
SHARE 【ap編集長の建築探索】vol.011 坂田裕貴・若杉賢一・金田未来「バス停前の長屋」

「ap編集長の建築探索」は、23年の歴史ある建築ウェブメディア「アーキテクチャーフォト」の編集長である後藤連平が、訪問した建築を紹介する連載シリーズです。論考のようなかっちりとした形式ではなく、現地で感じた雰囲気や空気感が伝わるような“ライブ感”のある文体で綴ります。読者の皆様も自身が建築を体験するように読んでいただければ幸いです。
坂田裕貴・若杉賢一・金田未来「バス停前の長屋」
a.d.p / 坂田裕貴、WAO / 若杉賢一、&K architects / 金田未来の設計による都内の集合住宅を拝見した。
長屋形式の賃貸で、SOHO形式の住戸が3つあり、一階部分にワークスペースとなる部分があり、二階部分などが居住空間となっている。また、もう1住戸はオーナー向けとなっている。
まず特徴的なのは、その外観。
複数の戸建て住宅が組み合わさったような立体的なヴォリューム。三階建てのヴォリュームが抑えられ住宅と集合住宅の中間のような適度な存在感となっている。
また、凸凹するヴォリームに加えて、屋根にも見えるような斜行して金属板の仕上げの壁面が効いている。それは、ヴォリューム感の操作に影響を与えるだけでなく、巨大な屋根にも見えて周囲に対して友好的で親しみのある顔を作っていると感じた。
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内部に入ると、居住空間部分の窓から、自分たちの建物の一部が見え、その後ろに、向かいの建物がみえる。
自身の建物の一部が窓から見えることは、内外の連続感を作っていて、住戸の区画の外にまで所有感が延長している感覚があって良かった。
また、層状になっていて段階的に、周りの建築とつながっていく様子は、適切な距離感の作り方でもあるように感じた、、、!
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余談になるが、坂田さんはアーキテクチャーフォトで過去に作品を紹介させてもらっており、若杉さんは、数々の建築内覧会で出会っているという仲。また、金田さんは成瀬猪熊事務所勤務時代に名古屋の内覧会で案内をしてもらっている、、、!
様々な場所で知り合ったり出会ったりした方々が、更なる成長を遂げて建築を完成させて、それを見せて頂く機会が増えていて、本当に嬉しいことだし、ありがたいことであるとも感じた。
また、「学生時代からアーキテクチャーフォトを見てます!」と声をかけてもらえることも多々ある、、、!
建築界の変化や動きと伴走させてもらっている感覚があるし、これからも建築家の皆さんの活動と共にある建築メディアでありたいと改めて思った、、、!
お施主さん、坂田さん、若杉さん、金田さん、ご竣工おめでとうございます!!!
(訪問日:2026年2月21日)
後藤連平(ごとう れんぺい)
アーキテクチャーフォト編集長
1979年、静岡県磐田市生まれ。2002年京都工芸繊維大学卒業、2004年同大学大学院修了。組織設計事務所と小規模設計事務所で実務を経験した後に、アーキテクチャーフォト株式会社を設立。22年にわたり建築情報の発信を続けており、現在は、建築と社会の関係を視覚化するWebメディア「アーキテクチャーフォト」の運営をメインに活動。著書に『建築家のためのウェブ発信講義』(学芸出版社)など。

