石飛亮 / WANKARASHINによる、長崎の「五島列島製麺所」。民家を改修した“島の観光拠点”にもなる蕎麦店。既存を観光客を迎え入れる“構え”に変える為に、内外を跨ぐ“屋根空間”を増築して“奥行きを持った”立面を構築。周辺の下屋のある建物群との呼応も意図外観、南側より見る。 photo©大竹央祐
石飛亮 / WANKARASHINによる、長崎の「五島列島製麺所」。民家を改修した“島の観光拠点”にもなる蕎麦店。既存を観光客を迎え入れる“構え”に変える為に、内外を跨ぐ“屋根空間”を増築して“奥行きを持った”立面を構築。周辺の下屋のある建物群との呼応も意図正面:縁側、右:室内の客席 photo©大竹央祐
石飛亮 / WANKARASHINによる、長崎の「五島列島製麺所」。民家を改修した“島の観光拠点”にもなる蕎麦店。既存を観光客を迎え入れる“構え”に変える為に、内外を跨ぐ“屋根空間”を増築して“奥行きを持った”立面を構築。周辺の下屋のある建物群との呼応も意図出入口側から客席を見る。 photo©大竹央祐
石飛亮 / WANKARASHINが設計した、長崎・五島市の「五島列島製麺所」です。
民家を改修した“島の観光拠点”にもなる蕎麦店です。建築家は、既存を観光客を迎え入れる“構え”に変える為に、内外を跨ぐ“屋根空間”を増築して“奥行きを持った”立面を構築しました。また、周辺の下屋のある建物群との呼応も意図されました。店舗の公式サイトはこちら。
民家をリノベーションし、食の発信地としての道の駅のような蕎麦処をつくるプロジェクト。
前面に広がる畑で栽培した五島の在来種である蕎麦の実を用いた蕎麦を提供するとともに、島の物産の拠点としての役割も担う。
五島列島福江島の富江町は、島で二番目に大きな街であるにも関わらず、唯一観光バスが停まらないエリアといわれている。そのような地域の住宅地と農地のちょうど境目にあたる敷地に、島の観光拠点となるような場所をつくる。
前面に広がる広大な畑の風景に対して、いわゆる民家のような点としての建ち方では、多くの観光客を迎え入れる拠点の構えとしては不十分であるように感じた。
そこで改修工事にあたり、建物の前面に、解体した下屋よりも少し緩い勾配の屋根空間を屋内と屋外をまたぐように増築した。そしてそこに水平的に連続した開口部を設けて、内部はカウンター席とし、外部にもカウンターやベンチを設けてアプローチと休憩スペースを兼ねた空間とした。それによって単純な面としてでなく、奥行きを持ったファサードをつくっている。
軒を低く伸ばすことで、前面に広がる農地と水平的な連続感が生まれ、また店内に入らずとも空間が体験できるようなおおらかさを獲得することができた。
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石飛亮 / WANKARASHINによる、長崎の「五島列島製麺所」。民家を改修した“島の観光拠点”にもなる蕎麦店。既存を観光客を迎え入れる“構え”に変える為に、内外を跨ぐ“屋根空間”を増築して“奥行きを持った”立面を構築。周辺の下屋のある建物群との呼応も意図外観、東側より見る。 photo©大竹央祐

石飛亮 / WANKARASHINによる、長崎の「五島列島製麺所」。民家を改修した“島の観光拠点”にもなる蕎麦店。既存を観光客を迎え入れる“構え”に変える為に、内外を跨ぐ“屋根空間”を増築して“奥行きを持った”立面を構築。周辺の下屋のある建物群との呼応も意図外観、南側より見る。 photo©大竹央祐

石飛亮 / WANKARASHINによる、長崎の「五島列島製麺所」。民家を改修した“島の観光拠点”にもなる蕎麦店。既存を観光客を迎え入れる“構え”に変える為に、内外を跨ぐ“屋根空間”を増築して“奥行きを持った”立面を構築。周辺の下屋のある建物群との呼応も意図正面:縁側、右:室内の客席 photo©大竹央祐

石飛亮 / WANKARASHINによる、長崎の「五島列島製麺所」。民家を改修した“島の観光拠点”にもなる蕎麦店。既存を観光客を迎え入れる“構え”に変える為に、内外を跨ぐ“屋根空間”を増築して“奥行きを持った”立面を構築。周辺の下屋のある建物群との呼応も意図縁側から出入口を見る。 photo©大竹央祐

石飛亮 / WANKARASHINによる、長崎の「五島列島製麺所」。民家を改修した“島の観光拠点”にもなる蕎麦店。既存を観光客を迎え入れる“構え”に変える為に、内外を跨ぐ“屋根空間”を増築して“奥行きを持った”立面を構築。周辺の下屋のある建物群との呼応も意図出入口から内部を見る。 photo©大竹央祐

石飛亮 / WANKARASHINによる、長崎の「五島列島製麺所」。民家を改修した“島の観光拠点”にもなる蕎麦店。既存を観光客を迎え入れる“構え”に変える為に、内外を跨ぐ“屋根空間”を増築して“奥行きを持った”立面を構築。周辺の下屋のある建物群との呼応も意図出入口から内部を見る。 photo©大竹央祐

石飛亮 / WANKARASHINによる、長崎の「五島列島製麺所」。民家を改修した“島の観光拠点”にもなる蕎麦店。既存を観光客を迎え入れる“構え”に変える為に、内外を跨ぐ“屋根空間”を増築して“奥行きを持った”立面を構築。周辺の下屋のある建物群との呼応も意図出入口側から客席を見る。 photo©大竹央祐

石飛亮 / WANKARASHINによる、長崎の「五島列島製麺所」。民家を改修した“島の観光拠点”にもなる蕎麦店。既存を観光客を迎え入れる“構え”に変える為に、内外を跨ぐ“屋根空間”を増築して“奥行きを持った”立面を構築。周辺の下屋のある建物群との呼応も意図客席からカウンター越しに厨房を見る。 photo©大竹央祐

石飛亮 / WANKARASHINによる、長崎の「五島列島製麺所」。民家を改修した“島の観光拠点”にもなる蕎麦店。既存を観光客を迎え入れる“構え”に変える為に、内外を跨ぐ“屋根空間”を増築して“奥行きを持った”立面を構築。周辺の下屋のある建物群との呼応も意図客席から開口部越しに縁側を見る。 photo©大竹央祐

石飛亮 / WANKARASHINによる、長崎の「五島列島製麺所」。民家を改修した“島の観光拠点”にもなる蕎麦店。既存を観光客を迎え入れる“構え”に変える為に、内外を跨ぐ“屋根空間”を増築して“奥行きを持った”立面を構築。周辺の下屋のある建物群との呼応も意図客席、夜景 photo©大竹央祐

石飛亮 / WANKARASHINによる、長崎の「五島列島製麺所」。民家を改修した“島の観光拠点”にもなる蕎麦店。既存を観光客を迎え入れる“構え”に変える為に、内外を跨ぐ“屋根空間”を増築して“奥行きを持った”立面を構築。周辺の下屋のある建物群との呼応も意図客席から洗面所を見る、夜景 photo©大竹央祐

石飛亮 / WANKARASHINによる、長崎の「五島列島製麺所」。民家を改修した“島の観光拠点”にもなる蕎麦店。既存を観光客を迎え入れる“構え”に変える為に、内外を跨ぐ“屋根空間”を増築して“奥行きを持った”立面を構築。周辺の下屋のある建物群との呼応も意図外観、南側から見る、夕景 photo©大竹央祐

石飛亮 / WANKARASHINによる、長崎の「五島列島製麺所」。民家を改修した“島の観光拠点”にもなる蕎麦店。既存を観光客を迎え入れる“構え”に変える為に、内外を跨ぐ“屋根空間”を増築して“奥行きを持った”立面を構築。周辺の下屋のある建物群との呼応も意図平面図 image©WANKARASHIN
以下、建築家によるテキストです。
道の駅のような構えをつくる島のプレーリースタイル
民家をリノベーションし、食の発信地としての道の駅のような蕎麦処をつくるプロジェクト。
前面に広がる畑で栽培した五島の在来種である蕎麦の実を用いた蕎麦を提供するとともに、島の物産の拠点としての役割も担う。
五島列島福江島の富江町は、島で二番目に大きな街であるにも関わらず、唯一観光バスが停まらないエリアといわれている。そのような地域の住宅地と農地のちょうど境目にあたる敷地に、島の観光拠点となるような場所をつくる。
改修する建物はシロアリの被害により、玄関を含んだ下屋部分を全体的に解体せざるを得なかった。一方で前面に広がる広大な畑の風景に対して、いわゆる民家のような点としての建ち方では、多くの観光客を迎え入れる拠点の構えとしては不十分であるように感じた。
そこで改修工事にあたり、建物の前面に、解体した下屋よりも少し緩い勾配の屋根空間を屋内と屋外をまたぐように増築した。そしてそこに水平的に連続した開口部を設けて、内部はカウンター席とし、外部にもカウンターやベンチを設けてアプローチと休憩スペースを兼ねた空間とした。それによって単純な面としてでなく、奥行きを持ったファサードをつくっている。
軒を低く伸ばすことで、前面に広がる農地と水平的な連続感が生まれ、また店内に入らずとも空間が体験できるようなおおらかさを獲得することができた。
島の民家には、母屋に対して下屋を増築したものが多く見られる。それらは必要に駆られた半屋外的な空間として、場当たり的に用いられることがほとんどである。そういった下屋空間のプロポーションを整頓し、内外の行為をつなぐ奥行きを持ったファサードとしてつくることで、島の風景に馴染みながらも、道の駅のような人を迎え入れる佇まいを実現できるのではないかと考えた。
■建築概要
題名:五島列島製麺所
所在地:長崎県五島市富江町職人304-9
主用途:飲食店、物産店
設計:WANKARASHIN 担当/石飛亮
構造設計補助:1050 Architects 担当/東郷拓真
施工:芳野建設
構造:木造
階数:地上1階
敷地面積:402.04㎡
建築面積:138.17㎡
延床面積:114.70㎡
設計:2021年4月~2021年11月
工事:2021年11月~2022年2月
竣工:2022年2月
写真:大竹央祐
建材情報| 種別 | 使用箇所 | 商品名(メーカー名) | | 外構・床 | 床 | 土間コンのうえ防塵塗装仕上
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| 外装・壁 | 外壁 | 既存外壁のうえ保護塗装、一部モルタル金ゴテ仕上げ
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| 外装・屋根 | 屋根 | ポリカ波板 小波
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| 内装・床 | 客席 床 | 塩ビタイル t=3(東リ)
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| 内装・壁 | 客席 壁 | シナベニヤ t=4 クリア塗装
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| 内装・天井 | 客席 天井 | 既存野地板あらわし
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| 内装・床 | 洗面所 床 | 塩ビタイル t=3(東リ)
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| 内装・壁 | 洗面所 壁 | 木毛セメント板 t=15
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| 内装・天井 | 洗面所 天井 | 木毛セメント板 t=15
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| 内装・床 | 蕎麦打ち室 床 | 長尺シート t=2(東リ)
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| 内装・壁 | 蕎麦打ち室 壁 | ケイカル板 t=5 AEP塗装
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| 内装・天井 | 蕎麦打ち室 天井 | ケイカル板 t=5 AEP塗装
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