伊原慶 / TA+Aが設計した、東京・港区の「クラハデンタルオフィス」です。
五叉路に面する“重厚感のある”外壁の建物の中の区画での計画です。建築家は、“街で生活する延長上”にある存在を求め、外観の特徴を逆手にとり“待合空間を街に投げ出す”構成を考案しました。また、多角形の平面形状で多面的な様相も受け止める事も意図されました。施設の公式サイトはこちら。
東京・芝浦の歯科クリニックである。芝浦の埋立地の型と架けられた橋によって現れた特徴のある五叉路に面し、前面道路と雁行するバルコニーが印象的な集合住宅の一階に位置する。
「重厚感のある外壁を逆手にとり待合空間をまちに投げ出す」ことを考えた。室内のいくつもの要素が外部環境と関わりを持つように設え、まちで生活する延長上にあるクリニックを目指した。
五叉路の多面的な様相を壁の多方向性で受け止める待合空間の平面形状はどこから見ても行き止まりを感じずそれぞれの諸室につながる。外壁のレンガタイルの表情を抽象化した吹付塗装の壁を室内へぐるりと引き込み内部を外に投げ出すことでクリニックは日常の風景の一部となる。
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以下、建築家によるテキストです。
待合空間をまちに投げ出す
東京・芝浦の歯科クリニックである。芝浦の埋立地の型と架けられた橋によって現れた特徴のある五叉路に面し、前面道路と雁行するバルコニーが印象的な集合住宅の一階に位置する。
「重厚感のある外壁を逆手にとり待合空間をまちに投げ出す」ことを考えた。室内のいくつもの要素が外部環境と関わりを持つように設え、まちで生活する延長上にあるクリニックを目指した。
五叉路の多面的な様相を壁の多方向性で受け止める待合空間の平面形状はどこから見ても行き止まりを感じずそれぞれの諸室につながる。外壁のレンガタイルの表情を抽象化した吹付塗装の壁を室内へぐるりと引き込み内部を外に投げ出すことでクリニックは日常の風景の一部となる。
また周縁との関係性を丁寧に築く要素をフィールドワークにより見つけた。
床は車道のアスファルトを引き込むグレー色を、待合ベンチは歩道の舗装や景観色を用いレクチャー時は分割して使うことができる。“閉じず”にそうした“まちとの関わりしろ”を持つ意思をデザインにより提示することがデンタルクリニックという用途が潜在的に持つ内向性への一つの問題提起だと捉え、多面性はその中和材として振る舞っている。
■建築概要
題名:クラハデンタルオフィス
所在地:東京都港区芝浦
主用途:診療所(歯科医院)
設計・監理:TA+A 担当/伊原慶、伊奈恭平
施工:株式会社建創
階数:地上1階部分 改修
工事面積:92.43㎡
設計期間:2023年1月~2023年8月
工事:2023年9月~2023年11月
竣工:2023年11月
写真:小野寺宗貴