會田倫久 / TAAOと日高海渡 / swarmによる、栃木・那須郡の「Mr.forest」。森の中にある“プライベートキャンプ施設”の計画。自然との対峙を後押しする存在を求め、できるだけ小さく“身を隠す”建築を志向。“竪穴式住居”から着想を得た断面構成として活動をサポートする諸機能を収める外観、メインヤード、敷地内の南東側より見る。 photo©長谷川健太
會田倫久 / TAAOと日高海渡 / swarmによる、栃木・那須郡の「Mr.forest」。森の中にある“プライベートキャンプ施設”の計画。自然との対峙を後押しする存在を求め、できるだけ小さく“身を隠す”建築を志向。“竪穴式住居”から着想を得た断面構成として活動をサポートする諸機能を収めるメインヤード、デッキ photo©長谷川健太
會田倫久 / TAAOと日高海渡 / swarmによる、栃木・那須郡の「Mr.forest」。森の中にある“プライベートキャンプ施設”の計画。自然との対峙を後押しする存在を求め、できるだけ小さく“身を隠す”建築を志向。“竪穴式住居”から着想を得た断面構成として活動をサポートする諸機能を収めるメインヤード、ホールからエントランスを見る。 photo©長谷川健太
會田倫久 / TAAOと日高海渡 / swarmによる、栃木・那須郡の「Mr.forest」。森の中にある“プライベートキャンプ施設”の計画。自然との対峙を後押しする存在を求め、できるだけ小さく“身を隠す”建築を志向。“竪穴式住居”から着想を得た断面構成として活動をサポートする諸機能を収めるメインヤード、デッキから開口部越しに内部を見る、夜景 photo©長谷川健太
會田倫久 / TAAOと日高海渡 / swarmによる、栃木・那須郡の「Mr.forest」です。
森の中にある“プライベートキャンプ施設”の計画です。建築家は、自然との対峙を後押しする在り方を求め、できるだけ小さく“身を隠す”建築を志向しました。そして、“竪穴式住居”から着想を得た断面構成として活動をサポートする諸機能を収めました。施設の場所はこちら(Google Map)。
街の喧騒から離れ自然の環境に身を置き、そのワイルドネスを肌で感じながら非日常の時を過ごすことを醍醐味の一つとするアウトドアアクティビティにおいては、建築はできるだけ小さく身を隠し、自然と対峙する人の活動をおおらかに後押しする存在であるべきだ。
Mr.forestは、避暑地として有名な栃木県那須町にある1600㎡の森を1日1組限定で貸切にできるプライベートキャンプ施設である。
敷地北側は那須高原へとつづく町道に面しており、昼夜問わず車の往来がある。計画にあたり敷地で野営を行い環境特性を把握。敷地北側の小高い丘の上に道路を背負う形で建物を配置することを決め、建物から南に大きくデッキを張り出す構成としてキャンプのメインヤードとした。
敷地西側には山奥から流れこむ小さな水路があり、耳をすますと小川のせせらぎが聞こえてくる。デッキと少し離れた南西の小川沿いにバレルサウナを設置し、その脇の林を切り開き冷水シャワー、水風呂、外気浴のスペースを設けた。
建築の計画としては、初級者向けのキャンプサイトとなるメインデッキの他に、サポート機能として更衣室、シャワー室、トイレ、そして、デッキに面したアウトドアキッチンが必要とされた。上記機能をおさめる建築を考えるにあたり竪穴式住居に着想をえた断面構成とした。
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會田倫久 / TAAOと日高海渡 / swarmによる、栃木・那須郡の「Mr.forest」。森の中にある“プライベートキャンプ施設”の計画。自然との対峙を後押しする存在を求め、できるだけ小さく“身を隠す”建築を志向。“竪穴式住居”から着想を得た断面構成として活動をサポートする諸機能を収める外観、メインヤード、敷地内の南側より見る。 photo©長谷川健太

會田倫久 / TAAOと日高海渡 / swarmによる、栃木・那須郡の「Mr.forest」。森の中にある“プライベートキャンプ施設”の計画。自然との対峙を後押しする存在を求め、できるだけ小さく“身を隠す”建築を志向。“竪穴式住居”から着想を得た断面構成として活動をサポートする諸機能を収める外観、メインヤード、敷地内の南東側より見る。 photo©長谷川健太

會田倫久 / TAAOと日高海渡 / swarmによる、栃木・那須郡の「Mr.forest」。森の中にある“プライベートキャンプ施設”の計画。自然との対峙を後押しする存在を求め、できるだけ小さく“身を隠す”建築を志向。“竪穴式住居”から着想を得た断面構成として活動をサポートする諸機能を収める外観、メインヤード、敷地内の南東側より見る。 photo©長谷川健太

會田倫久 / TAAOと日高海渡 / swarmによる、栃木・那須郡の「Mr.forest」。森の中にある“プライベートキャンプ施設”の計画。自然との対峙を後押しする存在を求め、できるだけ小さく“身を隠す”建築を志向。“竪穴式住居”から着想を得た断面構成として活動をサポートする諸機能を収める外観、メインヤード、敷地内の東側より見る。 photo©長谷川健太

會田倫久 / TAAOと日高海渡 / swarmによる、栃木・那須郡の「Mr.forest」。森の中にある“プライベートキャンプ施設”の計画。自然との対峙を後押しする存在を求め、できるだけ小さく“身を隠す”建築を志向。“竪穴式住居”から着想を得た断面構成として活動をサポートする諸機能を収める外観、メインヤード、屋根の詳細 photo©長谷川健太

會田倫久 / TAAOと日高海渡 / swarmによる、栃木・那須郡の「Mr.forest」。森の中にある“プライベートキャンプ施設”の計画。自然との対峙を後押しする存在を求め、できるだけ小さく“身を隠す”建築を志向。“竪穴式住居”から着想を得た断面構成として活動をサポートする諸機能を収めるメインヤード、デッキ photo©長谷川健太

會田倫久 / TAAOと日高海渡 / swarmによる、栃木・那須郡の「Mr.forest」。森の中にある“プライベートキャンプ施設”の計画。自然との対峙を後押しする存在を求め、できるだけ小さく“身を隠す”建築を志向。“竪穴式住居”から着想を得た断面構成として活動をサポートする諸機能を収めるメインヤード、デッキ photo©長谷川健太

會田倫久 / TAAOと日高海渡 / swarmによる、栃木・那須郡の「Mr.forest」。森の中にある“プライベートキャンプ施設”の計画。自然との対峙を後押しする存在を求め、できるだけ小さく“身を隠す”建築を志向。“竪穴式住居”から着想を得た断面構成として活動をサポートする諸機能を収めるメインヤード、エントランス側からホールを見る。 photo©長谷川健太

會田倫久 / TAAOと日高海渡 / swarmによる、栃木・那須郡の「Mr.forest」。森の中にある“プライベートキャンプ施設”の計画。自然との対峙を後押しする存在を求め、できるだけ小さく“身を隠す”建築を志向。“竪穴式住居”から着想を得た断面構成として活動をサポートする諸機能を収めるメインヤード、ホール、西側シャワー室とトイレへのドアを見る。 photo©長谷川健太

會田倫久 / TAAOと日高海渡 / swarmによる、栃木・那須郡の「Mr.forest」。森の中にある“プライベートキャンプ施設”の計画。自然との対峙を後押しする存在を求め、できるだけ小さく“身を隠す”建築を志向。“竪穴式住居”から着想を得た断面構成として活動をサポートする諸機能を収めるメインヤード、西側シャワー室 photo©長谷川健太

會田倫久 / TAAOと日高海渡 / swarmによる、栃木・那須郡の「Mr.forest」。森の中にある“プライベートキャンプ施設”の計画。自然との対峙を後押しする存在を求め、できるだけ小さく“身を隠す”建築を志向。“竪穴式住居”から着想を得た断面構成として活動をサポートする諸機能を収めるメインヤード、西側シャワー室 photo©長谷川健太

會田倫久 / TAAOと日高海渡 / swarmによる、栃木・那須郡の「Mr.forest」。森の中にある“プライベートキャンプ施設”の計画。自然との対峙を後押しする存在を求め、できるだけ小さく“身を隠す”建築を志向。“竪穴式住居”から着想を得た断面構成として活動をサポートする諸機能を収めるメインヤード、ホール photo©Mr.forest

會田倫久 / TAAOと日高海渡 / swarmによる、栃木・那須郡の「Mr.forest」。森の中にある“プライベートキャンプ施設”の計画。自然との対峙を後押しする存在を求め、できるだけ小さく“身を隠す”建築を志向。“竪穴式住居”から着想を得た断面構成として活動をサポートする諸機能を収めるメインヤード、東側シャワー室 photo©長谷川健太

會田倫久 / TAAOと日高海渡 / swarmによる、栃木・那須郡の「Mr.forest」。森の中にある“プライベートキャンプ施設”の計画。自然との対峙を後押しする存在を求め、できるだけ小さく“身を隠す”建築を志向。“竪穴式住居”から着想を得た断面構成として活動をサポートする諸機能を収めるメインヤード、東側シャワー室 photo©長谷川健太

會田倫久 / TAAOと日高海渡 / swarmによる、栃木・那須郡の「Mr.forest」。森の中にある“プライベートキャンプ施設”の計画。自然との対峙を後押しする存在を求め、できるだけ小さく“身を隠す”建築を志向。“竪穴式住居”から着想を得た断面構成として活動をサポートする諸機能を収めるメインヤード、横架材の取り合い photo©長谷川健太

會田倫久 / TAAOと日高海渡 / swarmによる、栃木・那須郡の「Mr.forest」。森の中にある“プライベートキャンプ施設”の計画。自然との対峙を後押しする存在を求め、できるだけ小さく“身を隠す”建築を志向。“竪穴式住居”から着想を得た断面構成として活動をサポートする諸機能を収めるメインヤード、ホールへの階段と手摺 photo©長谷川健太

會田倫久 / TAAOと日高海渡 / swarmによる、栃木・那須郡の「Mr.forest」。森の中にある“プライベートキャンプ施設”の計画。自然との対峙を後押しする存在を求め、できるだけ小さく“身を隠す”建築を志向。“竪穴式住居”から着想を得た断面構成として活動をサポートする諸機能を収めるメインヤード、ホールからエントランスを見る。 photo©長谷川健太

會田倫久 / TAAOと日高海渡 / swarmによる、栃木・那須郡の「Mr.forest」。森の中にある“プライベートキャンプ施設”の計画。自然との対峙を後押しする存在を求め、できるだけ小さく“身を隠す”建築を志向。“竪穴式住居”から着想を得た断面構成として活動をサポートする諸機能を収める外気浴エリアからメインヤードとバレスサウナを見る。 photo©長谷川健太

會田倫久 / TAAOと日高海渡 / swarmによる、栃木・那須郡の「Mr.forest」。森の中にある“プライベートキャンプ施設”の計画。自然との対峙を後押しする存在を求め、できるだけ小さく“身を隠す”建築を志向。“竪穴式住居”から着想を得た断面構成として活動をサポートする諸機能を収める冷水シャワー photo©長谷川健太

會田倫久 / TAAOと日高海渡 / swarmによる、栃木・那須郡の「Mr.forest」。森の中にある“プライベートキャンプ施設”の計画。自然との対峙を後押しする存在を求め、できるだけ小さく“身を隠す”建築を志向。“竪穴式住居”から着想を得た断面構成として活動をサポートする諸機能を収める外観、バレルサウナ、北西側より見る。 photo©長谷川健太

會田倫久 / TAAOと日高海渡 / swarmによる、栃木・那須郡の「Mr.forest」。森の中にある“プライベートキャンプ施設”の計画。自然との対峙を後押しする存在を求め、できるだけ小さく“身を隠す”建築を志向。“竪穴式住居”から着想を得た断面構成として活動をサポートする諸機能を収める外観、バレルサウナ、北東側より見る。 photo©Mr.forest

會田倫久 / TAAOと日高海渡 / swarmによる、栃木・那須郡の「Mr.forest」。森の中にある“プライベートキャンプ施設”の計画。自然との対峙を後押しする存在を求め、できるだけ小さく“身を隠す”建築を志向。“竪穴式住居”から着想を得た断面構成として活動をサポートする諸機能を収める外観、バレルサウナ、南西側より見る。 photo©Mr.forest

會田倫久 / TAAOと日高海渡 / swarmによる、栃木・那須郡の「Mr.forest」。森の中にある“プライベートキャンプ施設”の計画。自然との対峙を後押しする存在を求め、できるだけ小さく“身を隠す”建築を志向。“竪穴式住居”から着想を得た断面構成として活動をサポートする諸機能を収めるバレルサウナ、内部 photo©Mr.forest

會田倫久 / TAAOと日高海渡 / swarmによる、栃木・那須郡の「Mr.forest」。森の中にある“プライベートキャンプ施設”の計画。自然との対峙を後押しする存在を求め、できるだけ小さく“身を隠す”建築を志向。“竪穴式住居”から着想を得た断面構成として活動をサポートする諸機能を収めるバレルサウナ、内部 photo©Mr.forest

會田倫久 / TAAOと日高海渡 / swarmによる、栃木・那須郡の「Mr.forest」。森の中にある“プライベートキャンプ施設”の計画。自然との対峙を後押しする存在を求め、できるだけ小さく“身を隠す”建築を志向。“竪穴式住居”から着想を得た断面構成として活動をサポートする諸機能を収めるメインヤード、デッキから見る、夜景 photo©長谷川健太

會田倫久 / TAAOと日高海渡 / swarmによる、栃木・那須郡の「Mr.forest」。森の中にある“プライベートキャンプ施設”の計画。自然との対峙を後押しする存在を求め、できるだけ小さく“身を隠す”建築を志向。“竪穴式住居”から着想を得た断面構成として活動をサポートする諸機能を収めるメインヤード、デッキから開口部越しに内部を見る、夜景 photo©長谷川健太

會田倫久 / TAAOと日高海渡 / swarmによる、栃木・那須郡の「Mr.forest」。森の中にある“プライベートキャンプ施設”の計画。自然との対峙を後押しする存在を求め、できるだけ小さく“身を隠す”建築を志向。“竪穴式住居”から着想を得た断面構成として活動をサポートする諸機能を収めるメインヤード、デッキから開口部越しに内部を見る、夜景 photo©長谷川健太

會田倫久 / TAAOと日高海渡 / swarmによる、栃木・那須郡の「Mr.forest」。森の中にある“プライベートキャンプ施設”の計画。自然との対峙を後押しする存在を求め、できるだけ小さく“身を隠す”建築を志向。“竪穴式住居”から着想を得た断面構成として活動をサポートする諸機能を収めるメインヤード、ホールから西側シャワー室を見る、夜景 photo©長谷川健太

會田倫久 / TAAOと日高海渡 / swarmによる、栃木・那須郡の「Mr.forest」。森の中にある“プライベートキャンプ施設”の計画。自然との対峙を後押しする存在を求め、できるだけ小さく“身を隠す”建築を志向。“竪穴式住居”から着想を得た断面構成として活動をサポートする諸機能を収める平面図 image©TAAOとswarm

會田倫久 / TAAOと日高海渡 / swarmによる、栃木・那須郡の「Mr.forest」。森の中にある“プライベートキャンプ施設”の計画。自然との対峙を後押しする存在を求め、できるだけ小さく“身を隠す”建築を志向。“竪穴式住居”から着想を得た断面構成として活動をサポートする諸機能を収める断面図 image©TAAOとswarm

會田倫久 / TAAOと日高海渡 / swarmによる、栃木・那須郡の「Mr.forest」。森の中にある“プライベートキャンプ施設”の計画。自然との対峙を後押しする存在を求め、できるだけ小さく“身を隠す”建築を志向。“竪穴式住居”から着想を得た断面構成として活動をサポートする諸機能を収める断面図 image©TAAOとswarm
以下、建築家によるテキストです。
街の喧騒から離れ自然の環境に身を置き、そのワイルドネスを肌で感じながら非日常の時を過ごすことを醍醐味の一つとするアウトドアアクティビティにおいては、建築はできるだけ小さく身を隠し、自然と対峙する人の活動をおおらかに後押しする存在であるべきだ。
Mr.forestは、避暑地として有名な栃木県那須町にある1600㎡の森を1日1組限定で貸切にできるプライベートキャンプ施設である。
敷地北側は那須高原へとつづく町道に面しており、昼夜問わず車の往来がある。計画にあたり敷地で野営を行い環境特性を把握。敷地北側の小高い丘の上に道路を背負う形で建物を配置することを決め、建物から南に大きくデッキを張り出す構成としてキャンプのメインヤードとした。
敷地西側には山奥から流れこむ小さな水路があり、耳をすますと小川のせせらぎが聞こえてくる。デッキと少し離れた南西の小川沿いにバレルサウナを設置し、その脇の林を切り開き冷水シャワー、水風呂、外気浴のスペースを設けた。
建築の計画としては、初級者向けのキャンプサイトとなるメインデッキの他に、サポート機能として更衣室、シャワー室、トイレ、そして、デッキに面したアウトドアキッチンが必要とされた。上記機能をおさめる建築を考えるにあたり竪穴式住居に着想をえた断面構成とした。
寒冷地である那須エリアは凍結深度があることから地中深くへの基礎の根入れが必須となる。基礎の根入れに合わせて、FLをデッキ面から750mmほど下げることで地上のボリュームを小さく抑えつつ、厳しい自然環境から身を守る半地下の内部空間をつくり出した。
また、掘り込まれた基礎にかぶせる形で7寸勾配の片流れ屋根を架け、3寸だけ傾いた柱で大梁を支えることで、テントやタープなどに見られる初源的構造を想起させるおおらかな架構をもつ建築となった。
■建築概要
題名:Mr.forest
所在地:栃木県 那須郡 大字高久乙 伊藤3374-606
主用途:プライベートキャンプ場・サウナ
設計:TAAO 會田倫久+swarm Inc. 担当/會田倫久(TAAO)、日高海渡(swarm Inc. )
設計協力:高野建築設計事務所 担当/高野修一
施工:高野建設株式会社
構造設計:MAY設計事務所
構造:木造
階数:地上1階
敷地面積:1654㎡
建築面積:44.71㎡
延床面積:42.47㎡
設計:2021年9月~2022年4月
工事:2022年5月~2022年8月
竣工:2022年8月
写真:長谷川健太、Mr.forest