成瀬・猪熊建築設計事務所が設計した、岐阜の店舗「JINSイオンモール各務原店」です。
既存店のリニューアル計画です。建築家は、商品配置の“計画的な型”を意識し、そのまま形にする“普遍性”と多様な展開が生む“固有性”を両立する設計を志向しました。そして、型を守りつつ可変性のある“家型の什器”を考案して空間を構成しました。店舗の公式ページはこちら。
これは、JINSイオンモール各務原店のリニューアルプロジェクトである。
JINSは、これまでも様々な建築家が創造的な店舗を手がけているが、実はメガネの陳列トレー・鏡・POPなどの配置には、利用者目線の計画的な型が存在する。
この型を、できる限り感じない空間づくりももちろん選択肢のひとつだが、私たちは今回、あえてそれをそのまま形にしたような普遍性と、一方でそれが多様に展開して生まれる固有性とが、両立するような空間づくりを目指した。
店舗空間を構成する基本的な単位の家型の什器は、天板に置くメガネの陳列トレーと正面に必要なPOPと鏡の位置を満たしながら、幅・奥行・高さをある程度自由に変更できる。
家型の什器は適度に商品を見え隠れさせると共に、徐々に視界が変化するような空間を作り出し、店舗を散策する楽しさを生み出す。
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以下、建築家によるテキストです。
これは、JINSイオンモール各務原店のリニューアルプロジェクトである。
JINSは、これまでも様々な建築家が創造的な店舗を手がけているが、実はメガネの陳列トレー・鏡・POPなどの配置には、利用者目線の計画的な型が存在する。
この型を、できる限り感じない空間づくりももちろん選択肢のひとつだが、私たちは今回、あえてそれをそのまま形にしたような普遍性と、一方でそれが多様に展開して生まれる固有性とが、両立するような空間づくりを目指した。
店舗空間を構成する基本的な単位の家型の什器は、天板に置くメガネの陳列トレーと正面に必要なPOPと鏡の位置を満たしながら、幅・奥行・高さをある程度自由に変更できる。
家型の什器は適度に商品を見え隠れさせると共に、徐々に視界が変化するような空間を作り出し、店舗を散策する楽しさを生み出す。
一方、店舗のある各務原は、日本アルプスから濃尾平野に至る地形の中腹に位置し、木曽川などの自然が豊かな場所である。私たちはこうした地形の豊かさを、天井高約4メートルという恵まれたテナント区画の中に再現しようと試みた。
具体的には、家型の什器を基本の単位として設計を行いつつも、奥や壁際に行くほど什器を高くし、一番奥にはベンチを兼ねた階段を数段登った先に、適度に隠れながら子どもが遊べるキッズスペースを作った。
この店舗は、ショッピングモールの中にありながら、豊かなシークエンスとダイナミックな高低差が内在する、各務原の地形の豊かさを濃縮したような空間となった。
■建築概要
題名:JINSイオンモール各務原店
所在地:岐阜県各務原市那加萱場町3-8
主用途:店舗
設計:成瀬・猪熊建築設計事務所 担当/成瀬友梨、猪熊純、西川裕知、呉センユウ
施工:space
グラフィック:TAKAIYAMA inc.
延床面積:175.4㎡
竣工:2023年10月
写真:楠瀬友将