SHARE 中村竜治、中山英之、永山祐子、長坂常らによる”LLOVE”の写真
永山祐子による部屋。photo©Masanori Ikeda(Yukai)
中村竜治、中山英之、永山祐子、長坂常、リチャード・ハッテン、ヨープ・ファン・リースハウト、ピーケ・バーグマンス、ショルテン&バーイングスが参加した”LLOVE“の写真です。ここでは、各客室の写真を紹介します。”LLOVE”についてはこちらをどうぞ。
photo©Takumi Ota
永山祐子
BURIED うずもれる
一度解体され廃墟のようになった場所が木や家具もろとも白い砂利で埋められます。街に白い雪が降ったみたいにその場所は瞬間的に一変します。時間的な差も物質的な差異もニュートラルにつながっていきます。砂利は歩きにくいかもしれないけれど、なんとなくそこで過ごすうちにうまく歩けるようになるかもしれない。まるで自然の中でキャンプするみたいにその場所にだんだん人がなじんでいきます。場所が人になじむのではなく、人がなじんでいく部屋。それはもしかしたら皆が持っているけれど、普段は出てこない隠された野生を引き出してくれるかもしれません。
中山英之による部屋。photo©Masanori Ikeda(Yukai)
photo©Takumi Ota
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中山英之
LITTLE BIG ROOM 少しだけ大きな部屋
わたしたちは、もともとそこにあった古びた和室の複製をひとつ作りました。複製なので、もちろん柱の傷から天井の染みまで、元の部屋とまったくいっしょです。ただ唯一、複製の方がほんの少しだけ大きくなってしまいました。その少しだけ大きな複製を、もとの部屋の中に入れてみました。大きなものを小さなものの中に入れるのだから、当然しわが寄ってしまいました。でも、それはまちがいなく、元の部屋よりほんの少し大きくなった部屋です。何が部屋をふくらませたのでしょうか。愛? きっとそうだと思います。
中村竜治による部屋。photo©Masanori Ikeda(Yukai)
photo©Takumi Ota
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中村竜治
POND 池
もとの和室の設えはそのままにし、部屋を上下に区切る床を付け足しました。その床は特殊なつくり方でできています。伸縮性があり、伸ばしたり通り抜けられたりします。自由に面白い使い方を考え、たくさん想出写真を撮って帰ってください。
長坂常による部屋。photo©Masanori Ikeda(Yukai)
photo©Takumi Ota
photo©Takumi Ota
長坂常
ROTATING BED 回転ベッド
江戸時代の日本では貿易といっても限定された貿易で、1641年以降は長崎に埋立地としてつくられた出島のみでの貿易が許され、オランダ商館が建てられ、両国は取引を開始した。幕府はオランダ船が入港するたびに唯一の西欧を知る情報ということで、オランダの生活や文化、科学技術にいたるまで事細かに情報提供を要求した。その記録が世にいうオランダ風説書だ。その中に描かれていた歯車の一枚の設計図が後に江戸の裏文化に強い影響を与えたことはいうまでもない。それから、約400年経過したいまその風説書に書かれた図を元に、幻の空間がよみがえる。
ヨープ・ファン・リースハウトによる部屋。photo©Masanori Ikeda(Yukai)
photo©Takumi Ota
ヨープ・ファン・リースハウト
FERTILITY 繁殖
この心配のいらない安息の場所では、まるで私たちの最初の故郷である子宮のなかにいるようにリラックスすることができる。全体に広がる柔らかな線とかたちによって、これ以上ないLLOVEの体験が生まれる。
ショルテン&バーイングスによる部屋。photo©Masanori Ikeda(Yukai)
photo©Takumi Ota
photo©Takumi Ota
ショルテン&バーイングス
RE-CREATION 再生
ラブホテルとは、日本のセックスの約半分が執り行われる建物、すなわち、この国のほとんどの子孫がそこで授けられてきたということ。展開図をもらったとき、小さな部屋なのでシングルルームのデザインをすると勘違いをしました。そこから、人工授精についてのアイデアが浮かんで来たのです。あなたがシングルで、子供が欲しくなったらどうする? もしくは、あなたが幸せな夫婦で、けれども子供がなかなかできない場合は? 再生。
ピーケ・バーグスマンによる部屋。photo©Masanori Ikeda(Yukai)
photo©Takumi Ota
ピーケ・バーグマンス
in LLOVE! 愛の中に
部屋の中心となる存在は、明かり。目に見えて
いてもいなくても、私たちはいつでも光を感じ
る。多くの伝説で、落日や月光は神秘的で感
情的な役割をはたしてきた。部屋の中にある
ものたちは、奇妙な行動をとる。ベッドは壁を
よじ上ろうとして、椅子は必死にその体をのば
しテーブルに触れようとする。照明たちは絡ま
り合い、歯ブラシは完全に1つになる。でも、
LLOVE Hotelに何を求めましょう。すべては
恋に落ちてしまったのですから!
リチャード・ハッテンによる部屋。photo©Takumi Ota
リチャード・ハッテン
LAYERS レイヤー
この部屋では、感情の旅をきっと目にします。7つ星ホテルの部屋。心地よさに星3つ、そこでの体験に残りの星4つ。部屋の真ん中には、ハッテンの「レイヤー」コレクションの1つである「プリンセス・オン・ザ・ピー(=エンドウ豆の上に寝たお姫様)」ベッドが置かれています。そこで人は眠り、休みます。と同時に、ベッドはテーブルや収納としても機能。ベッドは、部屋の記憶を彷彿とさせる、特別なカーペットタイルで周りを囲まれています。壁はさまざまな種類のテープで覆われ、いくつかはこの部屋のために特別に制作されたもの。ほかは全部肌色。ここは、あまり急いでいない旅行者にまさにぴったりな部屋なのです。