GENETOが設計した、長野・白馬村の「KANOLLY Resorts」です。
リゾート開発が進む豪雪地の宿泊施設です。建築家は、地域の山々や風土への敬意と積雪対策を意図し、“合掌造り”を参照した建物を3つ雁行配置して繋げる構成を考案しました。また、環境を堪能できるように部屋毎に内外の関係性を調整しています。施設の公式サイトはこちら。
長野県白馬村に建つ一日一組限定の宿泊施設である。
日本の中でも有数の豪雪地であり、パウダースノーでも有名で近年多くの外国人が移住しリゾート開発が進む地域である。
雪への対策として、建物に残して荷重に耐えるか、雪を落とす形とするか。この二種類になるが、今回は基本的に雪を落とす三角形の合掌造りの建物を三棟建て、それぞれをつなぐ部分は雪を残して耐えるというハイブリッドなつくりとした。白馬の周辺地域も含めて、三角の大屋根、合掌造りのものなど古くより風土に答えた形の建物が今も多く存在する。
合掌造りの建物を3棟並べることで、建物のボリューム感を抑え機能的な配置をしている。3棟としたのは機能的な側面と共に、白馬という地名の由来となった「白馬三山」へのオマージュとして3棟とし、山並みとも呼応する形状としている。 更に敷地に対して三棟を雁行配置にすることで、道路からの客室への視線などを遮りプライベート空間を確保している。
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以下、建築家によるテキストです。
長野県白馬村に建つ一日一組限定の宿泊施設である。
日本の中でも有数の豪雪地であり、パウダースノーでも有名で近年多くの外国人が移住しリゾート開発が進む地域である。
雪への対策として、建物に残して荷重に耐えるか、雪を落とす形とするか。この二種類になるが、今回は基本的に雪を落とす三角形の合掌造りを参照した建物を三棟建て、それぞれをつなぐ部分は雪を残して耐えるというハイブリッドなつくりとした。白馬の周辺地域も含めて、三角の大屋根、合掌造りのものなど古くより風土に答えた形の建物が今も多く存在する。
合掌造りを参照した建物を3棟並べることで、建物のボリューム感を抑え機能的な配置をしている。3棟としたのは機能的な側面と共に、白馬という地名の由来となった「白馬三山」へのオマージュとして3棟とし、山並みとも呼応する形状としている。 更に敷地に対して3棟を雁行配置にすることで、道路からの客室への視線などを遮りプライベート空間を確保している。
建物の配置は東の建物がレストラン棟、中央と西の建物が宿泊棟となっている。
宿泊棟はゲストルームが3部屋あり、それぞれの部屋で大きさと仕様を変えている。洋室2室と和室1室となっており、それぞれに周辺の環境への関わり方を変えており、当然窓から見える景色も違うように考えた。泊まる部屋によって体験をかえることで、建物や周囲の環境を堪能してもらおうと考えている。
構造材は長野県で採れる唐松の集成材を採用し、その他壁面の石も諏訪で取れる鉄平石を採用している。外構で使用している石材も白馬で取れる石材を採用するなど、環境負荷低減を目指し、地産地消を出来る限り検討した。
雪との向き合い方を検討した建物ではあるが、四季の移ろいを堪能できるようにも検討は重ねており、この土地の土着的な建築の特徴を取り入れながらも、この土地にはこれまでなかった建ち方と趣を獲得できた。
■建築概要
名称:KANOLLY Resorts
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設計
建築・監理:GENETO Architect’s 担当:山中コ~ジ、山中悠嗣、中田光輝、山下麻子、細浪哲也
構造:ハシゴタカ建築設計事務所 担当:髙見澤孝志、黒田志寿子
設備:コモド設備計画 担当:山下直久、三浦亮
照明:DAY&LIGHT Lichtplanung、Frank Bernhard Vetter、(サポート)フジワラ、石見省二
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施工
建築:笹沢建設
空調・衛生:日特工業
電気工事:協栄電気興業
家具工事:pivoto 担当:辻井啓司、岩本莉奈(元スタッフ)
タイドー
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階数:木造地上2階建
敷地面積:2887.11㎡
建築面積:505.27㎡
延床面積:660.58㎡
1階:428.40㎡
2階:232.18㎡
建蔽率:17.50%
容積率:22.89%
工事期間:2021年3月~2022年12月
撮影:近藤泰岳