元木大輔 / DDAAによる「NOT A HOTEL ANYWHERE」。車両を改修したホテルとしても利用可能なモバイルハウス。“移動可能な新しい暮らし”を想定し、車体毎に別の機能を与え“5台でひとつの居住空間”となる仕組みも考案。建築的な“車両”として様々な工夫を込める
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元木大輔 / DDAAによる「NOT A HOTEL ANYWHERE」。車両を改修したホテルとしても利用可能なモバイルハウス。“移動可能な新しい暮らし”を想定し、車体毎に別の機能を与え“5台でひとつの居住空間”となる仕組みも考案。建築的な“車両”として様々な工夫を込める

元木大輔 / DDAAによる「NOT A HOTEL ANYWHERE」。車両を改修したホテルとしても利用可能なモバイルハウス。“移動可能な新しい暮らし”を想定し、車体毎に別の機能を与え“5台でひとつの居住空間”となる仕組みも考案。建築的な“車両”として様々な工夫を込める俯瞰 photo©NewColor
元木大輔 / DDAAによる「NOT A HOTEL ANYWHERE」。車両を改修したホテルとしても利用可能なモバイルハウス。“移動可能な新しい暮らし”を想定し、車体毎に別の機能を与え“5台でひとつの居住空間”となる仕組みも考案。建築的な“車両”として様々な工夫を込める書斎車、内観 photo©Kenta Hasegawa
元木大輔 / DDAAによる「NOT A HOTEL ANYWHERE」。車両を改修したホテルとしても利用可能なモバイルハウス。“移動可能な新しい暮らし”を想定し、車体毎に別の機能を与え“5台でひとつの居住空間”となる仕組みも考案。建築的な“車両”として様々な工夫を込める寝室1車、内観 photo©Kenta Hasegawa
元木大輔 / DDAAによる「NOT A HOTEL ANYWHERE」。車両を改修したホテルとしても利用可能なモバイルハウス。“移動可能な新しい暮らし”を想定し、車体毎に別の機能を与え“5台でひとつの居住空間”となる仕組みも考案。建築的な“車両”として様々な工夫を込めるお風呂車、内観 photo©Kenta Hasegawa

元木大輔 / DDAAが設計した「NOT A HOTEL ANYWHERE」です。
車両を改修したホテルとしても利用可能なモバイルハウスの計画です。建築家は、“移動可能な新しい暮らし”を想定し、車体毎に別の機能を与え“5台でひとつの居住空間”となる仕組みも考案しました。また、建築的な“車両”として様々な工夫を込めました。
現在(2024年1月時点)はベースキャンプとして宮崎市に設置されています。施設の公式ページはこちら

年に限られた日数しか使われない別荘の所有形態を考え直すことで、新しい暮らしを提案するスタートアップNOT A HOTEL。

彼らの数あるプロジェクトの中でも「NOT A HOTEL ANYWHERE」は実験的なプロジェクトで、ビンテージのトレーラーを母体に、場所に依存しない移動可能な新しい暮らしをデザインをしてほしいという依頼から始まった。5台を制作し貸し出したいという要望に対して、僕たちは寝室車や書斎車といったように、1台にひとつの機能だけが備わった車体が5台でひとつの居住空間をつくることを提案した。そのときどきで必要な車体を選んで旅先にもち運ぶことで、土地に縛られることのない、従来の家より豊かな暮らし方を目指した。

建築家によるテキストより

今回改修した5台のうち、大きな2台はスパルタン社製で、残りの3台はエアストリーム社製のキャンピングトレーラー(以下、トレーラー)だ。5台の機能を選ぶにあたって、現地調達の難しいお風呂やキッチン、スナックと、プライバシー性の高い寝室や書斎を車両化した。リビングは広いほど贅沢なので、雨天時は大きな寝室でその機能を担えるようにしつつも、車体間にタープを張ることで、行く先々の環境を取り入れたゆったりとしたアウトドアリビングをつくれるようにしている。

建築家によるテキストより

移動を前提としているので、このプロジェクトには決められた敷地はない。しかし、移動先のさまざまな風景を常に楽しめるようにしたい。つまり、まだ見ぬ敷地の固有性を享受しながらも、さまざまな環境に対応できるユニバーサルなデザインが求められるという、ある意味で矛盾した条件がこのプロジェクトの特徴である。

そこで、どんな環境でも窓から360度景色を楽しめるように、トレーラーの上半分と下半分で素材を切り替え、窓に干渉しない下半分に各部屋に必要なすべての機能を集約させ、腰高さより上に機能的なヴォリュームが出ないようにした。どうしても上半分にはみ出てしまう家具は、メッシュや透明な素材を使ったり、ヴォリュームが小さくなるようにすべてデザインしている。下半分は特徴的な木目の材を選定し、重心を低くすることで室内を広く感じられるようにしている。外壁は手を加えると既存部分とのコントラストがつきすぎてしまうため、ヴィンテージの質感をできるだけそのまま活かし防水対策など最小限の手数にとどめた。

建築家によるテキストより

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元木大輔 / DDAAによる「NOT A HOTEL ANYWHERE」。車両を改修したホテルとしても利用可能なモバイルハウス。“移動可能な新しい暮らし”を想定し、車体毎に別の機能を与え“5台でひとつの居住空間”となる仕組みも考案。建築的な“車両”として様々な工夫を込める俯瞰 photo©NewColor
元木大輔 / DDAAによる「NOT A HOTEL ANYWHERE」。車両を改修したホテルとしても利用可能なモバイルハウス。“移動可能な新しい暮らし”を想定し、車体毎に別の機能を与え“5台でひとつの居住空間”となる仕組みも考案。建築的な“車両”として様々な工夫を込めるアプローチ photo©Kenta Hasegawa
元木大輔 / DDAAによる「NOT A HOTEL ANYWHERE」。車両を改修したホテルとしても利用可能なモバイルハウス。“移動可能な新しい暮らし”を想定し、車体毎に別の機能を与え“5台でひとつの居住空間”となる仕組みも考案。建築的な“車両”として様々な工夫を込める中央のアウトドアリビングを見る。 photo©Kenta Hasegawa
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元木大輔 / DDAAによる「NOT A HOTEL ANYWHERE」。車両を改修したホテルとしても利用可能なモバイルハウス。“移動可能な新しい暮らし”を想定し、車体毎に別の機能を与え“5台でひとつの居住空間”となる仕組みも考案。建築的な“車両”として様々な工夫を込める寝室1車、内観 photo©Kenta Hasegawa
元木大輔 / DDAAによる「NOT A HOTEL ANYWHERE」。車両を改修したホテルとしても利用可能なモバイルハウス。“移動可能な新しい暮らし”を想定し、車体毎に別の機能を与え“5台でひとつの居住空間”となる仕組みも考案。建築的な“車両”として様々な工夫を込める寝室1車、内観 photo©Kenta Hasegawa
元木大輔 / DDAAによる「NOT A HOTEL ANYWHERE」。車両を改修したホテルとしても利用可能なモバイルハウス。“移動可能な新しい暮らし”を想定し、車体毎に別の機能を与え“5台でひとつの居住空間”となる仕組みも考案。建築的な“車両”として様々な工夫を込める寝室1車、内観 photo©Kenta Hasegawa
元木大輔 / DDAAによる「NOT A HOTEL ANYWHERE」。車両を改修したホテルとしても利用可能なモバイルハウス。“移動可能な新しい暮らし”を想定し、車体毎に別の機能を与え“5台でひとつの居住空間”となる仕組みも考案。建築的な“車両”として様々な工夫を込める寝室1車、内観 photo©Kenta Hasegawa
元木大輔 / DDAAによる「NOT A HOTEL ANYWHERE」。車両を改修したホテルとしても利用可能なモバイルハウス。“移動可能な新しい暮らし”を想定し、車体毎に別の機能を与え“5台でひとつの居住空間”となる仕組みも考案。建築的な“車両”として様々な工夫を込める寝室1車、内観 photo©Kenta Hasegawa
元木大輔 / DDAAによる「NOT A HOTEL ANYWHERE」。車両を改修したホテルとしても利用可能なモバイルハウス。“移動可能な新しい暮らし”を想定し、車体毎に別の機能を与え“5台でひとつの居住空間”となる仕組みも考案。建築的な“車両”として様々な工夫を込める書斎車、外観 photo©Kenta Hasegawa
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元木大輔 / DDAAによる「NOT A HOTEL ANYWHERE」。車両を改修したホテルとしても利用可能なモバイルハウス。“移動可能な新しい暮らし”を想定し、車体毎に別の機能を与え“5台でひとつの居住空間”となる仕組みも考案。建築的な“車両”として様々な工夫を込める書斎車、内観 photo©Kenta Hasegawa
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元木大輔 / DDAAによる「NOT A HOTEL ANYWHERE」。車両を改修したホテルとしても利用可能なモバイルハウス。“移動可能な新しい暮らし”を想定し、車体毎に別の機能を与え“5台でひとつの居住空間”となる仕組みも考案。建築的な“車両”として様々な工夫を込める書斎車、内観 photo©Kenta Hasegawa
元木大輔 / DDAAによる「NOT A HOTEL ANYWHERE」。車両を改修したホテルとしても利用可能なモバイルハウス。“移動可能な新しい暮らし”を想定し、車体毎に別の機能を与え“5台でひとつの居住空間”となる仕組みも考案。建築的な“車両”として様々な工夫を込める書斎車、内観 photo©Kenta Hasegawa
元木大輔 / DDAAによる「NOT A HOTEL ANYWHERE」。車両を改修したホテルとしても利用可能なモバイルハウス。“移動可能な新しい暮らし”を想定し、車体毎に別の機能を与え“5台でひとつの居住空間”となる仕組みも考案。建築的な“車両”として様々な工夫を込める書斎車、内観 photo©Kenta Hasegawa
元木大輔 / DDAAによる「NOT A HOTEL ANYWHERE」。車両を改修したホテルとしても利用可能なモバイルハウス。“移動可能な新しい暮らし”を想定し、車体毎に別の機能を与え“5台でひとつの居住空間”となる仕組みも考案。建築的な“車両”として様々な工夫を込める寝室2車、外観 photo©Kenta Hasegawa
元木大輔 / DDAAによる「NOT A HOTEL ANYWHERE」。車両を改修したホテルとしても利用可能なモバイルハウス。“移動可能な新しい暮らし”を想定し、車体毎に別の機能を与え“5台でひとつの居住空間”となる仕組みも考案。建築的な“車両”として様々な工夫を込める寝室2車、内観 photo©Kenta Hasegawa
元木大輔 / DDAAによる「NOT A HOTEL ANYWHERE」。車両を改修したホテルとしても利用可能なモバイルハウス。“移動可能な新しい暮らし”を想定し、車体毎に別の機能を与え“5台でひとつの居住空間”となる仕組みも考案。建築的な“車両”として様々な工夫を込める寝室2車、内観 photo©Kenta Hasegawa
元木大輔 / DDAAによる「NOT A HOTEL ANYWHERE」。車両を改修したホテルとしても利用可能なモバイルハウス。“移動可能な新しい暮らし”を想定し、車体毎に別の機能を与え“5台でひとつの居住空間”となる仕組みも考案。建築的な“車両”として様々な工夫を込める寝室2車、内観 photo©Kenta Hasegawa
元木大輔 / DDAAによる「NOT A HOTEL ANYWHERE」。車両を改修したホテルとしても利用可能なモバイルハウス。“移動可能な新しい暮らし”を想定し、車体毎に別の機能を与え“5台でひとつの居住空間”となる仕組みも考案。建築的な“車両”として様々な工夫を込める左:お風呂車、奥:書斎車 photo©Kenta Hasegawa
元木大輔 / DDAAによる「NOT A HOTEL ANYWHERE」。車両を改修したホテルとしても利用可能なモバイルハウス。“移動可能な新しい暮らし”を想定し、車体毎に別の機能を与え“5台でひとつの居住空間”となる仕組みも考案。建築的な“車両”として様々な工夫を込めるお風呂車、内観 photo©Kenta Hasegawa
元木大輔 / DDAAによる「NOT A HOTEL ANYWHERE」。車両を改修したホテルとしても利用可能なモバイルハウス。“移動可能な新しい暮らし”を想定し、車体毎に別の機能を与え“5台でひとつの居住空間”となる仕組みも考案。建築的な“車両”として様々な工夫を込めるお風呂車、内観 photo©Kenta Hasegawa
元木大輔 / DDAAによる「NOT A HOTEL ANYWHERE」。車両を改修したホテルとしても利用可能なモバイルハウス。“移動可能な新しい暮らし”を想定し、車体毎に別の機能を与え“5台でひとつの居住空間”となる仕組みも考案。建築的な“車両”として様々な工夫を込めるお風呂車、内観 photo©Kenta Hasegawa
元木大輔 / DDAAによる「NOT A HOTEL ANYWHERE」。車両を改修したホテルとしても利用可能なモバイルハウス。“移動可能な新しい暮らし”を想定し、車体毎に別の機能を与え“5台でひとつの居住空間”となる仕組みも考案。建築的な“車両”として様々な工夫を込める手前:アウトドアリビング(ラウンジ)、奥:スナック車、夜景 photo©Kenta Hasegawa
元木大輔 / DDAAによる「NOT A HOTEL ANYWHERE」。車両を改修したホテルとしても利用可能なモバイルハウス。“移動可能な新しい暮らし”を想定し、車体毎に別の機能を与え“5台でひとつの居住空間”となる仕組みも考案。建築的な“車両”として様々な工夫を込めるスナック車、内観、夜景 photo©Kenta Hasegawa
元木大輔 / DDAAによる「NOT A HOTEL ANYWHERE」。車両を改修したホテルとしても利用可能なモバイルハウス。“移動可能な新しい暮らし”を想定し、車体毎に別の機能を与え“5台でひとつの居住空間”となる仕組みも考案。建築的な“車両”として様々な工夫を込めるスナック車、内観、夜景 photo©NewColor
元木大輔 / DDAAによる「NOT A HOTEL ANYWHERE」。車両を改修したホテルとしても利用可能なモバイルハウス。“移動可能な新しい暮らし”を想定し、車体毎に別の機能を与え“5台でひとつの居住空間”となる仕組みも考案。建築的な“車両”として様々な工夫を込めるスナック車、内観、夜景 photo©Kenta Hasegawa
元木大輔 / DDAAによる「NOT A HOTEL ANYWHERE」。車両を改修したホテルとしても利用可能なモバイルハウス。“移動可能な新しい暮らし”を想定し、車体毎に別の機能を与え“5台でひとつの居住空間”となる仕組みも考案。建築的な“車両”として様々な工夫を込めるスナック車、内観、夜景 photo©Kenta Hasegawa

以下、建築家によるテキストです。


年に限られた日数しか使われない別荘の所有形態を考え直すことで、新しい暮らしを提案するスタートアップNOT A HOTEL。

彼らの数あるプロジェクトの中でも「NOT A HOTEL ANYWHERE」は実験的なプロジェクトで、ビンテージのトレーラーを母体に、場所に依存しない移動可能な新しい暮らしをデザインをしてほしいという依頼から始まった。5台を制作し貸し出したいという要望に対して、僕たちは寝室車や書斎車といったように、1台にひとつの機能だけが備わった車体が5台でひとつの居住空間をつくることを提案した。そのときどきで必要な車体を選んで旅先にもち運ぶことで、土地に縛られることのない、従来の家より豊かな暮らし方を目指した。

今回改修した5台のうち、大きな2台はスパルタン社製で、残りの3台はエアストリーム社製のキャンピングトレーラー(以下、トレーラー)だ。5台の機能を選ぶにあたって、現地調達の難しいお風呂やキッチン、スナックと、プライバシー性の高い寝室や書斎を車両化した。リビングは広いほど贅沢なので、雨天時は大きな寝室でその機能を担えるようにしつつも、車体間にタープを張ることで、行く先々の環境を取り入れたゆったりとしたアウトドアリビングをつくれるようにしている。

移動を前提としているので、このプロジェクトには決められた敷地はない。しかし、移動先のさまざまな風景を常に楽しめるようにしたい。つまり、まだ見ぬ敷地の固有性を享受しながらも、さまざまな環境に対応できるユニバーサルなデザインが求められるという、ある意味で矛盾した条件がこのプロジェクトの特徴である。

そこで、どんな環境でも窓から360度景色を楽しめるように、トレーラーの上半分と下半分で素材を切り替え、窓に干渉しない下半分に各部屋に必要なすべての機能を集約させ、腰高さより上に機能的なヴォリュームが出ないようにした。どうしても上半分にはみ出てしまう家具は、メッシュや透明な素材を使ったり、ヴォリュームが小さくなるようにすべてデザインしている。下半分は特徴的な木目の材を選定し、重心を低くすることで室内を広く感じられるようにしている。外壁は手を加えると既存部分とのコントラストがつきすぎてしまうため、ヴィンテージの質感をできるだけそのまま活かし防水対策など最小限の手数にとどめた。

機能のなかでもスナックは日本のローカルな文化だが、クライアントからの強い要望もあって実現した。デザインコードには、ベロアのハイスツールやカラオケのモニター、重厚感のある高級風素材などを使用し、人々がイメージするスナックとしての仕上げとした。

各車体はスチール角パイプを井桁状に組んだシャーシをベースとしている。エアストリームの外壁はLGSのような軽量鉄骨下地にアルミの薄い板がリベットで留まっているだけ、スパルタンは木下地にアルミの薄い板をリベットで留めただけの簡単な構成になっている。

今回使用している2種類のキャンパーはどちらも外壁の大部分が曲面で構成され、製造された年代もバラバラなため、窓の位置や外壁の仕様が各車体で異なるため、はじめに詳細に実測する必要があった。
最初は、開口部のデザインを刷新することも含めて検討していたが、もっとも古い車体は1954年に製造されていて、新たに穴を開けることによる雨漏りが懸念された。開口補強を入れれば自由に開口部をつくることもできるのだが、ヴィンテージの質感を残したまま曲面に合わせたサッシを制作しようとすると当時のパーツを中古市場で探すか、曲面に合わせて複雑な加工で制作する、もしくは全く新しい意匠を加えるか、ということになる。最終的には、防水対策のために散水試験を行い、すべてのリベットにシールだけ打ち直しているが、外壁は窓や扉にはできるだけ手をつけずに残し、内装だけをがらりと新しくしている。

各部屋に必要な機能をレイアウトすると同時に、公道を走るために必要なナンバーをつけるために車両としての条件も満たさなければならない。各車体はタイヤを覆うための泥除けをかねた箱状のホイールハウスが車両の中央に存在感を持ってでてきてしまう。これが目立って見えないように、ホイールハウスカモフラージュするような工夫をしている。
たとえば寝室2では、大きなベッドをホイールハウスを覆い隠すように配置することで、車体の構造による制約を感じさせない平面計画とした。また、和室などで目立たないように床の間の下部などに設置することができる薄型エアコンや給排気口もその中に配置している。

断熱としては、壁内にグラスウールを充填した上、曲面や移動時の揺れにも割れずに追従して動くやわらかいフォーム材を貼付け、ワッシャービスで固定している。ビスを外せば雨漏りなどの際にも内壁側からメンテナンスをすることができる。このPEフォームはとても軽量なので、各車体ごとに設定される重量の制限からも選択された材である。ただ、車体本来のつくりがとても簡素なため、使いながら今後もう少し断熱を含めアップデートする予定である。

移動しつつ制約の少ない暮らしを検討するうえで、大きな課題のひとつがインフラだ。電気や水道など生活のために必要な設備は、必要とされるスペックが人数設定によって大きく変わる。そこで、今回は3家族8人ができるだけ我慢やストレスなく生活できるように、インフラの条件を整理することにした。完全なオフグリッドの可能性も検証したが、給排水、電気を公共的なインフラに頼らず、ソーラーパネルや自家発電、その他自律分散型の新しいインフラを使用しようとすると、トレーラーとは別にインフラ車を用意するぐらいの設備補強が必要となる。そうなると移動が大変で、本来の目的からすると本末転倒だ。

最終的に、オフグリッドにもできる状態は保ちながら、宮崎県の青島の海が目の前に広がる敷地をベースキャンプとし、既存のインフラに仮設的に接続できるシステムを採用した。現在は青島のベースキャンプに5台とも配置されているが、将来的には1台から自由に組み合わせて借りることができるような構想もある。スパルタンは全長9,800mmあるために通ることのできる道が限られていて、ある程度道路計画が整備されていないと運べないという課題もあるが、宮崎県以外にも絶景を望めるさまざまな場所に計画中のプロジェクトがあるため、そういったまだ工事の始まっていない敷地に持っていくことも考えられている。

現在のインフラを利用し、場所に依存しない生活を実現するには、まだまだ越えなければいけない課題がたくさんある。しかし、場所に依存しない生活やその先にある体験を選択できる自由があってもいいのではないか。このプロジェクトが挑戦しているのは、そんな理想と現実の狭間を埋め、少しずつ現状をアップデートする作業である。

僕はこのプロジェクトが始まる以前から、自分の仕事を続けながら、能動的な欲望に合わせていろんな場所に行ってそれぞれの環境を体験できる生活に憧れている。しかし、ものや建築をデザインをするうえでは、サンプルやモックアップを使って広い場所でできるだけ実際に近い環境を整えて検証したい。一方で、自動運転技術は急速に発展し、近い将来、移動にかかる時間やコストが劇的に軽減されようとしている。であれば、僕たちのようにノマドワークが難しい職種にとっても、場所に依存しない生活の手段としてモビリティは可能性があるかもしれないと思い立ち、「もし設計事務所をモバイル化できたら?」という仮説の検証をしたことがある。

まず、執務をするうえで必要な機能をリストアップするところからはじめ、都市部・郊外・田舎の3つの場所ごとにそれぞれ持っていく必要がある機能は何かを考えてみた。都市はインフラが充実しているため、模型置き場以外の空間的な機能、たとえばオフィスはカフェや図書館、コワーキングスペースで代用することができるし、住居の代わりに銭湯やコンビニなど、料金を支払えば利用できる場所が豊富にある。一方で、インフラが整っていない田舎では、土地は余っているが必要なインフラが整備された建物間に距離があったり、そもそも探すのに苦労するという問題がある。つまり、すべてをもち運ぼうとすると、都市では必要ないが田舎では必要といったギャップが生じることになる。そこで、移動する場所に応じて、必要な時に書斎だけを移動させたり、家と切り離されたクローゼットだけを選んでもち運べたらよいのではないかと思いついた。

次にどのような部屋に分類する必要があるかを考えた。移動可能な部屋のアイデアを網羅するために、建築基準法の建築物の主要用途一覧からビルディングタイプを洗い出し、それぞれのビルディングタイプに内含されている膨大な数の部屋名リストを作成した。そして、ひとつひとつの部屋が「モバイル〇〇」として、移動した先に空間や物を運んでくれる未来を想像したのだ。

モビリティの可能性についてもう少し踏み込んで想像してみたい。部屋ごとにもち運ぶというのは、今の社会では突飛なアイデアかもしれないが、いずれ自動運転が普及した暁には現実的になるだろう。道路のサイズや牽引できるトレーラーのサイズ、あるいはすでにある駐車場のサイズを基準寸法に、必要な機能を分解したユニットが自動的に移動先までついて来てくれる仕組みが実現したとするなら、今までとはまったく違った暮らしの可能性が広がるのではないか。

たとえば都市に存在する空間のうち、移動した方が便利な機能と移動すべきでない機能に分けることができそうだ。コンビニや初期治療のための診療所、書類手続きが必要な役所などの施設は空間側が来てくれることで、さらに効率的かつ便利になるだろうし、温泉が湧く宿や居酒屋の名店、絶景などの唯一無二の場所やコミュニティは自ら出向くことの意味と価値がさらに強くなっていくだろう。

その視点をもって今の街を眺めてみると、たくさんの人が集まることを前提に機能が集中している駅前やロードサイドの風景は解体されてしまうかもしれないし、そもそも用途地域や地区計画によってある機能に特化した建築の考え方そのものも問い直す必要があるかもしれない。

100年ほど前に発売された最初の量産型自動車のT型フォードによって、馬車中心の交通手段が自動車にがらりと置き換わり都市の風景が一変した時のように、今後移動とモビリティのあり方が変化することは、人びとの生活スタイルにも、都市の風景やパブリックスペースそのものの考え方にも大きな影響を与えることになるはずだ。都市や道路の計画は30~50年ぐらいかけてゆっくりと形成されていく。この間に計画の前提にあった状況自体が変化してしまい、当時は社会的な問題であったことが、工事の過程で問題ではなくなってしまうこともある。都市について考える際はその長い時間を含めてデザインすべきだと思う。そうやって社会や都市そのものすら変化し得る前提をもつことが想像力の種になる。

■建築概要

タイトル:NOT A HOTEL ANYWHERE
クライアント:NOT A HOTEL
所在地(ベースキャンプ):宮崎県宮崎市青島2-241-1 NOT A HOTEL AOSHIMA
用途:宿泊施設
設計:DDAA 担当/元木大輔、万徳友里香
設計協力:SOUP DESIGN Architecture
施工:株式会社セットアップ
外構・造園:Yard Works
テキスタイル:onder de linde
アートワーク:滝沢広
敷地面積:外構913.16㎡
建築面積:5台合計74.32㎡
延床面積:5台合計74.32㎡
設計期間:2021年4月~2022年11月
工事期間:2022年12月~2023年4月
撮影:Kenta Hasegawa, NewColor inc

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(2023年12月5日 東京大学工学部1号館建築学専攻会議室にて収録)

鼎談内で語られたキーワード(アーキテクチャーフォト編集部が抜粋)

学生時代、建築でお金の話をするのは格が低いことだったが、今はどう活動するのかにお金の話は無視できない / オランダはリーマンショック以降、お金が全てを解決するというニューリベラリズムに変わっていった / 『時がつくる建築: リノベーションの西洋建築史』は、現代の建築家へのメッセージとしても書いた / スクラップ&ビルドではない形でどうやって産業化できるのか / (現代の日本の建築は)質素・倹約の側に行くのが正しいようにデザインされている / モダニズム的な価値観が強く残っているがそれだけが正解なのか / 建築家側の美学とユーザー側の美学のギャップ / 21世紀になって新しい考えが出てきて建築家も進歩しなければいけない / 日本の建築家は組織との住み分けで小さな仕事が多い / 日本の建築家は振り切れているがオランダの建築家は振り切れていない / 東京はラボラトリーであり続けている(90年代のコールハースの言葉) / 何を根拠にデザインすればよいかが分かりにくくなっている時代 / デザイナーが背景化していく / 建築家の美学は現代でどこまで保持できるのか / 建築家がプロフェッショナルとしてデザインすることは消えない / 新しさの部分を生成AIが切り開けるわけではない / 参加型のデザインの方が建築家はやることがある / 建物になるか建築になるかの決定的違い / 建築家はあらゆる情報を集めた中でつくりシンプルな形にまとめる / 住人との対話と協働も職能になりうる / 日本ほど状況に明確に対峙して建築的な答えをだそうとしている場所はない / 日本は制度に守られていないから自分で生き方を考えないといけない / 日本は個々人が土地を持っていて決断権が強くある / 空き家問題が実験場になっている(アムステルダムの空き家率は4%) /  日本はジェントリフィケーションの格差が小さい / 日本には非制度的なセーフティネットがある / 海外では廃材を活用するビジネスが始まっている / 材の循環をどうしていくのか / 2000年前後に美術史と建築史でスポリアの面白さが再発見された / 東大の内田祥三のキャンパス再開発でも明治の建築の部材や基礎を再活用している / 建具等だけではなく構造に使われた材を再利用できると建築の新しい姿が出てくるのではないか / 木造建築だからできるフレキシビリティがある / オランダではリノベーションは建築家の仕事ではない時代があった / スポリアの部材とつくる空間の乖離から面白い形態が生まれたりもしている / 材の再利用の面白さ / マテリアルに対する感性が大事 / 建築教育の再編の必要性 / 今までのロジックがうまくいかないことを学生は感じている / デザインの授業はどうなっていくべきか / 其々の大学が地域の特殊性を取り込むのが大事 / 建築学は確立された世界のように見えるけど全ての領域で考え直さなければいけない / 先生がいて生徒に教えるという時代でもない / 19世紀までの建築家の仕事はラグジュアリーをつくることだった / モダニズム=アンチラグジュアリー / その他

アーキテクチャーフォト編集部が抜粋
子浦中 / シオ建築設計事務所の会場構成による「井田幸昌展 Panta Rhei」。京都市京セラ美術館で開催。部屋が連続する“回遊式展示室”という与件に、“9つの空間”を作って多岐に渡るタイプの作品群を分類して展示する構成を考案。其々の展示物と呼応する空間で来館者を作品に没頭させる
子浦中 / シオ建築設計事務所の会場構成による「井田幸昌展 Panta Rhei」。京都市京セラ美術館で開催。部屋が連続する“回遊式展示室”という与件に、“9つの空間”を作って多岐に渡るタイプの作品群を分類して展示する構成を考案。其々の展示物と呼応する空間で来館者を作品に没頭させるROOM3(Figurative) photo©淺川敏
子浦中 / シオ建築設計事務所の会場構成による「井田幸昌展 Panta Rhei」。京都市京セラ美術館で開催。部屋が連続する“回遊式展示室”という与件に、“9つの空間”を作って多岐に渡るタイプの作品群を分類して展示する構成を考案。其々の展示物と呼応する空間で来館者を作品に没頭させるROOM6(Wood sculpture) photo©淺川敏
子浦中 / シオ建築設計事務所の会場構成による「井田幸昌展 Panta Rhei」。京都市京セラ美術館で開催。部屋が連続する“回遊式展示室”という与件に、“9つの空間”を作って多岐に渡るタイプの作品群を分類して展示する構成を考案。其々の展示物と呼応する空間で来館者を作品に没頭させるROOM7(Last Supper) photo©淺川敏

子浦中 / シオ建築設計事務所が会場構成した「井田幸昌展 Panta Rhei |パンタ・レイ − 世界が存在する限り」です。
京都市京セラ美術館で開催されました。建築家は、部屋が連続する“回遊式展示室”という与件に、“9つの空間”を作って多岐に渡るタイプの作品群を分類して展示する構成を考案しました。そして、其々の展示物と呼応する空間で来館者を作品に没頭させることも意図しました。展覧会の公式サイトはこちら※会期は終了しています

本プロジェクトは、画家・現代美術家である井田幸昌氏の作品を京都市京セラ美術館で展示するための会場設計である。

建築家によるテキストより

展示会場は、ハイサイドライトからの自然光が特長な、大きさや開口位置が異なる6つの独特な細長い回遊式展示室で構成されていた。井田氏の作品は、絵画や立体作品など多岐にわたる。今回の展示では、6つの作品タイプを展示し、それらをどのように配列するかについての設計打ち合わせが重ねられた。作品とは別に、エントランス、ショップ、音声ガイドコーナーの設置が必要とされていた。
これらの条件から、会場を9つのスペースに分け、作品を展示することとなった。

建築家によるテキストより

本プロジェクトでは、エントランスやショップを含む9つの異なる展示スペースを作ることで、作品の魅力を最大限に引き出すような展示とした。既存の白い矩形の展示室に壁を建てたり、色をつけたりすることで、来館者が自然と展示に没頭できるような空間を作った。それらが来館者に、より作品に入り込んで鑑賞するという行いを誘発させた。

建築家によるテキストより

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