今津康夫 / ninkipen!による、大阪・羽曳野市の飲食店「viteraska」。歴史ある街道沿いの古民家を改修。“現代的な料理”を提供する店舗の為に、“過去と現在をチューニング”する空間を志向。既存を“土と木の状態”に戻した上でメッキ鋼板や人造大理石などの様々な素材を用いる
photo©河田弘樹

今津康夫 / ninkipen!による、大阪・羽曳野市の飲食店「viteraska」。歴史ある街道沿いの古民家を改修。“現代的な料理”を提供する店舗の為に、“過去と現在をチューニング”する空間を志向。既存を“土と木の状態”に戻した上でメッキ鋼板や人造大理石などの様々な素材を用いる

今津康夫 / ninkipen!による、大阪・羽曳野市の飲食店「viteraska」。歴史ある街道沿いの古民家を改修。“現代的な料理”を提供する店舗の為に、“過去と現在をチューニング”する空間を志向。既存を“土と木の状態”に戻した上でメッキ鋼板や人造大理石などの様々な素材を用いる外観、南側の道路よりエントランスを見る、夜景 photo©河田弘樹
今津康夫 / ninkipen!による、大阪・羽曳野市の飲食店「viteraska」。歴史ある街道沿いの古民家を改修。“現代的な料理”を提供する店舗の為に、“過去と現在をチューニング”する空間を志向。既存を“土と木の状態”に戻した上でメッキ鋼板や人造大理石などの様々な素材を用いるエントランス側から全体を見る。 photo©河田弘樹
今津康夫 / ninkipen!による、大阪・羽曳野市の飲食店「viteraska」。歴史ある街道沿いの古民家を改修。“現代的な料理”を提供する店舗の為に、“過去と現在をチューニング”する空間を志向。既存を“土と木の状態”に戻した上でメッキ鋼板や人造大理石などの様々な素材を用いるカウンター席からテーブル席側を見る。 photo©河田弘樹
今津康夫 / ninkipen!による、大阪・羽曳野市の飲食店「viteraska」。歴史ある街道沿いの古民家を改修。“現代的な料理”を提供する店舗の為に、“過去と現在をチューニング”する空間を志向。既存を“土と木の状態”に戻した上でメッキ鋼板や人造大理石などの様々な素材を用いるカウンター席から開口部越しに外部を見る。 photo©河田弘樹

今津康夫 / ninkipen!が設計した、大阪・羽曳野市の飲食店「viteraska」です。
歴史ある街道沿いの古民家を改修しました。建築家は、“現代的な料理”を提供する店舗の為に、“過去と現在をチューニング”する空間を志向しました。そして、既存を“土と木の状態”に戻した上でメッキ鋼板や人造大理石などの様々な素材を用いました。店舗の場所はこちら(Google Map)。

大阪府羽曳野市、世界遺産「古市古墳群」の一つである「白鳥陵古墳」を目の前に眺め、日本最古の官道「竹内街道」に面するイタリアンレストランのインテリアデザインである。

建築家によるテキストより

築150年の古民家を改装した。

オーナーシェフの父親の生家であるこの家は改装を繰り返し、積み重ねた年月の情緒と昭和の新建材がちぐはぐに混在していた。

まずはじめにそれらを整理し土と木の状態に戻したが、今では手に入れることができない4種類の型板ガラスは積極的にその価値を認め、保存・転用して記憶を継承した。

建築家によるテキストより

次に、振る舞われる現代的な料理に合わせて、メッキ鋼板・ステンレス・人造大理石を各所に配し、この場所でしか成し得ない過去と現在のチューニングを試みている。

街道沿いには、オーシャンビューならぬ「古墳ビュー」のピクチャー・ウィンドウを穿って1400年に渡る悠久の時の流れを顕在化させ、さらに鏡面ステンレスの掛込天井とすることで窓へのベクトルを強めると同時に、街道の移ろいに像を結んで現在(いま)の風景を取り込んでいる。

建築家によるテキストより

以下の写真はクリックで拡大します

今津康夫 / ninkipen!による、大阪・羽曳野市の飲食店「viteraska」。歴史ある街道沿いの古民家を改修。“現代的な料理”を提供する店舗の為に、“過去と現在をチューニング”する空間を志向。既存を“土と木の状態”に戻した上でメッキ鋼板や人造大理石などの様々な素材を用いる外観、南側の道路よりエントランスを見る、夜景 photo©河田弘樹
今津康夫 / ninkipen!による、大阪・羽曳野市の飲食店「viteraska」。歴史ある街道沿いの古民家を改修。“現代的な料理”を提供する店舗の為に、“過去と現在をチューニング”する空間を志向。既存を“土と木の状態”に戻した上でメッキ鋼板や人造大理石などの様々な素材を用いる道路より開口部越しに内部を見る、夜景 photo©河田弘樹
今津康夫 / ninkipen!による、大阪・羽曳野市の飲食店「viteraska」。歴史ある街道沿いの古民家を改修。“現代的な料理”を提供する店舗の為に、“過去と現在をチューニング”する空間を志向。既存を“土と木の状態”に戻した上でメッキ鋼板や人造大理石などの様々な素材を用いるエントランス側から全体を見る。 photo©河田弘樹
今津康夫 / ninkipen!による、大阪・羽曳野市の飲食店「viteraska」。歴史ある街道沿いの古民家を改修。“現代的な料理”を提供する店舗の為に、“過去と現在をチューニング”する空間を志向。既存を“土と木の状態”に戻した上でメッキ鋼板や人造大理石などの様々な素材を用いるカウンター席、夜景 photo©河田弘樹
今津康夫 / ninkipen!による、大阪・羽曳野市の飲食店「viteraska」。歴史ある街道沿いの古民家を改修。“現代的な料理”を提供する店舗の為に、“過去と現在をチューニング”する空間を志向。既存を“土と木の状態”に戻した上でメッキ鋼板や人造大理石などの様々な素材を用いるテーブル席側からカウンター席越しにキッチンを見る、夜景 photo©河田弘樹
今津康夫 / ninkipen!による、大阪・羽曳野市の飲食店「viteraska」。歴史ある街道沿いの古民家を改修。“現代的な料理”を提供する店舗の為に、“過去と現在をチューニング”する空間を志向。既存を“土と木の状態”に戻した上でメッキ鋼板や人造大理石などの様々な素材を用いるカウンター席と道路に面した開口部、夜景 photo©河田弘樹
今津康夫 / ninkipen!による、大阪・羽曳野市の飲食店「viteraska」。歴史ある街道沿いの古民家を改修。“現代的な料理”を提供する店舗の為に、“過去と現在をチューニング”する空間を志向。既存を“土と木の状態”に戻した上でメッキ鋼板や人造大理石などの様々な素材を用いるカウンター席と道路に面した開口部 photo©河田弘樹
今津康夫 / ninkipen!による、大阪・羽曳野市の飲食店「viteraska」。歴史ある街道沿いの古民家を改修。“現代的な料理”を提供する店舗の為に、“過去と現在をチューニング”する空間を志向。既存を“土と木の状態”に戻した上でメッキ鋼板や人造大理石などの様々な素材を用いるカウンター席から開口部越しに「白鳥陵古墳」を見る。 photo©河田弘樹
今津康夫 / ninkipen!による、大阪・羽曳野市の飲食店「viteraska」。歴史ある街道沿いの古民家を改修。“現代的な料理”を提供する店舗の為に、“過去と現在をチューニング”する空間を志向。既存を“土と木の状態”に戻した上でメッキ鋼板や人造大理石などの様々な素材を用いるカウンター席から開口部越しに外部を見る。 photo©河田弘樹
今津康夫 / ninkipen!による、大阪・羽曳野市の飲食店「viteraska」。歴史ある街道沿いの古民家を改修。“現代的な料理”を提供する店舗の為に、“過去と現在をチューニング”する空間を志向。既存を“土と木の状態”に戻した上でメッキ鋼板や人造大理石などの様々な素材を用いるカウンター席からテーブル席側を見る。 photo©河田弘樹
今津康夫 / ninkipen!による、大阪・羽曳野市の飲食店「viteraska」。歴史ある街道沿いの古民家を改修。“現代的な料理”を提供する店舗の為に、“過去と現在をチューニング”する空間を志向。既存を“土と木の状態”に戻した上でメッキ鋼板や人造大理石などの様々な素材を用いるテーブル席 photo©河田弘樹
今津康夫 / ninkipen!による、大阪・羽曳野市の飲食店「viteraska」。歴史ある街道沿いの古民家を改修。“現代的な料理”を提供する店舗の為に、“過去と現在をチューニング”する空間を志向。既存を“土と木の状態”に戻した上でメッキ鋼板や人造大理石などの様々な素材を用いるキッチンからカウンター席越しにテーブル席を見る。 photo©河田弘樹
今津康夫 / ninkipen!による、大阪・羽曳野市の飲食店「viteraska」。歴史ある街道沿いの古民家を改修。“現代的な料理”を提供する店舗の為に、“過去と現在をチューニング”する空間を志向。既存を“土と木の状態”に戻した上でメッキ鋼板や人造大理石などの様々な素材を用いるカウンター席からトイレの前のスペースを見る。 photo©河田弘樹
今津康夫 / ninkipen!による、大阪・羽曳野市の飲食店「viteraska」。歴史ある街道沿いの古民家を改修。“現代的な料理”を提供する店舗の為に、“過去と現在をチューニング”する空間を志向。既存を“土と木の状態”に戻した上でメッキ鋼板や人造大理石などの様々な素材を用いる壁面の詳細 photo©河田弘樹
今津康夫 / ninkipen!による、大阪・羽曳野市の飲食店「viteraska」。歴史ある街道沿いの古民家を改修。“現代的な料理”を提供する店舗の為に、“過去と現在をチューニング”する空間を志向。既存を“土と木の状態”に戻した上でメッキ鋼板や人造大理石などの様々な素材を用いる建具の詳細 photo©河田弘樹
今津康夫 / ninkipen!による、大阪・羽曳野市の飲食店「viteraska」。歴史ある街道沿いの古民家を改修。“現代的な料理”を提供する店舗の為に、“過去と現在をチューニング”する空間を志向。既存を“土と木の状態”に戻した上でメッキ鋼板や人造大理石などの様々な素材を用いる照明の詳細 photo©河田弘樹
今津康夫 / ninkipen!による、大阪・羽曳野市の飲食店「viteraska」。歴史ある街道沿いの古民家を改修。“現代的な料理”を提供する店舗の為に、“過去と現在をチューニング”する空間を志向。既存を“土と木の状態”に戻した上でメッキ鋼板や人造大理石などの様々な素材を用いる客席の一角 photo©河田弘樹
今津康夫 / ninkipen!による、大阪・羽曳野市の飲食店「viteraska」。歴史ある街道沿いの古民家を改修。“現代的な料理”を提供する店舗の為に、“過去と現在をチューニング”する空間を志向。既存を“土と木の状態”に戻した上でメッキ鋼板や人造大理石などの様々な素材を用いる平面図 image©ninkipen!

以下、建築家によるテキストです。


大阪府羽曳野市、世界遺産「古市古墳群」の一つである「白鳥陵古墳」を目の前に眺め、日本最古の官道「竹内街道」に面するイタリアンレストランのインテリアデザインである。

築150年の古民家を改装した。

オーナーシェフの父親の生家であるこの家は改装を繰り返し、積み重ねた年月の情緒と昭和の新建材がちぐはぐに混在していた。

まずはじめにそれらを整理し土と木の状態に戻したが、今では手に入れることができない4種類の型板ガラスは積極的にその価値を認め、保存・転用して記憶を継承した。

次に、振る舞われる現代的な料理に合わせて、メッキ鋼板・ステンレス・人造大理石を各所に配し、この場所でしか成し得ない過去と現在のチューニングを試みている。

街道沿いには、オーシャンビューならぬ「古墳ビュー」のピクチャー・ウィンドウを穿って1400年に渡る悠久の時の流れを顕在化させ、さらに鏡面ステンレスの掛込天井とすることで窓へのベクトルを強めると同時に、街道の移ろいに像を結んで現在(いま)の風景を取り込んでいる。

訪れた人々が過去と現在が混ざり合う中で、時間を忘れて料理に舌鼓を打ってくれたなら、たまらなく嬉しい。

■建築概要

名称:viteraska
場所:大阪府羽曳野市
用途:Itarian restaurant
設計:今津康夫 / ninkipen!
施工:坂井建築
照明:NEW LIGHT POTTERY
家具:大川家具製作所
庭:三宅洋平 / 庭づくり三宅
延床面積:66.40㎡
竣工:2024年7月
写真:河田弘樹

建材情報
種別使用箇所商品名(メーカー名)
内装・床

ビニル床タイル

内装・壁

土壁一部メッキ鋼板

内装・天井天井

既存現し一部SUS鏡面PL、珪酸カルシウム板

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※この情報は弊サイトや設計者が建材の性能等を保証するものではありません

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全国に支店のある企業の東京事務所の改修計画です。建築家は、会社全体の未来を考慮し、本社と全支店の関係を“双方向かつネットワーク型”とし“交流を繋ぐ”設計を志向しました。そして、各地の職場同士を巨大モニターで常時接続する労働空間を考案しました。施主企業の公式サイトはこちら

JAKUETSは福井県敦賀市に本社を構え、遊具や教具などの企画・開発から製造・販売・メンテナンス、幼稚園・保育園や公園の設計から街づくり事業まで、教育に関わる多種多様な事業を展開する全国に67もの支店をもつ会社である。
その東京支店の改修にあたり、我々はこの1支店にとどまらず、本社および67支店の未来を考えた計画を行なった。

建築家によるテキストより

これまで全国の支店は各地域の顧客のニーズや事情に応えるべく、支店に在庫をストックし商品の現物を持ち運ぶような地域に根ざした営業スタイルで事業に取り組んできた。こうした1対1のコミュニケーションの分厚さで顧客の信頼を得てきたが、顧客層やニーズの多様化に加え、情報環境・物流が整った今では地域に縛られる必要性がなくなり、各支店は倉庫と社宅の空間を多くの地域でストックとして抱えることになった。

社内的には全国規模の市場をもちそこで培われたノウハウがあるにもかかわらず、地域で閉じたコミュニケーションにとどまり、さまざまな事業から集まる多様なニーズを部署間で共有する機会も気薄だった。それでも本社と67支店の結びつきは強いため、本計画ではその関係を双方向かつネットワーク型で結び全国のコミュニケーションをつなぎ合わせることで、JAKUETS本来の分厚さを未来に向けてより強固なものにしたいと考えた。

建築家によるテキストより

そのネットワークを実現するアイデアとして、約100インチのモニターをオフィスに置くこととした。そのモニターが別の支店にも配備されオフィス空間が常に画面に映し出されることで、全身が映り目線が合うスケール1:1のリアルなコミュニケーションをリアルタイムで行うことを考えた。しかしモニターに取り付けられるカメラの視野角には限りがあり、フロアの矩形と直行してモニターを置くとどうしても死角が生まれてしまう。

カメラが空間全体をカバーでき、かつどこにいてもモニターが見えるようにするには、フロアの角から斜め45°に角度を振って置くことが最も効率的である。その結果モニターがオフィスレイアウトの基準となり、その他の家具なども建築に対して斜め45°に配置されることになった。

建築家によるテキストより

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