SHARE sinatoによる”DURAS ambient Sendai”
photo©太田拓実
sinatoが設計した仙台のレディスアパレルショップのインテリア”DURAS ambient Sendai”です。
photo©太田拓実
以下、建築家によるテキストです。
[DURAS ambient Sendai]
レディスアパレルショップのインテリア。
区画に対して角度を振った壁を、互い違いに等間隔で並べている。
壁は非常に薄くそれ単独では自立しないが、紙相撲の力士のようにして折り畳んで設置し、またより不安定な折り目側の頂点を天井に固定することで安定している。
これらの壁によって、店内にはジグザグに連続するような場所がつくられる。
それは、それぞれが独立しつつ繋がっているように感じられる雰囲気で、商品をテイスト毎に分けて陳列する分割した売場の並列とも、商品全体をシームレスに陳列する一体の売場とも捉えることが可能である。
店内の移動は、壁の折り目側の鋭角部分をすり抜けていくものとなる。
その体験は、上述した「ジグザグに連続して場所が現れる」というシーケンシャルなものであるが、折り目側と反対の壁が開いてる方を通ってその動線をキャンセルすることも出来る。
この空間の訴えは、強制ではなくただそこに用意されているだけというような大らかなもので、そういった自由さが何か空間の質となって現れれば良いなと思っていた。
壁自体は、建築的でもあり家具的でもあるというような佇まいを目指した。
全体を統率出来る程度に大きく、それが強くなりすぎない程度に小さいというような感じだ。
またそれは、見る位置によって色々な見え方をする。
折り目側から見れば壁厚が無くなっていくようなものであるし、開いている側から見れば何かの裏側を覗き込んでいるような風である。
大きすぎず小さすぎず、そのカタチ自体もよく分からないという存在の仕方が良いのではないかと考えた。
/大野力