宇野享+良知康晴 / CAnによる、愛知・名古屋市の「焼肉 三國」。既存の2店舗を新築で統合する計画。面積の最大化に加えて将来の賃貸利用も想定し、視界が広がり複数の空間を確保できる“スキップフロア”の建築を考案。雰囲気の継承を意図して内装はラフで簡素な仕上げとする外観、南西側の交差点より見る。 photo©ToLoLo studio
宇野享+良知康晴 / CAnによる、愛知・名古屋市の「焼肉 三國」。既存の2店舗を新築で統合する計画。面積の最大化に加えて将来の賃貸利用も想定し、視界が広がり複数の空間を確保できる“スキップフロア”の建築を考案。雰囲気の継承を意図して内装はラフで簡素な仕上げとする1階、客席1から厨房1を見る。 photo©ToLoLo studio
宇野享+良知康晴 / CAnによる、愛知・名古屋市の「焼肉 三國」。既存の2店舗を新築で統合する計画。面積の最大化に加えて将来の賃貸利用も想定し、視界が広がり複数の空間を確保できる“スキップフロア”の建築を考案。雰囲気の継承を意図して内装はラフで簡素な仕上げとする2階、左:1階の客席1の吹抜、右:客席2 photo©ToLoLo studio
宇野享+良知康晴 / CAnによる、愛知・名古屋市の「焼肉 三國」。既存の2店舗を新築で統合する計画。面積の最大化に加えて将来の賃貸利用も想定し、視界が広がり複数の空間を確保できる“スキップフロア”の建築を考案。雰囲気の継承を意図して内装はラフで簡素な仕上げとする2階、左:客席3、右:客席2 photo©ToLoLo studio
宇野享+良知康晴 / CAnが設計した、愛知・名古屋市の「焼肉 三國」です。
既存の2店舗を新築で統合する計画です。建築家は、面積の最大化に加えて将来の賃貸利用も想定し、視界が広がり複数の空間を確保できる“スキップフロア”の建築を考案しました。そして、雰囲気の継承を意図して内装はラフで簡素な仕上げとしました。店舗の場所はこちら(Google Map)。
名古屋市大須の2階建て焼肉店舗。
同エリアにあるカジュアルな本店とアットホームなはなれの2店舗を1店舗にまとめる計画である。
店主が高齢化した将来、2階を賃貸にすることも視野に入れ、垂直動線を外部化した。大須には小さな店舗やオフィスユーザーが多い。これらの小さな経済を踏まえて、スキップフロアのレベル差を活かし、小さな2店舗に課すこともできるよう配慮した。2階トイレの外部化は屋上テラス客の利用だけでなく、複数店舗の共有トイレも見据えた提案である。
隣地と外壁の隙間を10cmとし、極小敷地で床面積を最大限確保する。外部階段の踊り場レベルを各層の床にしたスキップフロアのズレ(隙間)を通して、客席から斜め上や斜め下に視界が広がるような内部空間の最大化を試みた。敢えて、極小空間をスキップフロアにすることで領域を2分割し、客席相互の視線の交錯が少ない落ち着いた環境をつくりだしている。
三國の既存店舗は本店とハナレの2軒あり、共に昭和のレトロな雰囲気が残る心地よい空間である。新しい店舗にもその雰囲気を継承したいと考えた。2階建ての準耐火建築物(防火地域)として耐火被覆をなくし、化粧材を極力減らす。建築に手を加えすぎない素材を生かしたラフで簡素な小屋のように、懐かしくて新しい建築を実現しようと試みた。
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宇野享+良知康晴 / CAnによる、愛知・名古屋市の「焼肉 三國」。既存の2店舗を新築で統合する計画。面積の最大化に加えて将来の賃貸利用も想定し、視界が広がり複数の空間を確保できる“スキップフロア”の建築を考案。雰囲気の継承を意図して内装はラフで簡素な仕上げとする俯瞰、南西側より見下ろす。 photo©ToLoLo studio

宇野享+良知康晴 / CAnによる、愛知・名古屋市の「焼肉 三國」。既存の2店舗を新築で統合する計画。面積の最大化に加えて将来の賃貸利用も想定し、視界が広がり複数の空間を確保できる“スキップフロア”の建築を考案。雰囲気の継承を意図して内装はラフで簡素な仕上げとする外観、南側の道路より見る。 photo©ToLoLo studio

宇野享+良知康晴 / CAnによる、愛知・名古屋市の「焼肉 三國」。既存の2店舗を新築で統合する計画。面積の最大化に加えて将来の賃貸利用も想定し、視界が広がり複数の空間を確保できる“スキップフロア”の建築を考案。雰囲気の継承を意図して内装はラフで簡素な仕上げとする外観、南側の道路より見る。 photo©ToLoLo studio

宇野享+良知康晴 / CAnによる、愛知・名古屋市の「焼肉 三國」。既存の2店舗を新築で統合する計画。面積の最大化に加えて将来の賃貸利用も想定し、視界が広がり複数の空間を確保できる“スキップフロア”の建築を考案。雰囲気の継承を意図して内装はラフで簡素な仕上げとする外観、南西側の交差点より見る。 photo©ToLoLo studio

宇野享+良知康晴 / CAnによる、愛知・名古屋市の「焼肉 三國」。既存の2店舗を新築で統合する計画。面積の最大化に加えて将来の賃貸利用も想定し、視界が広がり複数の空間を確保できる“スキップフロア”の建築を考案。雰囲気の継承を意図して内装はラフで簡素な仕上げとする外観、西側の道路より見る。 photo©ToLoLo studio

宇野享+良知康晴 / CAnによる、愛知・名古屋市の「焼肉 三國」。既存の2店舗を新築で統合する計画。面積の最大化に加えて将来の賃貸利用も想定し、視界が広がり複数の空間を確保できる“スキップフロア”の建築を考案。雰囲気の継承を意図して内装はラフで簡素な仕上げとする1階、出入口から客席1を見る。 photo©ToLoLo studio

宇野享+良知康晴 / CAnによる、愛知・名古屋市の「焼肉 三國」。既存の2店舗を新築で統合する計画。面積の最大化に加えて将来の賃貸利用も想定し、視界が広がり複数の空間を確保できる“スキップフロア”の建築を考案。雰囲気の継承を意図して内装はラフで簡素な仕上げとする1階、客席1から厨房1を見る。 photo©ToLoLo studio

宇野享+良知康晴 / CAnによる、愛知・名古屋市の「焼肉 三國」。既存の2店舗を新築で統合する計画。面積の最大化に加えて将来の賃貸利用も想定し、視界が広がり複数の空間を確保できる“スキップフロア”の建築を考案。雰囲気の継承を意図して内装はラフで簡素な仕上げとする1階、客席1から出入口側を見る。 photo©ToLoLo studio

宇野享+良知康晴 / CAnによる、愛知・名古屋市の「焼肉 三國」。既存の2店舗を新築で統合する計画。面積の最大化に加えて将来の賃貸利用も想定し、視界が広がり複数の空間を確保できる“スキップフロア”の建築を考案。雰囲気の継承を意図して内装はラフで簡素な仕上げとする1階、厨房1から客席1を見る。 photo©ToLoLo studio

宇野享+良知康晴 / CAnによる、愛知・名古屋市の「焼肉 三國」。既存の2店舗を新築で統合する計画。面積の最大化に加えて将来の賃貸利用も想定し、視界が広がり複数の空間を確保できる“スキップフロア”の建築を考案。雰囲気の継承を意図して内装はラフで簡素な仕上げとする1階、壁の詳細 photo©ToLoLo studio

宇野享+良知康晴 / CAnによる、愛知・名古屋市の「焼肉 三國」。既存の2店舗を新築で統合する計画。面積の最大化に加えて将来の賃貸利用も想定し、視界が広がり複数の空間を確保できる“スキップフロア”の建築を考案。雰囲気の継承を意図して内装はラフで簡素な仕上げとする1階から2階への外部階段 photo©ToLoLo studio

宇野享+良知康晴 / CAnによる、愛知・名古屋市の「焼肉 三國」。既存の2店舗を新築で統合する計画。面積の最大化に加えて将来の賃貸利用も想定し、視界が広がり複数の空間を確保できる“スキップフロア”の建築を考案。雰囲気の継承を意図して内装はラフで簡素な仕上げとする2階、客席2から厨房2側を見る。 photo©ToLoLo studio

宇野享+良知康晴 / CAnによる、愛知・名古屋市の「焼肉 三國」。既存の2店舗を新築で統合する計画。面積の最大化に加えて将来の賃貸利用も想定し、視界が広がり複数の空間を確保できる“スキップフロア”の建築を考案。雰囲気の継承を意図して内装はラフで簡素な仕上げとする2階、左:1階の客席1の吹抜、右:客席2 photo©ToLoLo studio

宇野享+良知康晴 / CAnによる、愛知・名古屋市の「焼肉 三國」。既存の2店舗を新築で統合する計画。面積の最大化に加えて将来の賃貸利用も想定し、視界が広がり複数の空間を確保できる“スキップフロア”の建築を考案。雰囲気の継承を意図して内装はラフで簡素な仕上げとする2階、客席2から客席3を見る。 photo©ToLoLo studio

宇野享+良知康晴 / CAnによる、愛知・名古屋市の「焼肉 三國」。既存の2店舗を新築で統合する計画。面積の最大化に加えて将来の賃貸利用も想定し、視界が広がり複数の空間を確保できる“スキップフロア”の建築を考案。雰囲気の継承を意図して内装はラフで簡素な仕上げとする2階、左:客席3、右:客席2 photo©ToLoLo studio

宇野享+良知康晴 / CAnによる、愛知・名古屋市の「焼肉 三國」。既存の2店舗を新築で統合する計画。面積の最大化に加えて将来の賃貸利用も想定し、視界が広がり複数の空間を確保できる“スキップフロア”の建築を考案。雰囲気の継承を意図して内装はラフで簡素な仕上げとする2階から屋上階への外部階段 photo©ToLoLo studio

宇野享+良知康晴 / CAnによる、愛知・名古屋市の「焼肉 三國」。既存の2店舗を新築で統合する計画。面積の最大化に加えて将来の賃貸利用も想定し、視界が広がり複数の空間を確保できる“スキップフロア”の建築を考案。雰囲気の継承を意図して内装はラフで簡素な仕上げとする屋上階、屋上1から屋上2を見る。 photo©ToLoLo studio

宇野享+良知康晴 / CAnによる、愛知・名古屋市の「焼肉 三國」。既存の2店舗を新築で統合する計画。面積の最大化に加えて将来の賃貸利用も想定し、視界が広がり複数の空間を確保できる“スキップフロア”の建築を考案。雰囲気の継承を意図して内装はラフで簡素な仕上げとする屋上階、屋上2 photo©ToLoLo studio

宇野享+良知康晴 / CAnによる、愛知・名古屋市の「焼肉 三國」。既存の2店舗を新築で統合する計画。面積の最大化に加えて将来の賃貸利用も想定し、視界が広がり複数の空間を確保できる“スキップフロア”の建築を考案。雰囲気の継承を意図して内装はラフで簡素な仕上げとする屋上階、左:屋上2、右:屋上1 photo©ToLoLo studio

宇野享+良知康晴 / CAnによる、愛知・名古屋市の「焼肉 三國」。既存の2店舗を新築で統合する計画。面積の最大化に加えて将来の賃貸利用も想定し、視界が広がり複数の空間を確保できる“スキップフロア”の建築を考案。雰囲気の継承を意図して内装はラフで簡素な仕上げとする外観、南側の道路より見る。夜景 photo©ToLoLo studio

宇野享+良知康晴 / CAnによる、愛知・名古屋市の「焼肉 三國」。既存の2店舗を新築で統合する計画。面積の最大化に加えて将来の賃貸利用も想定し、視界が広がり複数の空間を確保できる“スキップフロア”の建築を考案。雰囲気の継承を意図して内装はラフで簡素な仕上げとする外観、南側の道路より見る。夜景 photo©ToLoLo studio

宇野享+良知康晴 / CAnによる、愛知・名古屋市の「焼肉 三國」。既存の2店舗を新築で統合する計画。面積の最大化に加えて将来の賃貸利用も想定し、視界が広がり複数の空間を確保できる“スキップフロア”の建築を考案。雰囲気の継承を意図して内装はラフで簡素な仕上げとする外観、南西側の交差点より見る。夜景 photo©ToLoLo studio

宇野享+良知康晴 / CAnによる、愛知・名古屋市の「焼肉 三國」。既存の2店舗を新築で統合する計画。面積の最大化に加えて将来の賃貸利用も想定し、視界が広がり複数の空間を確保できる“スキップフロア”の建築を考案。雰囲気の継承を意図して内装はラフで簡素な仕上げとする外観、西側の道路より見る。夜景 photo©ToLoLo studio

宇野享+良知康晴 / CAnによる、愛知・名古屋市の「焼肉 三國」。既存の2店舗を新築で統合する計画。面積の最大化に加えて将来の賃貸利用も想定し、視界が広がり複数の空間を確保できる“スキップフロア”の建築を考案。雰囲気の継承を意図して内装はラフで簡素な仕上げとする外観、南側の道路より外部階段と出入口を見る。夜景 photo©ToLoLo studio

宇野享+良知康晴 / CAnによる、愛知・名古屋市の「焼肉 三國」。既存の2店舗を新築で統合する計画。面積の最大化に加えて将来の賃貸利用も想定し、視界が広がり複数の空間を確保できる“スキップフロア”の建築を考案。雰囲気の継承を意図して内装はラフで簡素な仕上げとする1階、客席1から厨房1を見る。 photo©ToLoLo studio

宇野享+良知康晴 / CAnによる、愛知・名古屋市の「焼肉 三國」。既存の2店舗を新築で統合する計画。面積の最大化に加えて将来の賃貸利用も想定し、視界が広がり複数の空間を確保できる“スキップフロア”の建築を考案。雰囲気の継承を意図して内装はラフで簡素な仕上げとする1階、客席1から厨房1を見る。夜景 photo©ToLoLo studio

宇野享+良知康晴 / CAnによる、愛知・名古屋市の「焼肉 三國」。既存の2店舗を新築で統合する計画。面積の最大化に加えて将来の賃貸利用も想定し、視界が広がり複数の空間を確保できる“スキップフロア”の建築を考案。雰囲気の継承を意図して内装はラフで簡素な仕上げとする2階、左:客席3、右:客席2。夜景 photo©ToLoLo studio

宇野享+良知康晴 / CAnによる、愛知・名古屋市の「焼肉 三國」。既存の2店舗を新築で統合する計画。面積の最大化に加えて将来の賃貸利用も想定し、視界が広がり複数の空間を確保できる“スキップフロア”の建築を考案。雰囲気の継承を意図して内装はラフで簡素な仕上げとする2階、左:客席3、右:客席2。夜景 photo©ToLoLo studio

宇野享+良知康晴 / CAnによる、愛知・名古屋市の「焼肉 三國」。既存の2店舗を新築で統合する計画。面積の最大化に加えて将来の賃貸利用も想定し、視界が広がり複数の空間を確保できる“スキップフロア”の建築を考案。雰囲気の継承を意図して内装はラフで簡素な仕上げとする2階、客席3。夜景 photo©ToLoLo studio

宇野享+良知康晴 / CAnによる、愛知・名古屋市の「焼肉 三國」。既存の2店舗を新築で統合する計画。面積の最大化に加えて将来の賃貸利用も想定し、視界が広がり複数の空間を確保できる“スキップフロア”の建築を考案。雰囲気の継承を意図して内装はラフで簡素な仕上げとする2階、客席3、夜景 photo©ToLoLo studio

宇野享+良知康晴 / CAnによる、愛知・名古屋市の「焼肉 三國」。既存の2店舗を新築で統合する計画。面積の最大化に加えて将来の賃貸利用も想定し、視界が広がり複数の空間を確保できる“スキップフロア”の建築を考案。雰囲気の継承を意図して内装はラフで簡素な仕上げとする1階平面図 image©CAn

宇野享+良知康晴 / CAnによる、愛知・名古屋市の「焼肉 三國」。既存の2店舗を新築で統合する計画。面積の最大化に加えて将来の賃貸利用も想定し、視界が広がり複数の空間を確保できる“スキップフロア”の建築を考案。雰囲気の継承を意図して内装はラフで簡素な仕上げとする2階平面図 image©CAn

宇野享+良知康晴 / CAnによる、愛知・名古屋市の「焼肉 三國」。既存の2店舗を新築で統合する計画。面積の最大化に加えて将来の賃貸利用も想定し、視界が広がり複数の空間を確保できる“スキップフロア”の建築を考案。雰囲気の継承を意図して内装はラフで簡素な仕上げとする屋上階平面図 image©CAn

宇野享+良知康晴 / CAnによる、愛知・名古屋市の「焼肉 三國」。既存の2店舗を新築で統合する計画。面積の最大化に加えて将来の賃貸利用も想定し、視界が広がり複数の空間を確保できる“スキップフロア”の建築を考案。雰囲気の継承を意図して内装はラフで簡素な仕上げとするアクソノメトリック、断面図 image©CAn
以下、建築家によるテキストです。
名古屋市大須の2階建て焼肉店舗。
同エリアにあるカジュアルな本店とアットホームなはなれの2店舗を1店舗にまとめる計画である。
小さな経済に配慮した時間のデザイン
店主が高齢化した将来、2階を賃貸にすることも視野に入れ、垂直動線を外部化した。大須には小さな店舗やオフィスユーザーが多い。これらの小さな経済を踏まえて、スキップフロアのレベル差を活かし、小さな2店舗に貸すこともできるよう配慮した。2階トイレの外部化は屋上テラス客の利用だけでなく、複数店舗の共有トイレも見据えた提案である。
人を引き込むスリット
大須は庶民的なコミュニティが色濃く残る場所でありながら、新参者が溶け込みやすい稀有な街である。庶民的だけど大人の隠れ家的な焼肉店だった「三國」は、外部からの視線を嫌う客層も多い。スキップフロアのズレ(隙間)を生かしたスリット状の窓から、賑わう気配や店内の雰囲気が伝わり、人々を誘い込むような表情だけを建築に与えた。
極小敷地の内部空間を最大化
隣地と外壁の隙間を10cmとし、極小敷地で床面積を最大限確保する。外部階段の踊り場レベルを各層の床にしたスキップフロアのズレ(隙間)を通して、客席から斜め上や斜め下に視界が広がるような内部空間の最大化を試みた。敢えて、極小空間をスキップフロアにすることで領域を2分割し、客席相互の視線の交錯が少ない落ち着いた環境をつくりだしている。
稼働率を高める6つの客席
スキップフロアの断面構成が各階の上下移動をコンパクト化し、店舗全体の一体感と階ごとに差別化した客席を両立させる。各階客席の性格を6つに分けて、様々なシチュエーションでの選択肢を増やし顧客ニーズにこたえ、店舗全体の稼働率を高める。
手を加えすぎない(手数の少ない)ラフな小屋
三國の既存店舗は本店とハナレの2軒あり、共に昭和のレトロな雰囲気が残る心地よい空間である。新しい店舗にもその雰囲気を継承したいと考えた。2階建ての準耐火建築物(防火地域)として耐火被覆をなくし、化粧材を極力減らす。建築に手を加えすぎない素材を生かしたラフで簡素な小屋のように、懐かしくて新しい建築を実現しようと試みた。
流動的で新鮮な空気のデザイン
自然換気による感染症対策を徹底する。1階は対角線上に窓を設け、客席に澱んだ空気が滞留しないよう配慮した。また、スキップフロアの隙間を通して、重力換気できる高窓を設けた。自然換気のできる窓は感染症対策の面で、視覚的にも来客に安心感をもたらす。
■建築概要
題名:焼肉 三國
所在地:愛知県名古屋市中区大須
主用途:店舗
設計:CAn 担当/宇野享、良知康晴、井出輝峰
施工:株式会社アクシス
構造:藤尾建築構造設計事務所 担当/藤尾篤、熊谷真伍(元所員)
構造:鉄骨造
階数:地上2階
敷地面積:44.29㎡
建築面積:35.43㎡
延床面積:68.32㎡
設計:2021年2月~2022年4月
工事:2022年5月~2022年11月
竣工:2022年11月
写真:ToLoLo studio