SHARE 妹島和世と西沢立衛の対談「穴が開くほど見る―建築写真から読み解く暮らしとその先 第10回」の動画がLIXILのサイトで期間限定で無料配信。其々が選んだ、厳島神社、中野本町の家、サヴォア邸、スカイハウスの写真を題材に議論
妹島和世と西沢立衛の対談「穴が開くほど見る―建築写真から読み解く暮らしとその先 第10回」の動画がLIXILのサイトで期間限定で無料配信されています。
其々が選んだ、厳島神社、中野本町の家、サヴォア邸、スカイハウスの写真を題材に議論されています。視聴申込期間は、2024年12月20日(木)まで。また、本記事では、テーマとなった写真と語られた内容のキーワードも掲載します。【ap・ad】
LIXILと「新建築住宅特集」は、これまで「穴が開くほど見る──建築写真から読み解く暮らしとその先」と題し、名作住宅の建築写真を隅々まで掘り下げて読み取る企画を展開してきました。
1枚の写真から時代背景、社会状況、暮らし、建築家の思いなど、読み取る側の想像も交えながら細部まで紐解くことで、時代を超えた大切なものを見つめ直し、未来に向けた建築のあり方を探ります。
今回は、「新建築住宅特集」24年10月号に掲載された、本企画 第10回目の妹島和世氏と西沢立衛氏の対談動画を、期間限定で配信いたします。ぜひご登録のうえ、ご視聴ください。
(2024年8月1日 東京都港区 SHIBAURA HOUSEにて収録)
妹島和世が冒頭に語ったキーワード(アーキテクチャーフォト編集部が抜粋)
伊東豊雄事務所でプレス係をしていて、スライドを並べ替える仕事をしていて、並べ方によって印象が変わることが分かった / 多木浩二が撮影した「代田の町家」のローアングルの写真が印象に残っている / その他
西沢立衛が冒頭に語ったキーワード(アーキテクチャーフォト編集部が抜粋)
写真が白黒、ネットもなく写真にかける思いが強かった時代 / 雑誌ではなくアーカイブで写真を見ていた / ミース・ファン・デル・ローエのアーカイブ / アーカイブは編編集がない(断片の集積) / 雑誌では編集と一緒に写真をみることになる / 雑誌に関しては、雑誌の物語の一部として写真を捉えている / 写真ではないが、ミースのフリードリヒ・シュトラーセの高層ビルのドローイングは正に穴が開くほど見た記憶がある / 80年代後半から90年代初頭のEl Croquisの鈴木久雄さんの写真にはハットするものがあった / GAの二川幸雄さんの再春館製薬女子寮のシンメトリーで撮った写真には驚かされた / その他
妹島和世のプロフィール
妹島和世(せじま・かずよ)
1956年茨城県生まれ。1981年日本女子大学大学院修了/伊東豊雄建築設計事務所を経て、1987年妹島和世建築設計事務所設立/ 1995年西沢立衛とSANAA設立/2010年第12回ベネチアビエンナーレ国際建築展の総合ディレクターを務める/現在、ミラノ工科大学教授、日本女子大学客員教授、大阪芸術大学客員教授
西沢立衛のプロフィール
西沢立衛(にしざわ・りゅうえ)
1966年東京都生まれ。1990年横浜国立大学大学院修士課程修了、妹島和世建築設計事務所入所/1995年妹島和世と共にSANAA設立/1997年西沢立衛建築設計事務所設立/現在、横浜国立大学大学院建築都市スクールY-GSA教授
西沢立衛が選んだ1枚目の写真「西沢立衛の撮影による『厳島神社』」(593年)
この写真について語られたキーワード(アーキテクチャーフォト編集部が抜粋)
学生時代の思い出に近い写真を選んだ / 学生時代、建築が難しくて其々の違いが良くわからなかったが、厳島神社だけは違うことがわかった / 中も外もないような透明感で陸と海がつながっていく / 建築が対岸までを含んでひとつの建築になっている / 日本の建築のはじまりというようなもの / 妹島さんと建築を考える中で題材となるものが日本建築で既に実現されていると感じることがある / 自分がやりたかったことが1000年前に実現されていると感じる / 自分も挑戦してみたいと感じさせられる空間がある / 我々がなぜ丸柱を使うのかが厳島神社に行くと分かる / その他
妹島和世が選んだ1枚目の写真「多木浩二の撮影による『中野本町の家』」(設計:伊東豊雄、1976年)
この写真について語られたキーワード(アーキテクチャーフォト編集部が抜粋)
学生時代に大学に入ってまもない頃、先輩に雑誌を見ることを進められた / その時に多木さんの写真に出会った / 自分の体験と自分の撮る写真は違うことを語っている気がする / 伊東さんと自分は違うけれど、伊東さんの所で学びたいと思った写真 / 写真は好きだけれど構築的に見ているわけではない / 感覚的に撮っているが建築家の重要な部分を捉えている(西沢) / 篠原一男と多木浩二の関係には、建築をつくると多木さんが写真と文章でもうひとつの建築をつくり、それに篠原さんが建築で応えるという戦いがあった(西沢) / その他
西沢立衛が選んだ2枚目の写真「『サヴォア邸』(出典:『Le Corbusier: Complete Works in 8 Volumes Vol.2 1929-1934』/ Artemis)」(ル・コルビュジエ、1931年)
この写真について語られたキーワード(アーキテクチャーフォト編集部が抜粋)
本の中で展開する、物語空間として見ている / 最高峰の中にコルビュジエ作品集がある / コルビュジエは十字分割を多用する / 現代建築を古典主義的な手法で見せていく / 8枚の空間が同時に等距離にあらわれる / コルビュジエが三番目の建築は書籍と言っていた / 書籍を建築とみなしていた / サヴォア邸の各部屋にはドアが二つついていて流れていくように意図されている / ネットワーク的な建築 / 順序だって空間があらわれることと8枚が同時にあらわれるという、現実にはできないことを本の中で実現しようとしている / 本がもっている形式的な側面を使って立体的なものをつくっていくところに感銘と影響を受けた / サヴォア邸では部分が全体の部品になっていない / 写真でも建築が分かる感じがする(妹島) / その他
妹島和世が選んだ2枚目の写真「二川幸夫の撮影による『スカイハウス』」(設計:菊竹清訓、1957年)
この写真について語られたキーワード(アーキテクチャーフォト編集部が抜粋)
小学1-2年生の頃に雑誌『婦人の友 1960年9月号』で見た写真 / 建築学科を受けてみようという行動につながった写真 / この写真を見たときのインパクトで建築学科に行くことになった / 写真1枚のインパクトは大変なもの / スカイハウスは実際に行って素晴らしかったが、事務所に帰って説明ができなかった建築 / スカイハウスは全く無駄がない(西沢) / 炎が湧きたつような感じで組立てられている(西沢) / 時代の文脈を越えて感動できる建築(西沢) / 構築しているけど限定していない / アイデアが満載だけれど、全て同時に生まれた感じがする(西沢) / 空中に浮くのが、これほど必然性を持った住宅はないのではないか(西沢) / その他
対談風景