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青木淳による広島の「(仮称)三次市民ホール」プロポーザルの最優秀賞案の画像とテキスト
サムネイル:青木淳による広島の「(仮称)三次市民ホール」プロポーザルの最優秀賞案の画像とテキスト

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劇場広島論考青木淳

aokisama-miyoshi.jpg

青木淳による広島の「(仮称)三次市民ホール建設設計業務公募型プロポーザル」の最優秀賞案の画像とテキストです。審査公表はこちらで見ることができます。

aokisama-miyoshi02.jpg
以下、建築家によるテキストです。


1. 市民がにぎわう、市民が主役の、文化の街角
いつ行っても、いろいろな場所でいろいろなことが行われていて、それに参加したくなる空間。市民がにぎわう、市民が主役の、文化の街角。これが私たちの提案する「三次市民ホール」です。
「三次市民ホール」が、1000人規模の大きな公演が開催されたとき、この場が華やかに輝くことは言うまでもありません。しかし、そうした特別な日でなくとも、ここではいつでも、音楽や演劇を中心とした三次市民のさまざまな活動が繰り広げられます。神楽、和太鼓、日本舞踊の稽古、祭りの準備、創作合唱オペラ「いのうもののけ」の練習、それらに付随する大道具や小道具の制作など、また楽器、ダンス、発声の練習や、いや舞台芸術に限らず、三次人形、灯籠の制作や、さらには、料理の会や、お茶の会、青年会の寄り合い、消防団の訓練。三次市民のそれぞれがもっている「文化」が、ここで引き出され、育てられ、伝えられる。施設というより、小さな街のような空間。いろいろな人に出会える、そんな仕掛けがいっぱい詰まった空間。私たちは、「文化」のそんな孵化器としての「三次市民ホール」を提案します。
2. 「表」と「裏」の区分けを流動的にする、基本骨格としての回廊
「市民がにぎわう、市民が主役の、文化の街角」であるためには、表と裏の区分けが流動的であることが大切です。たとえば、大規模な巡回公演のときには、楽屋は興行者に専有されますから、一般市民はそこから締め出されます。興行者は楽屋という「裏」に、市民は客席側という「表」に明確に二分されます。しかし、楽屋の空間がいつも「裏」で、そこを日常的に市民が使えないとしたら、それは非常にもったいないことです。楽屋は、市民の小さな集まりに最適な空間だからです。
そこで、「表」と「裏」の空間をあらかじめ用意しておくのではなく、それぞれサイズや個性が異なるさまざまな空間を用意し、まずは、それらを巡ることができるような回廊を基本骨格として設けます。日常的には、市民はこの回廊を巡ることで、迷うことなく、簡単に目指す部屋に行くことができます。そして、この「小さな街」の目抜き通りである回廊の運用方法によって、たやすく、「街」を好きなように「表」と「裏」に分けて使用することができるようにします。
3. 「小さな街」を水害時に守る駐車スペース
「小さな街」は、敷地の中央にあって、地上5mの高さに持ち上げられています。その下には、300台の駐車スペースが、もっとも効率的かつコンパクトな配置で設けられています。周辺の土地と「小さな街」との間には、緑豊かな緑地帯が生み出されています。大きな公演の終演後には、いっせいに自動車のエンジンがかかります。この緑地帯は、その騒音から、周辺の住民を守る緩衝帯として機能するだけでなく、周辺住民の散歩道ともなります。
日常的には、駐車する車は300台よりずっと少なくなります。空いた駐車スペースは、この利用する市民の創意工夫で使用できる「小さな街」の「余地」になります。大道具の制作、ダンスの練習、発声練習など、さまざまな仮設的利用が繰り広げられることでしょう。
駐車スペースは、現況地盤から1.5m掘り込まれて、設けられています。そのため、周辺との音の遮蔽に優れているだけでなく、集中豪雨時などに、周辺を水害から守るための調整池として機能します。
また、私たちは、災害はいつでも起こりえるということを前提にして、こうした公共施設は設計されるべきと考えていますが、浸水深さが5mを超える水害が想定されているこの土地において、このようなかたちで駐車スペースを設け、施設全体と「人口土地」として地盤面から持ち上げることは、その意味でも、理にかなっていると考えます。

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青木淳が広島の「三次市民ホール」を設計する際に考えていた事
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2011.10.26 Wed 16:50
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    原研哉の新しい書籍『日本のデザイン―美意識がつくる未来』
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    原研哉の新しい書籍『日本のデザイン―美意識がつくる未来』がamazonで発売されています

    原研哉の新しい書籍『日本のデザイン―美意識がつくる未来』がamazonで発売されています。

    まさしく歴史的な転換点に立つ日本。大震災を経て、とりわけ経済・文化活動のあらゆる側面において根本的な変更をせまられる今、この国に必要な「資源」とは何か? マネーではなく、美を、幸福を、誇りを得るために、立ち戻るべきは「感受性」である──。つねに「ものづくり」の最先端をリードしてきた著者が、未来への構想を提示する。

    日本のデザイン――美意識がつくる未来 (岩波新書)
    原 研哉
    4004313333

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    2011.10.26 Wed 15:26
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    old book『イサム・ノグチ 空間の研究』

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    古書『イサム・ノグチ 空間の研究』がアーキテクチャーフォトブックスで販売されています

    古書『イサム・ノグチ 空間の研究』がアーキテクチャーフォトブックスで販売されています。詳しい概要や状態はリンク先をご確認ください。

    彫刻家のイサム・ノグチの空間の仕事に着目した研究書。
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    著者のアナ・マリア・トーレスはスペイン・マドリッド建築大学にてイサム・ノグチの研究で博士号を取得した建築家です。
    非常に見ごたえ、読み応えのある一冊。

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    2011.10.26 Wed 14:46
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    KUUの佐伯聡子とK.M.Tanと成瀬・猪熊建築設計事務所の成瀬友梨と猪熊純によるシンポジウムが開催[2011/11/10]

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    レクチャー

    KUUの佐伯聡子とK.M.Tanと成瀬・猪熊建築設計事務所の成瀬友梨と猪熊純によるシンポジウムが開催されます

    KUUの佐伯聡子とK.M.Tanと成瀬・猪熊建築設計事務所の成瀬友梨と猪熊純によるシンポジウム「日本の都市空間2011 若手建築家による50の提案」が開催されます。開催日は2011年11月10日です。場所は吉岡ライブラリー。

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    2011.10.26 Wed 11:55
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    光嶋裕介による内田樹の道場兼住宅「凱風館」のオープンハウスが開催[2011/11/12]

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    光嶋裕介による内田樹の道場兼住宅「凱風館」のオープンハウスが開催されます

    光嶋裕介による内田樹の道場兼住宅「凱風館」のオープンハウスが開催されます。開催日は2011年11月12日で、事前申込制だそうです。詳しくはリンク先でどうぞ。この建築の設計などの様子は「ほぼ日刊イトイ新聞」で連載されています。

    この度、神戸に思想家・内田樹氏の道場(合気道)兼住宅が完成します。設計は、自身はじめての建築である光嶋裕介によるものです。施主である内田先生のご厚意でオープンハウスを企画させてもらいました。施工者である中島工務店主催の下、下記の予定で完成披露記念イベントを行いたいと思いますので、お申し込みの上、どうぞお越し下さい。たくさんの物語が詰まった迫力の建築空間を体験しに来てください!

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    青木淳によるコラム「すべての建築は道から進化した」

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