杉中俊介+杉中瑞季 / 多和良屋と清水良太構造デザインスタジオが設計した、東京・世田谷区の「上馬の家」です。
構造家の自邸兼仕事場の計画です。建築家は、住宅密集地に建つ住宅として、シンプルな“外殻の中”に“ひだ”の様に諸室を“折り重ねる”構成を考案しました。そして、周辺環境との関係構築も意図してバルコニー等から内部の雰囲気を滲み出させています。
住宅密集地のなかに建つ、構造家の自邸兼仕事場。
斜線規制を可視化するように立ち上げた単純な外殻のなかに、襞のように室を折り重ねている。それらを縫うように開口を穿ち、空間を繋ぐことで、光と風が通り抜け、空気を共有し、奥深さと明るさを両立している。
決して広くはない床面積のなかで、段差を上下する動きや異素材による触感の違い、視線の移動や明暗の変化など、細やかな差異とそれを潜り抜ける反復を通して日常の生活を構築していくことを意図している。
T字路に面するという敷地条件のもと、ピロティやバルコニー、ルーフテラスにより、外殻を刳り貫くことで外の風景を引き込み、道路面でそれぞれの室の雰囲気を滲み出させることで、周辺環境との関係を結んでいる。
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以下、建築家によるテキストです。
住宅密集地のなかに建つ、構造家の自邸兼仕事場。
斜線規制を可視化するように立ち上げた単純な外殻のなかに、襞のように室を折り重ねている。それらを縫うように開口を穿ち、空間を繋ぐことで、光と風が通り抜け、空気を共有し、奥深さと明るさを両立している。
決して広くはない床面積のなかで、段差を上下する動きや異素材による触感の違い、視線の移動や明暗の変化など、細やかな差異とそれを潜り抜ける反復を通して日常の生活を構築していくことを意図している。
T字路に面するという敷地条件のもと、ピロティやバルコニー、ルーフテラスにより、外殻を刳り貫くことで外の風景を引き込み、道路面でそれぞれの室の雰囲気を滲み出させることで、周辺環境との関係を結んでいる。
(杉中俊介+杉中瑞季 / 多和良屋)
耐震要素は主に外壁に配置し、スキップフロアの切り替え位置に内部柱を建てるというシンプルな構造計画とすることで、狭小敷地の中で自由な内部空間とスキップフロアを構成している。
ピロティと仕事場の面積確保を両立するため、隅柱を中止し、建物の上部躯体で大きな持ち出しを支持する計画とした。道路側は600せいの梁を2段で用いることにより、約2.7mの片持ちを実現している。
ボリュームを切り取った形状の屋根による幾何学的剛性と、隣地側壁面のウォールガーダーとしての利用により、振動対策及び長期たわみ対策に配慮した余裕のある構造計画としている。
(清水良太/清水良太構造デザインスタジオ)
■建築概要
題名:上馬の家
所在地:東京都世田谷区
用途:住宅
設計監理:多和良屋 / 杉中俊介+杉中瑞季
構造設計:清水良太構造デザインスタジオ / 清水良太
施工:江中建設
構造規模:木造3階建
防火:準延焼防止建築物
敷地面積:54.97㎡
建築面積:38.37㎡
延床面積:92.99㎡
竣工:2022年2月
写真:淺川敏