Rebbon Architectsによる、群馬・嬬恋村の「軽井沢七生子邸」。三世代が使ってきた別荘が対象。家族の歩みに寄添う“緩やかな変化での継承”を求め、まず既存に“離れ”を増築する“段階的な更新”計画を考案。適度な距離感と自由を保てる“入れ子”状の建築を追加する外観、南東側より見る。 photo©田中克昌
Rebbon Architectsによる、群馬・嬬恋村の「軽井沢七生子邸」。三世代が使ってきた別荘が対象。家族の歩みに寄添う“緩やかな変化での継承”を求め、まず既存に“離れ”を増築する“段階的な更新”計画を考案。適度な距離感と自由を保てる“入れ子”状の建築を追加する1階、リビングから開口部越しに外部を見る。 photo©田中克昌
Rebbon Architectsによる、群馬・嬬恋村の「軽井沢七生子邸」。三世代が使ってきた別荘が対象。家族の歩みに寄添う“緩やかな変化での継承”を求め、まず既存に“離れ”を増築する“段階的な更新”計画を考案。適度な距離感と自由を保てる“入れ子”状の建築を追加する1階、リビング photo©田中克昌
Rebbon Architectsによる、群馬・嬬恋村の「軽井沢七生子邸」。三世代が使ってきた別荘が対象。家族の歩みに寄添う“緩やかな変化での継承”を求め、まず既存に“離れ”を増築する“段階的な更新”計画を考案。適度な距離感と自由を保てる“入れ子”状の建築を追加する2階、踊り場からベッドスペースを見る。 photo©田中克昌
Rebbon Architectsが設計した、群馬・嬬恋村の「軽井沢七生子邸」です。
三世代が使ってきた別荘を対象としたプロジェクトです。建築家は、家族の歩みに寄添う“緩やかな変化での継承”を求め、まず既存に“離れ”を増築する“段階的な更新”計画を考案しました。そして、適度な距離感と自由を保てる“入れ子”状の建築を追加しました。
本計画は、三世代にわたって使われてきた軽井沢の別荘の建て替えプロジェクトである。
築50年以上を経た既存建物は、修繕を重ねながら家族の記憶を紡いできた場であったが、家族構成や過ごし方の変化により、複数世代が快適に過ごすには難しさも生じていた。
日本の住宅が30~50年で建て替えられるのが一般的である一方で、本計画では、家族の記憶が刻まれた「母屋」の存在を損なうことなく、まず「離れ」を増築し、段階的な更新を図る計画とした。
「離れ」は一部に2階を内包するシンプルなワンルームで、前庭に向かって南側全面に多角形の開口部を設けることで、光と風、周囲のコンテクストを豊かに内部に取り込む。
2階部分は建物の外郭から少し浮いたように配置され、空間の中に「入れ子」的に挿入されている。これは単なる間仕切りとしての「カベ」ではなく、空間に奥行きや余白を与える「ハコ」として設計されており、空間全体の一室性を保ちながら、領域を緩やかに分ける仕掛けとなっている。
この「入れ子」という空間構成は、別荘という非日常の場において、世代やライフスタイルの異なる家族が一つの空間を共有しながらも、適度な距離感と自由を保てるよう意図されている。
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Rebbon Architectsによる、群馬・嬬恋村の「軽井沢七生子邸」。三世代が使ってきた別荘が対象。家族の歩みに寄添う“緩やかな変化での継承”を求め、まず既存に“離れ”を増築する“段階的な更新”計画を考案。適度な距離感と自由を保てる“入れ子”状の建築を追加する外観、南東側より見る。 photo©田中克昌

Rebbon Architectsによる、群馬・嬬恋村の「軽井沢七生子邸」。三世代が使ってきた別荘が対象。家族の歩みに寄添う“緩やかな変化での継承”を求め、まず既存に“離れ”を増築する“段階的な更新”計画を考案。適度な距離感と自由を保てる“入れ子”状の建築を追加する外観、南東側より見る。 photo©田中克昌

Rebbon Architectsによる、群馬・嬬恋村の「軽井沢七生子邸」。三世代が使ってきた別荘が対象。家族の歩みに寄添う“緩やかな変化での継承”を求め、まず既存に“離れ”を増築する“段階的な更新”計画を考案。適度な距離感と自由を保てる“入れ子”状の建築を追加する外観、開口部越しにリビングを見る。 photo©田中克昌

Rebbon Architectsによる、群馬・嬬恋村の「軽井沢七生子邸」。三世代が使ってきた別荘が対象。家族の歩みに寄添う“緩やかな変化での継承”を求め、まず既存に“離れ”を増築する“段階的な更新”計画を考案。適度な距離感と自由を保てる“入れ子”状の建築を追加する1階、母屋との接続廊下側から、廊下と2階への階段を見る。 photo©田中克昌

Rebbon Architectsによる、群馬・嬬恋村の「軽井沢七生子邸」。三世代が使ってきた別荘が対象。家族の歩みに寄添う“緩やかな変化での継承”を求め、まず既存に“離れ”を増築する“段階的な更新”計画を考案。適度な距離感と自由を保てる“入れ子”状の建築を追加する1階、廊下側からリビングを見る。 photo©田中克昌

Rebbon Architectsによる、群馬・嬬恋村の「軽井沢七生子邸」。三世代が使ってきた別荘が対象。家族の歩みに寄添う“緩やかな変化での継承”を求め、まず既存に“離れ”を増築する“段階的な更新”計画を考案。適度な距離感と自由を保てる“入れ子”状の建築を追加する1階、リビング photo©田中克昌

Rebbon Architectsによる、群馬・嬬恋村の「軽井沢七生子邸」。三世代が使ってきた別荘が対象。家族の歩みに寄添う“緩やかな変化での継承”を求め、まず既存に“離れ”を増築する“段階的な更新”計画を考案。適度な距離感と自由を保てる“入れ子”状の建築を追加する1階、リビングから開口部越しに外部を見る。 photo©田中克昌

Rebbon Architectsによる、群馬・嬬恋村の「軽井沢七生子邸」。三世代が使ってきた別荘が対象。家族の歩みに寄添う“緩やかな変化での継承”を求め、まず既存に“離れ”を増築する“段階的な更新”計画を考案。適度な距離感と自由を保てる“入れ子”状の建築を追加する1階、リビング、造り付の家具 photo©田中克昌

Rebbon Architectsによる、群馬・嬬恋村の「軽井沢七生子邸」。三世代が使ってきた別荘が対象。家族の歩みに寄添う“緩やかな変化での継承”を求め、まず既存に“離れ”を増築する“段階的な更新”計画を考案。適度な距離感と自由を保てる“入れ子”状の建築を追加する1階、リビング photo©田中克昌

Rebbon Architectsによる、群馬・嬬恋村の「軽井沢七生子邸」。三世代が使ってきた別荘が対象。家族の歩みに寄添う“緩やかな変化での継承”を求め、まず既存に“離れ”を増築する“段階的な更新”計画を考案。適度な距離感と自由を保てる“入れ子”状の建築を追加する1階、リビングからトイレ側を見る。 photo©田中克昌

Rebbon Architectsによる、群馬・嬬恋村の「軽井沢七生子邸」。三世代が使ってきた別荘が対象。家族の歩みに寄添う“緩やかな変化での継承”を求め、まず既存に“離れ”を増築する“段階的な更新”計画を考案。適度な距離感と自由を保てる“入れ子”状の建築を追加する1階、リビングから2階への階段側を見る。 photo©田中克昌

Rebbon Architectsによる、群馬・嬬恋村の「軽井沢七生子邸」。三世代が使ってきた別荘が対象。家族の歩みに寄添う“緩やかな変化での継承”を求め、まず既存に“離れ”を増築する“段階的な更新”計画を考案。適度な距離感と自由を保てる“入れ子”状の建築を追加する2階、踊り場からベッドスペースを見る。 photo©田中克昌

Rebbon Architectsによる、群馬・嬬恋村の「軽井沢七生子邸」。三世代が使ってきた別荘が対象。家族の歩みに寄添う“緩やかな変化での継承”を求め、まず既存に“離れ”を増築する“段階的な更新”計画を考案。適度な距離感と自由を保てる“入れ子”状の建築を追加する2階、ベッドスペースから1階のリビングを見下ろす。 photo©田中克昌

Rebbon Architectsによる、群馬・嬬恋村の「軽井沢七生子邸」。三世代が使ってきた別荘が対象。家族の歩みに寄添う“緩やかな変化での継承”を求め、まず既存に“離れ”を増築する“段階的な更新”計画を考案。適度な距離感と自由を保てる“入れ子”状の建築を追加する2階、ベッドスペースから1階への階段側を見る。 photo©田中克昌

Rebbon Architectsによる、群馬・嬬恋村の「軽井沢七生子邸」。三世代が使ってきた別荘が対象。家族の歩みに寄添う“緩やかな変化での継承”を求め、まず既存に“離れ”を増築する“段階的な更新”計画を考案。適度な距離感と自由を保てる“入れ子”状の建築を追加する2階、1階を見下ろす。 photo©田中克昌

Rebbon Architectsによる、群馬・嬬恋村の「軽井沢七生子邸」。三世代が使ってきた別荘が対象。家族の歩みに寄添う“緩やかな変化での継承”を求め、まず既存に“離れ”を増築する“段階的な更新”計画を考案。適度な距離感と自由を保てる“入れ子”状の建築を追加する1階平面図 image©Rebbon Architects

Rebbon Architectsによる、群馬・嬬恋村の「軽井沢七生子邸」。三世代が使ってきた別荘が対象。家族の歩みに寄添う“緩やかな変化での継承”を求め、まず既存に“離れ”を増築する“段階的な更新”計画を考案。適度な距離感と自由を保てる“入れ子”状の建築を追加する2階平面図 image©Rebbon Architects

Rebbon Architectsによる、群馬・嬬恋村の「軽井沢七生子邸」。三世代が使ってきた別荘が対象。家族の歩みに寄添う“緩やかな変化での継承”を求め、まず既存に“離れ”を増築する“段階的な更新”計画を考案。適度な距離感と自由を保てる“入れ子”状の建築を追加する断面図 image©Rebbon Architects

Rebbon Architectsによる、群馬・嬬恋村の「軽井沢七生子邸」。三世代が使ってきた別荘が対象。家族の歩みに寄添う“緩やかな変化での継承”を求め、まず既存に“離れ”を増築する“段階的な更新”計画を考案。適度な距離感と自由を保てる“入れ子”状の建築を追加する模型 image©Rebbon Architects
以下、建築家によるテキストです。
変化する家族とともに、記憶を継承しながら更新していく小さな「入れ子」の別荘
本計画は、三世代にわたって使われてきた軽井沢の別荘の建て替えプロジェクトである。
築50年以上を経た既存建物は、修繕を重ねながら家族の記憶を紡いできた場であったが、家族構成や過ごし方の変化により、複数世代が快適に過ごすには難しさも生じていた。
日本の住宅が30~50年で建て替えられるのが一般的である一方で、本計画では、家族の記憶が刻まれた「母屋」の存在を損なうことなく、まず「離れ」を増築し、段階的な更新を図る計画とした。
「離れ」は一部に2階を内包するシンプルなワンルームで、前庭に向かって南側全面に多角形の開口部を設けることで、光と風、周囲のコンテクストを豊かに内部に取り込む。
2階部分は建物の外郭から少し浮いたように配置され、空間の中に「入れ子」的に挿入されている。これは単なる間仕切りとしての「カベ」ではなく、空間に奥行きや余白を与える「ハコ」として設計されており、空間全体の一室性を保ちながら、領域を緩やかに分ける仕掛けとなっている。
この「入れ子」という空間構成は、別荘という非日常の場において、世代やライフスタイルの異なる家族が一つの空間を共有しながらも、適度な距離感と自由を保てるよう意図されている。
今後は「母屋」も段階的に改修または建て替えを予定しており、「母屋」と「離れ」は構造的に独立させることで、柔軟に対応できる計画としている。家族の歩みとともに、住まいも緩やかに変化しながら継承されていく──「住み継ぐ」ことの可能性を探るプロジェクトである。
■建築概要
題名:軽井沢七生子邸
所在地:群馬県吾妻郡嬬恋村
主用途:別荘
設計:Rebbon Architects(旧 Endo Kikuchi Design) 担当/平野奈々子、菊地豊栄
協力:ARSTR(構造) 担当/富岡庸平
施工:株式会社野口工務店
構造:木造
階数:地上2階
敷地面積:892.81㎡
建築面積:31,66㎡
延床面積:40.66㎡
設計:2023年6月~2023年12月
工事:2024年4月~2024年9月
竣工:2024年9月
写真:田中克昌