外側の景色が入り込む。

外に出ることが制限されている現在、失われつつある共同性に対し、建築の構成・場のイメージが互いの共有感や安心感を抱くことにつながる。そして小さな単位の集まりによる断片化した全体像が、まちの構成要素として根付き社会とのつながりを感じさせる関係を育む。断片の反復的な構造により建築の可能性を見出そうとしたと言える。

反転と反復
ある一定の大きさ、規模を持ってしまう集合住宅(ビルディングタイプ)に対し、小さな単位の集まりでできた建築を設計してきた。その都度、様々な方法(グリッドでの分割、箱の分散、塔の連結、雛壇の積層など)で周辺環境と住環境との対応関係を考えてきたが、新たに、まちに潜在している最小単位である「部屋」の大きさを構成のきっかけにする。
更に中庭・テラス・ドライエリア・吹き抜け・トップライトなど建物をつくる外部やヴォイドの空間要素も加えて「筒」と捉え共通の構成要素とした。

「筒」は箱、部屋、塔などと違い蓋(覆い)がない。内外の枠を超えて全てをヴォイドの「筒」と仮定する。スケールの異なるたくさんの筒状の直方体が寄せ集まり、同一パターンの繰り返しでできる拡がりを構想する。共通の要素が内外反転しつつ反復する。住まう場では「筒」のそれぞれで自在に床が設定されヴォイドを通じて縦横に連なる。当初設定した筒の構成は視覚的に徐々に崩され、内と外・「いえ」と「まち」が、ひとつながりになった環境をつくる。

■建築概要

設計者:若松均建築設計事務所 
担当:若松均、片岡篤史、中山由稀、横山伊織、浅野智史、今村奈美
企画:アーキネット
担当:織山和久、黒岩哲郎、池澤竜哉
施工:TH-1
担当:朝倉幸子、坂本修一、渡邉幸治
設備:エー・エム・シー
担当:柳正明
電気:アーム
担当:苅北泰稔
主体構造・構法:鉄筋コンクリート壁式構造
規模:地下1階、地上4階
延床面積:582.57m2
設計期間:2018年6月~2019年3月
工事期間:2019年4月~2020年6月
写真:鈴木研一

建材情報
種別使用箇所商品名(メーカー名)
外構・床植栽

アオダモ、イロハモミジ、フェイジョア、ニワウメ、マンサク、他多数

外装・壁外壁

コンクリート打放しの上撥水材:ランデックスコート(大日技研)

外装・屋根屋根

タケイ式躯体防水(タケイ工業)

外装・建具開口部

アルミサッシ:EXIMA31(YKKAP)

内装・床A住戸床

フローリング:オーク20](IOC)
タイル[ネクストワン594](サンワカンパニー)

内装・壁A住戸壁

PB t=12.5の上EP塗装
コンクリート打放し
タイル[ブリックグロッシー](サンワカンパニー)

内装・天井A住戸天井

コンクリート打放し

内装・床B住戸床

タイル:ジーストーン(KYタイル)
フローリング:オーク20(IOC)

内装・壁B住戸壁

PB t=12.5の上EP塗装
コンクリート打放し

内装・天井B住戸天井

コンクリート打放し

内装・床C住戸床

タイル:コットメント(名古屋モザイク)
モルタル金ゴテ仕上

内装・壁C住戸壁

PB t=12.5の上EP塗装
コンクリート打放し

内装・天井C住戸天井

コンクリート打放し

内装・床D住戸床

フローリング:カンヌグリ(IOC)

内装・壁D住戸壁

PB t=12.5の上EP塗装
コンクリート打放し

内装・天井D住戸天井

コンクリート打放し

内装・床E住戸床

フローリング:THARオークオイル仕上(AD WORLD)
フィニッシュモルタルt=5金ゴテ(日本プラスター)
足場板(WOODPRO)

内装・壁E住戸壁

PB t=12.5の上EP塗装
漆喰:白い壁(富士川建材)
タイル[BE-700 美濃タイル]

内装・天井E住戸天井

PB t=12.5の上EP塗装
コンクリート打放し

内装・床F住戸床

フレキシブルボード t=8の上クリア塗装

内装・壁F住戸壁

フレキシブルボード t=5素地

内装・天井F住戸天井

PB t=12.5の上EP塗装、コンクリート打放し

内装・床G住戸床

フローリング:プロヴァンスシェングラン(IOC)
タイル:グランツ(タイルパーク)
シナ合板の上クリア塗装

内装・壁G住戸壁

PB t=12.5の上EP塗装
シナ合板の上クリア塗装

内装・天井G住戸天井

コンクリート打放し

内装・床H住戸床

タイル:エボック(ADVAN)

内装・壁H住戸壁

PB t=12.5の上EP塗装
フレキシブルボードt=5の上クリア塗装
ナラ突板の上OSCL塗装

内装・天井H住戸天井

PB t=12.5の上EP塗装

※企業様による建材情報についてのご意見や「PR」のご相談はこちらから
※この情報は弊サイトや設計者が建材の性能等を保証するものではありません

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    間口が広く奥行が浅い区画の衣料品店。建築家は、既存店と異なるデザインコードの要望に、ブランドと呼応する色で縁取った店内を間接光が“ショーウインドウ”の様に浮上させる計画を考案しました。また、商品を美しく見せて街路との一体感も生み出す事も意図されました。店舗の公式サイトはこちら。

    2018年にトゥモローランドより誕生したオリジナルブランドCABaNの新店の内外装を手掛けた。

    敷地は銀座EXITMELSAの1階路面の角に位置し、奥行1.8m~2.6mx17mの細長い区画となる。上質さと遊び心を兼ね備える同ブランドの特徴を踏まえ、既存店とは異なる新たなデザインコードが求められた。

    建築家によるテキストより

    オーニングが印象的なファサードをブランドイメージと呼応する色で統一。
    深緑色で縁取られた店内全体を、柔らかい間接光によってショーウインドウのように浮かび上がらせる計画とした。

    メインエントランス側の正面には、アーチ型の木製フレームで切り取られたスペースにベンチとフィッティングルームを備え、レイヤー状に一段階奥行きを与えることで落ち着きのある空間で来客をもてなす。

    建築家によるテキストより

    メインエントランス側の正面には、アーチ型の木製フレームで切り取られたスペースにベンチとフィッティングルームを備え、レイヤー状に一段階奥行きを与えることで落ち着きのある空間で来客をもてなす。

    両端にミラーを配して長手方向に広がりを与えた陳列エリアには、8m幅の棚下にウォームグレー色を背景に施し、一列に並ぶ色彩豊かなアパレルアイテムを際立たせた。アーチのフレームや棚板などにポイントで用いた、温かみのあるラワン材が空間に上質さを与える。

    建築家によるテキストより
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    D.BRAINBRANCH LIGHTING DESIGN建材(外装・その他)建材(内装・床)建材(内装・壁)建材(内装・天井)建材(内装・造作家具)中央区図面あり店舗禿真哉東京鈴野浩一銀座トラフ建築設計事務所阿野太一
    2023.07.25 Tue 13:01
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    2023.7.24Mon
    • 松井大佑 / Atelier komaによる、熊本市の、映画館「gather」。駅前ビル内のシネマコンプレックス。来館者の“集い”をつくる空間の諸要素の“集い”に着目し、モノクロの色彩の下に“制御する”設計を志向。躯体・設備・広告等を“ダミー”の量塊を用いて整理し馴染ませる
    • 藤本壮介・永山祐子・成瀬友梨が審査する、ケイミュー主催のアワード「ARCHITECTURAL DESIGN AWARD 2023」が応募作品を募集中。ケイミュー商品使用物件を対象に“未来に残していきたい外装デザイン”を選定し表彰。受賞者には藤本作品の“白井屋ホテル”での表彰式と“総額185万”の商品券を用意
    • 坂田裕貴 / a.d.pによる、東京・板橋区の、小屋「Backyard in field」。生産緑地に計画された農作業の為の建物。野菜の直売等に加え発信までも行う施主の為に、思想を体現する“多面的な振る舞い”を持つ存在を志向。畑と呼応する平側や街に開く妻側など建築に多様な性格を与える
    • 最も注目を集めたトピックス[期間:2023/7/17-7/23]
    2023.7.26Wed
    • 【ap job更新】 “デザイン×事業でまちを豊かに”をコンセプトに、地方からまちを変える建築設計事務所「L・P・D」が、設計スタッフ(経験者・既卒)を募集中
    • 長谷川欣則+堀越ふみ江 / UENOA architectsによる、東京・渋谷区の、店舗「地下食堂DAGAYA」。企業の社屋内にある“地域に開く”社員食堂。様々な使い方に応える空間を目指し、分割してランダム配置も可能な“三角形のテーブル”を考案。角度のズレに起因する視線の交錯が“自由さ”と“心地よさ”を生み出す
    • 山設計工房による、大阪・吹田市の、集合住宅「千里グリーンヒルズ高野台101号棟」。賃貸団地の建替え事業の第一期。面影の継承・長大さの緩和・周辺との調和を目指し、既存建物や周辺環境から“抽出した色”で“細やかに塗り分ける”建築を考案。“地域の顔”として隣接交差点からの見え方も意識

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