SHARE BAKOKOによる3331 Arts Chiyodaでのインスタレーション”リビングルーム”
BAKOKOによる3331 Arts Chiyodaでのインスタレーション”リビングルーム”です。この作品は2010年8月29日まで見ることができます。
以下、作品に関するテキストです。
リビングルーム
通常、建物の価値とはその坪数・平米等の尺度で判断される。東京などの人口密度の高い都市では、できるだけ建蔽率ぎりぎりまでの大きさの建物を建てるのがあたりまえであるので、植物や菜園などの緑のスペースは2の次である。しかし、植物は私達の住環境に、とてつもない価値を与えてくれる。我々の呼吸が維持できるのも、植物のおかげである。暑い夏の間、照りつく太陽の日差しから我々を守ってくれる木陰や、多様な生物が育成できるのも植物のおかげである。言うまでもなく、我々の環境景観を美しく飾ってくれるのも、植物である。
緑の壁は、建物の最大限の面積を保ちながら、住環境に緑のスペースをもたらしてくれる。尚且つ、緑の壁は、我々が歩き回る視界を常に美しいものとしてくれる。 諸学校や 3331Chiyoda Artsにも見られる緑のカーテンは、通常は野外に設置されている一方、このBAKOKOの”Living Room”インスタレーションは、住まいやオフィスや様々な公共施設の中に、気軽に設置可能なインテリアグリーンカーテンとして、人々の住空間をより豊かなものとするのを目的にデザインされた。本当の意味での”Living Room”の創造である。このグリーンカーテンは、空気を吸って育つエアープラントを使用しているので、定期的に霧吹きで水を与えるだけで、土も必要なく育つので、メインテナンスも楽なのが特徴である。
このエアープランツは、スパニッシュモス(チランジアウスネオイデス)である。「モス」という名にかかわらず、苔(コケ)ではなく、樹木や岩石に着生する着生植物である。南アメリカや北米の東南エリアのかしの木や杉の木にぶら下がって生息する。土や根を必要とせず、葉から雨や空気中の水分を吸収して育つのが特徴である。 増殖の方法は、種と風や鳥によって切断された葉の一部が、木に定着して増えていく事が可能である。