SHARE id+fr / 伊庭野大輔+藤井亮介によるインスタレーション「A Full-course Table」
以下、建築家によるテキストです。
“A Full-course Table”
無数の皿をつなぎ合わせて作られたテーブルに、食事の風景や様々な映像を投影するインスタレーション。「食べる」という直接的な行為ではなく、食の器から広がる新たな「食のかたち」を提案する。
中国では客人をもてなす際にテーブルいっぱいに食事を並べる風習がある。また西洋のフルコース料理においては皿の数がそのランクを示すように、お皿が多さは食の豊かさを示す指標ともいえる。ここでは無数のお皿だけでできたテーブルを、コンテナの形に合わせて西洋の長テーブルのようなフォルムで製作した。皿はなるべく隙間がないように配置し、皿同士がくっついた接点にのみフレームを入れていくことで、お皿の円をボロノイ領域としたときのドロネー三角形のような構造体となり、真上からはほとんどお皿しか見えないような構造としている。
また、お皿に実際に食事を載せるのではなく、お皿をスクリーンと見立てて、上から食事中の映像を投影することによって、食事の空間をここに再現しようと考えた。具体的には一度別の場所で食事会を行い、その準備から乾杯、ご飯を食べてすべて平らげるまでを上から動画で撮影をした。その時のお皿の配置を正確に再現し、プロジェクターでその動画を皿面の同じ位置に再度投影することで、まるで幽霊によって食事会が行われているかのような空間を作り出している。
“A Full-course Table” projects scenes of meals and other various images onto a table made from countless interconnected plates.
This installation proposes a new vision of “food” through plates.
設計:id+fr/伊庭野大輔+藤井亮介
DESIGN:id+fr / Daisuke IBANO + Ryosuke FUJII