平田晃久建築設計事務所による、群馬・前橋市の「まえばしガレリア」。旧広場に建つ商業と居住の為の施設。街を盛り上げる“建築的な提案”との要望に、現地で感じた広場の“リアリティー”から着想して構想を開始。店舗と中庭からなる広場の上に“輪をなす住居群”が浮かぶ建築を造る 外観、南側道路より見る。 photo:木暮伸也
平田晃久建築設計事務所による、群馬・前橋市の「まえばしガレリア」。旧広場に建つ商業と居住の為の施設。街を盛り上げる“建築的な提案”との要望に、現地で感じた広場の“リアリティー”から着想して構想を開始。店舗と中庭からなる広場の上に“輪をなす住居群”が浮かぶ建築を造る 1階、店舗3(ギャラリー2)※ギャラリー2は4つのギャラリー(小山登美夫ギャラリー、rin art association、Art Office Shiobara、MAKI Gallery)が関わるスペース photo:木暮伸也
平田晃久建築設計事務所による、群馬・前橋市の「まえばしガレリア」。旧広場に建つ商業と居住の為の施設。街を盛り上げる“建築的な提案”との要望に、現地で感じた広場の“リアリティー”から着想して構想を開始。店舗と中庭からなる広場の上に“輪をなす住居群”が浮かぶ建築を造る 4階、集合住宅部分、Room26 photo:木暮伸也
平田晃久建築設計事務所による、群馬・前橋市の「まえばしガレリア」。旧広場に建つ商業と居住の為の施設。街を盛り上げる“建築的な提案”との要望に、現地で感じた広場の“リアリティー”から着想して構想を開始。店舗と中庭からなる広場の上に“輪をなす住居群”が浮かぶ建築を造る 外観、南側道路より見る、夜景 photo:木暮伸也
平田晃久建築設計事務所 が設計した、群馬・前橋市の「まえばしガレリア」です。
旧広場に建つ商業と居住の為の施設です。建築家は、街を盛り上げる“建築的な提案”との要望に、現地で感じた広場の“リアリティー”から着想して構想を開始しました。そして、店舗と中庭からなる広場の上に“輪をなす住居群”が浮かぶ建築を造りました。施設の公式ページはこちら 。
この建物の用途をドライに記述するなら集合住宅+店舗になるだろう。
しかし、ここでつくりたかったのは、実はそういう言葉とは全く違う何かである。
「Qのひろば」というのが、この場所の呼び名だった。前橋の街に、九つの商店街があり、それらの道筋がアルファベットのQの字に見立てられることに由来する名前だ。僕たちは通常とは違う風変わりな依頼を受けた。前橋の人々が有志で共同出資し、この広場に何かをつくって、街を盛り上げたいので、建築的に何ができるか提案して欲しい、と。つまり依頼の本質は、その実駐車場になってしまっていたこの広場を、別の存在へと高めることだったのだ。
日本における広場というものに大抵僕はリアリティーを感じない。しかし訪れたその広場は、西洋の広場と言うよりは縄文の円形集落のようなスケールだった。住むことと広場をつくることを一体化させること。
広場は縄文のように閉じたものではなく、住人以外にも開かれたものでなければならない。経済的にも成立するスキームでなければならない。そこで輪をなす住居群を空中に浮かべ、その下に店舗と中庭が一体化した広場をつくる案が浮上した。全ての住戸は庭を持ち、全体はさながら一本の樹のようでもある。