川嶋洋平建築設計事務所による、沖縄・宮古島市の集合住宅「T_student dormitory」。海外や県外の生徒を受け入れる大学寮。様々な交流を促す存在を目指し、プライベートとパブリックの空間の“距離感”に重点を置く計画を志向。各階の中央に様々な機能を持つ“コモンスペース”を配置する構成を考案外観、南西側より見る。 photo©Koji Fujii TOREAL
川嶋洋平建築設計事務所による、沖縄・宮古島市の集合住宅「T_student dormitory」。海外や県外の生徒を受け入れる大学寮。様々な交流を促す存在を目指し、プライベートとパブリックの空間の“距離感”に重点を置く計画を志向。各階の中央に様々な機能を持つ“コモンスペース”を配置する構成を考案2階、廊下から中庭を見る。 photo©Koji Fujii TOREAL
川嶋洋平建築設計事務所による、沖縄・宮古島市の集合住宅「T_student dormitory」。海外や県外の生徒を受け入れる大学寮。様々な交流を促す存在を目指し、プライベートとパブリックの空間の“距離感”に重点を置く計画を志向。各階の中央に様々な機能を持つ“コモンスペース”を配置する構成を考案2階、「コモンスペース2」 photo©Koji Fujii TOREAL
川嶋洋平建築設計事務所による、沖縄・宮古島市の集合住宅「T_student dormitory」。海外や県外の生徒を受け入れる大学寮。様々な交流を促す存在を目指し、プライベートとパブリックの空間の“距離感”に重点を置く計画を志向。各階の中央に様々な機能を持つ“コモンスペース”を配置する構成を考案2階、共用廊下から「コモンスペース2」を見る。夜景 photo©Koji Fujii TOREAL
川嶋洋平建築設計事務所が設計した、沖縄・宮古島市の集合住宅「T_student dormitory」です。
海外や県外の生徒を受け入れる大学寮です。建築家は、様々な交流を促す存在を目指し、プライベートとパブリックの空間の“距離感”に重点を置く計画を志向しました。そして、各階の中央に様々な機能を持つ“コモンスペース”を配置する構成を考案しました。
沖縄県宮古島市に設計した地上3階建て、全127室の大学寮の計画です。
新たな学部を開設する大学であり、県外はもちろん海外からの生徒も受け入れる想定として、生徒同士の様々なコミュニケーションを促すような大学寮を求められました。
敷地は校舎として利用される以前廃校になった中学校と隣接する、周辺が開けた環境でした。本計画では寮室としてのプライバシー空間とコミュニケーションが生まれるようなパブリック空間の距離感を主に検討しています。
建物の計画としては、周辺からのセキュリティを考慮し、敷地四方にプライバシーを確保した寮室を配置し、中央に地元の植栽を配した大きな中庭、コモンスペースと称したパブリックスペースを配置しました。
コモンスペースには各階ごとに共有キッチンルーム、共有スタディルーム、共有リビングを計画しています。寮室を13.5㎡程度の最小限の個室とし、コモンスペースをLDKとすることで建物全体を自由に行き来するような計画としました。
また閉鎖的にならないように外部の共用廊下は要所で鉄骨柱を採用し、壁量を抑えることで風が通り、視線が抜けるように計画しています。風が抜け、季節、時間と共に表情を変える中庭が、人の気配のするコモンスペースと寮室のプライバシー空間を程よい距離感を作ってくれればと思います。
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川嶋洋平建築設計事務所による、沖縄・宮古島市の集合住宅「T_student dormitory」。海外や県外の生徒を受け入れる大学寮。様々な交流を促す存在を目指し、プライベートとパブリックの空間の“距離感”に重点を置く計画を志向。各階の中央に様々な機能を持つ“コモンスペース”を配置する構成を考案外観、南西側より見る。 photo©Koji Fujii TOREAL

川嶋洋平建築設計事務所による、沖縄・宮古島市の集合住宅「T_student dormitory」。海外や県外の生徒を受け入れる大学寮。様々な交流を促す存在を目指し、プライベートとパブリックの空間の“距離感”に重点を置く計画を志向。各階の中央に様々な機能を持つ“コモンスペース”を配置する構成を考案外観、敷地内の北西側よりエントランス側を見る。 photo©Koji Fujii TOREAL

川嶋洋平建築設計事務所による、沖縄・宮古島市の集合住宅「T_student dormitory」。海外や県外の生徒を受け入れる大学寮。様々な交流を促す存在を目指し、プライベートとパブリックの空間の“距離感”に重点を置く計画を志向。各階の中央に様々な機能を持つ“コモンスペース”を配置する構成を考案1階、共用廊下から中庭を見る。 photo©Koji Fujii TOREAL

川嶋洋平建築設計事務所による、沖縄・宮古島市の集合住宅「T_student dormitory」。海外や県外の生徒を受け入れる大学寮。様々な交流を促す存在を目指し、プライベートとパブリックの空間の“距離感”に重点を置く計画を志向。各階の中央に様々な機能を持つ“コモンスペース”を配置する構成を考案1階、中庭 photo©Koji Fujii TOREAL

川嶋洋平建築設計事務所による、沖縄・宮古島市の集合住宅「T_student dormitory」。海外や県外の生徒を受け入れる大学寮。様々な交流を促す存在を目指し、プライベートとパブリックの空間の“距離感”に重点を置く計画を志向。各階の中央に様々な機能を持つ“コモンスペース”を配置する構成を考案中庭から「コモンスペース2」を見上げる。 photo©Koji Fujii TOREAL

川嶋洋平建築設計事務所による、沖縄・宮古島市の集合住宅「T_student dormitory」。海外や県外の生徒を受け入れる大学寮。様々な交流を促す存在を目指し、プライベートとパブリックの空間の“距離感”に重点を置く計画を志向。各階の中央に様々な機能を持つ“コモンスペース”を配置する構成を考案2階、廊下から中庭を見る。 photo©Koji Fujii TOREAL

川嶋洋平建築設計事務所による、沖縄・宮古島市の集合住宅「T_student dormitory」。海外や県外の生徒を受け入れる大学寮。様々な交流を促す存在を目指し、プライベートとパブリックの空間の“距離感”に重点を置く計画を志向。各階の中央に様々な機能を持つ“コモンスペース”を配置する構成を考案2階、「コモンスペース2」 photo©Koji Fujii TOREAL

川嶋洋平建築設計事務所による、沖縄・宮古島市の集合住宅「T_student dormitory」。海外や県外の生徒を受け入れる大学寮。様々な交流を促す存在を目指し、プライベートとパブリックの空間の“距離感”に重点を置く計画を志向。各階の中央に様々な機能を持つ“コモンスペース”を配置する構成を考案3階、共用廊下から中庭側を見る。 photo©Koji Fujii TOREAL

川嶋洋平建築設計事務所による、沖縄・宮古島市の集合住宅「T_student dormitory」。海外や県外の生徒を受け入れる大学寮。様々な交流を促す存在を目指し、プライベートとパブリックの空間の“距離感”に重点を置く計画を志向。各階の中央に様々な機能を持つ“コモンスペース”を配置する構成を考案俯瞰、中庭上空から見下ろす。 photo©Koji Fujii TOREAL

川嶋洋平建築設計事務所による、沖縄・宮古島市の集合住宅「T_student dormitory」。海外や県外の生徒を受け入れる大学寮。様々な交流を促す存在を目指し、プライベートとパブリックの空間の“距離感”に重点を置く計画を志向。各階の中央に様々な機能を持つ“コモンスペース”を配置する構成を考案1階、廊下から中庭を見る。夕景 photo©Koji Fujii TOREAL

川嶋洋平建築設計事務所による、沖縄・宮古島市の集合住宅「T_student dormitory」。海外や県外の生徒を受け入れる大学寮。様々な交流を促す存在を目指し、プライベートとパブリックの空間の“距離感”に重点を置く計画を志向。各階の中央に様々な機能を持つ“コモンスペース”を配置する構成を考案1階、廊下から中庭を見る。夕景 photo©Koji Fujii TOREAL

川嶋洋平建築設計事務所による、沖縄・宮古島市の集合住宅「T_student dormitory」。海外や県外の生徒を受け入れる大学寮。様々な交流を促す存在を目指し、プライベートとパブリックの空間の“距離感”に重点を置く計画を志向。各階の中央に様々な機能を持つ“コモンスペース”を配置する構成を考案1階、中庭。夕景 photo©Koji Fujii TOREAL

川嶋洋平建築設計事務所による、沖縄・宮古島市の集合住宅「T_student dormitory」。海外や県外の生徒を受け入れる大学寮。様々な交流を促す存在を目指し、プライベートとパブリックの空間の“距離感”に重点を置く計画を志向。各階の中央に様々な機能を持つ“コモンスペース”を配置する構成を考案2階、共用廊下から中庭越しに「コモンスペース」側を見る。夕景 photo©Koji Fujii TOREAL

川嶋洋平建築設計事務所による、沖縄・宮古島市の集合住宅「T_student dormitory」。海外や県外の生徒を受け入れる大学寮。様々な交流を促す存在を目指し、プライベートとパブリックの空間の“距離感”に重点を置く計画を志向。各階の中央に様々な機能を持つ“コモンスペース”を配置する構成を考案2階、共用廊下から中庭と「湖面スペース2」を見る。夕景 photo©Koji Fujii TOREAL

川嶋洋平建築設計事務所による、沖縄・宮古島市の集合住宅「T_student dormitory」。海外や県外の生徒を受け入れる大学寮。様々な交流を促す存在を目指し、プライベートとパブリックの空間の“距離感”に重点を置く計画を志向。各階の中央に様々な機能を持つ“コモンスペース”を配置する構成を考案2階、共用廊下から「コモンスペース2」を見る。夜景 photo©Koji Fujii TOREAL

川嶋洋平建築設計事務所による、沖縄・宮古島市の集合住宅「T_student dormitory」。海外や県外の生徒を受け入れる大学寮。様々な交流を促す存在を目指し、プライベートとパブリックの空間の“距離感”に重点を置く計画を志向。各階の中央に様々な機能を持つ“コモンスペース”を配置する構成を考案2階、共用廊下から「コモンスペース」側を見る。夜景 photo©Koji Fujii TOREAL

川嶋洋平建築設計事務所による、沖縄・宮古島市の集合住宅「T_student dormitory」。海外や県外の生徒を受け入れる大学寮。様々な交流を促す存在を目指し、プライベートとパブリックの空間の“距離感”に重点を置く計画を志向。各階の中央に様々な機能を持つ“コモンスペース”を配置する構成を考案1階平面図 image©川嶋洋平建築設計事務所

川嶋洋平建築設計事務所による、沖縄・宮古島市の集合住宅「T_student dormitory」。海外や県外の生徒を受け入れる大学寮。様々な交流を促す存在を目指し、プライベートとパブリックの空間の“距離感”に重点を置く計画を志向。各階の中央に様々な機能を持つ“コモンスペース”を配置する構成を考案2階平面図 image©川嶋洋平建築設計事務所

川嶋洋平建築設計事務所による、沖縄・宮古島市の集合住宅「T_student dormitory」。海外や県外の生徒を受け入れる大学寮。様々な交流を促す存在を目指し、プライベートとパブリックの空間の“距離感”に重点を置く計画を志向。各階の中央に様々な機能を持つ“コモンスペース”を配置する構成を考案3階平面図 image©川嶋洋平建築設計事務所
以下、建築家によるテキストです。
沖縄県宮古島市に設計した地上3階建て、全127室の大学寮の計画です。
新たな学部を開設する大学であり、県外はもちろん海外からの生徒も受け入れる想定として、生徒同士の様々なコミュニケーションを促すような大学寮を求められました。
敷地は校舎として利用される以前廃校になった中学校と隣接する、周辺が開けた環境でした。本計画では寮室としてのプライバシー空間とコミュニケーションが生まれるようなパブリック空間の距離感を主に検討しています。
建物の計画としては、周辺からのセキュリティを考慮し、敷地四方にプライバシーを確保した寮室を配置し、中央に地元の植栽を配した大きな中庭、コモンスペースと称したパブリックスペースを配置しました。
コモンスペースには各階ごとに共有キッチンルーム、共有スタディルーム、共有リビングを計画しています。寮室を13.5平米程度の最小限の個室とし、コモンスペースをLDKとすることで建物全体を自由に行き来するような計画としました。
また閉鎖的にならないように外部の共用廊下は要所で鉄骨柱を採用し、壁量を抑えることで風が通り、視線が抜けるように計画しています。風が抜け、季節、時間と共に表情を変える中庭が、人の気配のするコモンスペースと寮室のプライバシー空間を程よい距離感を作ってくれればと思います。
開校してしばらくして訪れると、寮室の扉は開いたまま、中庭ではBBQが行われ、植栽には洗濯物が干してあるような光景が見られました。とても自由な大らかな時間が流れる建築になってくれたように思います。
■建築概要
題名:T_student dormitory
所在地:沖縄県宮古島市
主用途:寄宿舎
意匠設計:株式会社川嶋洋平建築設計事務所 担当/川嶋洋平、笹川絵里
構造設計:多田脩二構造設計事務所 担当/深澤大樹
設備設計:常武電気工業(電気)、アールエスアール技研(機械)
施工:Co’z工房沖縄、新洋JV
構造:RC造
階数:地上3階
敷地面積:2883.29㎡
建築面積:915.81㎡
延床面積:2081.78㎡
設計:2022年4月~2022年10月
工事:2022年11月~2024年3月
竣工:2024年3月
写真:Koji Fujii / TOREAL